A Oracle Data Guard Brokerのアップグレードとダウングレード

これらのトピックを使用して、ブローカ構成でOracleデータベースおよびOracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)をアップグレードまたはダウングレードします。

A.1 Oracle Database 9iリリース2 (9.2)からOracle Database 12cへのアップグレード

現在、Oracle Database 9iリリース2 (9.2)でブローカ構成を実行している場合、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)またはOracle Database 12cリリース2 (12.2)にアップグレードして、ブローカ構成を再作成する必要があります。

次の手順では、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)を使用しますが、かわりにOracle Database 12cリリース1 (12.1)を使用することもできます。

  1. Oracle Database 9i リリース2 (9.2)ブローカ構成を削除します。たとえば、DGMGRL REMOVE CONFIGURATIONコマンドを使用できます。削除を実行するには、Oracle Database 9i リリース2 (9.2)上で実行するOracle Data Guard ManagerまたはDGMGRLを使用する必要があります。
  2. DGMGRLを使用している場合は、ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_n=" " SQL*Plusコマンドを使用して、LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータの設定をクリアします。
  3. データベース・ソフトウェアをOracle Database 12cリリース2 (12.2)にアップグレードします。使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseインストレーション・ガイドを参照してください。
  4. Oracle Database 9iリリース2 (9.2)上で実行するOracle Enterprise ManagerおよびOracle Data Guard Managerは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)上で実行するブローカ構成を管理できません。

    関連項目:

    My Oracle Supportノート787461.1 (http://support.oracle.com)に記載の、様々なOracle DatabaseリリースにおいてOracle Data Guardの全機能を管理するために必要なEnterprise Manager Cloud Control (旧称Grid Control)のバージョンに関する情報

  5. Oracle Database 9iリリース2 (9.2)で実行するDGMGRLを使用する場合、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で実行するDGMGRLにアップグレードする必要があります。
    • Oracle Database 9iリリース2 (9.2)上で実行するDGMGRLは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)上で実行するOracle Data Guardと互換性はありません。

    • Oracle Database 12cリリース2 (12.2)上で実行するDGMGRLは、Oracle Database 9iリリース2 (9.2)上で実行するOracle Data Guardと互換性はありません。

      注意:

      Oracle Database 12cのコマンドライン・スクリプトは、Oracle9iではサポートされません。

  6. Enterprise ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、ブローカ構成を再作成します。

A.2 Oracle Database 10gおよびOracle Database 11gからOracle Database 12cへのアップグレード

現在、Oracle Database 10gまたはOracle Database 11g上でOracle Data Guardを実行している場合、使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseインストール・ドキュメントを使用して、データベース・ソフトウェアをOracle Database 12cリリース1 (12.1)またはOracle Database 12cリリース2 (12.2)にアップグレードできます。

注意:

Oracle Database 11g リリース2 (11.2)より前は、構成ファイルは最初に作成されたときと同じセクター・サイズ(物理ブロック・サイズ)のディスクにのみ格納するように制限されていました。一般にブローカ構成では1つのセクター・サイズが使用されていたため、これは問題にはなりませんでした。任意のブローカ構成内でセクター・サイズが混在する可能性があるため、ブローカ構成ファイルは、4KB以下であれば、最初に作成されたときのセクター・サイズの影響をまったく受けないようになりました。

次の手順5のアップグレード・プロセス中に、最初に作成されたときのセクター・サイズの影響を受けないように構成ファイルが変換されます。

次の手順では、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)を使用しますが、かわりにOracle Database 12cリリース1 (12.1)を使用することもできます。

  1. 次のDGMGRLコマンドを発行して、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

    DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER;
    
  2. 実行しているバージョン10.nまたは11.nのOracle Data Guard Brokerを停止します。

    1. 次のDGMGRLコマンドを発行して、Oracle Data Guard構成におけるデータベースのブローカによるアクティブな管理を無効化します。

      DGMGRL> DISABLE CONFIGURATION;
      
    2. 次のSQL*Plus文を発行してブローカを停止します。

      SQL> ALTER SYSTEM SET DG_BROKER_START=FALSE;
      
  3. 初期化パラメータDG_BROKER_CONFIG_FILE1およびDG_BROKER_CONFIG_FILE2で示しているように、現行のブローカ構成ファイルのコピーを作成します。

  4. Oracle DatabaseソフトウェアをOracle Database 12cリリース2 (12.2)にアップグレードします。アップグレード手順については、使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseインストレーション・ガイドを参照してください。

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)上で実行するブローカ構成を管理および監視するには、DGMGRLコマンドライン・インタフェースもアップグレードする必要があります。Oracle Database 12cリリース2 (12.2)上で実行するDGMGRLを使用して、Oracle Database 10gまたはOracle Database 11g上で実行するOracle Data Guardを管理することはできません。

    注意:

    Oracle Database 10gおよびOracle Database 11gの既存のDGMGRLコマンドライン・スクリプトは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で利用できるDGMGRLコマンドライン・インタフェースでサポートされています。

    Oracle Database 11gのDGMGRLコマンドライン・スクリプトは、Oracle Database 10gによるサポートが保証されていません。

  5. Oracle Database 12cリリース2 (12.2)にアップグレード後、ブローカを起動します。次に例を示します。

    1. 次のSQL*Plus文を発行してブローカを起動します。

      SQL> ALTER SYSTEM SET DG_BROKER_START=TRUE;
      
    2. 次のDGMGRLコマンドを発行して、Oracle Data Guard構成におけるデータベースのブローカによるアクティブな管理を有効化します。

      DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION;

    ブローカがOracle Database 12cリリース2 (12.2)上で起動すると、まずOracle Database 10gおよびOracle Database 11gブローカ構成ファイルが存在するか検出します。それらは、自動的にアップグレードされ、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)で導入された新しいプロパティも含められます。この自動変換は透過的かつ永続的であり、1回のみ実行されます。

    注意:

    手順5で行われるこの自動アップグレードで、構成ファイルはサポートされている4KBセクター以下のディスク・セクター・サイズ(物理ブロック・サイズ)のディスクに格納されます。

注意:

アップグレード前に起動されたオブザーバは自動的に停止し、アップグレードの完了後は構成を監視できなくなります。Oracle Database 12cバージョンのOracleオブザーバ・ソフトウェアを使用して、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上で実行するOracle Databaseを監視する必要があります。

A.3 Oracle Database 12cからのダウングレード

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)またはOracle Database 12cリリース2 (12.2)へのアップグレードを完了していて、以前のリリースにダウングレードする場合は、データベース・リリースをダウングレードし、ブローカ構成を再作成する必要があります。

次の手順を実行します(次の手順では、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)を使用しますが、かわりにOracle Database 12cリリース1 (12.1)を使用することもできます)。

  1. Oracle Database 12cリリース2 (12.2)上で実行するEnterprise ManagerまたはDGMGRLを使用してOracle Database 12cリリース2 (12.2)ブローカ構成を削除します。たとえば、DGMGRL REMOVE CONFIGURATIONコマンドを使用できます。
  2. Oracle Databaseソフトウェアを以前のOracleリリースにダウングレードします。使用しているオペレーティング・システムに適したOracle Databaseのマニュアルを参照してください。
  3. Oracle Data Guard BrokerをOracle Database 10gまたはOracle Database 11gにダウングレードするには、次のようにします。
    • Oracle Database 12cリリース2 (12.2)へのアップグレード後にブローカ構成に変更を加えていないことが明白である場合、アップグレード手順で作成したブローカ構成ファイルをコピーできます(「Oracle Database 10gおよびOracle Database 11gからOracle Database 12cへのアップグレード」を参照)。続いて、Enterprise ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、そのコピーの作成時点で存在したとおりにブローカ構成を再度有効化します。

    • あるいは、Enterprise ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、ブローカ構成を再作成できます。

  4. Oracle Data Guard BrokerをOracle Database 9i リリース2 (9.2)にダウングレードするには、次のようにします。
    • Oracle Enterprise Managerを使用していた場合、Oracle Database 10g リリース2 (10.2)上で実行するOracle Enterprise Managerを継続して使用し、Oracle Database 9i リリース2 (9.2)ブローカ構成を管理できます。また、Oracle Database 9i リリース2 (9.2) Enterprise Managerを再インストールして、Oracle Data Guard Managerにダウングレードすることもできます。

    • Enterprise Manager、Oracle Data Guard ManagerまたはDGMGRLコマンドライン・インタフェースを起動し、ブローカ構成を再作成します。