異なる言語でのOracleコンポーネントのインストールおよび使用

他の言語でOracleコンポーネントをインストールして使用する方法を説明します。

異なる言語で実行するためのOracleコンポーネントの構成

Oracleコンポーネントを使用する場合、使用する言語と地域(ロケール)を指定できます。

コンポーネントのロケール設定により、そのコンポーネントのユーザー・インタフェースに使用される言語、および日付と数値書式などのグローバリゼーション動作が決まります。Oracleコンポーネントに応じて、コンポーネントのロケールは、そのコンポーネントを起動したオペレーティング・システムのセッションから引き継いだロケール、またはNLS_LANG環境変数で定義したロケールが使用されます。

オペレーティング・システムのロケールは通常、Javaテクノロジに基づくOracleコンポーネントで使用されます。NLS_LANG環境変数で定義したロケールは通常、OCIなどのOracle Clientライブラリを使用するOracleコンポーネントで使用されます。

注意:

選択した言語でOracleコンポーネントのユーザー・インタフェースが表示されるのは、該当する翻訳リソースが使用可能であり、インストールされている場合にかぎります。そうでない場合、ユーザー・インタフェースは英語で表示されます。

オペレーティング・システムのロケールの決定

Oracle Universal Installer、Oracle Net Configuration Assistant、Oracle Database Configuration Assistantなどのコンポーネントにおけるユーザー・インタフェースの言語や、グローバリゼーション動作は、オペレーティング・システム・セッションのロケール設定によって決まります。

また、ユーザー・アプリケーションからOracle JDBCドライバを介して作成されたOracle Databaseセッションにおけるグローバリゼーション動作も、アプリケーションが優先されていないかぎり、オペレーティング・システム・セッションのロケール設定により決まります。

「スタート」メニューから「コントロール パネル」を開き、オペレーティング・システムのロケール設定を変更します。Windowsの「コントロール パネル」のクラシック表示の場合、「地域と言語のオプション」をクリックします。Windowsのコントロール パネルのデフォルト表示の場合、「キーボードまたは入力方法の変更」をクリックします。

Windowsで現在のオペレーティング・システム・ユーザーのロケールを設定するには、「形式」タブの「現在の形式」ポップアップ・リストから希望するロケールを選択します。

一部のロケールは、必要なオペレーティング・システムのサポート・ファイルをインストールしないと使用できません。

SQL*Plusなどの一部のOracleコンポーネントでは、Windowsシステム・ロケールも、そのコンポーネントを実行する言語に設定する必要があります。Windowsでは、Unicode以外のプログラムに対して、システム・ロケールの言語設定が必要です。Windowsの場合、「管理」タブの「システム ロケールの変更」ボタンをクリックし、ユーザー・アカウント制御がアクティブな場合は、管理権限の使用を受け入れ、開いているダイアログ・ボックスのポップアップ・リストからロケールを選択します。

注意:

システム・ロケールの変更後は、オペレーティング・システムを再起動する必要があります。Windowsのロケール設定の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

NLS_LANG環境変数を使用したロケールおよびキャラクタ・セットの構成

NLS_LANG環境変数は、SQL*Plus、expおよびimpなどのコンポーネントのユーザー・インタフェースの言語およびグローバリゼーション動作を決定します。

また、クライアント・アプリケーションおよびデータベース・ユーザー・セッションで使用される言語および地域を設定します。また、クライアント・アプリケーションでのデータの入力や表示に使用するキャラクタ・セットも宣言されます。

NLS_LANG環境変数の形式は次のとおりです。

NLS_LANG=language_territory.characterset

この形式の詳細は次のとおりです。

  • languageは、Oracleメッセージ、ソート、曜日および月の名前の表示に使用する言語を指定します。

  • territoryは、日付、通貨、数値のデフォルトの書式の規則を指定します。

  • charactersetは、クライアント・アプリケーションで使用するエンコーディングを指定します。

    多くの場合、これはシステム・ロケールで決定されるWindows ANSIコード・ページに対応するOracleキャラクタ・セットです。

WindowsのNLS_LANGパラメータは、次のように設定できます。

  • レジストリで、指定のOracleホームに対応するサブキーの下に設定できます。

  • 環境変数として設定できます。

Oracle Databaseコンポーネントのインストール時に、NLS_LANGパラメータをターゲットOracleホームのレジストリ・サブキーにまだ設定していない場合、Oracle Universal InstallerではNLS_LANGパラメータを現在のユーザー用のオペレーティング・システムのロケールから導出したデフォルト値に設定します。次の表を参照してください。

次に例を示します。

  • アラビア語(U.A.E.) - ARABIC_UNITED ARAB EMIRATES.AR8MSWIN1256

  • 中国語(PRC) - SIMPLIFIED CHINESE_CHINA.ZHS16GBK

  • 中国語(台湾) - TRADITIONAL CHINESE_TAIWAN.ZHT16MSWIN950

  • 英語(イギリス) - ENGLISH_UNITED KINGDOM.WE8MSWIN1252

  • 英語(アメリカ合衆国) - AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252

  • フランス語(カナダ) - CANADIAN FRENCH_CANADA.WE8MSWIN1252

  • フランス語(フランス) - FRENCH_FRANCE.WE8MSWIN1252

  • ドイツ語(ドイツ) - GERMAN_GERMANY.WE8MSWIN1252

  • ヘブライ語 - HEBREW_ISRAEL.IW8MSWIN1255

  • 日本語 - JAPANESE_JAPAN.JA16SJISTILDE

  • ロシア語 - RUSSIAN_RUSSIA.CL8MSWIN1251

  • スペイン語(スペイン) - SPANISH_SPAIN.WE8MSWIN1252

  • スペイン語(メキシコ) - MEXICAN SPANISH_MEXICO.WE8MSWIN1252

  • スペイン語(ベネズエラ) - LATIN AMERICAN SPANISH_VENEZUELA.WE8MSWIN1252

注意:

NLS_LANGパラメータとグローバリゼーション・サポート初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。

コンソール・モードおよびバッチ・モードでのNLS_LANG設定

SQL*Plus、SQL Loader、Import、ExportなどのOracleユーティリティをコマンド・プロンプト・ウィンドウから使用する前に、NLS_LANGパラメータのキャラクタ・セット・フィールドをレジストリでの値と異なる値に設定することが必要です。

これが必要なのは、コンソール・モードで実行されているプログラムでは、いくつかの例外を除き、GUIモードで実行されているプログラムとは異なるコード・ページ(キャラクタ・セット)を使用するためです。レジストリでは、デフォルトのOracleホームのNLS_LANGパラメータは、常に該当するGUIコード・ページに設定されています。コンソール・モード・セッションのNLS_LANGパラメータが適切に設定されていない場合、文字変換が正しく行われず、エラー・メッセージやデータが破損する可能性があります。

日本語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、タイ語およびベトナム語では、コンソール(OEM)コード・ページはGUI(ANSI)コード・ページと同一です。この場合、NLS_LANGパラメータを設定する必要はありません。他の言語では、影響を受けるユーティリティを起動するのと同じコマンド・プロンプト・ウィンドウでSET NLS_LANGコマンドを発行し、NLS_LANGに正しいキャラクタ・セットの値を設定します。

同様に、バッチ・モードで、バッチ・プロシージャで処理されるファイルのキャラクタ・セットに応じて、プロシージャの開始時に、SET NLS_LANGコマンドを挿入し、NLS_LANGに正しいキャラクタ・セットの値を設定します。

現在のコンソール・コード・ページを確認するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウでCHCPコマンドを発行します。表示されたコード・ページ番号を使用して、次の表で対応するOracleキャラクタ・セット名を調べます。

次の表に、コンソール・モード・コード・ページに対応するOracleキャラクタ・セットを示します。

表C-1 コンソール・モード(OEM)コード・ページに対するOracleキャラクタ・セット

OEMコード・ページ コンソール・モードのOracleキャラクタ・セット

437(US)

US8PC437

737(ギリシャ語)

EL8PC737

775(バルト語)

BLT8PC775

850(多言語ラテンI)

WE8PC850

852(ラテンII)

EE8PC852

855(キリル語)

RU8PC855

857(トルコ語)

TR8PC857

858(多言語ラテンI + 西ヨーロッパ語)

WE8PC858

866(ロシア語)

RU8PC866

874(タイ語)

TH8TISASCII

932(日本語(Shift-JIS))

JA16SJISTILDE

936(簡体字中国語GBK)

ZHS16GBK

949(韓国語)

KO16MSWIN949

950(繁体字中国語Big5)

ZHT16MSWIN950

1258(ベトナム語)

VN8MSWIN1258

翻訳リソースのインストール

適切な言語翻訳リソースをインストールする方法を説明します。

Oracleコンポーネントのユーザー・インタフェースを異なる言語で表示するには、それらの言語に翻訳されたリソースをコンポーネントとともにインストールする必要があります。

注意:

Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。Oracle Database Vault Configuration Assistantを使用すると、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。

翻訳リソースをインストールするには:

  1. Oracle Universal Installerを起動します。

  2. 「セキュリティ・アップデートの構成」画面で、関連する情報を入力して「次へ」をクリックします。

  3. 「インストール・オプションの選択」画面で、インストール・オプションを選択し、「次へ」をクリックします。

  4. 「システム・クラス」画面で、データベース・インストール用のシステム・クラスのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「Gridインストール・オプション」画面で、実行するデータベース・インストールのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「製品言語の選択」画面で、「使用可能な言語」フィールドから、製品を実行する言語を選択します。

    注意:

    「使用可能な言語」フィールドには、Oracleグローバリゼーション・ライブラリでサポートされているすべての言語が表示されます。通常、実際に翻訳されている言語はその一部であり、各コンポーネントによっても異なります。また、特定のコンポーネントにおいて翻訳の対象となる範囲は、言語によって異なります。たとえば、ユーザー・インタフェースのテキストがすべて翻訳されている言語もあれば、エラー・メッセージのみ翻訳されヘルプ・ファイルは翻訳されていない言語もあります。

  7. 「>」矢印ボタンを使用して、選択した言語を「選択された言語」フィールドに移動し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    Oracle Universal Installerでは、「選択された言語」フィールドに移動した言語でも、翻訳されていない場合は無視されます。