2.13.5 Oracle ASM Cluster File System (Oracle ACFS)の既知の不具合

次に、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)のOracle ASM Cluster File System (Oracle ACFS)の既知の不具合を示します。

2.13.5.1 Oracle Bug#24585489

Oracle ACFSレプリケーションおよびOracle ACFS Securityが、レプリケーションに関連するファイル・システムでアクティブまたはかつてアクティブであった場合、acfsutil replのアップグレード・コマンドはOracle ACFSレプリケーションのアップグレードには使用できません。

回避策:

次のいずれかを実行します。

  • この不具合のパッチをインストールします。

  • Oracle Database 12cリリース2 (12.2)のレプリケーションを更新するには、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースでacfsutil repl terminateコマンドを使用してレプリケーションを終了してから、acfsutil repl initを実行して12.2へのレプリケーション・アップグレードを開始します。

2.13.5.2 Oracle Bug#24509867

Oracle ACFSセキュリティ、暗号化または監査が有効になっていて、acfsutil snap duplicate createまたはacfsutil snap duplicate applyを直接起動するスナップショットを作成すると、エラーの報告がない場合でも適用コマンドは失敗します。

回避策:

acfsutil snap duplicate createまたはacfsutil snap duplicate applyを直接起動する場合、Oracle ACFSセキュリティ、暗号化または監査を有効にしないでください。

2.13.5.3 Oracle Bug#24501993

ユース・ケース1:

セキュリティ、暗号化および監査がすでにファイル・システムで有効になっていて、スナップ・ベースのレプリケーションを指定したタグで初期化する必要があるとします。指定したタグのレプリケーションが有効で、セキュリティ、暗号化および監査も有効な場合、セキュリティ・ディレクトリが指定したタグの1つにタグ付けされていないと、レプリケーションは失敗します。

ユース・ケース2:

レプリケーションが指定したタグで初期化され、セキュリティ、暗号化および監査の初期化が必要だとします。セキュリティ・ディレクトリでファイルをレプリケートしないタグでスナップ・ベースのレプリケーションが初期化されている場合、セキュリティ、暗号化および監査を有効にしようとすると失敗します。

ユース・ケース1の回避策:

レプリケーション用に、指定したタグの1つでセキュリティ・ディレクトリをタグ付けします。

ユース・ケース2の回避策:

  1. レプリケーションを一時停止します。

  2. セキュリティ、暗号化および監査を有効にし、レプリケーション用に指定されたタグをOracle ACFS Security管理者として再帰的に実行し、セキュリティ・ディレクトリを追加します。

  3. レプリケーションを再開します。

2.13.5.4 Oracle Bug#24346121

データ転送を実行するためにacfsutil snap dup applyにパイプ入力されたacfsutil snap dup createを使用する際に、同じ転送が誤って複数回正常に実行されると(同じコマンドラインが複数回起動されるなど)、混乱を招くエラー出力が発生する可能性があります。重複する起動ごとに、snap dup create操作によって一連のエラー・メッセージが生成されます。これらのメッセージは無害で無視できます。その場合、スナップの複製適用操作ではディスクにデータは書き込まれず、操作は終了ステータス2で即座に終了します。作成プロセスは適用プロセスにデータを送信し続けようとしますが、適用プロセスの終了によってエラー・メッセージが出力されます。

回避策:

これらのメッセージは無害で無視できます。

2.13.5.5 Oracle Bug#23327160

Oracle ACFSファイル・システムのcompatible.advmディスク・グループ属性またはOracle ACFS互換性の値は、各リリースに関連付けられている新しいOracle ACFS機能を活用するために、サポートされているOracle Databaseベース・リリース・ストリームと同等の値に設定する必要があります。無効な番号は、12.1から12.2.0.1.0の間の値で、完全なリリース番号ではないものです。例: 12.1.2、12.1.8、12.1.1.1および12.2.1

回避策:

有効で完全なOracle Databaseベース・リリース番号を指定します。例: 12.1、12.1.0.1、12.1.0.1.0、12.1.0.2、12.1.0.2.0、12.2、12.2.0.1および12.2.0.1.0

2.13.5.6 Oracle Bug#22191226

プライマリ・データベースでのOracle ACFSレプリケーションの終了は、現行プライマリ・データベースからスタンバイ・データベースに大量のデータが転送されている場合、長い時間かかる可能性があります。

回避策:

プライマリ・データベースのいくつかの更新が不要な場合には、acfsutil repl terminate primary操作を起動し、この操作がプライマリ・データベースで完了するのを待っている間にacfsutil repl terminate standby immediate操作でスタンバイ・データベース上のレプリケーションを終了させることで、レプリケーションを早めに終了することができます。immediateキーワードを使用すると、スタンバイ・データベースで迅速に終了し、プライマリ・データベースとの接続を切断して、プライマリ・データベースの終了コマンドをすぐに有効にします。