異なる言語でのOracleコンポーネントのインストールおよび使用
異なる言語でのOracleコンポーネントのインストールおよび使用について説明します。
- 異なる言語で実行するためのOracleコンポーネントの構成
どの言語と地域(ロケール)でOracleコンポーネントを使用するかを指定できます。 - 翻訳リソースのインストール
Oracleコンポーネントのユーザー・インタフェースを異なる言語で表示するには、該当する言語に翻訳されたリソースをコンポーネントとともにインストールする必要があります。
異なる言語で実行するためのOracleコンポーネントの構成
Oracleコンポーネントを使用する言語と地域(ロケール)を指定できます。
コンポーネントのロケール設定により、そのコンポーネントのユーザー・インタフェースに使用される言語、および日付と数値書式などのグローバリゼーション動作が決まります。Oracleコンポーネントに応じて、コンポーネントのロケールは、そのコンポーネントを起動したオペレーティング・システムのセッションから引き継いだロケール、またはNLS_LANG
環境変数で定義したロケールが使用されます。
オペレーティング・システムのロケールは通常、Javaテクノロジに基づくOracleコンポーネントで使用されます。NLS_LANG
環境変数で定義したロケールは通常、OCIなどのOracle Clientライブラリを使用するOracleコンポーネントで使用されます。
注意:
選択した言語でOracleコンポーネントのユーザー・インタフェースが表示されるのは、該当する翻訳リソースが使用可能であり、インストールされている場合にかぎります。そうでない場合、ユーザー・インタフェースは英語で表示されます。
- オペレーティング・システムのロケールの決定
Oracle Universal Installer、Oracle Net Configuration Assistant、Oracle Database Configuration Assistantなどのコンポーネントにおけるユーザー・インタフェースの言語やグローバリゼーション動作は、オペレーティング・システム・セッションのロケール設定によって決まります。 - NLS_LANG環境変数を使用したロケールおよびキャラクタ・セットの構成
NLS_LANG
環境変数によって、ユーザー・インタフェースの言語およびコンポーネント(SQL*Plus、exp、impなど)のグローバリゼーション動作が決定されます。 - コンソール・モードおよびバッチ・モードでのNLS_LANG設定
SQL*Plus、SQL Loader、Import、ExportなどのOracleユーティリティをコマンド・プロンプトから使用する前に、パラメータNLS_LANG
のキャラクタ・セットを、レジストリで使用されているものとは別の値に設定することが必要になる場合があります。
オペレーティング・システムのロケールの決定
Oracle Universal Installer、Oracle Net Configuration Assistant、Oracle Database Configuration Assistantなどのコンポーネントにおけるユーザー・インタフェースの言語や、グローバリゼーション動作は、オペレーティング・システム・セッションのロケール設定によって決まります。
また、ユーザー・アプリケーションからOracle JDBCドライバを介して作成されたOracle Databaseセッションにおけるグローバリゼーション動作も、アプリケーションが優先されていないかぎり、オペレーティング・システム・セッションのロケール設定により決まります。
「スタート」メニューから「コントロール パネル」を開き、オペレーティング・システムのロケール設定を変更します。Windowsの「コントロール パネル」のクラシック表示の場合、「地域と言語のオプション」をクリックします。Windowsのコントロール パネルのデフォルト表示の場合、「キーボードまたは入力方法の変更」をクリックします。
Windowsで現在のオペレーティング・システム・ユーザーのロケールを設定するには、「形式」タブの「現在の形式」ポップアップ・リストから希望するロケールを選択します。
一部のロケールは、必要なオペレーティング・システムのサポート・ファイルをインストールしないと使用できない場合があります。
SQL*Plusなどの一部のOracleコンポーネントでは、Windowsシステム・ロケールも、そのコンポーネントを実行する言語に設定する必要があります。Windowsでは、Unicode以外のプログラムに対して、システム・ロケールの言語設定が必要です。Windowsの場合、「管理」タブの「システム ロケールの変更」ボタンをクリックし、ユーザー・アカウント制御がアクティブな場合は、管理権限の使用を受け入れ、開いているダイアログ・ボックスのポップアップ・リストからロケールを選択します。
注意:
システム・ロケールの変更後は、オペレーティング・システムを再起動する必要があります。Windowsのロケール設定の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
NLS_LANG環境変数を使用したロケールおよびキャラクタ・セットの構成
NLS_LANG
環境変数は、SQL*Plus、expおよびimpなどのコンポーネントのユーザー・インタフェースの言語およびグローバリゼーション動作を決定します。
また、クライアント・アプリケーションおよびデータベース・ユーザー・セッションで使用される言語および地域を設定します。また、クライアント・アプリケーションでのデータの入力や表示に使用するキャラクタ・セットも宣言されます。
NLS_LANG
環境変数の形式は次のとおりです。
NLS_LANG=language_territory.characterset
この形式の詳細は次のとおりです。
-
language
は、Oracleメッセージ、ソート、曜日および月の名前の表示に使用する言語を指定します。 -
territory
は、日付、通貨、数値のデフォルトの書式の規則を指定します。 -
characterset
は、クライアント・アプリケーションで使用するエンコーディングを指定します。多くの場合、これはシステム・ロケールで決定されるWindows ANSIコード・ページに対応するOracleキャラクタ・セットです。
WindowsのNLS_LANG
パラメータは、次のように設定できます。
-
レジストリで、指定のOracleホームに対応するサブキーの下に設定できます。
-
環境変数として設定できます。
Oracle Databaseコンポーネントのインストール時に、NLS_LANG
パラメータをターゲットOracleホームのレジストリ・サブキーにまだ設定していない場合、Oracle Universal InstallerではNLS_LANG
パラメータを現在のユーザー用のオペレーティング・システムのロケールから導出したデフォルト値に設定します。次の表を参照してください。
関連項目:
-
NLS_LANGパラメータとグローバリゼーション・サポート初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』
を参照してください。
次に例を示します。
-
アラビア語(U.A.E.) -
ARABIC_UNITED ARAB EMIRATES.AR8MSWIN1256
-
中国語(PRC) -
SIMPLIFIED CHINESE_CHINA.ZHS16GBK
-
中国語(台湾) -
TRADITIONAL CHINESE_TAIWAN.ZHT16MSWIN950
-
英語(イギリス) -
ENGLISH_UNITED KINGDOM.WE8MSWIN1252
-
英語(アメリカ合衆国) -
AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252
-
フランス語(カナダ) -
CANADIAN FRENCH_CANADA.WE8MSWIN1252
-
フランス語(フランス) -
FRENCH_FRANCE.WE8MSWIN1252
-
ドイツ語(ドイツ) -
GERMAN_GERMANY.WE8MSWIN1252
-
ヘブライ語 -
HEBREW_ISRAEL.IW8MSWIN1255
-
日本語 -
JAPANESE_JAPAN.JA16SJISTILDE
-
ロシア語 -
RUSSIAN_RUSSIA.CL8MSWIN1251
-
スペイン語(スペイン) -
SPANISH_SPAIN.WE8MSWIN1252
-
スペイン語(メキシコ) -
MEXICAN SPANISH_MEXICO.WE8MSWIN1252
-
スペイン語(ベネズエラ) -
LATIN AMERICAN SPANISH_VENEZUELA.WE8MSWIN1252
コンソール・モードおよびバッチ・モードでのNLS_LANG設定
SQL*Plus、SQL Loader、Import、ExportなどのOracleユーティリティをコマンド・プロンプトから使用する前に、パラメータNLS_LANG
の文字セットを、レジストリで使用されているものとは別の値に設定する必要がある場合があります。
コンソール・モード・ユーティリティに別のキャラクタ・セットを設定する必要があるのは、コンソール・モードで実行されているプログラムでは、いくつかの例外を除き、GUIモードで実行されているプログラムとは異なるコード・ページ(キャラクタ・セット)を使用するためです。レジストリでは、デフォルトのOracleホームのNLS_LANG
パラメータは、常に該当するGUIコード・ページに設定されています。コンソール・モード・セッションのNLS_LANG
パラメータが適切に設定されていない場合、文字変換が正しく行われず、エラー・メッセージやデータが破損する可能性があります。
日本語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語、タイ語およびベトナム語では、コンソール(OEM)コード・ページはGUI(ANSI)コード・ページと同一です。この場合、NLS_LANG
パラメータを設定する必要はありません。他の言語では、影響を受けるユーティリティを起動するのと同じコマンド・プロンプト・ウィンドウでSET NLS_LANG
コマンドを発行し、NLS_LANG
に正しいキャラクタ・セットの値を設定します。
同様に、バッチ・モードで、バッチ・プロシージャで処理されるファイルのキャラクタ・セットに応じて、プロシージャの開始時に、SET NLS_LANG
コマンドを挿入し、NLS_LANG
に正しいキャラクタ・セットの値を設定します。
現在のコンソール・コード・ページを確認するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウでCHCP
コマンドを発行します。表示されたコード・ページ番号を使用して、対応するOracleキャラクタ・セット名を次の表で調べます。
表6-1 コンソール・モード(OEM)コード・ページに対するOracleキャラクタ・セット
OEMコード・ページ | コンソール・モードのOracleキャラクタ・セット |
---|---|
437(US) |
US8PC437 |
737(ギリシャ語) |
EL8PC737 |
775(バルト語) |
BLT8PC775 |
850(多言語ラテンI) |
WE8PC850 |
852(ラテンII) |
EE8PC852 |
855(キリル語) |
RU8PC855 |
857(トルコ語) |
TR8PC857 |
858(多言語ラテンI + 西ヨーロッパ語) |
WE8PC858 |
866(ロシア語) |
RU8PC866 |
874(タイ語) |
TH8TISASCII |
932(日本語(Shift-JIS)) |
JA16SJISTILDE |
936(簡体字中国語GBK) |
ZHS16GBK |
949(韓国語) |
KO16MSWIN949 |
950(繁体字中国語Big5) |
ZHT16MSWIN950 |
1258(ベトナム語) |
VN8MSWIN1258 |
翻訳リソースのインストール
Oracleコンポーネントのユーザー・インタフェースを異なる言語で表示するには、それらの言語に翻訳されたリソースをコンポーネントとともにインストールする必要があります。
注意:
Oracle Database Vaultのユーザー・インタフェース・テキストの一部は、DVSYSスキーマの中のデータベース表に格納されます。デフォルトでは、これらの表には英語のみロードされます。Oracle Database Vault Configuration Assistantを使用すると、Oracle Database Vaultに別の言語を追加できます。
翻訳リソースをインストールする手順は、次のとおりです。
-
Oracle Universal Installerを起動します。
-
「セキュリティ・アップデートの構成」画面で、関連する情報を入力して「次へ」をクリックします。
-
「インストール・オプションの選択」画面で、インストール・オプションを選択し、「次へ」をクリックします。
-
「システム・クラス」画面で、データベース・インストール用のシステム・クラスのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。
-
「Gridインストール・オプション」画面で、実行するデータベース・インストールのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。