34 SDO_TUNEパッケージ(チューニング)

MDSYS.SDO_TUNEパッケージには空間チューニングのサブプログラムが含まれています。

トピック:

34.1 SDO_TUNE.AVERAGE_MBR

構文

SDO_TUNE.AVERAGE_MBR(
     table_name  IN VARCHAR2, 
     column_name IN VARCHAR2, 
     width       OUT NUMBER, 
     height      OUT NUMBER);

説明

レイヤー内のジオメトリに対する平均最小境界矩形(MBR)を計算します。

パラメータ

table_name

空間ジオメトリ表を指定します。

column_name

平均最小境界矩形を計算するジオメトリ列を指定します。

width

平均最小境界矩形の幅が格納されます。

height

平均最小境界矩形の高さが格納されます。

使用上の注意

このプロシージャは、平均最小境界矩形の幅および高さを計算して、格納します。平均最小境界矩形は、空間ジオメトリ表内のすべてのジオメトリのXとYの最大値と最小値を追跡および記録することによって計算されます。

次の例では、COLA_MARKETS表のSHAPE列について最小境界矩形を計算します。

DECLARE
  table_name  VARCHAR2(32) := 'COLA_MARKETS';
  column_name  VARCHAR2(32) := 'SHAPE';
  width  NUMBER;
  height  NUMBER;
BEGIN
SDO_TUNE.AVERAGE_MBR(
  table_name,
  column_name,
  width,
  height);
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Width = ' || width);
DBMS_OUTPUT.PUT_LINE('Height = ' || height);
END;
/
Width = 3.5                                                                     
Height = 4.5

関連トピック

SDO_AGGR_MBR空間集計ファンクション(「空間集計ファンクション」)

34.2 SDO_TUNE.ESTIMATE_RTREE_INDEX_SIZE

構文

SDO_TUNE.ESTIMATE_RTREE_INDEX_SIZE(
     schemaname IN VARCHAR2, 
     tabname    IN VARCHAR2, 
     colname    IN VARCHAR2, 
     partname   IN VARCHAR2 DEFAULT NULL 
     ) RETURN NUMBER;

または

SDO_TUNE.ESTIMATE_RTREE_INDEX_SIZE(
     number_of_geoms IN INTEGER, 
     db_block_size   IN INTEGER, 
     sdo_rtr_pctfree IN INTEGER DEFAULT 10, 
     num_dimensions  IN INTEGER DEFAULT 2, 
     is_geodetic     IN INTEGER DEFAULT 0 
     ) RETURN NUMBER;

説明

Rツリー空間索引表に必要な最大サイズ(MB)を見積もります。

パラメータ

schemaname

空間ジオメトリ表を所有するスキーマを指定します。

tabname

空間ジオメトリ表の名前を指定します。

colname

ジオメトリ列の名前を指定します。

partname

colnameで指定したジオメトリを含むパーティションの名前を指定します。このパラメータを指定した場合、指定したパーティション内のジオメトリのRツリー索引表に必要なサイズを見積もった値が戻されます。このパラメータを指定しない場合、colnameで指定したすべてのジオメトリのRツリー索引表に必要なサイズを見積もった値が戻されます。

number_of_geoms

空間ジオメトリ表内のジオメトリのおおまかな数を指定します。

db_block_size

データベース・ブロックのサイズをバイト単位で指定します。

sdo_rtr_pctfree

索引の作成時は空にしておく、各索引ツリー・ノードのスロットの最小割合です。空のスロットは、後で表に新しいデータを挿入したときにデータが書き込まれます。値は0から50の範囲です。デフォルト値(10)はほとんどのアプリケーションに最適ですが、0はジオメトリ列が更新されない場合に使用してください。

num_dimensions

索引付けする次元数を指定します。デフォルト値は2です。CREATE INDEX文でsdo_indx_dimsパラメータを指定する場合、num_dimensions値をsdo_indx_dims値と一致させる必要があります。

is_geodetic

空間索引を測地索引にするかどうかを指定します。1を指定した場合は測地索引となり、0(デフォルト)を指定した場合は非測地索引となります。

使用上の注意

このファンクションは、作成されるRツリー空間索引の空間索引表(「空間索引表の定義」を参照)に必要な最大サイズを見積もった値(MB)を戻します。戻される値は、索引作成後に必要な最大サイズ(MB)です。索引作成中は、一時表に十分な領域を確保するために、この値(MB)の約3倍の領域が表領域に必要となります。

このファンクションには、次の2つの形式があります。

  • 文字列パラメータ(schemanametabnamecolnameおよびオプションでpartname)を指定する形式: 空間ジオメトリ表がすでに存在する場合、索引作成前にそれ以上のジオメトリを追加しない場合、およびデフォルトのRツリー索引付けパラメータを使用する場合に使用します。

  • 整数パラメータ(number_of_geomsdb_block_sizesdo_rtr_pctfreenum_dimensionsおよびis_geodetic)を指定する形式: 空間ジオメトリ表が存在しない場合、空間ジオメトリ表は存在するが、索引作成前にそれ以上のジオメトリを追加する場合、num_dimensions値が2 (非測地データ)または3 (測地データ)ではない場合、CREATE INDEX文のsdo_indx_dimsパラメータでデフォルト以外の値を指定する場合に使用します。

次の例では、索引のパラメータがnumber_of_geoms = 1000000 (100万)、db_block_size = 2048sdo_rtr_pctfree = 10num_dimensions = 2およびis_geodetic = 0である場合に、空間索引表に必要な最大サイズ(MB)を見積もります。

SELECT SDO_TUNE.ESTIMATE_RTREE_INDEX_SIZE(1000000, 2048, 10, 2, 0) FROM DUAL;

SDO_TUNE.ESTIMATE_RTREE_INDEX_SIZE(1000000,2048,10,2,0)
-----------------------------------------------------
                                                   82

次の例では、SCOTTスキーマのCOLA_MARKETS表のSHAPE列の索引について、空間索引表に必要な最大サイズ(MB)を見積もります。この見積りは現在表内にあるジオメトリに基づきます。

SELECT SDO_TUNE.ESTIMATE_RTREE_INDEX_SIZE('SCOTT', 'COLA_MARKETS', 'SHAPE') FROM DUAL;

SDO_TUNE.ESTIMATE_RTREE_INDEX_SIZE('SCOTT','COLA_MARKETS','SHAPE')
---------------------------------------------------------------------
                                                                    1

34.3 SDO_TUNE.EXTENT_OF

構文

SDO_TUNE.EXTENT_OF(
     table_name  IN VARCHAR2, 
     column_name IN VARCHAR2, 
     use_index   VARCHAR2 default 'TRUE' 
     ) RETURN SDO_GEOMETRY;

説明

レイヤー内のすべてのジオメトリの最小境界矩形(MBR)を戻します。

パラメータ

table_name

空間ジオメトリ表または空間ジオメトリ表に基づくビューを指定します。

column_name

最小境界矩形を戻すジオメトリ列を指定します。

use_index

文字列TRUE (デフォルト)を指定すると、表の空間索引(存在する場合)が計算で使用されます。文字列FALSEを指定すると、すべての空間索引が無視されます。(このパラメータの詳細は、「使用上の注意」を参照。)

使用上の注意

SDO_AGGR_MBRファンクションも、ジオメトリのMBRを戻します(「空間集計ファンクション」を参照)。空間索引がジオメトリ列上に定義されている場合、SDO_TUNE.EXTENT_OFファンクションは、SDO_AGGR_MBRファンクションよりも高いパフォーマンスを示します。ただし、SDO_TUNE.EXTENT_OFは2次元ジオメトリに制限されるのに対し、SDO_AGGR_MBRファンクションにはその制限がありません。また、SDO_TUNE.EXTENT_OFファンクションは表内のすべてのジオメトリに対するエクステントを計算しますが、SDO_AGGR_MBRファンクションは、行のサブセット上での操作が可能です。

Rツリー空間索引が使用されている場合、このファンクションは、索引内に保存されているデータの最大エクステントを囲むMBRの近似値を戻します(データがその後削除されていた場合も同様です)。

use_indexのデフォルトの値のTRUEはほとんどの場合で最適ですが、FALSEを指定することが必要な場合もあります。空間索引は実際のデータ・エクステントより大きいエクステントを持つことがあります。これは、DML操作により、エッジの周囲のデータが削除されると、結果として、実際のエクステントが小さくなりますが、そのような削除操作では索引エクステントは削減されないためです。このような場合に、実際のデータ・エクステントが必要であれば、use_index=>'FALSE'を指定します。ただし、FALSEを指定すると表全体のスキャンが必要になるので、ファンクションのパフォーマンスに重大な影響を及ぼす可能性があることに注意する必要があります。

次の例では、COLA_MARKETS表のSHAPE列のオブジェクトについて最小境界矩形を計算します。

SELECT SDO_TUNE.EXTENT_OF('COLA_MARKETS', 'SHAPE') 
  FROM DUAL;

SDO_TUNE.EXTENT_OF('COLA_MARKETS','SHAPE')(SDO_GTYPE, SDO_SRID, SDO_POINT(X, Y, 
--------------------------------------------------------------------------------
SDO_GEOMETRY(2003, NULL, NULL, SDO_ELEM_INFO_ARRAY(1, 1003, 3), SDO_ORDINATE_ARRAY(1, 1, 10, 11))

関連トピック

SDO_AGGR_MBR集計ファンクション(「空間集計ファンクション」)

SDO_TUNE.AVERAGE_MBRプロシージャ

34.4 SDO_TUNE.MIX_INFO

構文

SDO_TUNE.MIX_INFO(
     table_name    IN VARCHAR2, 
     column_name   IN VARCHAR2 
     [, total_geom OUT INTEGER, 
     point_geom    OUT INTEGER, 
     curve_geom    OUT INTEGER, 
     poly_geom     OUT INTEGER, 
     complex_geom  OUT INTEGER] ); 

説明

各ジオメトリ・タイプのパーセンテージなどのような、空間レイヤーに対するジオメトリ・タイプ情報を計算します。

パラメータ

table_name

空間ジオメトリ表を指定します。

column_name

ジオメトリ・タイプの情報を計算するジオメトリ・オブジェクト列を指定します。

total_geom

ジオメトリ・オブジェクトの合計数を戻します。

point_geom

点のジオメトリ・オブジェクトの数を戻します。

curve_geom

曲線のジオメトリ・オブジェクトの数を戻します。

poly_geom

ポリゴンのジオメトリ・オブジェクトの数を戻します。

complex_geom

複合ジオメトリ・オブジェクトの数を戻します。

使用上の注意

このプロシージャは、表に対するジオメトリ・タイプの情報を計算します。点、曲線ストリング、ポリゴンおよび複雑なジオメトリの数とともに、ジオメトリの合計数を計算します。

次の例では、COLA_MARKETS表のSHAPE列にあるジオメトリ・オブジェクトの混在についての情報を表示します。

CALL SDO_TUNE.MIX_INFO('COLA_MARKETS',  'SHAPE');
Total number of geometries: 4                                                   
Point geometries:        0  (0%)                                                
Curvestring geometries:   0  (0%)                                               
Polygon geometries:      4  (100%)                                              
Complex geometries:      0  (0%)