用語集
加算的
加算によってサマリーを作成できるメジャーまたはファクト(SUM
関数など)を指します。加算的なメジャーが最も一般的です。たとえば、販売価格、原価、収益などがこれに該当します。
「非加算的」と対比してください。
集計
複数のデータ値を1つの値に集約する処理。たとえば、売上データを毎日収集して、これを週レベルに集計したり、週データを月レベルに集計したりできます。この結果のデータは、集計データとして参照できます。
「集計」は「サマリー」と同じ意味で使用されることが多く、「集計データ」は「サマリー・データ」と同じ意味で使用されます。ただし、SUM
の他にも様々な集計方法があります。
アナリティック・ワークスペース
関連するディメンション・オブジェクト(ディメンションやキューブなど)を格納するためのコンテナです。アナリティック・ワークスペースはリレーショナル表に格納されます。
「キューブ」、「キューブ・ディメンション」も参照してください。
属性
OLAPキューブ・ディメンションに関連するデータベース・オブジェクトです。属性には、すべてのディメンション・メンバー、特定の階層のメンバー、または階層の特定のレベルのメンバーのみに関する説明的特性が格納されます。
属性の値が一意の場合、属性は、表示(説明的な名前など)または分析(期間での日数など)に使用可能な補足情報を提供します。属性の値がディメンション・メンバーのグループに適用される場合、ユーザーは特性などに基づいてデータを選択できます。たとえば、履物を表すデータベースでは、色属性を使用して、同じ色のブーツ、スニーカおよびスリッパをすべて選択できます。
「キューブ・ディメンション」も参照してください。
セル
式の単一のデータ値です。ディメンション式では、セルは式の各ディメンションの1つの値によって識別されます。たとえば、ディメンションMONTH
およびCUSTOMER
を持つメジャーの場合、月と顧客の各組合せによって、そのメジャーの個々のセルが識別されます。
「キューブ・ディメンション」も参照してください。
キューブ
同一のディメンションおよびその他の共通する特性を持つ、メジャーの編成。キューブのエッジには、ディメンション・メンバーが格納され、キューブの本体には、データ値が格納されます。たとえば、売上げデータをキューブに編成する場合、エッジに時間、製品および顧客ディメンションのメンバーの値が格納され、本体に売上数量および売上高データが格納されます。
キューブ・ディメンション
キューブ・ディメンションは値のリストを格納するディメンション・オブジェクトです。メジャーの値を識別するための索引となります。たとえば、毎月の売上高が別々に示されている売上データの場合、データには月の値を含む時間ディメンションが設定され、データは月ごとに編成されています。
多次元分析において、キューブ・ディメンションはディメンションと呼ばれます。
「ディメンション」も参照してください。
キューブ・マテリアライズド・ビュー
マテリアライズド・ビュー機能で拡張されたキューブです。キューブ・マテリアライズド・ビューはOracle Databaseマテリアライズド・ビュー・サブシステムで増分がリフレッシュされ、ソース表に対する問合せの透過的リライトのターゲットとして機能します。
キューブ構成マテリアライズド・ビューとも呼ばれます。
データ・ウェアハウス
トランザクション処理ではなく、問合せおよび分析のために設計されたデータベースです。データ・ウェアハウスには、通常、トランザクション・データから導出された履歴データが含まれますが、別のソースからのデータを含めることもできます。データ・ウェアハウスにより、分析ワークロードとトランザクション・ワークロードを分離できます。また企業は、複数のソースのデータを統合できるようになります。
ディメンション
データを分類する構造です。売上関連のデータの最も一般的なディメンションは、時間、地理および製品です。ほとんどのディメンションには階層とレベルがあります。
キューブでは、ディメンションは全レベルの集計の値のリストです。
リレーショナル表では、ディメンションは列セットの組の階層関係(親子関係)を定義する一種のオブジェクトです。
「キューブ・ディメンション」、「階層」、「メジャー・ディメンション」も参照してください。
ディメンション表
スター・スキーマまたはスノーフレーク・スキーマに、ディメンションのすべての値または一部の値を格納するリレーショナル表です。通常、ディメンション表にはディメンションのキー、レベルおよび属性の列が含まれています。
ディメンション・ビュー
全階層の全メンバーについての情報を提供するキューブ・ディメンションのリレーショナル・ビューです。ディメンション・キー、レベルおよび属性の列が含まれています。
「キューブ・ディメンション」、「階層ビュー」も参照してください。
ドリル
1つの項目から一連の関連項目にナビゲートすることです。一般に、ドリル操作では階層内のレベルを上方向または下方向に移動します。
ドリルダウンは、ビューを開いて、階層内の親値に関連付けられている子値を表示します。
ドリルアップは、階層内の親値に関連付けられている子孫の値のリストを閉じます。
EIFファイル
アナリティック・ワークスペース間でデータを転送すること、またはデータベース外でアナリティック・ワークスペース(すべてまたは選択したオブジェクト)のバージョンを保存することを目的とした、特別な形式のファイル。
埋込み合計
階層のすべてのレベルのディメンション・メンバーのリストで、集計メンバー(合計および小計)には詳細メンバーが組み込まれています。たとえば、時間ディメンションには、日、月、四半期および年を表すディメンション・メンバーが含まれます。
式
1つ以上の値(通常はメジャーまたは計算済メジャーが提供)、演算子および関数の組合せであり、値に評価されます。一般に、式のデータ型は、そのコンポーネントのデータ型になります。
式の例には、SALES
、SALES*1.05
、TRUNC(SALES)
などがあります(SALES
はメジャーです)。
ファクト表
ファクト・データを含むスター・スキーマ内の表です。通常、ファクト表には、ファクトを格納する列と、ディメンション表への外部キーである列の2種類の列が格納されます。通常、ファクト表の主キーは、その表のすべての外部キーで構成されるコンポジット・キーです。
ファクト表には、詳細ファクトまたは集計されたファクトのどちらでも格納できます。一般に、集計されたファクトを含むファクト表はサマリー表またはマテリアライズド・ビューと呼ばれます。通常、ファクト表には同じ集計レベルのファクトが含まれています。
「マテリアライズド・ビュー」も参照してください。
階層ビュー
特定の階層に属するメンバーについての情報を提供するキューブ・ディメンションのリレーショナル・ビューです。ディメンション・キー、親、階層のレベル、および属性の列が含まれています。
「キューブ・ディメンション」、「ディメンション・ビュー」も参照してください。
レベル
階層内の名前付きの位置です。たとえば、時間ディメンションには、月、四半期、年の各レベルのデータを表す階層があります。各レベルには、月、四半期、年という名前が付きます。これらの名前により、ベースから同じ距離にあるディメンション・メンバーのグループを簡単に参照できます。
マテリアライズド・ビュー
集計データにアクセスできるようにするデータベース・オブジェクト。自動リフレッシュおよびクエリー・リライト・サブシステムで認識可能です。
「キューブ・マテリアライズド・ビュー」も参照してください。
メジャー・フォルダ
メジャーのグループを編成してラベルを付けるデータベース・オブジェクトです。ユーザーが売上または原価という名前のメジャーを持つ複数のスキーマにアクセスできる場合、メジャー・フォルダはそれらを区別する手段となります。
OLAP
オンライン分析処理。OLAP機能の特徴は、履歴データの動的マルチディメンション分析で、次のようなアクティビティをサポートします。
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ディメンションおよび階層にまたがる計算
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傾向の分析
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階層内のドリルアップおよびドリルダウン
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ディメンションの向きを変更するためのキューブの回転
「OLTP」と対比してください。
OLAP DML
Oracle Database内のアナリティック・ワークスペースに格納されているディメンション・データの管理に使用されるコマンド、関数およびオプションのセットです。
Analytic Workspace Manager、OLAP式構文、OLAP Java API、および様々なアプリケーションやPL/SQLパッケージがOLAP DMLを使用して必要なタスクを実行するため、ユーザーはOLAP DMLを直接使用せずにディメンション・データにアクセスできます。
OLAPデータ操作言語(DML)は、アナリティック・ワークスペースで排他的に機能します。主なデータ構造は、ディメンション、変数、式、関連および値セットです。アナリティック・ワークスペースのこれらのディメンション・オブジェクトは、キューブ、キューブ・ディメンション、メジャー、属性、階層など、データベースの高度なディメンション・オブジェクトをサポートしています。
OLAP式構文の反対です。
OLAP式構文
SQL構文を拡張したもので、キューブ、キューブ・ディメンション、属性、メジャーなどのディメンション・データベース・オブジェクトに格納されるデータの操作に使用されます。
OLAP DMLの反対です。
OLTP
オンライン・トランザクション処理。OLTPシステムは、高速で信頼性の高いトランザクション処理用に最適化されています。データ分析システムと比べて、ほとんどのOLTP相互作用には、比較的少数の行で、大きいグループの表が含まれます。
「OLAP」と対比してください。
即時計算
特定の問合せに対する応答において、必要に応じて実行時に計算を行うこと。キューブでは通常、計算済メジャーおよびカスタム・メンバーは必要に応じて計算されます。集計データは、事前に計算するか、必要に応じて計算するか、またはその両方を組み合せて計算できます。
「事前計算」と対比してください。
事前計算
データのメンテナンス手順として、計算して格納することです。キューブでは、集計データに対して、事前計算または必要に応じた計算、あるいはこれら2つの組合せが可能です。
「即時計算」と対比してください。
スキップレベル階層
2つ以上高いレベルに親を持ち、階層に欠落部分を作成するメンバーが1つ以上含まれる階層です。たとえば、市、州、国のレベルのある地理ディメンションで、ワシントンD.C.は州の値を持たない市であり、その親は国レベルの米国です。
スパース性
実際のデータを持たないディメンション値の組合せが比較的高い割合で存在するような多次元データを指す概念。
スパース性には、次の2つのタイプがあります。
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制御されたスパース性は、1つ以上のディメンションの値の範囲にデータがない場合に発生します。たとえば、月でディメンション化された新規メジャーに過去の月のデータがない場合です。月ディメンションに過去の月があるためセルが存在しますが、セルは空です。
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ランダムなスパース性は、メジャー全体にNULLが分散している場合に発生します(通常は、ディメンション・メンバーの組合せの一部に常にデータが存在しないことが原因となります)。たとえば、ある地区で特定の製品のみを販売し、他の製品の売上データを持たない場合です。
一部のディメンションはスパースでも、その他のディメンションは稠密になる場合があります。すべての期間で、他のディメンション全体に1つ以上のデータがある場合は、それによって時間ディメンションが稠密になる場合があります。ただし、一部の製品は一部の都市で販売されておらず、また一部の期間で使用できない可能性があります。この場合、製品および地理の両方がスパースなディメンションである可能性があります。
コンポジットも参照してください。
スター・スキーマ
ディメンション・データ・モデルを表すように設計されたリレーショナル・スキーマです。1つ以上のファクト表と、外部キーを介して関連付けられている1つ以上のディメンション表で構成されます。
「スノーフレーク・スキーマ」も参照してください。
ステータス
特定のディメンションの現在アクセス可能な値のリストです。ディメンションのステータスは特定のセッションを通じて維持され、意図的に変更されるまで変わりません。アナリティック・ワークスペースが初めてセッションに接続されたときに、すべてのメンバーにステータスが設定されます。
「キューブ・ディメンション」、「ディメンション・メンバー」も参照してください。