4 アプリケーション開発の開始

Oracle Database 12c リリース2 (12.2)に接続するJavaアプリケーションを開発するには、必要に応じていくつかのコンポーネントをインストールしておく必要があります。この章の構成は、次のとおりです。

4.1 インストールする必要があるもの

サンプル・アプリケーションを開発するには、次の製品およびコンポーネントをインストールする必要があります。

次の項目では、これらの要件について詳細に説明します。

4.1.1 Oracle Database 12c リリース2 (12.2)

Javaアプリケーションを作成するには、HRスキーマ(データベースに付属)で動作するOracle Database 12c リリース2 (12.2) Serverのインストールが必要です。インストールにより、Oracle Database 12c リリース2 (12.2)インスタンスが作成され、このデータベースを管理するためのツールが提供されます。詳細は、次に示すOracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストレーション・ガイドおよびリリース・ノートを参照してください。

  • 『Oracle Databaseインストレーション・ガイド for Linux』

  • 『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』

4.1.1.1 JDBCアプリケーションのHRスキーマのロック解除

HRユーザー・アカウント(このマニュアルのJavaアプリケーションで使用するサンプルHRスキーマの所有者)は、最初はロックされています。HRとしてログインするには、まず管理権限を持つユーザー(SYS)としてログインし、アカウントのロックを解除する必要があります。

データベースがローカルにインストールされている場合は、SQLコマンドラインの実行を使用して、次のようにアカウントのロックを解除します。

  1. 「SQLコマンドラインの実行」にアクセスするには、「スタート」メニューから「プログラム」(または「すべてのプログラム」)→「Oracle Database 12c Release 2 (12.2)」を選択し、「SQLコマンドラインの実行」をクリックします。DBA権限を持つユーザーとしてログインします。次に例を示します。
    > CONNECT SYS AS SYSDBA;
    Enter password: password
    
  2. 次のコマンドを実行します。
    > ALTER USER HR ACCOUNT UNLOCK;
    

    または、

    > ALTER USER HR IDENTIFIED BY HR;
    
  3. 次のように接続をテストします。
    > CONNECT HR
    Enter password: password
    

データベースに接続したことを示すメッセージが表示されます。

注意:

Oracle Database 12c リリース2 (12.2)でのセキュアなパスワードの作成および使用の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。

また、HRスキーマにある制約およびトリガーの一部は、このマニュアルで作成するJavaアプリケーションの目的に合っていません。次のSQL文を使用して、これらの制約およびトリガーを削除する必要があります。

DROP TRIGGER HR.UPDATE_JOB_HISTORY;
DROP TRIGGER HR.SECURE_EMPLOYEES;
DELETE FROM JOB_HISTORY;

4.1.2 J2SEまたはJDK

Javaアプリケーションを作成およびコンパイルするには、Java 2 Platform, Standard Edition, Software Development Kit(J2SE SDK)(以前のJava Development Kit(JDK))がすべて必要です。

注意:

Oracle Database 12c リリース2 (12.2)は、JDK 8をサポートしています。

関連項目:

4.1.3 統合開発環境

アプリケーションの開発を簡単にするため、統合開発環境(IDE)でアプリケーションを開発することができます。このマニュアルでは、Oracle JDeveloperを使用して、このアプリケーションのファイルを作成します。

4.1.4 Webサーバー

このマニュアルで開発するサンプル・アプリケーションは、JavaServer Pages (JSP)テクノロジを使用して情報を表示し、ユーザーからの入力を受け入れます。これらのページをデプロイするには、サーブレットおよびJSPコンテナを使用するWebサーバー(Apache Tomcatアプリケーション・サーバーなど)が必要です。

このマニュアルでは、JSPページのデプロイに、JDeveloperの Oracle WebLogicサーバーという埋込みサーバーを使用します。Oracle JDeveloperをインストールしない場合でも、任意のWebサーバーを使用してJSPページをデプロイできます。

JDeveloperでは、次の本番アプリケーション・サーバーへの直接デプロイメントがサポートされています。

  • Oracle WebLogic Server

  • Oracle Application Server

  • Apache Tomcat

  • IBM WebSphere

  • JBoss

これらのサーバーの詳細は、ベンダー固有のドキュメントを参照してください。

4.2 Oracle Database Cloud - Oracle Database as a Serviceの開始

Oracle Database Cloud Serviceを使用するための前提条件

Oracle Database Cloud Serviceの使用を開始する前に、次の概念をよく理解している必要があります。

  • Oracle Cloud

  • Oracle Compute Cloud Service

  • Oracle Storage Cloud Serviceコントローラ

    Database Cloud Serviceは、Oracle Database Backup Cloud Serviceを使用して、クラウド・ストレージ上でデータをバックアップします。

    一方、Database Backup Cloud Serviceは、クラウドへのバックアップのためのリポジトリとしてOracle Storage Cloud Serviceコンテナを使用します。そのため、コンテナを作成する前に、Oracle Storage Cloud Serviceのサブスクリプションが必要です。

Database Cloud Serviceインスタンスの作成に必要なもの

  • Database Cloud Serviceのサブスクリプション

  • データベースサポートしているコンピュート・ノードに安全にアクセスするための、Secure Shell(SSH)公開/秘密鍵ペア(オプション)

  • クラウド・サービスにバックアップを格納するOracle Storage Cloud Serviceのコンテナ

データベース・クラウド・サービス・サブスクリプションの開始

Oracle Database Cloud Service (試用および有料)サブスクリプションを開始するには、次の手順に従います。

1 試用ライセンスをリクエストするか、Oracle Database Public Cloud Servicesのライセンスを購入します。

2 Oracle Database Public Cloud Servicesアカウントを設定します。

注意:

Oracle Database Cloud Serviceをダウンロードするには、次のリンク(https://cloud.oracle.com/database)を参照してください。

3 Database Cloud Serviceの使用準備が整っているかどうかを確認します。

4 Oracle Database Cloud Serviceのユーザーとロールについて理解します。

5 必要な権限があるユーザーのアカウントを作成します。

Oracle Database Cloud Serviceの使用を開始する方法の詳細は、次のドキュメントを参照してください。

https://docs.oracle.com/en/cloud/paas/database-dbaas-cloud/csdbi/get-started-this-service.html

4.3 Oracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストールの検証

Oracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストールはプラットフォーム固有です。サンプル・アプリケーションの作成に進む前に、インストールが成功したことを検証する必要があります。この項では、Oracle Database 12c リリース2 (12.2)のインストールを検証する手順について説明します。

インストールの検証には、次の作業があります。