ASMCMDクライアント・クラスタ管理コマンド

このトピックでは、Oracle ASMリモート・インスタンスとともに使用されるASMCMDクライアント・クラスタ管理コマンドの概要を示します。

特に指定されないかぎり、ASMCMDクラスタ管理コマンドはOracle ASM-CSSクラスタで実行する必要があります。

Oracle Flex ASMの詳細は、Oracle Flex ASMの管理を参照してください。

表10-23に、ASMCMDクライアント・クラスタ管理コマンドと簡単な説明を示します。

表10-23 ASMCMDクライアント・クラスタ管理コマンドの概要

コマンド 説明

mkcc

メンバー・クラスタの構成を作成します。

lscc

構成済メンバー・クラスタをリストします。

rmcc

メンバー・クラスタの構成を削除します。

lscc

目的

構成済メンバー・クラスタをリストします。

構文および説明

lscc [--suppressheader] [-l] [cluster_name]

次の表に、lsccコマンドのオプションを示します。

表10-24 lsccコマンドのオプション

オプション 説明

–suppressheader

出力で列のヘッダーを非表示にします。

-l

すべての詳細を表示します。

cluster_name

クライアント・クラスタの名前を指定します。

次の例では、構成済クライアント・クラスタをリストします。

例10-29 ASMCMD lsccコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > lscc
--------------------------------------------------------------------------------
           NAME        VERSION GUID
================================================================================
 ClientCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4
 Clientcluster2     12.2.0.0.0 3de3bbd75e9a7f17bfe027b477b5bcae
================================================================================

ASMCMD [+] > lscc -l
--------------------------------------------------------------------------------
           NAME        VERSION GUID                             ASM GIMR TFA RHP
================================================================================   
 ClientCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4 YES  YES YES YES
 Clientcluster2     12.2.0.0.0 3de3bbd75e9a7f17bfe027b477b5bcae YES  YES YES  NO
================================================================================

ASMCMD [+] > lscc ClientCluster1 --suppressheader
 ClientCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4

ASMCMD [+] > lscc ClientCluster1 --suppressheader -l
 ClientCluster1     12.2.0.0.0 78015b1e78756f88bf119fd8e5146df4 ASM,GIMR,TFA,RHP

mkcc

目的

メンバー・クラスタの構成を作成します。

構文および説明

mkcc cluster_name wrap [--direct] [--version client_cluster_version] [--asm] [--gimr] [--rhp] [--tfa]

次の表に、mkccコマンドのオプションを示します。

表10-25 mkccコマンドのオプション

オプション 説明

cluster_name

クライアント・クラスタの名前を指定します。

wrap

資格証明のエクスポート先となるXMLファイルのフルパスを指定します。

--direct

直接ストレージ・アクセスを指定します。指定しないと、ストレージ・アクセスは間接となります。

--version client_cluster_version

クライアント・クラスタ・バージョンがストレージ・サーバー・バージョンと異なる場合、5桁のクライアント・クラスタ・バージョンを指定します。指定しないと、ストレージ・サーバー・バージョンが使用されます。

--asm

Oracle ASMクライアント・クラスタの資格証明および構成を生成します。

–-gimr

Oracle GIMRクライアント・クラスタの資格証明および構成を生成します。

–-rhp

Oracle RHPクライアント・クラスタの資格証明および構成を生成します。

--tfa

Oracle TFAクライアント・クラスタの資格証明および構成を生成します。

クライアント・クラスタ名は、クラスタ名と同じルールに準拠する必要があります。名前は、企業全体で一意であり、長さは最短で1文字、最長で15文字であり、英数字を使用し、数字で始まらず、ハイフン(-)を含めることもできます。アンダースコア文字(_)は使用できません。

コンポーネント・オプションを指定しないと、デフォルトでは、すべてのコンポーネントが構成され、それらの資格証明は同じマニフェスト・ファイルに格納されます。

GNS資格証明は、asmcmd mkccコマンドでは生成されません。メンバー・クラスタをGNSクライアントとして構成するには、次のコマンドを特権ユーザーとして実行し、GNSインスタンスのクライアント・データ構成をクラスタ・マニフェスト・ファイルにエクスポートします。

srvctl export gns -clientdata wrap -role CLIENT

次の例では、クライアント・クラスタの資格証明を作成します。

例10-30 ASMCMD mkccコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > mkcc clientcluster1 /tmp/client_cluster1.xml --version 12.2.0.0.0

rmcc

目的

メンバー・クラスタの構成を削除します。

構文および説明

rmcc cluster_name [-f]

次の表に、rmccコマンドのオプションを示します。

表10-26 rmccコマンドのオプション

オプション 説明

cluster_name

クライアント・クラスタの名前を指定します。

-f

クライアント・クラスタの資格証明の削除の強制を指定します。

次の例では、クライアント・クラスタの構成を削除します。

例10-31 ASMCMD rmccコマンドの使用方法

ASMCMD [+] > rmcc clientcluster1