6 Oracle Database Provider for DRDAの診断およびメンテナンス

診断およびメンテナンスの課題について説明します。

6.1 Oracle Database Provider for DRDAの診断

Oracle Database Provider for DRDAの診断を構成するトレース機能は、アプリケーション実行前にトレース・レベルで構成可能であり、コマンドライン・ツールから調整できます。Oracle Database Provider for DRDAは、自動診断リポジトリ(ADR)を使用してすべてのログ、トレース、ダンプ・レコードを保持します。Oracle® Database管理者ガイドの「自動診断リポジトリ(ADR)」を参照してください。

トレースにより、各クライアント・セッションの実行前、実行中、実行後のDRDAプロトコル・エラーが記録されます。これらは、プロトコル違反の診断を目的とした特定のDRDAアーキテクチャ・エラー・アラートです。OCIセッションからの追加エラーもここに記録されます。

診断とは、診断情報を(通常はファイルに)トレースまたは収集できる機能です。

トレース・ディレクトリはユーザーが指定できます。デフォルトでは、Oracle Database Provider for DRDAはORACLE_HOME/log/diag内にトレース・ディレクトリを作成します。Oracle Database Provider for DRDAは、このルート・ディレクトリ内のdps/instance/drdaproc/traceにトレース・ファイルを格納します(instancedrdaas.oraファイルで使用されるインスタンス名)。adrciユーティリティを使用すれば、トレース・ファイルを表示および操作できます。

アプリケーションによって、必要となる診断情報の詳細レベルが異なることがあります。デフォルトでは、パフォーマンス上の理由から診断の深度はオフに設定されています。ただしASで障害が発生した場合は、インシデントがリポジトリに記録されます。

6.2 Oracle Database Provider for DRDAのメンテナンス

アプリケーション・サーバーとの通信のために、外部コマンド・インタフェースが用意されています。このコマンド・インタフェースでは次の操作がサポートされています。

  • サーバーの起動

  • サーバーの停止

  • サーバー・ステータスの判別

  • 接続クライアント・セッションの表示

  • クライアント・セッションの詳細の表示。次の情報が含まれます。

    • セッションの状態(実行中のコマンド(準備、実行、フェッチ、アイドルなど))

    • 準備された最終SQL文

    • クライアントのIPアドレスおよびポート番号

    • Oracle SQLセッションID

  • SQLセッションの一時停止

  • SQLセッションの終了

  • サーバー構成のリロード

これらの操作の詳細は、「Oracle Database Provider for DRDAのコマンドライン・ユーティリティ」を参照してください。