ホスト・ターゲットの追加ウィザードまたはEM CLIを使用してMicrosoft Windowsのターゲット・ホストに管理エージェントをインストールするには、前提条件としてホストのそれぞれにCygwinをインストールする必要があります。これらのホストにCygwinをインストールしたくない場合は、かわりにPsExecユーティリティをインストールし、これを使用してMicrosoft Windowsのターゲット・ホストに管理エージェントをインストールできます。この付録では、このタスクの実行方法を説明します。内容は次のとおりです。
注意:
OMSプラットフォームがUnixベースの場合に管理エージェントをPsExecを使用してMicrosoft Windowsのターゲット・ホストにインストールするには、Microsoft Windowsのステージング・ホスト・サーバーが必要です。このため、ステージング・サーバーとして使用できるMicrosoft Windowsホストが、使用しているエンタープライズにあることを確認してください。
OMSホストがUnixベースのオペレーティング・システムで実行する際に、PsExecユーティリティをインストールして、これを使用してMicrosoft Windowsのターゲット・ホストに管理エージェントをインストールするには、次の手順を実行します。
PsExecユーティリティを次のURLからMicrosoft Windowsのステージング・ホスト・サーバーにダウンロードします。
http://technet.microsoft.com/en-us/sysinternals/bb897553.aspx
zipファイルのコンテンツを、特定のディレクトリに解凍します。
PsExecユーティリティのダウンロードは一度だけです。PsExecユーティリティはMicrosoft Windowsのステージング・ホスト・サーバーのみにダウンロードする必要があり、Microsoft Windowsのターゲット・ホストにはダウンロードする必要はありません。
コマンド・プロンプトから次のコマンドを実行して、PsExecユーティリティが正常に機能していることを確認します。
psexec calc
PsExecユーティリティが正常に機能している場合には、Microsoft Windowsの電卓アプリケーションが起動します。
次の手順に従って、必要な管理エージェント・ソフトウェアがMicrosoft Windowsのステージング・ホスト・サーバーにあることを確認します。
OMSホストのOracleホームから次のコマンドを実行し、管理エージェント・ソフトウェアがダウンロードされて適用されるプラットフォームのリストを取得します。
$<ORACLE_HOME>/bin/emcli get_supported_platforms
次に例を示します。
/u01/software/em13c/oraclehome/bin/emcli get_supported_platforms
このリストに必要なMicrosoft Windowsプラットフォームが表示されていない場合、自己更新を使用してこのプラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードおよび適用します。詳細は、ホスト・ターゲットの追加ウィザードまたはEM CLIを使用してスタンドアロン管理エージェントをインストールするための管理エージェント・ソフトウェア前提条件を満たすを参照してください。
管理エージェント・ソフトウェアをMicrosoft Windowsのステージング・ホスト・サーバーにダウンロードして解凍します。このタスクを実行するには、次の方法のいずれかを使用します。
方法 1: EM CLIを使用してOMSホストからソフトウェアをダウンロードし、それをFTPクライアントを使用して転送
管理エージェント・ソフトウェアをOMSホストの一時ディレクトリにダウンロードし、そのソフトウェアをWinSCPまたは他のFTPクライアントを使用してステージング・ホストに転送します。管理エージェント・ソフトウェアをOMSホストの一時ディレクトリにダウンロードするには、OMSホストのOracleホームから次のコマンドを実行します。
$<ORACLE_HOME>/bin/emcli get_agentimage -destination=<download_directory> -platform="<platform>" -version=<version>
次に例を示します。
/u01/software/em13c/oraclehome/bin/emcli get_agentimage -destination=<download_directory> -platform="<platform>" -version=<version>
zipファイルをステージング・ホストに転送後、そのサイズとチェックサム値を検証し、zipファイル全体が転送されたことを確認します。zipファイルを解凍します。ZIP_LOC
環境変数を$ORACLE_HOME/bin/zip
(OMSホストのOracleホーム内のZIPユーティリティの場所)に設定します。
方法 2: EM CLIを使用してステージング・ホストからソフトウェアをダウンロード
EM CLIをステージング・ホスト・サーバーにダウンロードします。
これを実行する方法の詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』のEM CLIのダウンロードとデプロイに関する項を参照してください。
EM CLIをステージング・ホストにダウンロードした後、必ずクライアントをOMSに接続します。これを実行する方法の詳細は、前述の章のEM CLIクライアントのOMSへの接続に関する項を参照してください。
次のコマンドを実行して管理エージェント・ソフトウェアをステージング・ホスト・サーバーにダウンロードします。
<emcli_install_location>\emcli get_agentimage -destination=<download_directory> -platform="<platform>" -version=<version>
管理エージェント・ソフトウェアのzipファイルを解凍します。
注意:
(必要な管理エージェント・ソフトウェアをステージング・ホストにダウンロードする)この手順は、一度だけの操作です。ステージング・ホストに必要な管理エージェント・ソフトウェアがダウンロードされると、これを再利用して任意の数のMicrosoft Windowsターゲット・ホストに管理エージェントをデプロイできます。
OMSホストのOracleホームから、agentDeployPsExec.bat
スクリプトをステージング・ホストにダウンロードします。
$<ORACLE_HOME>/sysman/prov/agentpush/scripts/agentDeployPsExec.bat
次に例を示します。
/u01/software/em13c/oraclehome/sysman/prov/agentpush/scripts/agentDeployPsExec
管理エージェントのインストール入力を指定するレスポンス・ファイルを作成します。表E-1に、レスポンス・ファイルに含める必要のある必須パラメータと含めることができるオプション・パラメータを示します。
表E-1 PsExecを使用して管理エージェントをインストールするためのレスポンス・ファイルの作成
パラメータ | 説明 |
---|---|
HOST_NAMES |
(必須)このパラメータを使用して管理エージェントをインストールするMicrosoft Windowsのターゲット・ホストの名前を指定します。ホスト名間のセパレータとしてコロン(:)を使用します。 |
USER_NAME |
(必須)このパラメータを使用してターゲット・ホストのログイン・ユーザー名を指定します。 |
PASSWORD |
(必須)このパラメータを使用してターゲット・ホストのログイン・パスワードを指定します。 |
PSEXEC_DIR |
(必須)このパラメータを使用してPsExecユーティリティをダウンロードおよび解凍する場所への絶対パスを指定します。 |
AGENT_IMAGE_PATH |
(必須)このパラメータを使用して管理エージェント・ソフトウェアのzipファイルを解凍した場所への絶対パスを指定します。 |
AGENT_BASE_DIR |
(必須)このパラメータを使用して管理エージェントのインストール・ベース・ディレクトリの場所を指定します。 |
AGENT_REGISTRATION_PASSWORD |
(必須)このパラメータを使用してEnterprise Managerシステムを結合する新しい管理エージェントを登録するパスワードを指定します。 |
EM_UPLOAD_PORT |
(必須)このパラメータを使用してOMSによる通信用のアップロード・ポート(HTTPまたはHTTPS)を指定します。 |
OMS_HOST |
(必須)このパラメータを使用してOMSホストの名前を指定します。 |
REMOTE_SYS_DIR |
(必須) このパラメータを使用してPsExecユーティリティがファイルのコピーまたは転送用に内部的に使用する必要のあるディレクトリを指定します。このパラメータは必ず |
ADDITIONAL_PARAMETERS |
(オプション)このパラメータを使用して使用する追加パラメータのリストを指定します。パラメータはコロンを使用して区切ります。 |
PROPERTIES_FILE |
(オプション)このパラメータを使用してプロパティ・ファイルの絶対パスを指定します。 |
LOG_LOC |
(オプション)このパラメータを使用して管理エージェントのデプロイメント・ログの場所を指定します。 |
ステージング・ホストにPERL5LIB
環境変数を設定した場合にはそれを削除します。この環境変数は管理エージェントのインストール後に再度設定できます。
ステージング・ホストから次のコマンドを実行して、選択したMicrosoft Windowsターゲット・ホストに管理エージェントをインストールします。
C:\<location_of_downloaded_psexec_script>\agentDeployPsExec.bat PROPERTIES_FILE=<absolute_path_to_response_file>
例: C:\stage\agentDeployPsExec.bat PROPERTIES_FILE=C:\stage\input.txt
注意:
管理エージェントのインストール・ログ・ファイルは、LOG_LOC
レスポンス・ファイル・パラメータに指定した場所に作成されます。レスポンス・ファイルでLOG_LOC
パラメータを指定しなかった場合、ログ・ファイルはagentDeployPsExec.bat
スクリプトを含むディレクトリに作成されます。
注意:
OMSプラットフォームがMicrosoft Windowsの場合にPsExecを使用して管理エージェントをMicrosoft Windowsホストにインストールするには、別個のMicrosoft Windowsのステージング・ホスト・サーバーは不要です。
OMSソフトウェアがC:\
以外のドライブにインストールされた場合には、<ORACLE_HOME>\oui\prov\resources\ssPaths_msplats.properties
内のSCRATCHPATH
変数を更新します。
たとえば、OMSソフトウェアがD:\
にインストールされた場合、必ずSCRATCHPATH
変数をD:\tmpada.
に更新してください
OMSホストがMicrosoft Windowsで実行する際に、PsExecユーティリティをインストールして、これを使用してMicrosoft Windowsのホストに管理エージェントをインストールするには、次の手順を実行します。
次のURLからPsExecユーティリティをOMSホストにダウンロードします。
http://technet.microsoft.com/en-us/sysinternals/bb897553.aspx
zipファイルのコンテンツを、特定のディレクトリに解凍します。
PsExecユーティリティのダウンロードは一度だけです。PsExecユーティリティはOMSホストのみにダウンロードする必要があり、Microsoft Windowsのターゲット・ホストにはダウンロードする必要はありません。
コマンド・プロンプトから次のコマンドを実行して、PsExecユーティリティが正常に機能していることを確認します。
psexec calc
PsExecユーティリティが正常に機能している場合には、Microsoft Windowsの電卓アプリケーションが起動します。
次の手順に従って、必要な管理エージェント・ソフトウェアがOMSホストにあることを確認します。
次のコマンドを実行し、管理エージェント・ソフトウェアがダウンロードされて適用されるプラットフォームのリストを取得します。
$<ORACLE_HOME>\bin\emcli get_supported_platforms
次に例を示します。
C:\u01\software\em13c\oraclehome\bin\emcli get_supported_platforms
このリストに必要なMicrosoft Windowsプラットフォームが表示されていない場合、自己更新を使用してこのプラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードおよび適用します。詳細は、ホスト・ターゲットの追加ウィザードまたはEM CLIを使用してスタンドアロン管理エージェントをインストールするための管理エージェント・ソフトウェア前提条件を満たすを参照してください。
OMSホストの一時ディレクトリに管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードします。
$<ORACLE_HOME>\bin\emcli get_agentimage -destination=<download_directory> -platform="<platform>" -version=<version>
次に例を示します。
.\emcli get_agentimage -destination=C:\temp -platform="Microsoft Windows x64 (64-bit)" -version=13.2.0.0.0
管理エージェント・ソフトウェアのzipファイルを解凍します。ZIP_LOC
環境変数を$ORACLE_HOME\bin\zip
(OMSホストのOracleホーム内のZIPユーティリティの場所)に設定します。
注意:
(必要な管理エージェント・ソフトウェアをOMSホストにダウンロードする)この手順は、一度の操作です。OMSホストに必要な管理エージェント・ソフトウェアがダウンロードされると、これを再利用して任意の数のMicrosoft Windowsターゲット・ホストに管理エージェントをデプロイできます。
管理エージェントのインストール入力を指定するレスポンス・ファイルを作成します。表E-1に、レスポンス・ファイルに含める必要のある必須パラメータと含めることができるオプション・パラメータを示します。
OMSホストにPERL5LIB
環境変数を設定した場合には、それを削除します。この環境変数は管理エージェントのインストール後に再度設定できます。
OMSホストから次のコマンドを実行して、選択したMicrosoft Windowsホストに管理エージェントをインストールします。
$<ORACLE_HOME>\sysman\prov\agentpush\scripts\agentDeployPsExec.bat PROPERTIES_FILE=<absolute_path_to_response_file>
例: C:\u01\software\em13c\oraclehome\sysman\prov\agentpush\scripts\agentDeployPsExec.bat PROPERTIES_FILE=C:\stage\input.txt
注意:
管理エージェントのインストール・ログ・ファイルは、LOG_LOC
レスポンス・ファイル・パラメータに指定した場所に作成されます。レスポンス・ファイルでLOG_LOC
パラメータを指定しなかった場合、ログ・ファイルはagentDeployPsExec.bat
スクリプトを含むディレクトリに作成されます。