用語集
アクセス制御リスト
管理者が定義するアクセス・ディレクティブのグループ。ディレクティブは、特定のクライアント、クライアント・グループまたはその両方に対して特定のデータへのアクセスのレベルを付与します。
Advanced Encryption Standard
Advanced Encryption Standard(AES)は、National Institute of Standards and TechnologyによってDESを置換するものとして承認された新しい暗号アルゴリズムです。AES標準は、Federal Information Processing Standards Publication 197で使用可能です。AESアルゴリズムは、128、192および256ビットの長さの暗号鍵を使用して、128ビットのデータ・ブロックを処理できる対称型ブロック暗号です。
属性
LDAPディレクトリ内のエントリの性質を説明する情報項目。エントリは属性のセットから構成され、それぞれの属性がオブジェクト・クラスに属する。さらに、各属性にはタイプと値があり、タイプは属性の情報の種類を説明し、値には実際のデータが格納されています。
認証
コンピュータ・システムのユーザー、デバイスまたはその他のエンティティの識別情報を検証するプロセスであり、システムのリソースへのアクセス権を付与するための前提条件となることが多いです。認証されたメッセージの受信者は、そのメッセージの発信元(送信側)を確認できます。認証は、第三者が送信者を装っている可能性を排除するものとみなされます。
認証方式
分散環境のユーザー、クライアントまたはサーバーの識別情報を検証するセキュリティ方式。ネットワーク認証方式では、ユーザーにシングル・サインオン(SSO)の利点も提供できる。Oracle Advanced Securityがインストールされている場合は、Oracle Databaseで次の認証方式がサポートされる。
認可
オブジェクトまたはオブジェクトのセットにアクセスするためにユーザー、プログラムまたはプロセスに付与される権限。Oracleでは、認可はロール・メカニズムを通じて行われます。1人のユーザーまたはユーザー・グループに対して、1つのロールまたは一連のロールを付与できます。また、ロールに他のロールを付与することもできます。認証されたエンティティが利用できる権限のセット。
自動ログイン・ウォレット
アクセス時に資格証明を提供せずにサービスへのPKIベースまたはパスワードベースのアクセスを可能にするOracle Wallet Managerの機能。自動ログイン・アクセスは、自動ログイン機能がウォレットに対して無効になるまで有効です。ファイル・システム権限は、自動ログイン・ウォレットに必要なセキュリティを提供します。ウォレットに対して自動ログインが有効になっている場合は、そのウォレットを作成したオペレーティング・システム・ユーザーのみ、そのウォレットを使用できます。これらはシングル・サイン・オン機能を提供するため、SSOウォレットと呼ばれることもあります。
セル・ディレクトリ・サービス
外部ネーミング・メソッドの1つ。このサービスを使用すると、ユーザーはOracleのツール製品を透過的に使用でき、アプリケーションでは分散コンピューティング環境(DCE)にあるOracle Databaseデータベースにアクセスできます。
証明書
識別情報を公開鍵に安全にバインドするITU x.509 v3標準データ構造。
証明書は、信頼できる識別情報(認証局)によってエンティティの公開鍵が署名されたときに作成されます。証明書は、エンティティの情報が正しく、公開鍵が実際にそのエンティティに属することを保証します。
証明書にはエンティティの名前、認証情報および公開鍵が含まれます。また、証明書に関する権利、ユーザーおよび権限についてのシリアル番号、有効期限、その他の情報が含まれる場合もあります。さらに、発行元の認証局についての情報も含まれます。
認証局
他のエンティティ(ユーザー、データベース、管理者、クライアント、サーバー)が本物であることを証明する、信頼できる第三者。ユーザーを証明するとき、認証局は最初にそのユーザーが証明書失効リスト(CRL)に掲載されていないことを確認してからそのユーザーのアイデンティティを検証し、証明書を付与し、認証局の秘密鍵を使用してその証明書に署名します。認証局には自身の証明書と公開鍵があり、公開されています。サーバーおよびクライアントは、これらを使用して認証局の署名を検証します。認証局は、証明書サービスを提供する外部の会社の場合や、企業のMIS部門のような内部の組織の場合があります。
証明書リクエスト
認証リクエスト情報、署名アルゴリズム識別子および認証リクエスト情報に対するデジタル署名の3つの部分から構成される証明書リクエスト。認証リクエスト情報は、対象の識別名、公開鍵およびオプションの属性セットから構成される。属性では、対象の識別情報に関する郵便の宛先などの追加情報、または対象エンティティが後で証明書失効を要求するためのチャレンジ・パスワードを提供できる。「PKCS #10」を参照。
証明書失効リスト
(CRL)失効した証明書のリストを含む署名付きデータ構造。CRLの信頼性と整合性は、CRLに付加されているデジタル署名によって提供される。通常、CRLの署名者は、発行された証明書に署名したエンティティと同じである。
チェックサム
メッセージ・パケットに含まれているデータに基づいてメッセージ・パケットの値を計算し、その値をデータとともに渡して、データが書き換えられていないことを認証するメカニズム。データの受信者は暗号チェックサムを再計算して、それをデータとともに送られた暗号チェックサムと比較します。これらが一致している場合は、データが送信中に書き換えられなかったことの確率的な証明になります。
暗号ブロック連鎖
暗号化方式の1つ。先行するすべてのブロックに従って暗号ブロックの暗号化を行い、ブロック再生攻撃からデータを保護する。許可されていない復号化が段階的に困難になるように設計されている。Oracle Advanced Securityでは、外部暗号ブロック連鎖が使用されています。これは、内部暗号ブロックよりも安全性が高く、実質的なパフォーマンスの低下を伴わないためです。
暗号スイート
ネットワーク・ノード間でメッセージを交換するために使用される認証、暗号化およびデータ整合性のアルゴリズムのセット。たとえば、SSLハンドシェイク中に2つのノードがネゴシエーションして、メッセージの送受信中に使用する暗号スイートを確認します。
接続記述子
特別にフォーマットされた、ネットワーク接続のための宛先の記述。接続記述子には、接続先のサービスおよびネットワーク・ルート情報が含まれます。接続先サービスは、Oracle9i またはOracle8i データベースのサービス名か、Oracleデータベース・リリース8.0のOracle システム識別子(SID)を使用して指定されます。ネットワーク・ルートは、少なくとも、ネットワーク・アドレスを使用してリスナーの場所を示します。「接続識別子」を参照。
接続識別子
接続記述子または接続記述子にマップされる名前。接続識別子は、ネット・サービス名、データベース・サービス名、ネット・サービス別名のいずれかである。ユーザーは、接続するサービスの接続文字列で接続識別子とともにユーザー名とパスワードを渡すことにより、接続リクエストを開始する。
CONNECT username@connect_identifier Enter password:
CRL配布ポイント
(CRL DP) X.509バージョン3証明書標準で指定されるオプションの拡張子であり、証明書の失効情報が格納される区分CRLの位置を示します。通常、この拡張子の値はURLの形式です。CRL DPによって、1つの認証局ドメイン内の失効情報を複数のCRLにポストできます。CRL DPによって、失効情報はより管理しやすい部分に細分化され、CRLが膨大に増加するのが回避されるため、パフォーマンスが向上します。たとえば、CRL DPを証明書に指定し、その証明書の失効情報をダウンロードできる、Webサーバー上のファイルを指すようにできます。
データベース管理者
(1) Oracleサーバーまたはデータベース・アプリケーションを操作および管理する個人。(2) DBA権限を付与され、データベース管理機能を実行できるOracleユーザー名。通常、これら2つを同時に意味します。多くのサイトには複数のDBAがいる。(3)OracleDBAdminsディレクトリ管理グループのメンバーであり、ディレクトリ内の特定のデータベース・エントリのデータベース・ユーザー・スキーマ・マッピングを管理する。Database Configuration Assistantは、ディレクトリにデータベースを登録するユーザーを、登録されるデータベースのOracleDBAdminsグループの最初のメンバーとして自動的に追加する。
データベース・インストール管理者
データベース作成者とも呼ばれる。この管理者は、新規データベースの作成を担当する。この作業には、Database Configuration Assistantを使用したディレクトリへの各データベースの登録が含まれる。この管理者は、データベース・サービス・オブジェクトおよび属性に対する作成および変更のアクセス権を持つ。この管理者は、デフォルトのドメインも変更できる。
データベース・リンク
ローカル・データベースまたはネットワーク定義に格納されるネットワーク・オブジェクトであり、リモート・データベース、そのデータベースへの通信パスおよびオプションでユーザー名とパスワードを識別します。定義された後、データベース・リンクはリモート・データベースへのアクセスに使用されます。
あるデータベースから別のデータベースへのパブリックまたはプライベート・データベース・リンクは、DBAまたはユーザーによってローカル・データベースに作成されます。
グローバル・データベース・リンクは、Oracle Namesで各データベースからネットワーク内の他のすべてのデータベースに自動的に作成されます。グローバル・データベース・リンクはネットワーク定義に格納されます。
データベース・パスワード・ベリファイア
ユーザーのデータベース・パスワードから導出される不可逆的な値。この値は、データベースに対するパスワード認証時に、接続ユーザーの識別情報を証明するために使用される。
データベース・セキュリティ管理者
データベース・エンタープライズ・ユーザー・セキュリティの最上位レベルの管理者。この管理者は、すべてのエンタープライズ・ドメインに対する権限を持ち、次のことに責任を持ちます。
-
Oracle DBSecurityAdminsおよびOracleDBCreatorsグループの管理
新規エンタープライズ・ドメインの作成。
-
エンタープライズ内のあるドメインから別のドメインへのデータベースの移動
辞書攻撃
パスワードに対する一般的な攻撃。攻撃者は、考えられる多くのパスワードとそれらに対応する検証の辞書を作成する。なんらかの手段を通じて、攻撃者はターゲット・パスワードに対応する検証を入手し、辞書で検証を検索することでターゲット・パスワードを入手する。
Diffie-Hellman鍵交換アルゴリズム
これは、安全でないチャネルを通じて通信する2つのパーティに、それらのパーティのみが知っているランダムな数字を合意させる方法です。パーティはDiffie-Hellman鍵交換アルゴリズムの実行中に安全でないチャネルを通じて情報を交換しますが、攻撃者がネットワーク通信を分析して、合意したランダムな数字を推定するのは計算上不可能です。Oracle Advanced Securityでは、Diffie-Hellman鍵交換アルゴリズムを使用してセッション鍵を生成します。
デジタル署名
デジタル署名は、公開鍵アルゴリズムを使用して送信者の秘密鍵で送信者のメッセージに署名するために使用されます。このデジタル署名によって、文書が信頼できるものであること、別のエンティティで偽造されていないこと、変更されていないこと、送信者によって拒否されないことが保証されます。
ディレクトリ・ネーミング・コンテキスト
ディレクトリ・サーバー内で意味を持つサブツリー。通常は、組織サブツリーの最上位です。あるディレクトリでは、固定のこのようなコンテキストが1個のみ許可されますが、他のディレクトリでは、ディレクトリ管理者によって0個から多数までのコンテキストを構成できます。
分散コンピューティング環境
分散環境を提供するために複数のシステムにまたがって動作する統合ネットワーク・サービスのセット。分散アプリケーションとオペレーティング・システムまたはネットワーク・サービスとの間のミドルウェアであり、クライアント/サーバー・コンピューティング・モデルに基づきます。DCEはOpen Groupによってサポートされている。
ドメイン・ネーム・システム
ドメインの階層に編成された、コンピュータおよびネットワーク・サービスのネーミングのためのシステム。DNSは、ユーザーにわかりやすい名前でコンピュータの位置を特定するためにTCP/IPネットワークで使用される。DNSは、このわかりやすい名前を、コンピュータが理解できるIPアドレスに変換する。
Oracle Net Servicesでは、DNSはTCP/IPアドレスのホスト名をIPアドレスに変換する。
エンタープライズ・ドメイン
データベースとエンタープライズ・ロールのグループで構成されたディレクトリ構造。1つのデータベースが同時に複数のエンタープライズ・ドメイン内に存在することはありません。エンタープライズ・ドメインは、共通ディレクトリ・データベースを共有するコンピュータの集合であるWindows 2000ドメインとは異なる。
エンタープライズ・ロール
エンタープライズ・ユーザーに割り当てられるアクセス権限。エンタープライズ・ドメイン内の1つ以上のデータベースに対するOracleロールベースの認可のセット。エンタープライズ・ロールは、ディレクトリに格納され、1つ以上のグローバル・ロールが含まれています。
ファイル・システム・メソッド
Identix Biometric認証を構成する際にファイルに指紋テンプレートを格納すること。このメソッドのかわりに、Oracleデータベース・メソッドを使用することもできる。
米国連邦情報処理標準
暗号化モジュールのセキュリティ要件を定義する米国連邦政府の標準であり、コンピュータおよびテレコミュニケーション・システム内の非機密情報を保護するセキュリティ・システムで使用されます。米国商務省国立標準技術研究所(NIST)によって発行されます。
フォレスト
相互に信頼する1つ以上のActive Directoryツリーのグループ。フォレスト内のすべてのツリーは、共通のスキーマ、構成およびグローバル・カタログを共有する。フォレストに複数のツリーが含まれる場合、ツリーは連続したネームスペースを形成しない。特定フォレスト内のすべてのツリーは、推移的な双方向の信頼関係を介して相互に信頼する。
グローバル・ロール
ディレクトリで管理されるロールですが、その権限は単一のデータベースに含まれています。グローバル・ロールは、次の構文を使用してデータベースに作成されます。
CREATE ROLE <role_name> IDENTIFIED GLOBALLY;
グリッド・コンピューティング
単一の大規模コンピュータとして機能する大量のサーバーおよびストレージを調整するコンピューティング・アーキテクチャ。Oracle Grid Computingは、柔軟性のあるオンデマンド・コンピューティング・リソースをすべてのエンタープライズ・コンピューティング・ニーズに対して作成する。Oracle 10g以上のグリッド・コンピューティング・インフラストラクチャで稼働しているアプリケーションは、フェイルオーバー、ソフトウェア・プロビジョニングおよび管理のための共通インフラストラクチャ・サービスを利用できる。Oracle Grid Computingは、リソースの需要を分析し、それに応じて供給を調整する。
HTTP
Hypertext Transfer Protocol: World Wide Web上でのファイル(テキスト、グラフィック・イメージ、サウンド、ビデオおよびその他のマルチメディア・ファイル)の交換に関するルールのセット。TCP/IPプロトコル・スイート(インターネット上での情報交換の基礎)に関して、HTTPはアプリケーション・プロトコルです。
識別情報
公開鍵と、エンティティに関するその他の任意のパブリック情報の組合せ。パブリック情報には、電子メール・アドレスなどのユーザー識別データを含めることができます。宣言どおりのエンティティとして証明されているユーザー。
ID管理
オンライン、すなわちデジタルなエンティティの作成、管理および使用。ID管理には、デジタル識別情報の作成(デジタル識別情報のプロビジョニング)から、メンテナンス(電子リソースへのアクセスに関する組織ポリシーの施行)、さらに最終的な終了までのライフ・サイクル全体の安全な管理が含まれます。
ID管理レルム
Oracle Internet Directoryのサブツリーであり、Oracleコンテキストだけでなく、それぞれアクセス制御リストで保護されているユーザーおよびグループの追加サブツリーも含む。
初期チケット
Kerberos認証では、初期チケットまたはチケット認可チケット(TGT)によって、ユーザーが追加のサービス・チケットを要求する権利を持つものとして識別されます。初期チケットがないと、他のチケットは取得できません。初期チケットは、okinit
プログラムを実行し、パスワードを提供することで取得されます。
インスタンス
稼働中のすべてのOracleデータベースは、Oracleインスタンスに関連付けられている。データベースが(コンピュータのタイプに関係なく)データベース・サーバー上で起動すると、Oracleによってシステム・グローバル領域(SGA)というメモリー領域が割り当てられ、Oracleプロセスが起動する。このSGAとOracleプロセスの組合せをインスタンスと呼ぶ。インスタンスのメモリーおよびプロセスは、関連付けられているデータベースのデータを効率的に管理し、1つ以上のデータベース・ユーザーを処理する。
Javaコードの不明瞭化
Javaコード不明瞭化は、Javaプログラムをリバース・エンジニアリングから保護するために使用される。特別なプログラム(obfuscator)を使用して、コードに見つかったJavaシンボルをスクランブルする。プロセスは、元のプログラム構造をそのまま保持し、意図した動作を隠すためにクラス、メソッドおよび変数の名前を変更する一方でプログラムが正常に稼働するようにする。不明瞭化されていないJavaコードをデコンパイルして読み取ることは可能だが、不明瞭化されたJavaコードのデコンパイルは、米国政府の輸出規制を満たすのに十分なほど困難になっている。
KDC
Key Distribution Center。Kerberos認証では、KDCはユーザー・プリンシパルのリストを管理し、ユーザーの初期チケットに関してkinit
(okinit
はOracleバージョン)プログラムを通じてアクセスされます。KDCおよびチケット認可サービスが同じエンティティに結合されることが多いですが、その場合もKDCと呼ばれます。チケット認可サービスは、サービス・プリンシパルのリストを管理し、このようなサービスを提供するサーバーに対してユーザーの認証が必要な場合にアクセスされます。KDCは、セキュア・ホストで実行する必要のある信頼できるサード・パーティです。チケット認可チケットおよびサービス・チケットを作成します。
Kerberos
Massachusetts Institute of TechnologyのAthenaプロジェクトで開発されたネットワーク認証サービスであり、分散環境でのセキュリティを強化します。Kerberosは信頼できるサード・パーティ認証システムであり、共有秘密鍵に基づき、サード・パーティがセキュアであることを前提とします。シングル・サインオン機能とデータベース・リンク認証(MIT Kerberosのみ)があり、パスワードを一元的に保管してPCのセキュリティを強化します。
鍵
データの暗号化時に、指定されたアルゴリズムによって指定された平文から生成される暗号文を決定する値。また、データの復号化時に、暗号文を正しく復号化するために必要な値。正しい鍵が提供された場合のみ、暗号文は正しく復号化される。
対称型暗号化アルゴリズムでは、同じデータの暗号化と復号化の両方に同じ鍵が使用されます。非対照型暗号化アルゴリズム(公開鍵暗号化アルゴリズムまたは公開鍵暗号システムとも呼びます)では、同じデータの暗号化と復号化に異なる鍵が使用されます。
ldap.oraファイル
次のディレクトリ・サーバー・アクセス情報を含むファイル。Oracle Netコンフィギュレーション・アシスタントによって作成されます。
-
ディレクトリ・サーバーのタイプ
-
ディレクトリ・サーバーの場所
-
クライアントまたはサーバーで使用するデフォルトのID管理レルムまたはOracleコンテキスト(ポートを含む)
Lightweight Directory Access Protocol
標準の拡張可能ディレクトリ・アクセス・プロトコル。LDAPクライアントおよびサーバーが通信に使用する共通言語です。Oracle Internet Directoryなど、業界標準のディレクトリ製品をサポートする設計規則のフレームワーク。
リスナー
サーバー上のプロセスであり、着信クライアント接続要求をリスニングし、サーバーへのトラフィックを管理する責任を持ちます。
クライアントがサーバーとのネットワーク・セッションを要求するたびに、リスナーが実際の要求を受信します。クライアント情報がリスナー情報と一致する場合、リスナーはサーバーへの接続を付与します。
listener.oraファイル
次の内容を識別するリスナーの構成ファイル。
-
リスナー名
-
接続要求を受け入れるプロトコル・アドレス
-
リスニングするサービス
通常、listener.ora
ファイルは、UNIXプラットフォームでは$
ORACLE_HOME
/network/admin
に、WindowsではORACLE_BASE
\
ORACLE_HOME
\network\admin
にあります。
介在者
第三者によるメッセージの不正傍受という特徴を持つセキュリティ攻撃。第三者(介在者)は、メッセージを復号化して再暗号化し(元のメッセージを変更する場合と変更しない場合があります)、元の宛先である受信者に転送します。これらの処理はすべて、正当な送受信者が気付かないうちに行われます。このタイプのセキュリティ攻撃は、認証が行われていない場合のみ機能する。
National Institute of Standards and Technology
米国商務省の機関であり、コンピュータおよびテレコミュニケーション・システム内の暗号ベース・セキュリティ・システムの設計、取得および実装に関連するセキュリティ標準の開発に責任を持ちます。連邦機関、または連邦の役割を遂行するために連邦政府にかわって情報を処理する連邦機関の契約者やその他の組織によって運営されます。
ネット・サービス別名
ディレクトリ・サーバーのディレクトリ・ネーミング・オブジェクトの代替名。ディレクトリ・サーバーには、定義されたネット・サービス名またはデータベース・サービスのネット・サービス別名が格納される。ネット・サービス別名のエントリには、接続記述子情報はない。かわりに、別名の対象のオブジェクトの場所のみ参照する。クライアントがネット・サービス別名のディレクトリ検索をリクエストすると、ディレクトリは、エントリがネット・サービス別名であることを判断し、そのネット・サービス別名が実際に参照しているエントリであるかのように検索を実行する。
ネットワーク認証サービス
分散環境で、クライアントからサーバー、サーバー間およびユーザーからクライアントとサーバーの両方を認証する手段。ネットワーク認証サービスは、ユーザーに関する情報、ユーザーがアクセスする様々なサーバー上のサービスに関する情報、およびネットワーク上のクライアントとサーバーに関する情報を格納するためのリポジトリです。認証サーバーは、物理的に異なるコンピュータにすることも、システム内の別のサーバー上の共同の場所にある設備にすることもできます。可用性を保証するために、一部の認証サービスを複製してシングル・ポイント障害を回避できます。
オブジェクト・クラス
名前を持った属性のグループ。エントリに属性を割り当てるには、これらの属性を保持するオブジェクト・クラスをそのエントリに割り当てる。同じオブジェクト・クラスに関連付けられているすべてのオブジェクトは、同じ属性を共有する。
Oracleコンテキスト
1. LDAP準拠のインターネット・ディレクトリ内にあるcn=OracleContext
というエントリ。このディレクトリには、Oracle Net Servicesディレクトリ・ネーミングおよびチェックサムのセキュリティのエントリなど、Oracleソフトウェア関連のすべての情報が格納されている。
1つのディレクトリに1つ以上のOracleコンテキストを設定できる。Oracleコンテキストは、通常はアイデンティティ管理レルムにある。
OracleContextAdmins
Oracle Internet Directoryの管理グループであり、そのメンバーは、関連付けられたレルムOracleコンテキスト内のすべてのグループおよびエントリへの完全なアクセス権を持ちます。
Oracleデータベース・メソッド
Oracleデータベースを使用して、Indentix Biometric認証を構成する際に指紋テンプレートを格納すること。このメソッドのかわりに、ファイルシステム・メソッドを使用することもできる。
OracleDBAdmins
Oracle Internet Directoryの管理グループであり、そのメンバーは、ディレクトリに登録されている特定のデータベースのデータベース・ユーザー・スキーマ・マッピングを管理します。
OracleDBCreators
Oracle Internet Directoryの管理グループであり、そのメンバーは、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントを使用して新規データベースを作成し、ディレクトリに登録します。
OracleDBSecurityAdmins
Oracle Internet Directoryの管理グループの1つ。このグループのメンバーは、すべてのエンタープライズ・ドメインでエンタープライズ・ユーザーのアイデンティティ管理レルムを構成する権限を持つ。
Oracle Net Services
OracleサーバーまたはDesigner/2000などのOracleツールを実行する2台以上のコンピュータがサード・パーティ・ネットワークを通じてデータを交換できるようにするOracle製品。Oracle Net Servicesは、分散処理および分散データベース機能をサポートします。Oracle Net Servicesは、通信プロトコルに依存しないためオープン・システムであり、ユーザーはOracle Netから多数のネットワーク環境へのインタフェースをとることができます。
OracleUserSecurityAdmins
Oracle Internet Directoryの管理グループの1つ。このグループのメンバーは、ディレクトリ内のOracleデータベース・ユーザーのセキュリティを管理できます。
PCMCIAカード
Personal Computer Memory Card International Association (PCMCIA)標準に準拠する小さなクレジット・カード・サイズのコンピューティング・デバイス。これらのデバイスはPCカードとも呼ばれ、メモリー、モデムまたはハードウェア・セキュリティ・モジュールの追加に使用される。PCMCIAカードは、ハードウェア・セキュリティ・モジュールが公開鍵と秘密鍵のペアの秘密鍵コンポーネントを安全に格納する際に使用され、暗号操作も実行する場合がある。
PEM
インターネット上での安全な電子メールを提供するためにInternet Architecture Boardによって採用されたInternet Privacy-Enhanced Mailプロトコル標準。PEMプロトコルは、暗号化、認証、メッセージ整合性および鍵管理を提供します。PEMは、データ暗号化鍵を暗号化するための対称型スキームと公開鍵スキームの両方を含む様々な鍵管理アプローチと互換性を持つよう意図された包括的な標準です。PEMの仕様は、4つのInternet Engineering Task Force(IETF)ドキュメント、RFC 1421、1422、1423および1424に記載されています。
PKCS #10
認証リクエストの構文を記述するRSA Security社のPublic-Key Cryptography Standards (PKCS)仕様。認証リクエストは、識別名、公開鍵およびオプションの属性セットから構成され、証明書をリクエストするエンティティによって一括して署名される。このマニュアルでは、認証リクエストを証明書リクエストと呼ぶ。「証明書リクエスト」を参照。
PKCS #11
暗号情報を保持し、暗号操作を実行するデバイスに対する、Cryptokiと呼ばれるアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を定義するRSA Security社のPublic-Key Cryptography Standards (PKCS)仕様。「PCMCIAカード」を参照。
PKCS #12
通常はウォレットと呼ばれる形式で個人認証資格証明を格納および転送するための転送構文を記述するRSA Security社のPublic-Key Cryptography Standards (PKCS)仕様。
プリンシパル
Kerberos資格証明のセットが割り当てられているクライアントまたはサーバーを一意に識別する文字列。通常、これにはkservice/kinstance@REALM
という3つの部分が含まれます。ユーザーの場合、kservice
はユーザー名です。「kservice」、「kinstance」および「レルム」も参照してください。
プロキシ認証
ファイアウォールなどの中間層を伴う環境で一般に使用されるプロセスで、エンド・ユーザーは中間層に対して認証を行い、中間層はエンド・ユーザーのプロキシとして、ユーザーのかわりにディレクトリに対して認証を実施します。中間層は、プロキシ・ユーザーとしてディレクトリにログインします。プロキシ・ユーザーは識別情報を切り替えることができ、ディレクトリにログインするとエンド・ユーザーの識別情報に切り替わります。プロキシ・ユーザーは、特定のエンド・ユーザーに適した認可を使用して、そのエンド・ユーザーにかわって操作を実行できます。
公開鍵インフラストラクチャ
公開鍵暗号化の原理を利用した情報セキュリティ・テクノロジ。公開鍵暗号化には、共有の公開鍵と秘密鍵のペアを使用した情報の暗号化および復号化が含まれます。パブリック・ネットワーク内にセキュアでプライベートな通信を提供します。
公開鍵と秘密鍵のペア
暗号化および復号化に使用される2つの数値のセットであり、一方を秘密鍵と呼び、もう一方を公開鍵と呼ぶ。通常、公開鍵は広範に使用可能であるが、秘密鍵はそれぞれの所有者が保持する。数学的な関連性はあるが、一般には公開鍵から秘密鍵を導出するのは計算上不可能とみなされている。公開鍵と秘密鍵は、公開鍵暗号化アルゴリズムまたは公開鍵暗号方式とも呼ばれる非対称型暗号化アルゴリズムでのみ使用される。鍵のペアの公開鍵または秘密鍵のいずれかで暗号化されたデータは、鍵のペアのうち関連付けられている鍵で復号化できる。ただし、公開鍵で暗号化されたデータを同じ公開鍵で復号化することはできず、秘密鍵で暗号化されたデータを同じ秘密鍵で復号化することはできない。
RADIUS
Remote Authentication Dial-In User Service(RADIUS)は、リモート・アクセス・サーバーが中央サーバーと通信してダイアルイン・ユーザーを認証し、要求されたシステムまたはサービスへのアクセスを認可できるようにするクライアント/サーバー・プロトコルおよびソフトウェアです。
レルム
1. アイデンティティ管理レルムの省略形。 2.Kerberosオブジェクト。1つのKey Distribution Center/Ticket Granting Service (KDC/TGS)の下で動作するクライアントとサーバーのセット。同じ名前を共有する異なるレルム内のサービス(kserviceを参照)は一意である。
スキーマ
1. データベース・スキーマ: 表、ビュー、クラスタ、プロシージャ、パッケージ、属性、オブジェクト・クラスなどのオブジェクトと、それらに対応する一致ルールの名前付きコレクションであり、特定のユーザーに関連付けられています。 2.LDAPディレクトリ・スキーマ: 属性、オブジェクト・クラス、およびそれらに対応する一致ルールのコレクション。
Secure Hash Algorithm
与えられたデータから160ビットの暗号メッセージ・ダイジェスト値を生成することにより、データの整合性を保証するアルゴリズム。データの単一ビットのみ変更された場合、Secure Hash Algorithmはデータ変更のチェックサムを計算します。Secure Hash Algorithmで元のデータと同じ結果が生成されるように特定のデータ・セットを偽造することは、計算上不可能と考えられます。
264ビット未満の長さのメッセージを受け取り、160ビットのメッセージ・ダイジェストを生成するアルゴリズムである。このアルゴリズムは、メッセージ・ダイジェストが長いほど、総当たり攻撃と侵入攻撃に対する安全度が増す。
Secure Sockets Layer (SSL)
ネットワーク接続の保護のためにNetscape Communications社によって設計された業界標準プロトコル。SSLは、公開鍵インフラストラクチャ(PKI)を使用して、認証、暗号化およびデータ整合性を提供します。
サービス
1. Oracleデータベース・サーバーなど、クライアントによって使用されるネットワーク・リソース。
2. Windowsレジストリにインストールされ、Windowsによって管理される実行可能プロセス。サービスが作成され、開始された後は、コンピュータにログオンしているユーザーがいない場合でも実行できる。
サービス表
Kerberos認証では、サービス表はkinstanceに存在するサービス・プリンシパルのリストである。KerberosをOracleで使用するには、その前にこの情報をKerberosから抽出し、Oracleサーバー・コンピュータにコピーする必要がある。
サービス・チケット
クライアントの認証に使用される信頼できる情報。初期チケットとも呼ばれるチケット認可チケットは、okinit
を直接または間接的に実行し、パスワードを指定することで取得され、クライアントがサービス・チケットを要求するために使用される。サービス・チケットは、クライアントがサービスへの認証を受けるときに使用されます。
セッション鍵
少なくとも二者(通常はクライアントとサーバー)によって共有される鍵であり、単一の通信セッション中のデータ暗号化に使用されます。セッション鍵は通常、ネットワーク・トラフィックを暗号化するために使用されます。クライアントとサーバーはセッションの開始時にセッション鍵をネゴシエーションすることができ、その鍵はそのセッションの関係者間のすべてのネットワーク・トラフィックを暗号化するために使用されます。クライアントとサーバーが新しいセッションで再び通信する場合は、新しいセッション鍵をネゴシエーションします。
セッション・レイヤー
プレゼンテーション・レイヤー・エンティティが必要とするサービスを提供するネットワーク・レイヤーであり、プレゼンテーション・レイヤー・エンティティがダイアログの編成と同期およびデータ交換の管理を行えるようにします。このレイヤーは、クライアントとサーバー間のネットワーク・セッションを確立、管理および終了します。セッション・レイヤーの例には、ネットワーク・セッションがあります。
共有スキーマ
複数のエンタープライズ・ユーザーが使用できるデータベースまたはアプリケーション・スキーマ。Oracle Advanced Securityでは、データベース上の同じ共有スキーマへの複数のエンタープライズ・ユーザーのマッピングがサポートされます。これにより、管理者はそれぞれのデータベースでユーザーごとにアカウントを作成する必要がなくなります。管理者は、ユーザーを1つの場所、つまり、エンタープライズ・ディレクトリに作成して、そのユーザーを共有スキーマにマップできます。この共有スキーマには他のエンタープライズ・ユーザーもマップできます。ユーザー/スキーマの分割とも呼ばれます。
単一パスワード認証
単一パスワードを使用して複数のデータベースでユーザーを認証する機能。Oracle Advanced Securityの実装では、パスワードはLDAP準拠ディレクトリに格納され、暗号化やアクセス制御リストで保護されます。
シングル・サイン・オン
ユーザーが1度認証を受けると、その後の他のデータベースまたはアプリケーションへの接続に、厳密な認証が透過的に実施される機能。シングル・サインオンでは、ユーザーは1回の接続中に入力した単一のパスワードで複数のアカウントおよびアプリケーションにアクセスできる。単一のパスワードによる単一の認証。Oracle Advanced Securityは、Kerberos、DCEおよびSSLベースのシングル・サインオンをサポートしています。
スマートカード
ユーザー名やパスワードなどの情報を格納するため、また認証交換に関連する計算を実行するための集積回路が埋め込まれた(クレジット・カードに似た)プラスチック・カード。スマートカードは、クライアントまたはサーバーでハードウェア・デバイスによって読み取られます。
スマートカードでは、1回かぎりのパスワードとして使用できるランダムな数値を生成できます。この場合、スマートカードはサーバー上のサービスと同期するため、サーバーはスマートカードによって同じパスワードが生成されると予想します。
sqlnet.oraファイル
次の内容を指定するクライアントまたはサーバーの構成ファイル。
-
修飾されていないサービス名またはネット・サービス名に付加するクライアント・ドメイン
-
名前を解決する際にクライアントで使用するネーミング・メソッドの順序
-
使用するロギングおよびトレース機能
-
接続のルート
-
デフォルトのOracle Names Server
-
外部ネーミング・パラメータ
-
Oracle Advanced Securityパラメータ
通常、sqlnet.ora
ファイルは、UNIXプラットフォームでは$ORACLE_HOME
/network/admin
に、WindowsプラットフォームではORACLE_BASE
\
ORACLE_HOME
\network\admin
にあります。
システム識別子
Oracleインスタンスの一意の名前。Oracleデータベース間を切り替えるには、ユーザーが目的のSIDを指定する必要がある。SIDは、tnsnames.oraファイル内の接続記述子のCONNECT DATA
部分と、listener.oraファイル内のネットワーク・リスナーの定義に含まれる。
トークン・カード
ユーザーが容易に認証サービスを利用できるように、数種類のメカニズムを提供するデバイス。一部のトークン・カードは、認証サービスと同期された1回かぎりのパスワードを提供します。サーバーは、認証サービスにアクセスすることにより、トークン・カードによって提供されるパスワードを任意の時点で検証できます。その他のトークン・カードは、チャレンジ・レスポンス・ベースで動作します。その場合、サーバーはユーザーがトークン・カードに入力するチャレンジ(数字)を提供します。トークン・カードは、ユーザーがサーバーに提供する別の数字(チャレンジから暗号的に派生)を提供します。
トランスポート・レイヤー
データ・フロー制御とエラー・リカバリ方式を通じてエンドツーエンドの信頼性を維持するネットワーキング・レイヤー。Oracle Net Servicesは、トランスポート・レイヤーにOracleプロトコル・サポートを使用します。
信頼できる証明書
ルート鍵証明書とも呼ばれることのある信頼できる証明書は、信頼のレベルで修飾されたサード・パーティ識別情報です。信頼できる証明書は、識別情報がエンティティの主張どおりであるかどうかを検証する際に使用されます。通常は、信頼する認証局を信頼できる証明書と呼びます。信頼できる証明書に複数のレベルがある場合、証明連鎖の最下位レベルにある信頼できる証明書では、それより上位レベルのすべての証明書を再検証する必要はありません。
ウォレット不明瞭化
ウォレット不明瞭化は、アクセスの前にユーザーにパスワードを問い合せずにOracleウォレットを格納およびアクセスするために使用される(シングル・サインオン(SSO)をサポートする)。
ウォレット・リソース・ロケータ
ウォレット・リソース・ロケータ(WRL)は、ウォレットの位置を特定するために必要なすべての情報を提供します。ウォレットが格納されているオペレーティング・システム・ディレクトリへのパス。