A Oracle Multimediaインストールの管理

この付録では、Oracle Multimediaのインストールの管理方法について説明します。

この付録の内容は次のとおりです。

注意:

最新の情報については、 <ORACLE_HOME>/ord/im/adminにあるOracle MultimediaのREADME.txtファイルを参照してください

A.1 Oracle Multimediaでインストールされるユーザーおよび権限

このトピックでは、Oracle Multimediaのインストール手順によって作成されるデータベース・ユーザー・アカウントの概要を示します。

Oracle Multimediaのインストール手順では、次の機能が実行されます。

  • Oracle Multimediaで必要とされる権限を持つ、表A-1に示すデータベース・ユーザーを作成します。

    表A-1 インストールされるデータベース・ユーザー

    ユーザーの名前 ユーザーのタイプ

    ORDSYS

    Oracle Multimedia

    ORDPLUGINS

    Oracle Multimedia

    SI_INFORMTN_SCHEMA

    Oracle Multimedia

    ORDDATA

    Oracle Multimedia

    MDSYS

    Oracle Spatial and Graph/Oracle Locator

  • 表A-2に示すデフォルト・パスワードをOracle MultimediaおよびMDSYSユーザー・アカウントに対して作成し、アカウントをロックして、デフォルト・パスワードを有効期限切れとしてマークします。

    表A-2 ユーザー・アカウントおよびデフォルト・パスワード

    ユーザー・アカウント インストール・パスワード

    ORDSYS

    ORDSYS

    ORDPLUGINS

    ORDPLUGINS

    SI_INFORMTN_SCHEMA

    SI_INFORMTN_SCHEMA

    ORDDATA

    ORDDATA

    MDSYS

    MDSYS

    注意:

    Oracleでは、表A-2に示すユーザー・アカウントに直接ログインすることを推奨していません。

  • 次のスキーマにインストールされているOracle MultimediaパッケージおよびオブジェクトのEXECUTE権限をユーザー・グループPUBLICに付与します。

    • ORDSYS

    • ORDPLUGINS

    • SI_INFORMTN_SCHEMA

    • MDSYS

A.2 Oracle Multimediaのインストールおよび構成

Oracle Multimediaは、Oracle Databaseのインストール時に自動的にインストールおよび構成されます。

次の各項では、Oracle Multimediaの手動インストールおよび構成前に実行する手順と、その手動インストールおよび構成の手順について説明します。

注意:

サポートされないアクションや禁止されているアクションを実行すると、データベース管理システムの内部エラーおよびセキュリティ違反の原因となることがあります。

次のユーザーはデータベースのインストール中に作成され、将来のリリースで変更される可能性があります。

  • Oracleが提供するOracle Multimediaがインストールされるユーザー: ORDSYSORDPLUGINSSI_INFORMTN_SCHEMAおよびORDDATA

  • Oracle Spatial and Graphがインストールされない場合にOracle Multimedia Locatorがインストールされるユーザー: MDSYS

これらのユーザーは削除しないでください。

これらのユーザーまたはそのコンテンツ(Oracle Multimediaによって提供され、Oracleによって予約されています)は、次の例外を除き、接続、修正または権限変更しないでください。

  • ユーザー定義パッケージをユーザーORDPLUGINSに追加できます。

  • DICOM管理者は、DICOMデータ・モデル・リポジトリAPIを使用してユーザーORDDATAにユーザー定義DICOMデータ・モデル構成ドキュメントを格納できます。

関連項目:

データ・モデル・リポジトリへのドキュメントの挿入の詳細は、Oracle Multimedia DICOM開発者ガイドを参照してください。

A.2.1 インストール前の手順

Oracle Multimediaを手動でインストールするには、いくつかの予備タスクを実行する必要があります。

Oracle Multimediaを手動でインストールおよび構成する前に、次の手順を実行します。

  1. PL/SQL、Oracle JVM、Oracle XML Database、Oracle XDKを含むOracle Databaseをインストールします。

  2. データベースを作成します。

  3. データベースを起動します。

  4. 次のように、必要なソフトウェアが正しくインストールされ、有効であることを確認します。

    1. SQL*Plusを実行し、SYSDBAとして接続し、次の問合せを入力します。

      SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='JAVAVM';
      SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='XDB';
      SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='XML';
      
    2. 問合せの結果を調べて、各version値がインストールしているOracle Multimediaのバージョンと同一で、各status値がVALIDであることを確認します。

関連項目:

詳細情報は、ご使用のオペレーティング・システムの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください

A.2.2 インストールと構成の手順

Oracle Multimediaを手動でインストールおよび構成するには、いくつかの設定タスクを実行する必要があります。

次の手順は、Database Configuration Assistantを使用する場合は不要です。

Oracle Multimediaを手動でインストールおよび構成するには、次の手順を実行します。

注意:

これらの手順で、<ORACLE_HOME>はOracleホーム・ディレクトリの場所で置換されます。

  1. Oracle Universal Installerを使用して、Oracle Multimediaを構成するファイルをシステムにインストールします。

  2. Oracle Multimediaユーザーに使用する表領域と、Oracle Spatial and Graph/Oracle Multimedia Location Servicesユーザーに使用する表領域を決定します(表A-1を参照)。これらすべてのユーザーにSYSAUX表領域を使用することをお薦めします。

  3. Perlスクリプトcatcon.plを使用して、Oracle Multimediaインストール・スクリプトを実行します。catcon.plスクリプトはディレクトリ<ORACLE_HOME>/rdbms/adminにあります。

    1. スクリプトを実行してユーザーを作成し、適切な権限を付与します。

      SYSAUX以外の表領域を使用している場合は、SYSAUXパラメータを選択した表領域で置換します。最初のパラメータはOracle Multimediaの表領域です。2番目のパラメータはOracle Spatial and Graphの表領域です。

      perl catcon.pl -u SYS -d <ORACLE_HOME>/ord/admin -b ordinst ordinst.sql '--pSYSAUX' '--pSYSAUX' 
      
    2. スクリプトを実行して、Oracle Multimediaの型およびパッケージをインストールします。

      perl catcon.pl -u SYS -d <ORACLE_HOME>/ord/im/admin -b catim catim.sql 
      

これで、Oracle Multimediaを使用する準備ができます。

A.3 インストール済のOracle Multimediaの検証

Oracle Multimediaのインストールまたはアップグレード後に、Oracle Multimediaの検証プロシージャをコールして、インストール済のOracle Multimediaを検証できます。

Oracle Multimedia検証プロシージャを実行するには、次の手順を実行します。

  1. SQL*Plusを起動し、SYSDBAとして接続します。

  2. プロシージャsys.validate_ordimを実行します。

    SQL> execute sys.validate_ordim;
    

    検証プロシージャが無効なオブジェクトを検出した場合、いくつかの無効なオブジェクトがリストされ、レジストリ・エントリがINVALIDに設定されます。それ以外の場合は、Oracle Multimediaレジストリ・エントリが警告なしでVALIDに設定されます。

  3. 次のように、Oracle Multimediaのレジストリ・エントリが正しいことを確認します。

    1. SYSDBAとして接続しているときに、この問合せをSQL*Plusから入力します。

      SQL> select version, status from dba_registry where comp_id='ORDIM';
      
    2. 問合せの結果を調べて、version値が正しく、status値がVALIDであることを確認します。

A.4 インストール済のOracle Multimediaのアップグレード

Oracle Multimedia機能がインストールされたデータベースをアップグレードすると、Oracle Multimediaも自動的にアップグレードされます。

関連項目:

詳細なアップグレード手順については、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください

A.5 インストール済のOracle Multimediaのダウングレード

Oracle Multimedia機能がインストールされたデータベースをダウングレードすると、Oracle Multimediaは自動的にダウングレードされます。

注意:

Oracle Databaseの新規リリースから元のリリースにダウングレードしないことを確認するまで、DICOMデータ・モデル・リポジトリは変更しないでください。

Oracle Multimedia DICOMデータ・モデル・リポジトリに対してデータベースのアップグレード後に行った変更(ドキュメントの挿入や削除など)は、データベースをダウングレードすると失われます。

関連項目:

詳細なダウングレード手順については、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください