この章では、既存のドメインをエクスポートし、「ドメインからパーティションへの変換ツール」(D-PCT)を使用して別のドメインにパーティションとしてインポートする方法の概要を説明します。Enterprise Manager Cloud Controlには、ドメインをパーティションに変換するための使いやすいユーザー・インタフェースが用意されています。
D-PCTのエクスポート・ツール・コンポーネントは、ソース・ドメインをホストするWebLogic Serverインストールで使用します。このツールを使用して、パーティション、リソース・グループおよびリソース・グループ・テンプレートを作成および構成できます。デフォルトでは、このツールですべてのアプリケーション、ライブラリおよびリソースが新規パーティションに移動されます。オプションで、個々のアプリケーション、ライブラリおよびリソースを選択するメカニズムも提供されます。
この章の具体的な内容は次のとおりです。
ドメイン・パーティションへのWebLogic Serverドメインの移行の前提条件:
D-PCTを構成する前に、次の前提条件を満たす必要があります。
ターゲット・ドメインはWebLogic Server 12.2.1.1以上のインストールで構成されている必要があります。
JDK 8をダウンロードし、ソース・ドメインのホスト・マシンにインストールする必要があります。これは、WebLogic Server 10.3.6でエクスポート・ツールを実行するために必要です。
ターゲットのWebLogic Server 12.2.1.1以上のドメインが稼働している必要があります。
ドメインのすべてのサーバーが起動され、実行されている必要があります。
ドメインからパーティションに直接変換し、JavaScript Object Notation (JSON)ファイルに基づいた仮想ターゲットの作成がインポート・ツールで正しく行えるようにするには、ターゲット・ドメインとソース・ドメインのクラスタ名とサーバー名が同一であることが重要です。
インポート・ツールを使用して新規パーティションを作成する前に、新規ドメインのサーバー、クラスタ、仮想ターゲットおよびセキュリティ・レルムをソース・ドメインと同じ構成にしていることを確認する必要があります。
ドメイン・パーティションへのWebLogic Serverドメインの移行の制限事項:
次のシナリオは、「ドメインからパーティションへの変換ツール」(D-PCT)ツールでサポートされません。
ライブラリおよびリソースの新規リリースへのドメイン・アップグレードは、インポート時サポートされません。管理者およびユーザーは、アーカイブ・ファイルのエクスポートの前にソース・ドメインからの必要なドメイン・アップグレードを行う必要があります。
アプリケーションのランタイム状態もアプリケーションに固有のランタイム構成もアーカイブ・ファイルにエクスポートされません。たとえば、キュー内のJMSメッセージや組込みLDAPレルム内のユーザーはエクスポートされません。
12.2.1より前のバージョンのWebLogic Serverでコンパイルされたリモート・クライアントは、パーティションにデプロイされているJNDIリソースをルックアップできません。WebLogic Server リリース12.2.1以降で再コンパイルする必要があります
JDBCでは、WebLogic Server Multitenantでのロギング・ラスト・リソース(LLR)機能の使用はサポートされません。このオプションを使用したデータ・ソースは代替設定を使用するよう変換する必要がありますが、この代替設定では十分ではない場合もあります。
D-PCTの制限事項および考慮事項は、Oracle Fusion Middleware WebLogic Server Multitenantの使用ガイドを参照してください。
ドメイン・パーティションを既存のWebLogicドメインにインポートするには、WebLogicドメイン・パーティションのインポートを参照してください。