10.1.2 Windowsファイアウォールの例外の構成

Windowsファイアウォール機能がクラスタの1つ以上のノードで有効になっている場合、ほぼすべてのTransmission Control Protocol (TCP)ネットワーク・ポートが着信接続に対してブロックされます。

Windowsファイアウォールの例外を構成していない場合、TCPポート上で着信接続をリスニングするOracle製品はすべて、これらのどの接続要求も受信せず、これらの接続を行っているクライアントはエラーを報告します。使用するシステムが次の条件をすべて満たす場合は、Windowsファイアウォールに例外を構成する必要があります。

  • Oracleサーバー側のコンポーネントが、サポートされているMicrosoft Windowsバージョンを実行しているコンピュータにインストールされている。コンポーネントのリストにはOracle Database、Oracle Grid Infrastructure、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)、ネットワーク・リスナー、Webサーバーまたはサービスが含まれています。

  • 問題になっているWindowsコンピュータが、ネットワーク上の他のコンピュータからの接続を受け入れる。他のコンピュータがOracleソフトウェアにアクセスするためにWindowsコンピュータに接続することがない場合、インストール後の構成手順は必要なく、Oracleソフトウェアは予想どおりに機能します。

  • 問題になっているWindowsコンピュータが、Windowsファイアウォールを実行するように構成されている。Windowsファイアウォールが有効になってない場合、インストール後の構成手順は必要ありません。

前述のすべての条件が満たされている場合は、Oracleソフトウェアに対して正常に受信接続できるようにWindowsファイアウォールを構成する必要があります。Oracleソフトウェアが接続要求を受け入れることを可能にするには、ファイアウォールの特定の静的TCPポートを開くか、または選択したポートへの接続要求を受信できるように特定の実行可能ファイルの例外を作成して、Windowsファイアウォールを構成する必要があります。

  • 次の方法の1つを使用して、ファイアウォールを構成します。
    • Windowsファイアウォール・アプリケーションを起動して、「例外」タブを選択します。「プログラムの追加」または「ポートの追加」をクリックして、Oracleソフトウェアの例外を作成します。

    • コマンド・プロンプトから、netsh firewall add...コマンドを使用します。

    • フォアグランド・アプリケーションがポートをリスニングしようとしていることがWindowsから通知されたときに、その実行可能ファイルの例外を作成できます。この方法で例外を作成した場合、コントロール パネルまたはコマンドラインから実行可能ファイルの例外を作成した場合と同じ効果があります。

次の項では、WindowsのTCPポートをリスニングするOracle Database 11gリリース2 (11.2)の実行可能ファイルと、その実行可能ファイルの簡単な説明を示します。それらの実行可能ファイルが使用中で、リモート・クライアント・コンピュータからの接続を受信している場合は、適切な処理が行えるように、それらをWindowsファイアウォールの例外リストに追加することをお薦めします。また、複数のOracleホームを使用している場合は、oracle.exeなどの同じ実行可能ファイルのためにファイアウォールの例外を複数回(実行可能ファイルがロードされる各ホームに1つ)作成する必要があります。