内容は次のとおりです。
プラグイン開発者は、プラグイン定義プロセスにおいて、次の手順に従う必要があります。
プラグイン識別子(ID)を定義します。
詳細は、「プラグインIDの定義」を参照してください。
プラグイン・バージョンを定義します。
詳細は、「プラグイン・バージョンの定義」を参照してください。
次のように、プラグイン定義ファイルを作成します。
plugin.xmlファイルを作成します。
plugin.xmlファイルはプラグインを記述するメタデータを提供します。
詳細は、「plugin.xmlファイルの作成」を参照してください。
plugin_registry.xmlファイルを作成します。
plugin_registry.xmlファイルは、プラグインがデプロイされる管理エージェントで必要なメタデータを提供します。
詳細は、「plugin_registry.xmlファイルの作成」を参照してください。
プラグイン定義ファイルを次のプラグイン・ステージング・ディレクトリ(plugin_stage)にパッケージ化します。
plugin_stage
/plugin.xml
plugin_stage
/agent/plugin_registry.xml
詳細は、「プラグインの検証、パッケージ化およびデプロイ」を参照してください。
プラグイン定義ファイルを検証します。
詳細は、「プラグイン定義ファイルの検証」を参照してください
基本プラグインでは、プラグイン自体のためのメタデータが必要です。これには、Oracle Management Serviceと管理エージェントで使用される名前とバージョンなどの情報、監視対象のターゲットが稼働しているかを示すメトリックの定義、およびメトリック・データを収集する頻度の定義などが含まれています。
ベンダーID (8文字)。例: test
注意:
ベンダーID、製品IDおよびプラグイン・タグは、先頭に数字を指定できません。また、特殊文字を含めることもできません 。すべてこれらの項目には英数字のみを指定してください。
プラグイン・タグは、小文字のxで始まる必要があり、4文字を超えることはできません。すべての文字が小文字である必要があります。
1つ以上のプラグインを定義する場合、各プラグインのプラグイン・タグが個別および一意であることを確認してください。
既存のプラグインの前の名前を維持する場合、AgentSideCompatibility
要素を使用する必要があります。それ以外の場合、プラグイン検証に失敗します。プラグイン検証の詳細は、「プラグインの検証、パッケージ化およびデプロイ」を参照してください。AgentSideCompatibility
要素の詳細は、表2-1を参照してください。
前述の例で作成したプラグインIDは、次のとおりです。
test.switch.xkey
注意:
プラグインIDは、Enterprise Manager全体で一意である必要があります。
各プラグインにバージョンを割り当てる必要があります。プラグインのバージョニングの構成は、次のとおりです。
a.b.c.d.e
a.b
: 開発に使用するEnterprise Manager拡張開発キット(EDK)のバージョン(13.1、13.2など)。
c
: 開発者が割り当てるプラグインのバージョン。この値は、同じEnterprise Manager Cloud Controlのリリースで、プラグインがリリースされるたびに加算されます。
d
: プラグインがベータ・バージョンか本番バージョンかを示します。0はベータ・バージョンを示し、1以上は本番バージョンを示します。
e
: 予備。デフォルト値は0 (ゼロ)です。
全部組み合せると、Enterprise Manager Cloud Control 13cで最初に作成されるプラグインのバージョンを次の例に示します。
13.1.1.1.0
注意:
プラグインを作成およびデプロイするたびに、プラグインのバージョンを加算して更新することをお薦めします。たとえば、13.1.1.1.0、13.1.2.1.0、13.1.3.1.0などです。
次の2つのメタデータ・ファイルが、Enterprise Manager Cloud Control 13cに対してデプロイされるすべてのプラグインに必要です。
plugin.xmlファイルはプラグインを記述するメタデータを提供します。
次の項では、plugin.xmlに含めることができる、必須のタグおよび一部のオプションのタグについて説明します。
この例は、プラグイン用のサンプルのplugin.xmlを示しています。
<?xml version = '1.0' encoding = 'UTF-8'?>
<Plugin xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:schemaLocation="http://www.oracle.com/EnterpriseGridControl/plugin_
metadata plugin_metadata.xsd"
xmlns="http://www.oracle.com/EnterpriseGridControl/plugin_metadata">
<PluginId vendorId="test" productId="demo" pluginTag="xkey"/>
<PluginVersion value="13.1.1.1.0"/>
<ShortDescription>Test plugin for the Test Demo Plug-in.</ShortDescription>
<Readme><![CDATA[Brief details about the Test Demo plug-in]]></Readme>
<!--
<AgentSideCompatibility>
<Version>Previous_Version
</Version>
</AgentSideCompatibility>
-->
<TargetTypeList>
<TargetType name="test_demo_xkey" isIncluded="TRUE">
<VersionSupport>
<SupportedVersion supportLevel="Basic" minVersion="9.2.0.1"
maxVersion="9.8.0.0.0"/>
</VersionSupport>
</TargetType>
</TargetTypeList>
<PluginDependencies>
<DependentPlugin pluginDependencyType="RunTime">
<DepPluginId vendorId="test" productId="switch" pluginTag="xyz1"/>
<BaseVersion version="11.2.0.1.0"/>
</DependentPlugin>
<DependentPlugin pluginDependencyType="RunTime">
<DepPluginId vendorId="test" productId="switch" pluginTag="xyz2"/>
<BaseVersion version="11.2.0.1.0"></BaseVersion>
</DependentPlugin> </PluginDependencies>
<PluginAttributes Type="MP" Category="Databases"/>
</Plugin>
表2-1に、plugin.xmlファイルに含まれるキー要素を示します。
表2-1 plugin.xmlファイル内のキー要素
要素 | 必須 | 説明 |
---|---|---|
|
Y |
ファイルのルート要素。 |
|
Y |
プラグインに割り当てられている一意の識別子。 詳細は、「プラグインIDの定義」を参照してください。 |
|
Y |
プラグイン・バージョン。 詳細は、「プラグイン・バージョンの定義」を参照してください。 |
|
N |
プラグインがデプロイされるOracle Management Serviceのオペレーティング・システム(OS)ID。通常、この要素は2000 (一般)に設定されています。 詳細は、「プラグインの動作保証」を参照してください。 |
|
Y |
Cloud Controlコンソールのプラグイン・ページに表示されるプラグインの情報を示します。 プラグイン・ページにアクセスするには、「設定」メニューから、「拡張性」、「自己更新」、「プラグイン」の順に選択します。 |
|
N |
プラグイン・タイプ、表示名、カテゴリなどのプラグインの属性を定義します。 メタデータ・プラグインのデフォルトのプラグイン・タイプはMPです。デフォルトのカテゴリはOthersです。 有効なタイプの値は次のとおりです。
有効なカテゴリの値は次のとおりです。
|
|
N |
プラグインにパッケージ化されているターゲット・タイプ名をそれぞれ指定する1つ以上の ターゲット・タイプ・メタデータ・ファイルの詳細は、「ターゲット・タイプ・メタデータ・ファイルの作成」を参照してください。 各 |
|
N |
プラグインに存在する依存性を記述します。依存性は次のように記述されます。
|
|
N |
現在のプラグインと互換性がある以前のプラグイン・バージョンを識別します。 この要素を指定することによって、管理エージェント側の以前のプラグイン・メタデータがOMS側のプラグイン・メタデータの新しいバージョンと互換性があることを明示的に示します。つまり、以前のプラグインをアップグレードした後、メトリック、しきい値、構成収集などの機能を中断せずにデータをOMSの新しいバージョンにアップロードできます。 プラグインの新しいバージョンと互換性がないプラグインの以前のバージョンがある場合、この要素を使用して互換性があるバージョンのみをリストできます。たとえば、バージョン12.1.0.2.0が13.1.1.1.0 (新しいプラグイン・バージョン)と互換性がない場合、12.1.0.3.0および12.1.0.4.0をリストして12.1.0.3.0および12.1.0.4.0プラグインのみが新しい13.1.1.1.0プラグインと互換性があることを示すことができます。 |
注意:
すべてのメタデータ・プラグインはOMS側で汎用である必要があります。また、すべてのプラットフォームで暗黙的に動作保証されています。ただし、プラグインでは管理エージェントでOSの動作保証を指定できます。
Enterprise Managerは多数のOSプラットフォームでリリースされるため、それぞれのOSプラットフォームでのプラグインの動作方法を考慮する必要があります。plugin.xmlファイルには、動作保証メカニズムをサポートする要素と属性が含まれています。
プラグインがOSプラットフォームのサブセットにのみ該当する場合は、表2-2で定義されているタグを使用できます。<Certification>
セクションに何の情報も指定しない場合、プラグインはすべてのプラットフォームで動作保証されているとみなされます。
表2-2 動作保証のタグ
タグ | 説明 |
---|---|
|
プラグイン・コンポーネントを指定します。 有効な値は次のとおりです。
|
|
OSまたはプラットフォームのARU IDを指定します。 有効な値は次のとおりです。
|
次の例は、プラグインがLinux 32およびLinux 64プラットフォームでのみ動作するように設計されていることを示しています。動作保証されたポートを指定しない場合、プラグインはデフォルトですべてのオペレーティング・システムとプラットフォームで動作保証されています。ただし、少なくとも1つのPortARUId
要素を指定した場合、そのコンポーネントは指定したプラットフォームでのみ動作保証されています。
注意:
管理エージェントと検出コンポーネントは、同じ値を持つ必要があります。
例: 汎用プラグインの動作保証
<Certification> <Component type="Agent"> <CertifiedPorts> <PortARUId value="46" /> <PortARUId value="226" /> </CertifiedPorts> </Component> <Component type="Discovery"> <CertifiedPorts> <PortARUId value="46" /> <PortARUId value="226" /> </CertifiedPorts> </Component> </Certification>
plugin_registry.xmlファイルは、プラグインがデプロイされる管理エージェントで必要なメタデータを提供します。これはプラグイン・アーカイブ内の/agentディレクトリにパッケージ化され、ターゲットを監視する管理エージェントにデプロイされます。
次の例は、plugin_registry.xmlファイルのサンプルを示しています。TargetTypes
要素には、プラグイン・アーカイブ内のターゲット・タイプのメタデータ・ファイルの場所への参照が含まれています。場所は、管理エージェントのサブディレクトリから始まる、plugin_stageディレクトリ・ルートに対する相対ディレクトリ、またはplugin_registry.xmlファイルが存在する場所です。
同様に、TargetCollections
要素には、プラグインのデフォルト収集メタデータ・ファイルへの参照が含まれています。これも、プラグインにパッケージ化されています。
例: plugin_registry.xmlファイルのサンプル
<?xml version="1.0"?> <PlugIn ID="test.demo.xkey" Description="Demo Sample Host Plugin" Version="13.1.1.1.0" HotPluggable="false" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://www.oracle.com/EnterpriseGridControl/plugin plugin.xsd"> <TargetTypes> <FileLocation>metadata/test_switch_key.xml</FileLocation> </TargetTypes> <TargetCollections> <FileLocation>default_collection/test_switch_key_collection.xml</FileLocation> </TargetCollections> <PlugInLibrary> <FileLocation>archives/em-as-fmw-fetchlet.jar</FileLocation> <FetchletRegistration> <Fetchlet ID="DMS" ExecutionClass="oracle.sysman.as.fetchlets.DMSFetchlet" Version="" Description="" Adapter=""/> </FetchletRegistration> <AdditionalClassPath> <FileLocation>archives/dms.jar</FileLocation> </AdditionalClassPath> </PlugInLibrary> </PlugIn>
表2-3に、ファイル内に含まれているキー要素を示します。
表2-3 plugin_registry.xmlファイル内のキー要素
要素 | 必須 | 説明 |
---|---|---|
|
Y |
ファイルのルート要素。次の属性があります。
|
|
N |
1つ以上の ターゲット・タイプ・ファイルの詳細は、「ターゲット・タイプ・メタデータ・ファイルの作成」を参照してください。 |
|
N |
1つ以上の このファイルの詳細は、「デフォルトの収集ファイルの作成」を参照してください。 |
|
N |
プラグインにパッケージ化されている様々なタイプのアーティファクト(fetchlet、receiveletなど)をリストします。
|
|
N |
すべてのプラグイン・ライブラリによって共有されるプラグインによってロードされるように追加のJARファイルを指定します。 |
plugin.xmlおよびplugin_registry.xmlファイルが正しく定義されていることを確認するには、EDKの/binディレクトリから次のコマンドを入力します。
empdk validate_plugin -stage_dir plugin_stage
前述のコマンドのplugin_stageは、プラグインのステージング・ディレクトリを示します。
EDKの詳細は、「拡張開発キット(EDK)」を参照してください。empdk
コマンドおよびその使用方法の詳細は、「プラグインの検証」を参照してください。
Enterprise Manager Cloud Controlリリース12c (12.1.0.3)から、デプロイされたプラグイン用のログ・ファイルをCloud Controlのログ・ビューアで表示できます。このコンポーネントにアクセスするには、Cloud Controlの「エンタープライズ」メニューから「モニタリング」を選択し、「ログ」を選択します。
次の手順に従って、この機能を有効にします。
次に、ログ・ビューア登録ファイルの例を示します。
例: ログ・ビューア登録ファイルのサンプル
<LogMgmtUITargetConfig TARGET_TYPE="%your targe type%"> <LogViewerImpl CLASS_NAME="oracle.sysman.emas.model.logmgmt.MASLogViewer"/> <VersionProperties VALID_VERSIONS="11" MIN_META_VER="11.00000"VERSION_ CATEGORY_PROP_WILDCARD_CHAR="*"/> </LogMgmtUITargetConfig>
プラグインの開発中に、プラグインの後続のバージョンを計画する場合、プラグインをアップグレードできる、つまり古いバージョンのプラグインを削除せずに新しいバージョンをデプロイできることを確認する必要があります。
プラグインをアップグレードできることを確認するには、次の手順を実行します。
プラグインを非推奨としてマークするには、plugin.xmlファイルに次の行を追加します。
<Deprecated />
次に例を示します。
<?xml version = '1.0' encoding = 'UTF-8'?> <Plugin xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://www.oracle.com/EnterpriseGridControl/plugin_ metadata plugin_metadata.xsd" xmlns="http://www.oracle.com/EnterpriseGridControl/plugin_metadata"> <PluginId vendorId="test" productId="demo" pluginTag="xkey"/> <PluginVersion value="12.1.0.1.0"/> <Deprecated/> <ShortDescription>Test plugin for the Test Demo Plug-in.</ShortDescription> <Readme><![CDATA[Brief details about the Test Demo plug-in]]></Readme> . . .
注意:
プラグインが非推奨としてマークされても、次のメジャー・リリースで廃止されるまで引き続き同じレベルのサポートが提供されます。