Oracle Data Guard Brokerのこのリリースにおける変更

この「はじめに」では、Oracle Data Guard Brokerの変更点を列挙します。

Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)での変更

この項では、Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)でのOracle Data Guard Brokerの変更点について説明します。

  • Data Guard Brokerに、新しいデータベース初期化パラメータDATA_GUARD_SYNC_LATENCYをサポートする構成可能なプロパティDataGuardSyncLatencyが新たに用意されました。DataGuardSyncLatencyを参照してください

  • DBMS_ROLLING PL/SQLパッケージを使用してローリング・アップグレードを実行する場合、ブローカを無効にする必要がなくなりました。また、ブローカによって、ローリング・アップグレードの進行中の時期がレポートされ、そのステータスが追跡されるようになりました。ステータス情報は、DGMGRLコマンドのSHOW CONFIGURATIONおよびSHOW DATABASEの出力に表示されます。「SHOW CONFIGURATION」および「SHOW DATABASE」を参照してください。

  • 高可用性が向上するように、複数のファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットを設定して、使用するターゲットをブローカが自動的に選択できるようになりました。「ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化」を参照してください。

  • 複数のホスト上でオブザーバを起動して、単一のData Guard Broker構成を管理できるようになりました。1つのオブザーバに障害が発生した場合、バックアップ・オブザーバが自動的にその役割を継承して、構成が監視されない状態にならないようにします。「オブザーバのインストールおよび起動」を参照してください。

  • ブローカ構成のグループを作成することにより、1つのホストから複数のオブザーバの特定のタスクを管理できるようになりました。「複数構成のオブザーバの管理」を参照してください。

  • 新しいVALIDATE DATABASE DATAFILEコマンドは、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベース全体のデータ・ファイルの検証を実行します。データ・ファイルの検証では、いずれかのデータベースでの書込み欠落も検出します。「VALIDATE DATABASE DATAFILE」を参照してください。

  • DGMGRLの新しい@コマンドを使用して、DGMGRLコマンド・スクリプトを実行できます。「@ (アットマーク)コマンド」を参照してください。

  • ブローカは、統合サービス名を使用して構成の各メンバーにサービスを公開できます。「ConfigurationWideServiceName」を参照してください。

  • Data Guard Brokerの新しいプロパティApplyInstancesを使用して、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)データベースに対して、マルチインスタンスREDO Applyを使用したり、REDO Applyに関係するインスタンス数を制限できます。ApplyInstancesを参照してください。

  • DGMGRLコマンドライン・インタフェースを使用して、LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータのGROUPおよびPRIORITY属性が提供する強化されたREDO宛先機能を構成および実装できます。 「高度なREDO転送設定」を参照してください。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを最大保護モードで有効化できるようになりました(制限あり)。ファスト・スタート・フェイルオーバーを参照してください。

  • プライマリ・データベースで行われたパスワード・ファイルの変更は、スタンバイ・データベースに自動的に伝搬されます。唯一の例外は、遠隔同期インスタンスです。遠隔同期インスタンスはREDOを受け取りますが、適用しないため、更新したパスワード・ファイルを引き続き手動で遠隔同期インスタンスにコピーする必要があります。遠隔同期インスタンスでパスワード・ファイルが更新されると、プライマリでのパスワードの更新を含むREDOは、遠隔同期インスタンスからREDOログを受け取るように設定されているすべてのスタンバイ・データベースに自動的に伝播されます。REDOが適用されると、スタンバイでパスワード・ファイルが更新されます。

  • 同じホスト上にあるマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)間でのプラガブル・データベース(PDB)の移行がブローカでサポートされるようになりました。あるプライマリCDBから別のプライマリCDBにPDB移行するか、スタンバイCDBからプライマリCDBにPDBをフェイルオーバーできます。「MIGRATE PLUGGABLE DATABASE」を参照してください。

  • ブローカのスイッチオーバー操作時にアプリケーション・コンティニュイティのサポートを強化するため、ブローカのSWITCHOVERコマンドを使用して、スイッチオーバーを続行する前にセッションが排出されるのを待機するかどうか(およびオプションで、その待機時間)を指定できるようになりました。DGMGRLの「SWITCHOVER」コマンドを参照してください。

  • DGMGRLコマンドSHOW DATABASE VERBOSEおよびSHOW INSTANCE VERBOSEで、Oracleアラート・ログ・ファイルとブローカ・ログ・ファイルの場所が表示されるようになりました。出力例は、「SHOW DATABASE」を参照してください。

  • DGMGRLコンソールの入出力を記録する新しいSPOOLコマンドが用意されました。SPOOLを参照してください。

  • DGMGRLコンソールへの最後のコマンド入力を繰り返す、新しい/ (スラッシュ)コマンドが用意されました。/ (スラッシュ)コマンドを参照してください。

  • CONNECTコマンドが正常に完了すると、このコマンドを使用して接続が確立される構成メンバーが表示されるようになりました。CONNECTを参照してください。

  • 新しいSET TIMEコマンドは、各コマンドを入力したときのタイムスタンプを記録します。SET TIMEを参照してください。