1.4 Oracle Grid Infrastructureのネットワークのチェックリスト

インストール要件でクラスタに必要なハードウェア、名前およびアドレスがあることを確認します。

インストール中、パブリック、プライベート、またはOracle ASMインタフェースとして使用するインタフェースを指定します。また、他の目的に使用され、Oracle Grid Infrastructureインタフェースには使用できないインタフェースを指定することもできます。

表1-4 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのネットワーク構成作業

チェック内容 タスク

パブリック・ネットワーク・ハードウェア

  • パブリック・ゲートウェイおよび各クラスタ・メンバー・ノードのパブリック・インタフェース・ポートに接続されるパブリック・ネットワーク・スイッチ(冗長スイッチを推奨)。

  • イーサネット・インタフェース・カード。

    推奨される冗長ネットワーク・カード。これらが1つのイーサネット・ポート名として表示されるようNICチーミングを使用します。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェース・カードは、1GbE以上である必要があります。

  • ネットワーク・プロトコルはUDPおよびTCP/IPです。

インターコネクト用のプライベート・ネットワーク・ハードウェア

  • 各クラスタ・メンバー・ノードのプライベート・インタフェース・ポートに接続される、専用のプライベート・ネットワーク・スイッチ(1つのイーサネット・ポート名として表示されるようNICチーミングを使用した冗長スイッチを推奨)。

  • スイッチおよびネットワーク・インタフェース・アダプタは1GbE以上である必要があり、推奨は10GbEです。かわりに、インターコネクトにInfiniBandを使用することもできます。

  • インターコネクトでユーザー・データグラム・プロトコル(UDP)がサポートされている必要があります。

Windows固有のネットワーク構成タスクの実行

  • TCP/IPのメディア検出機能を無効化します。メディア検出機能では、ローカル・スイッチへのリンクが失われた際に、ネットワーク・インタフェース・カードとIPアドレスを切り離すことができます。

  • パブリック・ネットワーク・インタフェース用DNSへの自動登録の選択を解除します。Windows Server で、サーバー再起動後に、ノードに対する誤ったIPアドレスがDNSに登録されないようにするには、パブリック・ネットワーク・アダプタの「この接続のアドレスをDNSに登録する」オプションを構成解除する必要があります。

  • 自動メトリック値を手動で構成します。自動メトリック機能は、リンク・スピードに基づいてローカル・ルートのメトリックを自動的に構成します。この機能のデフォルト値を使用する場合、Oracle Grid Infrastructureのインストール時にサーバーのデフォルトのパブリック・ホスト名としてプライベート・ネットワーク・インタフェースが選択される場合があります。

    バインド順序の1番目がパブリック・ネットワーク・アダプタ、2番目がプライベート・ネットワーク・アダプタであることを確認します。

Oracle Flex ASMのネットワーク・ハードウェア

Oracle Flex ASMでは、Oracle Clusterwareと同じプライベート・ネットワークか、独自の専用プライベート・ネットワークを使用できます。各ネットワークは、パブリック、プライベートとASM、プライベート、ASMのいずれかに分類できます。Oracle ASMネットワークではTCPプロトコルが使用されます。

クラスタの名前およびアドレス

クラスタの次の名前およびアドレスを決定して構成します。

  • クラスタ名: クラスタの名前を決定し、インストール時に入力できるようにしておきます。クラスタ名は次の特性を持つ必要があります。

    • DNSドメインが異なる場合も含め、すべてのホスト間でグローバルに一意である。

    • 長さが1文字から15文字であること。

    • RFC 1123に準拠して、ホスト名に使用されるキャラクタ・セット(ハイフン(-)およびシングルバイト英数字(aからz、AからZ、および0から9)を含む)と同じキャラクタ・セットで構成されている。

  • グリッド・ネーミング・サービスの仮想IPアドレス(GNS VIP): GNSを使用する場合は、GNS VIP用にDNSでGNS名および固定アドレスを構成し、クラスタ・アドレスの解決のためにGNS VIPに委任されるサブドメインをDNSで構成します。GNSのドメイン委任は、動的パブリック・ネットワーク(DHCP、自動構成)では必須です。

  • 単一クライアント・アクセス名(SCAN)およびアドレス:

    • グリッド・ネーミング・サービスの解決の使用: DNSでSCANの名前およびアドレスを構成しないでください。SCANはGNSによって管理されます。

    • 手動構成およびDNS解決の使用: ドメイン・ネーム・サービス(DNS)で3つのアドレスに解決されるSCAN名を構成します。

ハブ・ノードのパブリック、プライベートおよび仮想IP名およびアドレス

グリッド・ネーミング・サービス(GNS)を使用するクラスタを構成する場合、パブリック・ホスト名および仮想ホスト名のアドレスは自動的に構成されるため、OUIはこれらのアドレスにAUTOと表示します。このオプションを使用するには、DNS上に、解決がGNSに委任されるサブドメインを構成する必要があり、かつ、委任されたサービス・リクエストをルーティングできる固定GNS VIPアドレスが必要となります。

GNSを使用していない場合は、ハブ・ノードごとに次を構成します。

  • パブリック・ノード名およびアドレス: DNSおよびhostsで構成します(例: node1.example.com、アドレス192.0.2.10)。パブリック・ノード名は、各ノードのプライマリ・ホスト名(hostnameコマンドによって表示される名前)である必要があります。

  • プライベート・ノード・アドレス: 各ノードのプライベート・インタフェースで構成します。インストーラは、デフォルトでプライベートの範囲内のアドレスをプライベートIPアドレスとして識別します。たとえば、10.0.0.10などです。

    プライベート・インタフェースが使用するプライベート・サブネットは、クラスタ・メンバーにする予定のすべてのノードに接続する必要があります。プライベート・ネットワークに選択するネットワークでは、RFC1918でプライベートとして定義されているアドレス範囲を使用することをお薦めします。

  • パブリック・ノードの仮想IP名およびアドレス(例: node1-vip.example.com、アドレス192.0.2.11)。

    GNSおよびサブドメイン委任による動的ネットワークを使用していない場合は、各ノードの仮想ホスト名を決定します。仮想ホスト名は、パブリック・ノード名で、ノードが停止している場合にノードに送信されるクライアントの要求を再ルーティングするために使用されます。Oracle Databaseでは、クライアントとデータベース間の接続にVIPを使用するため、VIPアドレスはパブリックにアクセス可能である必要があります。名前は、hostname-vip形式で指定することをお薦めします。たとえば、myclstr2-vipです。