インストール時に作成されたレスポンス・ファイルを使用したインストール後の構成

Oracleソフトウェアのインストール後に、レスポンス・ファイル構成を実行するには、次のようにします。

インストール後の構成ファイルの概要

サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでのインストールを実行する場合は、使用するサーバーについての情報をレスポンス・ファイルに指定します。指定しない情報は、グラフィカル・ユーザー・インタフェースによるインストール中に手動で入力します。

ただし、レスポンス・ファイルには、ソフトウェアのインストール後にConfiguration Assistantから要求されるユーザー・アカウントのパスワードは含まれていません。コンフィギュレーション・アシスタントは、configToolAllCommandsというスクリプトによって起動されます。このスクリプトは、パスワード・レスポンス・ファイルを使用するとレスポンス・ファイル・モードで実行できます。このスクリプトでは、パスワードを使用して構成ツールを順に実行し、構成を完了します。

クローン・インストール用にこのパスワード・ファイルを保持する場合は、セキュアな場所に保存することをお薦めします。また、エラーを修正するためにインストールを中止する必要がある場合は、configToolAllCommandsおよびパスワード・レスポンス・ファイルを使用してコンフィギュレーション・アシスタントを実行できます。

configToolAllCommandsパスワード・レスポンス・ファイルには、次の構文オプションがあります。

  • internal_component_nameは、コンフィギュレーション・アシスタントで構成するコンポーネントの名前です。

  • variable_nameは、構成ファイルの変数の名前です。

  • valueは構成で設定する値です。

コマンド構文は次のとおりです。

internal_component_name|variable_name=value

次に例を示します。

oracle.crs|S_ASMPASSWORD=myPassWord

パスワード・レスポンス・ファイルのセキュリティは、次の方法で維持することをお薦めします。

  • レスポンス・ファイルに対する権限は600に設定する必要があります。

  • レスポンス・ファイルの所有者はインストール所有者ユーザーであり、そのグループが中央インベントリ(oraInventory)グループに設定されている必要があります。

レスポンス・ファイルを使用したインストール後の構成の実行

レスポンス・ファイルを使用して、インストール後の構成を実行するには、この手順を使用します。

executeConfigToolsスクリプトを使用してコンフィギュレーション・アシスタントを実行するには、次の手順を実行します。

  1. 構文filename.propertiesを使用してレスポンス・ファイルを作成します。次に例を示します。

    C:\> copy nul cfgrsp.properties
    
  2. テキスト・エディタでこのファイルを開き、パスワード・テンプレートを切り取って貼り付け、必要に応じて変更します。

  3. cfgrsp.propertiesファイルを保護するために、プロパティ・ページで権限を変更します。このファイルを右クリックして、プロパティ・ページを開きます。「セキュリティ」タブを選択して、「編集」ボタンをクリックし、グループまたはユーザーを選択してから、不要なユーザーの読取り権限の「拒否」チェック・ボックスを選択し、読取りアクセス権を削除します。

  4. ディレクトリを、ORACLE_HOME\cfgtoollogsに変更します。

  5. configToolAllCommandsを実行する前に、次のコマンドを使用して名前を変更します。

    copy configToolAllCommands configToolAllCommands.bat

  6. 次の構文を使用して、構成スクリプトを実行します。

    configToolAllCommands.bat RESPONSE_FILE=\path\name.properties

    次に例を示します。

    C:\> configToolAllCommands.bat RESPONSE_FILE=C:\oracle\cfgrsp.properties
    

例C-1 スタンドアロン・サーバー用のOracle Grid Infrastructureのパスワード・レスポンス・ファイル

Oracle Grid Infrastructureでは、BMCカードがある場合にこの機能を使用可能にするには、Oracle Automatic Storage Managementコンフィギュレーション・アシスタント(ASMCA)およびIntelligent Platform Managementインタフェース・コンフィギュレーション・アシスタント(IPMICA)のパスワードが必要です。この場合、次のレスポンス・ファイルを使用します。

oracle.crs|S_ASMPASSWORD=password
oracle.crs|S_ASMMONITORPASSWORD=password
oracle.crs|S_OMSPASSWORD=password
oracle.crs|S_BMCPASSWORD=password
oracle.crs|S_WINSERVICEUSERPASSWORD=password

例C-2 Oracle Databaseのパスワード・レスポンス・ファイル

Oracle Databaseの構成では、Database Configuration Assistant (DBCA)で使用するSYSSYSTEMおよびDBSNMPの各パスワードが必要です。S_ASMSNMPPASSWORDパスワードは、データベースでOracle ASMをストレージに使用する場合のみ必要です。同様に、S_PDBADMINPASSWORDパスワードは、1つ以上のプラガブル・データベース(PDB)を含むマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を作成する場合にのみ必要です。また、Oracle Enterprise Managerの構成を選択した場合は、S_EMADMINPASSWORDパスワードにOracleソフトウェア・インストール所有者のパスワードを指定します。

oracle.server|S_SYSPASSWORD=password
oracle.server|S_SYSTEMPASSWORD=password
oracle.server|S_DBSNMPPASSWORD=password
oracle.server|S_PDBADMINPASSWORD=password
oracle.server|S_EMADMINPASSWORD=password
oracle.server|S_ASMSNMPPASSWORD=password

Oracle Enterprise ManagerまたはOracle ASMを有効にしない場合、これらのパスワード・フィールドは空白のままにします。