9.2.2 Oracle拡張クラスタについて

Oracle拡張クラスタは、サイトと呼ばれる複数の場所に配置されるノードで構成されます。

Oracleスタンドアロン・クラスタをデプロイする場合、クラスタをOracle拡張クラスタとして構成することを選択することもできます。2つ以上の地理的に離れたサイトに、それぞれに固有の記憶域を備え付けてOracle RACクラスタを拡張できます。サイトの1つに障害が発生した場合、他のサイトがアクティブ・スタンバイとして機能します。

Oracle ASMとOracle Databaseスタックの両方が、通常は、データ・センター内のエンタープライズクラスの共有記憶域を使用するように設計されています。ただし、ファイバ・チャネル・テクノロジによって、コンピュート・リソースおよび記憶域リソースを2つ以上のデータ・センターに分散させ、Ethernetケーブルおよびファイバ・チャネルを介してコンピュートおよび記憶域の必要に応じてそれらをそれぞれ接続できます。

Oracle Grid Infrastructureのインストール時にOracle拡張クラスタを構成できます。また、これは、インストール後にConvertToExtendedスクリプトを使用して行うこともできます。CRSCTLを使用してOracle拡張クラスタを管理します。

標準冗長ディスク・グループを使用してOracle拡張クラスタをデプロイすることをお薦めします。ノードおよび障害グループをサイトに割り当てることができます。サイトには障害グループが含まれ、障害グループにはディスクが含まれます。標準冗長ディスク・グループの場合、ディスク・グループで提供される障害保護のレベルは1つであり、サイトまたは障害グループのいずれかの障害を許容できます。

Oracle拡張クラスタの冗長レベルを選択するとき、次の条件が適用されます。

表9-1 Oracle拡張クラスタのOracle ASMディスク・グループ冗長レベル

冗長レベル OCRおよび投票ファイル・ディスク・グループの数 OCRバックアップおよびGIMRディスク・グループの数
標準冗長性 データ・サイトごとに1つの障害グループ、1つの定数障害グループ データ・サイトごとに1つの障害グループ
フレックス冗長性 データ・サイトごとに1つの障害グループ、1つの定数障害グループ 3つの障害グループ、サイト当たり1つの障害グループ
高冗長性 サポートされていません 3つの障害グループ、サイト当たり1つの障害グループ