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Oracle® Mobile Application Framework Oracle Mobile Application Frameworkのインストール
2.3.2
E79299-01
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目次

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2 開発環境の設定

この章では、アプリケーション開発およびデプロイメント用にMAF環境を設定および構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 MAFの開発環境の概要

提供される情報を使用して、アプリケーションを開発するMAF環境を理解します。

「JDeveloperとのモバイル・アプリケーション・フレームワークのインストール」の説明に従ってJDeveloperとMAF拡張機能をインストールした後で、MAFアプリケーションをデプロイするプラットフォームに応じた開発環境を構成します。特定のモバイル・デバイスでアプリケーションをテストまたはデプロイする場合は、フォーム・ファクタを構成します。サポート対象のプラットフォーム上でMAFアプリケーションをパッケージ化してデプロイするには、サード・パーティ製ツールをインストールして構成します。

サポートされている開発ツールとランタイム・ツールのバージョンの詳細なリストは、Oracle Technology NetworkのOracle Mobile Application Frameworkドキュメント(http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/maf/documentation/index.html)で動作保証情報を参照してください。

2.2 ターゲット・プラットフォームに応じた開発環境の構成

環境を構成する手順を使用して、Android、iOSまたはWindowsプラットフォーム用にアプリケーションを開発します。

MAFによってサポートされるプラットフォームにアプリケーションをパッケージ化してデプロイするには、プラットフォームの名前とプラットフォーム固有のツールおよびデータを含むディレクトリの名前をJDeveloperが認識している必要があります。便宜上、MAFによりJDeveloperプリファレンスにこれらの設定が移入されます。各プラットフォーム固有のページで、プラットフォームSDK (Android、iOSまたはWindows)のプリファレンスがホストされます。ここには、MAFがAndroid、iOSまたはWindowsプロジェクトのコンパイルおよびデプロイのために必要とするパスなどの情報が集められています。アプリケーション署名に関連する複数のファクタに応じて、一部のフィールドの変更が必要になる場合があります。

ターゲット・プラットフォームに応じた環境を構成するには:

  1. JDeveloperで、「ツール」をクリックしてから「プリファレンス」をクリックし、「プリファレンス」を開きます。
  2. 「プリファレンス」ダイアログで、「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」をクリックし、構成するプラットフォーム(Android、iOSまたはWindows)をクリックして、サポートされているプラットフォーム用のパスおよび構成パラメータを含むページを開きます。たとえば、図2-1には、Androidプラットフォーム用にプラットフォームのプリファレンスを構成するページが示されています。
    • Androidプラットフォームの場合は、次を指定します。

      • コンピュータ上のAndroid SDKの場所

      • ターゲットのAndroidプラットフォームのローカル・ディレクトリ

      • コンピュータ上のAndroidビルド・ツールの場所

      • 署名資格証明に関する情報

      図2-1 Androidプラットフォームのプリファレンスの構成

      この図は周囲のテキストで説明しています
    • iOSプラットフォームの場合は、次を指定します。

      • iTunesメディア・ファイルの場所(iOSデバイスに同期化されるモバイル・アプリケーションを含む)

      • iOSデバイスの署名情報(『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のデバイス署名オプションの設定に関する項を参照)

  3. Windowsプラットフォームの場合は、次を指定します。
    1. 「Windows SDKロケーション」で、MSBuildバージョン14.0の場所のパスを指定します。
    2. 「デバッグ」または「リリース」を選択し、選択したモードの証明書の場所とパスワードを指定します。

    注意:

    ハッシュ・アルゴリズムは現在使用されません。

2.3 フォーム・ファクタに応じた開発環境の構成

MAFアプリケーションにMAF AMXアプリケーション機能を含める場合に、タスクを使用してフォーム・ファクタを構成します。

フォーム・ファクタとは特定のデバイス構成のことです。各フォーム・ファクタは指定した名前で識別され、ここには、ピクセル単位の幅と高さで表された指定解像度に関する情報が含まれています。

プリファレンスで定義されているフォーム・ファクタはMAF AMXページの「プレビュー」タブで使用されるため(『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』の「プレビュー」の使用方法に関する項を参照)、MAF AMXアプリケーション機能をMAFアプリケーションの一部として含める予定で、デフォルト設定を使用しない場合は、この構成を実行するよう選択できます。開発時に、様々なフォーム・ファクタを選択したり切り替えたりして、MAF AMXページをレンダリングする方法を確認できます。分割画面ビューを使用すると、同じページに適用された複数のフォーム・ファクタを確認することもできます。

詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のmaf-config.xmlファイルについてに関する項を参照してください。

開始する前に:

「JDeveloperとのモバイル・アプリケーション・フレームワークのインストール」の説明に従って、JDeveloperとMAF拡張機能をダウンロードしてインストールします。

フォーム・ファクタを構成するには:

  1. JDeveloperのメイン・メニューから、「ツール」「プリファレンス」をクリックします。
  2. 図2-2で開いている「プリファレンス」ダイアログで、左側のツリーから「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」を選択します。

    図2-2 フォーム・ファクタの定義

    この図は周囲のテキストで説明しています

    「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」ページには使用可能なフォーム・ファクタが移入され、デフォルトは「Android Low」に設定されています。

    このプリファレンス・ページでは、画面解像度サイズとプラットフォームを結合する一連の名前付きフォーム・ファクタを作成して管理できます。

  3. 新しいフォーム・ファクタを作成するには、緑の正符号(「新規」)をクリックして、次の項目を設定します。
    • 名前: フォーム・ファクタの識別に使用する意味のある文字列。

    • プラットフォーム: モバイル・デバイスのプラットフォーム。

    • モデル: モバイル・デバイスのタイプ。

    • デフォルトの向き: MAF AMXページの「プレビュー」タブで使用されるデバイスのデフォルトの向き。「縦」または「横」です。この設定は値のドロップダウン・リストから選択します。デフォルト値は「縦」で、新しいフォーム・ファクタの作成時にはこの値が移入されます。

    • : ピクセル単位の幅。値は正の整数である必要があり、入力は検証されます。

    • 高さ: ピクセル単位の高さ。値は正の整数である必要があり、入力は検証されます。

    • スケール係数: 表示のスケール係数。この値は、1.0、2.0、3.0のいずれかにする必要があります。

    注意:

    フォームに名前と解像度を設定できない場合、MAFからエラー・メッセージが表示されます。

  4. デフォルト設定に戻す必要がある場合は、「その他のアクション」をクリックしてから、「デフォルトに戻す」をクリックします。
  5. 「OK」をクリックして、構成内容をコミットします。

2.4 iOSプラットフォーム用の開発ツールの設定

開発ツールを設定するために提供されるリンクを使用して、iOSプラットフォームにアプリケーションをデプロイします。

iOSプラットフォーム用のMAFアプリケーションの開発に向けて準備を行う場合には、「JDeveloperとのMAF拡張機能のインストールの概要」に示した一般目的のツールに加えて、iPhoneまたはiPadの設定を行う場合もあります(「iPhoneまたはiPadの設定方法」を参照)。

iOS SDKインストール内にはiPhoneおよびiPadのシミュレータが含まれていて、iOS SDKはXcodeインストールに含まれているので、これらを別途インストールする必要はありません。詳細は、「iPhoneまたはiPadシミュレータの設定方法」を参照してください。

2.4.1 XcodeおよびiOS SDKのインストール方法

iOS SDKが含まれているXcodeをダウンロードする手順を使用します。

Xcodeは、http://developer.apple.com/xcode/からダウンロードできます。このダウンロードには、iOS SDKが含まれています。

Xcodeをインストールしたら、少なくとも1回はこれを実行して、Appleのライセンスおよび設定ダイアログに入力を行う必要があります。これらの手順を実行していない場合、JDeveloperからXcodeまたはデバイス・シミュレータへの構築およびデプロイ・サイクルが、「リターン・コード: 69」エラーによって失敗します。

注意:

XcodeおよびiOS SDKの以前のバージョンはMac App Storeから入手できないため、それらをダウンロードするには、http://appleid.apple.comからApple IDを取得した後、そのApple IDをApple Developer Programに登録して、Apple社の開発者向けサイト(http://developer.apple.com)へのアクセス権を取得します。

2.4.2 iPhoneまたはiPadの設定方法

アプリケーションのデプロイメント用にiPhoneまたはiPadを設定する情報を使用します。

MAFアプリケーションの開発およびデプロイメントでは、iPhone、iPadまたはこれらのシミュレータのいずれかを使用できます(「iPhoneまたはiPadシミュレータの設定方法」を参照)。テストには実際のiPhoneまたはiPadを使用することをお薦めしますが(『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のMAFアプリケーションのテストに関する項を参照)、その場合は、iPhoneまたはiPadをコンピュータと接続して、2つのデバイス間のリンクを確立する必要があります。

iOSデバイスにデプロイするには、有効なライセンス、資格証明および配布プロファイルを備えたiOSデバイスを用意する必要があります。詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』の「モバイル・アプリケーションのデプロイ」の章を参照してください。

注意:

Apple社のライセンス条項および条件は変更される場合があるため、内容を理解し、それらに従うとともに、最新の変更内容を把握しておく必要があります。

2.4.3 iPhoneまたはiPadシミュレータの設定方法

アプリケーションのデプロイメント用にiPhoneまたはiPadシミュレータを設定する情報を使用します。

MAFアプリケーションの開発およびデプロイメントでは、iOSデバイス自体を使用するか(「iPhoneまたはiPadの設定方法」を参照)、そのシミュレータを使用できます。通常、シミュレータへのデプロイはデバイスへのデプロイよりはるかに高速で、最初にアプリケーションに署名する必要もありません。

シミュレータは自動的に起動できます。追加の設定は必要ありません。

注意:

JDeveloperからデバイス・シミュレータにアプリケーションをデプロイする前に、まずシミュレータを実行する必要があります。

アプリケーションでWebサービスを使用する予定で、企業のファイアウォールで保護されている環境の場合は、外部ネットワーク・アクセスを構成する必要がある可能性があります。このためには、開発用コンピュータのシステム・プリファレンスでネットワーク設定を変更します。詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のブラウザ・プロキシ情報の構成に関する項を参照してください。

2.5 Androidプラットフォーム用の開発ツールの設定

ツールを設定するために提供されるリンクを使用して、Androidプラットフォームへのデプロイメント用にアプリケーションを開発します。

Androidプラットフォーム用のMAFアプリケーションの開発に向けて準備を行う場合には、「JDeveloperとのMAF拡張機能のインストールの概要」に示した一般目的のツールに加えて、Androidデバイスの設定を行う場合もあります(「Androidデバイスの設定方法」を参照)。

エミュレータはAndroid SDKインストールに含まれているので、これらを別途インストールする必要はありません。ただし、構成を作成するまでエミュレータを使用することはできません(「Androidエミュレータの設定方法」)を参照してください。

Androidプラットフォーム用の開発を行う場合、JDeveloperとAndroidの両方でサポートされるオペレーティング・システムはどれでも使用できます。

詳細は、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/tools/index.html)の「Developer Tools」を参照してください。

2.5.1 Android SDKのインストール方法

開発ツールが含まれているAndroid SDKをインストールする手順を使用します。

Android SDKには、Androidデバイス用のアプリケーションを構築するために必要な開発ツールが含まれています。Android SDKはモジュラなので、ターゲットのAndroidプラットフォームとアプリケーションの要件に応じてコンポーネントを個別にダウンロードできます。

プラットフォームを選択するときには、MAFがAndroid 4.0.3以上のバージョンをサポートしていることに注意します。

開始する前に:

使用している環境が、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/sdk/index.html)の「Get the Android SDK」にリストされているオペレーティング・システム、JDKバージョンおよびハードウェア要件と適合していることを確認します。

注意:

AntおよびLinuxの要件はMAFの開発環境には適用できませんが、Eclipseは、選択したIDEによっては適用できることがあります。

Android SDKをインストールするには:

  1. http://developer.android.com/sdk/index.htmlから、Android SDKスターター・パッケージをダウンロードします。
  2. Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/sdk/installing.html)の「Setting Up an Existing IDE」にある手順に従って、インストールを完了します。

    注意:

    Eclipseを使用する予定がない場合は、Android SDKのインストール手順の手順3をスキップします。

2.5.2 Androidデバイスの設定方法

MAFアプリケーションのデプロイが可能なAndroidデバイスを設定する情報を使用します。

MAFアプリケーションの開発およびデプロイメントでは、Androidデバイス自体を使用(テストにはこちらをお薦めします。『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のMAFアプリケーションのテストに関する項を参照)するか、エミュレータを使用(「Androidエミュレータの設定方法」を参照)できます。

Androidデバイスの設定方法の詳細は、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/tools/device.html)の「Using Hardware Devices」にある手順を参照してください。

注意:

デバイス・ベースのデバッグのためにUSB接続を使用している場合、問題が発生する可能性があります。詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』の「MAFアプリケーションのテストおよびデバッグ」を参照してください。

ターゲットのAndroidデバイスがUSBデバイス・ドライバの.infファイル内にリストされていない場合、Androidデバッグ・ブリッジ(ADB)のインストールに失敗してしまいます。この問題の回避方法は次のとおりです。

  1. 使用しているデバイスの正しい値を見つけます。
  2. android_winusb.infファイルの[Google.NXx86]および[Google.NTamd64]セクションを更新します。

詳細は、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/sdk/win-usb.html)の「Google USB Driver」を参照してください。

2.5.3 Androidエミュレータの設定方法

MAFアプリケーションのデプロイが可能なAndroidエミュレータを設定する情報を使用します。

MAFアプリケーションの開発およびデプロイメントでは、Androidデバイス自体を使用するか(「Androidデバイスの設定方法」を参照)、そのエミュレータを使用できます。通常、エミュレータへのデプロイはデバイスへのデプロイよりはるかに高速で、最初にアプリケーションに署名する必要もありません。

Android Virtual Device (AVD)と呼ばれるエミュレータ構成の作成方法の詳細は、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/tools/devices/index.html)の「Managing Virtual Devices」にある手順を参照してください。新規Android Virtual Deviceの作成ダイアログを使用してAVDを作成する(http://developer.android.com/tools/devices/managing-avds.htmlの「Managing AVDs with AVD Manager」を参照)ときは、すべての設定を確認して、エミュレートする対象と構成が一致していることを確認します。特に、次のことを確認する必要があります。

  • 「ターゲット」フィールドで、正しいエミュレーションを行うために必要なAndroidプラットフォーム・レベルが定義されている必要があります。

  • 「CPU/ABI」フィールドに、ARMまたはIntel Atomシステム・イメージが反映されている必要があります(「Intel HAXM用のAVDの構成」を参照)。

  • アプリケーションによってファイルがSDカードにアップロードされるか、またはファイルが自己インストールされるかに基づいて、SDカード・フィールドが定義されている必要があります。

  • 「Hardware」フィールドのデフォルト設定(http://developer.android.com/tools/devices/managing-avds.html#hardwareoptsにあるハードウェア・オプションの表を参照)が、通常のMAFアプリケーションの条件を満たしている必要があります。カメラや地理的位置情報サービスなど、アプリケーションで使用する追加のハードウェア機能に対して、新しいプロパティを作成します。

アプリケーションをテストする予定のAndroidプラットフォームごとに、AVDを作成する必要があります。

エミュレータの使用方法の詳細は、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/tools/devices/emulator.html)の「Using the Android Emulator」を参照してください。

2.5.3.1 Androidエミュレータの構成

基本的なAndroidエミュレータ設定が完了したら、次の構成を実行するように選択できます。

2.5.3.1.1 エミュレータの状態の保存

エミュレータの状態を保存するか、または保存された状態を再使用することにより、エミュレータのロード時間を短縮できます。このためには、(Windowsコンピュータ上の)C:\Users\username\.android\avdディレクトリにあるavdファイルまたはフォルダを操作します。各avdフォルダには、userdata.imguserdata.qemu.imgcache.imgなどの複数のファイルが格納されています。cache.imgファイルを別のエミュレータのavdフォルダにコピーして、その状態を別のエミュレータで使用できます。

または、コマンド行を使用して、たとえば-snapshot-list-no-snapstorageなど、関連するコマンドを実行できます。これらのコマンドには、emulator -helpコマンドを使用してアクセスできます。

警告:

このユーティリティを使用する場合、ロード・プロセスを実行すると、システムのすべてのコンテンツ(ユーザー・データやSDカードのイメージを含む)が、スナップショット作成時に保存されたコンテンツによって上書きされるので注意してください。別のスナップショットに保存していないと、変更内容はすべて失われてしまいます。

2.5.3.1.2 SDカードの作成、保存および再使用

Android開発者のWebサイトの「SD Card Emulation」の項(http://developer.android.com/tools/devices/emulator.html#sdcard)に、SDカードを作成、保存および再使用する理由がリストされています。次のコマンドを実行して、これらの操作を実行できます。

  • SDカードを作成するコマンドは次のとおりです。

    C:\android sdk directory\tools>mksdcard -l SD500M 500M C:\Android\sd500m.img
    
  • 既存のAVDをリストするコマンドは次のとおりです。

    C:\android sdk directory\tools>android list avd
    

    これによって、次のようなリストが生成されます。

    Name:    AndroidEmulator1
    Device:  Nexus S (Google)
    Path:    C:\Users\username\.android\avd\AndroidEmulator1.avd
    Target:  Android 4.2.2 (API level 17)
    Tag/ABI: default/x86
    Skin:    480x800
    ------------
    Name:    AndroidEmulator2
    Device:  Nexus S (Google)
    Path:    C:\Users\username\.android\avd\AndroidEmulator2.avd
    Target:  Android 4.2.2 (API level 17)
    Tag/ABI: default/armeabi-v7a
    Skin:    480x800
    Sdcard:  500M
    
  • 作成したSDカードによってAndroidEmulator2を起動するコマンドは次のとおりです。

    C:\Android\android sdk directory\tools>emulator -avd AndroidEmulator2 -sdcard C:\Android\sd500m.img
    
  • 実行中のAndroidエミュレータ・インスタンスをリストするコマンドは次のとおりです。

    C:\Android\android sdk directory\platform-tools>adb devices
    
  • テスト・イメージをSDカードにコピーするコマンドは次のとおりです(この場合、エミュレータを再起動する必要があります)。

    C:\Android\sdk\platform-tools>adb push test.png sdcard/Pictures
    85 KB/s (1494 bytes in 0.017s)
    

詳細は、Androidのツール・ヘルプ(http://developer.android.com/tools/help/index.html)を参照してください。

2.5.3.1.3 ネットワークの構成

Androidエミュレータからは、10.0.2.2 IPを経由して、ホスト・コンピュータにアクセスできます。ホスト・コンピュータからエミュレータに接続するには、開発用コンピュータのコマンド行またはスクリプトからadbコマンドを実行して、ポート・フォワーディングを設定する必要があります。

ソケット接続を転送するには、次のコマンドを実行します。

adb forward local remote

この際、次の転送仕様を使用します。

  • tcp:port

  • localabstract:unix domain socket name

  • localreserved:unix domain socket name

  • localfilesystem:unix domain socket name

  • dev:character device name

  • jdwp:process pid (リモートのみ)

たとえば、任意のクライアントが次のように、ポート55000のエミュレータで実行されているサーバーへの接続をリクエストできます。

adb -e forward tcp:8555 tcp:55000

この例では、ホスト・コンピュータから、クライアントはlocalhost:8555に接続し、そのソケットを介して通信を行います。

詳細は、Android開発者のWebサイト(http://developer.android.com/tools/help/adb.html)の「Android Debug Bridge」を参照してください。

2.5.3.1.4 ネットワーク・プロキシの構成

開発用コンピュータが企業のファイアウォールで保護されている場合は、次のいずれかの技術を使用して、プロキシの構成が必要になる可能性があります。

  1. このコマンドを実行してエミュレータを起動し、ブラウザとの接続を開始します。

    emulator -avd myavd -http-proxy myproxy
    
  2. エミュレータを起動してから、次のようにして設定ユーティリティを使用します。

    1. 「Wireless & Networks」を選択します

    2. 「モバイル・ネットワーク」→「アクセス・ポイント名」を選択します。

    3. 適切なインターネット・オプションを選択します。

    4. 「アクセス・ポイントの編集」リストを使用して、プロキシ、ポート、ユーザー名およびパスワードを設定します。

2.5.3.2 Androidエミュレータの高速化

Intel Hardware Accelerated Execution Manager (Intel HAXM)は、Intelドライバを使用してAndroidデバイス・エミュレータを高速化するように設計されています。

Intel HAXMは、Microsoft Windows、Mac OS Xの他、Linux用の個別のカーネルベース仮想マシン・オプション(KRM)を実行しているコンピュータで使用できます。インストレーション・ガイドおよび各オペレーティング・システムのシステム要件の詳細な説明は、http://software.intel.com/en-us/android/articles/intel-hardware-accelerated-execution-managerを参照してください。

開発用コンピュータが実行されているオペレーティング・システムにかかわらず、次のものが必要になります。

  • バージョン17以上のAndroid SDKのインストール(「Android SDKのインストール方法」を参照)。

    注意:

    MAF開発の現在の推奨バージョンは、21です。

  • BIOSレベルでのIntel VT-x、EM64TおよびExecute Disable (XD)ビット機能がサポートされているIntelプロセッサ

  • 1GB以上の使用可能なRAM

Intel HAXMをダウンロードするには、Android SDK Manager (「Speeding Up the Android Emulator on Intel Architecture」を参照)を使用するか、Intel社の次の場所を使用します。

Intel HAXMをインストールするには、http://software.intel.com/en-us/android/articles/speeding-up-the-android-emulator-on-intel-architectureにある記事「Speeding Up the Android Emulator on Intel Architecture」で説明されている手順に従います。AVDの構成は特に重要です(「Intel HAXM用のAVDの構成」を参照)。

開発用コンピュータでMicrosoft Windows 8.n以上またはMac OS X 10.9.n以上が実行されている場合は、Intel HAXMでエミュレータを使用する前に、Intel社が提供するホットフィックスを適用する必要があります。

注意:

Hotfixを適用しないと、コンピュータがフリーズして作業内容が失われます。

Hotfixをダウンロードするには、次のサイトを使用します。

詳細は、次を参照してください。

2.5.3.2.1 Intel HAXM用のAVDの構成

Intel HAXMを有効にする場合、Android SDK Managerを使用して、Android APIレベルのIntelシステム・イメージをダウンロード(図2-3を参照)。「Speeding Up the Android Emulator on Intel Architecture」に記載されている次の手順では、構成プロセスを順を追って説明します。

  • Android SDKをインストールした後、SDK Managerを開いて「Extras」セクションでIntel HAXMを見つけます。

  • Intel x86 Emulator Accelerator (HAXM)を選択し、パッケージのインストールを選択します。

    パッケージをインストールすると、ステータスが「インストール済」に変わりますが、これは正確ではありません。SDKは、コンピュータ上でIntel HAXM実行可能ファイルをコピーするだけであり、ユーザーが実行可能ファイルを手動でインストールする必要があります。

    図2-3 Android SDK ManagerでのIntelシステム・イメージのダウンロード

    この図は周囲のテキストで説明しています
  • Intel HAXM実行可能ファイルをインストールするには、開発用プラットフォームに応じて、ハード・ドライブで次のいずれかを検索します。

    • Windowsでは、IntelHaxm.exeを検索

    • Mac OS Xでは、IntelHaxm.dmgを検索

    デフォルト設定を受け入れた場合、Windowsでは実行可能ファイルはC:\Program Files\Android\android-sdk\extras\Intel\Hardware_Accelerated_Execution_Manager\IntelHaxm.exeにあります。

Intel HAXMは、Android 2.3.3 (API 10)、4.0.3 (API 15)、4.1.2 (API 16)、4.2.2 (API 17)、4.4 (API 19)、4.4W (API 20)、5.0 (API 21)用に使用可能な、Intel Atomプロセッサのx86システム・イメージの1つとともに機能します。これらのシステム・イメージは、Android SDK Managerを使用してARMベースのイメージと同様にインストールできます。

図2-4 Intel Atomシステム・イメージのインストール

この図は周囲のテキストで説明しています

プロセスを完了するには、AVD Managerを使用し、「CPU/ABI」にIntel Atom (x86)を選択して、ハードウェア高速化エミュレーションを備えた新しい仮想デバイスを作成します(図2-5を参照)。

注意:

このオプションは、Intel x86システム・イメージをインストールしている場合にのみ、リストに表示されます。

図2-5 高速化AVDの作成

この図は周囲のテキストで説明しています

2.6 ユニバーサルWindowsプラットフォーム用の開発ツールの設定

この情報を使用して、MAFアプリケーションを開発してユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)にデプロイできるように開発マシンを設定します。

MAFアプリケーションを開発してUWPにデプロイできるように開発マシンを設定するには:

これらの設定タスクを完了すると、MAFアプリケーションをUWPにデプロイできるようになります。デプロイメントの詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のユニバーサルWindowsプラットフォームへのMAFアプリケーションのデプロイに関する項を参照してください。

2.6.1 Visual Studioのインストール

Windows 10 SDKが含まれているVisual Studio 2015をインストールする手順を使用します。

  1. https://www.visualstudio.com/products/vs-2015-product-editionsで提供されているVisual Studio 2015のエディションをダウンロードしてインストールします。Visual Studioのダウンロードには、Windows 10 SDKが含まれています。
  2. Visual Studio 2015のインストール時に、「Universal Windows App Development Tools」および「Windows 10 SDK」が選択されていることを確認します(図2-6を参照)。

    図2-6 Visual Studioのインストール

    このイメージについては周囲のテキストで説明しています。

次の情報は、次のページでWindows Software Development Kit (SDK) for Windows 10を参照してください。

https://dev.windows.com/en-us/downloads/windows-10-sdk

  • キットの内容

  • 新しいAPI

  • 新規および更新されたツール

  • システム要件

  • インストールとアンインストールの手順

  • 既知の問題

2.6.2 MAFアプリケーション用のPFXファイルの作成

ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)ベースのMAFアプリケーションを署名するために必要な個人情報交換(PFX)ファイルの作成手順を使用します。

UWPに基づくMAFアプリケーションには、デプロイメントの前にデジタル署名する必要があります。アプリケーションに署名するにはPFXファイルが必要です。PFXファイルには、公開x509証明書ファイル(.cer)および秘密鍵ファイル(.pvkファイル)が含まれています。

PFXファイルを作成するには:
  1. 管理者としてコマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。
  2. C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\bin\x64の場所に移動します。
  3. 必要な変数を指定して次のコマンドを実行し、Windows固有の秘密鍵ファイル(.pvk)およびX.509証明書ファイル(.cer)を作成します。
    makecert.exe -sv c:\somedir\MyKey.pvk -n "CN=Your Name,OU=MAF,O=Oracle,C=US" -r -h 0 -eku "1.3.6.1.5.5.7.3.3,1.3.6.1.4.1.311.10.3.13" c:\somedir\MyKey.cer
    • -eku (拡張キーの用途)フラグ値の、2つのカンマ区切り値の間にスペースを含めることはできません。1.3.6.1.5.5.7.3.3 OIDは、証明書でコード署名が有効であることを示します。1.3.6.1.4.1.311.10.3.13は、証明書にライフタイム署名が適用されることを示します。

    • -rフラグは、自己署名ルート証明書を作成します。これにより、テスト証明書の管理が簡略化されます。

    • -h 0フラグは、証明書の基本制約をエンド・エンティティとしてマークします。この制約により、証明書が、他の証明書を発行できる証明機関(CA)として使用されることが防止されます。

  4. 「秘密キーのパスワードの作成」ウィンドウで、パスワードを入力し、確認します。
  5. 表示される「秘密キーのパスワードの入力」ウィンドウで、作成したパスワードを入力します。

    指定した場所に.pvkおよび.cerファイルが作成されたかどうかを確認します。

  6. 次のコマンドを実行して、証明書および秘密鍵ファイルをVisual Studioで使用できるPFXファイルに変換します。
    pvk2pfx.exe -pvk c:\somedir\MyKey.pvk -spc c:\someDir\MyKey.cer -pfx c:\someDir\MyPFX.pfx -pi welcome -po welcome
    • -pi: 作成したpvkファイルのパスワードを入力した場合は、このフラグまたは値を指定します。pvkファイルがパスワードで保護されている場合に、このフラグを指定しないと、pvk2pfx.exeからパスワードの入力を求められます。

    • -po: 作成される.pfxファイルをパスワードで保護する場合は、このフラグまたは値を指定します。

    PFXファイルが作成されたかどうかを確認します。

2.6.3 Windows 10でのPFXファイルのインストール

アプリケーションの署名に使用する個人情報交換(PFX)ファイルを証明書ストアにコピーまたはインストールします。

オペレーティング・システムでは、証明書ストアと呼ばれる領域に証明書を保持しています。ソフトウェア発行者の証明書(SPC)とその秘密鍵および公開鍵が、アプリケーションの署名に使用されます。SPCは、個人情報交換(.pfx)ファイルに格納されます。PFXファイルは証明書ストアにコピーまたはインストールする必要があります。

注意:

インストールは、特定のコンピュータのすべてのPFXファイルに対し、手動で1回実行する必要があります。
証明書ストアにPFXファイルをインストールするには:
  1. .pfxファイルを見つけてダブルクリックし、「証明書のインポート ウィザード」でファイルを開きます。
  2. 「ストアの場所」として「現在のユーザー」を選択し、「次へ」をクリックします。
    ローカル・コンピュータ・ストアにPFXをインストールする場合は、「Windows User Access Control」ダイアログが開きます。「このアプリが PC に変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら、「はい」をクリックします。
  3. 「ファイル名」フィールドに必要な名前が表示されていることを確認し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    ファイルのデフォルトの場所は、ダブルクリックしたファイルの場所です。
  4. 必要に応じて、秘密鍵のパスワードを入力します。
  5. 「Included all extended properties」を選択し、「次へ」をクリックします。
  6. 「証明書をすべて次のストアに配置する」を選択して「参照」をクリックします。
  7. 「証明書ストアの選択」で、ストアの場所に一致する証明書ストア「個人用」を選択し、「OK」をクリックします。
  8. 「次へ」をクリックしてから、「証明書のインポート ウィザードの完了」「完了」をクリックして証明書をインポートします。
    この手順では、「個人用」証明書ストアにPFXファイルがインストールされます。
  9. 再度証明書のインポート ウィザードを実行して、「現在のユーザー」の場所、「信頼されたユーザー」の証明書ストアの順に選択します。
  10. さらにもう一度証明書のインポート ウィザードを実行して、「ローカル コンピューター」の場所、「信頼されたユーザー」の証明書ストアの順に選択します。

2.6.4 Windows 10での開発者モードの有効化

Windows 10でMAFアプリケーションを開発するには、開発者モードを有効にします。

Windows 10では、信頼されたソースからUWPアプリケーションが実行されます。インポートした証明書は自己署名なので、デフォルトでは実行されません。

MAFアプリケーションを開発してUWPにデプロイするには、ご使用のWindows 10コンピュータで開発者モードを有効にする必要があります。開発者モードは次の理由で必要です。

  • 非公式のソースからアプリケーションをサイドロード(インストールおよび実行)するため。

  • デバッグ・モードでアプリケーションを実行するため。

開発者モードを有効にするには:
  1. Windowsキーを押して、「設定」を検索し、表示される結果から「Settings - Modern application」を選択します。
  2. 「更新とセキュリティ」を選択し、「開発者向け」を選択して、「開発者モード」をクリックします。

    注意:

    Visual Studioでアプリケーションを作成した場合は、開発者モードを有効にするよう求めるダイアログが表示されます。
  3. JDeveloperの「ツール」メニューで「プリファレンス」をクリックして、表示されたプリファレンスから「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」を展開してから、「Windowsプラットフォーム」をクリックします。
  4. 「モバイル・アプリケーション・フレームワーク」で、Windows SDKの場所を指定します。
  5. 証明書の場所とパスワードのフィールドで、PFXファイルの場所とパスワードを入力します。

    注意:

    同じPFXファイルを使用すると、コンピュータ上でリリース・モードおよびデバッグ・モードでアプリケーションを実行できます。組織内の他のデバイスにアプリケーションを配布して実行する場合、内部CAなどの信頼できる機関から発行された証明書を使用することをお薦めします。

2.7 環境設定のテスト

MAFサンプル・アプリケーションをデプロイして、正常に環境を設定したことをテストします。

次のように、環境設定をテストできます。

  1. JDeveloperで、HelloWorldサンプル・アプリケーションを開きます。
    MAFサンプル・アプリケーションの詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』のMAFサンプル・アプリケーションに関する項を参照してください。
  2. メイン・メニューから「アプリケーション」を選択し、「デプロイ」を選択します。

    詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』の「モバイル・アプリケーションのデプロイ」の章を参照してください。

  3. ドロップダウン・メニューから、アプリケーションのデプロイ先となるプラットフォームに対応したデプロイメント・プロファイルを選択します。
  4. アプリケーションの署名を必要としないiOSデバイス・シミュレータまたはAndroidデバイス・エミュレータを使用して環境設定をテストすることが推奨されるため、「デプロイ」ダイアログを使用して、次のいずれかのデプロイメント・アクションを選択する必要があります。
    • iOSの場合、図2-7に示すように、「アプリケーションのシミュレータへのデプロイ」を選択します。

      図2-7 iOSに対するデプロイメント・アクションの選択

      この図は周囲のテキストで説明しています
    • Androidの場合、図2-8に示すように、「アプリケーションのエミュレータへのデプロイ」を選択します。デプロイメントを開始する前に、エミュレータが稼働していることを確認してください。

      図2-8 Androidに対するデプロイメント・アクションの選択

      この図は周囲のテキストで説明しています
    • Windowsプラットフォームの場合は、次の手順を使用します。

      1. 「アプリケーション」「デプロイ」「Windows1」の順にクリックします。

      2. 「デプロイメント・アクション」で、ローカルWindowsマシンにモバイル・アプリケーションをデプロイするためのデプロイメント・アクションを選択します。

  5. 「デプロイ」ダイアログで「次へ」をクリックし、「サマリー」ページの内容を確認した後、「終了」をクリックします。

デプロイメントの詳細は、『Oracle Mobile Application Frameworkでのモバイル・アプリケーションの開発』の「モバイル・アプリケーションのデプロイ」の章を参照してください

デプロイメントに成功すると(数分かかる場合があります)、アプリケーションをデプロイしたデバイスにHelloWorldアプリケーションの起動画面が表示され、デフォルトのアプリケーション機能が表示されます。