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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド
13c リリース2
E78869-07
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29.1 サービスの概要

今日のビジネス・アプリケーションは重要で複雑なので、IT組織が高い基準と可用性でアプリケーションのサービス・レベルをモニターして管理することが非常に重要になります。エンタープライズが直面する問題には、サービスの失敗やパフォーマンスの低下があります。これらのサービスは業務上の伝達を行う上で重要な役割を果すため、サービスをモニタリングし、業務に影響を及ぼす前に問題を迅速に解消することはすべてのエンタープライズにとって重要です。

Enterprise Managerには、概要レベルから個々のコンポーネント・レベルまでのサービスを効率的に管理できる包括的なモニタリング・ソリューションが用意されています。サービスが停止するか、そのパフォーマンスが低下した場合、Enterprise Managerの診断ツールを使用すると、問題を迅速かつ効率的に解決して、問題の特定および解決に要する管理コストを大幅に削減できます。さらに、カスタマイズされたレポートには、一定期間にわたってアプリケーションの動作を分析できる有益なメカニズムが備えられています。Enterprise Managerは、ITインフラストラクチャ内の個々のコンポーネントのみでなく、これらのコンポーネントによってホストされるアプリケーションもモニターします。このため、トップダウン方式を使用して、またはエンドユーザーの観点からビジネス機能をモデル化およびモニターできます。サービスが適切にモデル化されると、モデル化された機能またはアプリケーションの可用性、パフォーマンスおよび使用状況を正確に測定することができます。

29.1.1 Enterprise Managerのサービスの定義

サービスは、ユーザーの役に立つ機能を提供するエンティティとして定義されます。たとえば、サービスには、CRMアプリケーション、オンライン・バンキングおよび電子メール・サービスなどがあります。比較的簡単な形式のサービスは、DNS、LDAP、POP、FTP、SMTPなどのプロトコルでサポートされるビジネス機能です。

Enterprise Managerを使用して、エンタープライズ内で実行するビジネス機能またはアプリケーションを表す1つ以上のサービスを定義できます。これらのサービスを定義するには、共通のエンド・ユーザー機能をシミュレートする1つ以上のテストを作成します。システム・ターゲットに基づいた、またはシステムとサービス・テストの両方に基づいたサービスを定義することもできます。

サービスを事前にモニターするサービス・テストを作成できます。これらのテストを使用して、重要なビジネス機能のパフォーマンスと可用性を測定し、問題があるときには通知を受け取り、一般的な問題を識別し、障害の原因を診断することができます。

要件に応じて様々なタイプのサービス・モデルを定義できます。作成可能なサービス・モデルのタイプを次に示します。

  • 汎用サービス: 汎用サービスとは、Enterprise Managerで作成できる単純なサービス・モデルです。重要なビジネス機能を表すサービス・テストを関連付けること、または関連するシステム・ターゲットを関連付けること(あるいはその両方)によって、1つ以上のサービス・モデルを定義できます。

  • 集約サービス: 複数のサービスを組み合せて、集約サービスを構成できます。集約サービスにおいて、個別のサービスはサブサービスと呼ばれます。ある集約サービスが、サブサービスとして使用されて、別の集約サービスを作成することもできます。

    集約サービスには、メンバー・サービス、システムまたはテストの少なくとも1つが含まれている必要があります。メトリックは、メンバー・サービス、システムまたはテストから昇格できます。

    要件に応じて他のサービス・モデルを定義できます。