1 概要

Oracle Archive eXchange Format Explorer では、Oracle DIVArchive の以前のリリースで提供されたテープ読み取りユーティリティー (TRU) に類似した機能が提供され、AXF 形式のオブジェクトとともに使用します。DIVArchive 7.0 に複雑なオブジェクトが導入されたため、AXF Explorer では AXF ファイルの構文解析用の直感的なインタフェースを提供します。TRU ユーティリティーは複雑なオブジェクトや AXF ファイルと互換性がないため、その代わりに AXF Explorer を使用する必要があります。

新機能および拡張機能

AXF Explorer には、(DIVArchive ソフトウェアのダウンロードに含まれている場合であっても) AXFExplorerInstaller.exe という名前の個別のインストールパッケージがあります。AXF Explorer をインストールするには、インストーラの実行可能ファイルを実行する必要があります。これは DIVArchive のインストール中に自動的にインストールされません。

このユーティリティーを使用すると、ディスク上のローカルフォルダに AXF オブジェクトのメタデータおよび内容を完全にダンプする機能を有効にでき、ファイル抽出または AXF ダンプ中にフラグメントが自動的にマージされます。

制限事項、注意事項、および推奨プラクティス

AXF Explorer を使用する際に遵守する必要のある制限事項および注意事項について、以降のセクションで説明します。

注意:

以降のセクションの制限事項および注意事項に正確に従わない場合、データが損失する可能性があります。

制限事項

AXF Explorer を使用する際には、次の制限事項を遵守する必要があります。これらの警告に従わない場合、データが損失する可能性があります

  • AXF Explorer は使用中の本番システムで使用してはいけません。

  • AXF Explorer を初期化する前に、すべての Oracle DIVArchive Actor および Oracle DIVArchive Manager を停止する必要があります。

  • テープおよびローカルディスク上にある AXF オブジェクトのみが表示されます。

    • ネットワークの場所は、マップされたドライブでないと表示されません。

  • 任意の特定の時間に 1 つの抽出操作のみが実行されます。

  • ユーティリティーは、AXF テープの読み取り専用操作のみを実行します。

  • スパン化オブジェクトを抽出できますが、(現在は) スパン化オブジェクトをまとめて結合する機能はありません。

使用に関する注意事項

AXF Explorer は、もともと使用中の本番システムで使用するように設計されていません。サポートツールとして、ツールを使用する前に、すべての Actor および Manager を停止する必要があります。

テープドライブアイコンをクリックすると、ユーティリティーがテープの内容の完全スキャンを開始します。そのため、AXF Explorer はテープドライブに位置設定コマンドおよび読み取りコマンドを送信します。Actor にテープドライブを使用させるドライブ操作を実行中の Manager が開始し、AXF Explorer が同時に同じドライブのアクセスを開始した場合、ドライブの内容が消去されるか、破損されてデータが完全に損失する可能性がきわめて高く (99%) なります。

データ損失を防ぐため、次の推奨事項を強くお勧めします。これらの警告に従わない場合、データが損失する可能性があります。

  • AXF Explorer は使用中の本番システムで使用してはいけません。

  • AXF Explorer を使用する前に、すべての Actor および Manager を停止する必要があります。

推奨プラクティス

各「File Tree」ページに表示されるファイル数には、適切な値を使用することをお勧めします。各ページ最大約 500 ファイルが良好な参照ポイントとなります。これは、値が大きいと、大量のファイルを含む AXF オブジェクトを移動する際にパフォーマンスの低速化およびメモリー使用率の増加につながり、サーバーが悪影響を受ける可能性があるためです。

マスターパスワードの設定および変更

AXF Explorer は、初回起動時にテープドライブへのアクセスを防ぐため、予防手段としてマスターパスワードを使用します。マスターパスワードを変更するには、「Management」、「Set Master Password」の順にクリックします。変更する前に、現在のマスターパスワードを入力する必要があります。

AXF ディスクおよびテープストレージの形式

AXF (Archive Exchange Format) は、異種のコンテンツストレージシステム間の相互運用性をサポートするオープンソースフォーマットで、ストレージまたはファイルシステムの技術がいかに進化しても、コンテンツの長期的な可用性が保証されます。

AXF オブジェクトは、完全に自己完結型および自己記述型のパッケージに、任意の数および任意のタイプのファイルをカプセル化できる IT 中心のファイルコンテナです。カプセル化されたパッケージには、独自の内部ファイルシステムが含まれ、基盤のオペレーティングシステムおよびストレージテクノロジからデータを保護します。基本的に、1 つのファイル内のファイルシステムでは、任意のタイプのストレージメディアに任意のタイプのデータを格納できます。