STATS_BINOMIAL_TEST

構文

目的

STATS_BINOMIAL_TESTは、有効な値が2つのみである二値変数に使用する直接確立法です。このファンクションは、標本の割合と指定された割合との差をテストします。このテストでは通常、小さいサイズの標本が使用されます。

このファンクションは3つの必須の引数を取ります。expr1はテスト対象の標本、expr2は割合を求める値、pはテストの基準となる割合です。オプションの4つ目の引数を使用すると、表7-3に示すように、このファンクションによって戻されるNUMBER値の意味を指定できます。この引数には、テキスト・リテラル、バインド変数または定数の文字値に評価される式を指定できます。4つ目の引数を指定しない場合、デフォルトは'TWO_SIDED_PROB'です。

関連項目:

STATS_BINOMIAL_TESTの照合決定ルールは、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』の付録Cを参照してください。

表7-3 STATS_BINOMIALの戻り値

引数 戻り値の意味

'TWO_SIDED_PROB'

指定された母集団の割合pが、観測された割合より外側になる確率。

'EXACT_PROB'

指定された母集団の割合pが、観測された割合と正確に同じ値になる確率。

'ONE_SIDED_PROB_OR_MORE'

指定された母集団の割合pが、観測された割合以上になる確率。

'ONE_SIDED_PROB_OR_LESS'

指定された母集団の割合pが、観測された割合以下になる確率。

'EXACT_PROB'では、pと一致する割合が戻される確率が戻されます。標本における割合が、50%と大幅に異なるか(有意差があるか)どうかをテストする場合、通常、pを0.50に設定します。割合が異なるかどうかのみをテストする場合、戻り値に'TWO_SIDED_PROB'を使用します。割合がexpr2の値より大きいかどうかをテストする場合、戻り値に'ONE_SIDED_PROB_OR_MORE'を使用します。割合がexpr2より小さいかどうかをテストする場合、戻り値に'ONE_SIDED_PROB_OR_LESS'を使用します。

STATS_BINOMIAL_TESTの例

次の例では、母集団の69%が男性であるという仮定に基づいて観測された男性数が、実際の男性数と正確に同一となる確率を判断します。

SELECT AVG(DECODE(cust_gender, 'M', 1, 0)) real_proportion,
       STATS_BINOMIAL_TEST
         (cust_gender, 'M', 0.68, 'EXACT_PROB') exact,
       STATS_BINOMIAL_TEST
         (cust_gender, 'M', 0.68, 'ONE_SIDED_PROB_OR_LESS') prob_or_less
  FROM sh.customers;