『Oracle Database Net Services管理者ガイド』のこのリリースでの変更点

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)の『Oracle Database Net Services管理者ガイド』での変更点は、次のとおりです。

新機能

Oracle Net Servicesの新機能は次のとおりです。

  • 複数リダイレクトのリスナー・パラメータ

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)から、新しいリスナー・パラメータALLOW_MULTIPLE_REDIRECTS_listener_nameの導入により、Oracle Net Listenerで複数のリダイレクトがサポートされるようになりました。これにより、ローカル・データベースからOracle Public CloudへのPDBのシームレスな移行がサポートされます。

  • シャーディングおよびデータ依存型ルーティング

    この機能では、シャードと呼ばれる、複数の独立したOracleデータベース上での水平方向のパーティショニングが可能であり、接続文字列で指定したキーに基づき、データベース・リクエストを特定のシャードにルーティングします。

    関連項目:

  • HTTPに対してサポートされるSCANリスナー

    この機能は、最も負荷の小さいノードへのリダイレクトを行うことにより、異なるノード上にある複数のHTTPプレゼンテーション・ハンドラでのロード・バランシングを可能にします。

  • ExaDirect SQL*Netアダプタ

    ExaDirect SQL*Netアダプタは、低いオーバーヘッドのデータベース・アクセスに使用します。インフィニバンド環境では、Remote Direct Memory Access (RDMA)の活用によって待機時間とスループットが向上する新しいトランスポートを使用してください。

  • Oracle Cloud経由のSQL*Netの直接アクセス

    この機能により、Oracle CloudでのSQL*Net経由のOracle Databaseのサポートが可能になります。既存のアプリケーションは、コードを変更することなく、Oracle Cloudを使用できます。

    これにより、データベース・クライアントは、余分なアウトバウンド・ポートを開くことなく、データベース・パブリック・クラウド・サービスに安全にアクセスできます。

  • TCPプロトコルのサービス・レベルのACL

    この機能により、データベースごとに専用のアクセス制御リスト(ACL)を用意できるようになります。このACLは、IPに基づいたものになります。それぞれのプラガブル・データベースは個別のサービスであるため、この機能によって、プラガブル・データベースごとに個別のACLを定義できます。これらのACLはリスナーによって施行されます。 つまり、プラガブル・データベース・サービスへのアクセスは、ACLを介して許可されているIPの場合にのみ有効です。

非推奨となった機能

次の機能は今回のリリースで非推奨となり、今後のリリースではサポートされない可能性があります。

脆弱なネイティブ・ネットワーク暗号化アルゴリズムおよび整合性アルゴリズムの非推奨

DESDES403DES1123DES168RC4_40RC4_56RC4_128RC4_256およびMD5アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。

この非推奨化に伴い、ネットワーク暗号化および整合性の構成を確認して、非推奨になった脆弱なアルゴリズムのいずれかを使用するように指定されているかどうかを確認することをお薦めします。

より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。