クラスタでグリッド・ネーミング・サービスへドメイン委任するためのDNSの構成

委任されたドメインでグリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用する場合は、Oracle Grid Infrastructureのインストール前に、GNSが提供するサブドメイン(クラスタ・メンバー・ノード)に対する名前解決要求がGNSへ送信されるよう、ドメイン・ネーム・サーバー(DNS)を構成します。

GNSのドメイン委任は、動的パブリック・ネットワーク(DHCP、自動構成)では必須です。GNSのドメイン委任は、静的パブリック・ネットワーク(静的アドレス、手動構成)では必要ありません。
次に、ドメインを委任するために実行する必要のある手順の概要を示します。実際の手順はこの例と異なる場合があります。

委任を使用してGNS名前解決要求を送信するようにDNSを構成します。

  1. DNSでGNS仮想IPアドレスのエントリを作成します。アドレスの書式はgns-server.clustername.domainnameです。たとえば、クラスタ名がmyclusterで、ドメイン名がexample.comで、IPアドレスが192.0.2.1の場合、次のようなエントリを作成します。

    mycluster-gns-vip.example.com  A  192.0.2.1

    指定したアドレスは、ルーティング可能である必要があります。

  2. GNSでGNSサブドメインへのアドレスを解決できるように、GNS仮想IPアドレスへのGNSサブドメインの転送を設定します。これには、委任されたドメインに対して次のようなBIND構成エントリを作成します。cluster01.example.comは、委任するサブドメインです。

    cluster01.example.com  NS  mycluster-gns-vip.example.com
  3. GNSを使用する場合、クラスタ内のノードのresolve.conf(または解決情報を提供するシステムのファイル)を構成し、組織のDNSサーバーに解決可能なネーム・サーバーのエントリを追加する必要があります。オプションの試行回数(リトライ回数)とオプションのタイムアウト(指数バックオフ)を組み合せた合計タイムアウト時間の構成は、30秒以下にすることをお薦めします。たとえば、xxx.xxx.xxx.42xxx.xxx.xxx.15がネットワーク内で有効なネーム・サーバーのアドレスである場合、/etc/resolv.confに次のようなエントリを入力します。

    options attempts: 2
    options timeout: 1
    
    search cluster01.example.com example.com
    nameserver xxx.xxx.xxx.42
    nameserver xxx.xxx.xxx.15

    /etc/nsswitch.confによって、ネーム・サービスの参照順序が制御されます。一部のシステム構成では、ネットワーク情報システム(NIS)によってSCANアドレス解決に問題が発生することがあります。NISエントリは、検索リストの最後に配置することをお薦めします。次に例を示します。

    /etc/nsswitch.conf
         hosts:    files   dns   nis
ホスト名およびユーザー名の解決が失敗する可能性があるため、NISを使用することがケーブルのプル・テストを実行するときの問題の原因になることがあることに注意してください。