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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareカスタム・テクノロジ・アダプタの開発
12c (12.2.1.2.0)
E82772-01
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3 Oracle JDeveloperを使用したカスタム・アダプタの開発

この章では、Oracle JDeveloperを使用してカスタム・アダプタを開発する方法について説明します。

Oracle JDeveloperを使用して、独自のカスタム・アダプタを開発できます。このためには、基本の開発フレームワークについて理解しておく必要があります。

3.1 JCAアダプタ・ウィザード・フレームワークの理解と概要

JcaAdapterWizard拡張クラスを使用すると、初期ウィザード・ページを追加できます。その後はいつでも追加のウィザード・ページを追加できます。たとえば、ほとんどのアダプタ・ウィザードで、操作タイプ(インバウンド/アウトバウンド)の選択後にウィザードのページが追加されます。ユーザーの気が変わって、別の操作タイプを選択した場合、ウィザードのページは削除され、新しいページが追加されます。

各ウィザード・ページで、ユーザー入力が収集されます。また、アダプタ固有のコンテキストを登録して、ウィザード・ページ間で情報を共有できるようにすることも可能です。

ユーザーが「終了」ボタンを選択すると、フレームワークによって各ウィザード・ページで、ページが表示されていた順序でbuildDataModel()メソッドが呼び出されます。各ページのbuildDataModel()は、ページの画面データをデータ・モデルにコピーする処理を担当します。

フレームワークによって、データ・モデルからアーティファクトが作成されます。アダプタでは、フレームワークでの処理の終了前または終了後に呼び出すインタフェースを登録することもできます。

注意:

アダプタ・フレームワークでは、すべてのWSDL生成が処理されます。(古い) buildWsdl()メソッドも各ウィザード・ページで引き続き呼び出されますが、ほとんどのウィザード・ページでは、このメソッドをオーバーライドできません。そして、WSDL処理をスーパー・クラスに委ねる必要があります。

次の表とダイアグラムは、カスタム・アダプタを構成する様々なクラスを示しています。この次に、クラスのダイアグラムを示します。

表3-1 カスタム・アダプタのクラス

クラス 説明

SOAダイアグラム

composite.xmlのグラフィカル・エディタ。

SCAエンドポイント

SOAダイアグラムとアダプタ・フレームワークとの間のプロキシを提供します。

JcaAdapterWizard

初期ウィザード・ページの追加を可能にします。

CustomAdapterWizard

パブリック・メソッドをオーバーライドできるようにJcaAdapterWizardを拡張します。

JcaServiceName Page

「サービス名」ページを提供します。

CustomConnectionPage

コネクション・ファクトリを求めるプロンプトを表示して、この情報をデータ・モデルに格納するページを作成します。

CustomWSDLSelectionPage

デフォルトのWSDLを生成するのではなく、既存のWSDL、ポートタイプおよび操作を選択するオプションをユーザーに与えます。

CustomOperationPage

選択された操作に基づいてウィザードのページを追加したり削除したりします。

CustomPropertyPage

ユーザーがアクティブ化および相互作用の仕様プロパティを設定できるようにします。

図3-1 カスタム・アダプタのクラス・ダイアグラム

図3-1の説明が続きます
「図3-1 カスタム・アダプタ・クラス・ダイアグラム」の説明

基本を理解すれば、実装の詳細の理解へと進むことができます。

3.1.1 SCAエンドポイント・インタフェースの実装

SCAEndpointは、JDeveloperの「コンポーネント・パレット」から新規アダプタがSOAダイアグラムにドロップされたとき(SCAEndpoint.createImplementation)、既存のアダプタがJDeveloperのSOAダイアグラム内でダブルクリックされたとき(setInterfaceInfoおよびdisplayServiceEditor)またはアダプタがSOAダイアグラムから削除されたとき(SCAEndpoint.delete)に呼び出されます。

SCAEndpointの実装は、SOAダイアグラムとアダプタ・フレームワークとの間のプロキシです。これは、アダプタ・ウィザードのメイン・コンストラクタの呼出しを担当します。

createEndpointメソッドおよびupdateEndpointメソッドは、JcaAdapterWizard拡張クラスのdisplay()メソッドを呼び出します。

この例は、oracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.custom.CustomScaEndpointImpl.javaを参照してください。

3.1.2 JCAアダプタ・ウィザード・クラスの拡張およびその抽象メソッドの実装

oracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.jca.JcaAdapterWizardクラスを拡張し、その抽象メソッドを実装することによって、アダプタ・ウィザードでJCAアダプタ・フレームワークを使用できるようになります。

このクラスの抽象メソッドとしては、getAdapterTypeString()およびgetWelcomeMessageがあり、これらのメソッドによって、汎用ウィザード・ページに必要なテキストが入力されます。

抽象メソッドaddInitialWizardPages()によって、アダプタ・ウィザードのページが追加されます。このメソッドでは、初期ページ、つまりユーザーの入力に関係なく常にナビゲーション先となるページのみが追加されます。

初期ページは通常、JcaServiceNamePage,、ConnectionPage(接続が必要な場合)およびWsdlSelectionPage(アダプタでサポートされる場合。次の詳細を参照)から開始します。

アダプタでWsdlSelectionPageがサポートされない場合、最後の初期ウィザード・ページは通常OperationPageになります。

WsdlSelectionPageおよびOperationPageでのユーザー入力によって、ウィザードでのナビゲーションを変更できます(つまり、表示されるページを変更できます)。また、ユーザーがこれらのページで「次へ」ボタンを選択したときに、追加のウィザード・ページが追加されます。

オプションで、JcaAdapterWizardのパブリック・メソッドをオーバーライドできます。これらのメソッドには次のものがあります。

  • すべてのページで使用可能なアダプタ固有のメソッドを登録するには、getAdapterSpecificContextをオーバーライドします。

  • ユーザーが「終了」ボタンを選択したときに呼び出されるようにAdapterWizardFinishInterfaceを登録できます。JcaAdapterWizard拡張クラスのgetAdapterWizardFinishメソッドをオーバーライドすることによって、このインタフェースを登録します。

  • デフォルトのデータ・モデルを使用するのではなく、独自のデータ・モデルにアクセスする場合は、readJCADataModelをオーバーライドします。ただし、これは推奨されていません。

パブリック・メソッドのオーバーライドの例は、<JDEV_HOME>\jdeveloper\integration\adapters\samples\customoracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.custom.CustomAdapterWizard.javaを参照してください。

3.1.3 カスタム・アダプタ・ウィザードのページの実装

アダプタ・ウィザードのページすべてで、techAdapterWizardPage (Jpanelから継承)を拡張する必要があります。

ページ・コンストラクタでは、ウィザードにページを追加して、必要なその他のコンテキスト情報を設定するsetContextAndPage()を呼び出す必要があります。oracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.custom.CustomConnectionPage.javaの例を参照してください。

ユーザーが「終了」ボタンを選択すると、アダプタ・フレームワークによって各ウィザード・ページで、ページが表示されていた順序でbuildDataModel()メソッドが呼び出されます。buildDataModel()メソッドは、ページの画面データをデータ・モデルにコピーする処理を担当します。これは、単に、次のようなコードを使用して実行できます。

JcaDataInterface jdata = (JcaDataInterface)getDataModel();
jdata.setProperty(propname,screenField.getText().trim());

JcaAdapterContextは、すべてのページで使用できます。このとき、有用な情報を取得するための多くのアクセッサ・メソッドが使用されます。ウィザード・ページで一般的に使用されるアクセッサのリストの一部を次に示します。

表3-2 JcaAdapterContextアクセッサ・メソッド

アクセッサ・メソッド ノート

Object getAdapterSpecificContext();

Adapterコンテキスト・オブジェクト。

JcaDataInterface getDataModel();

データ・モデルを取得します。

Project getProject();

ほとんどのJDev相互作用に必要なJDeveloperのProjectオブジェクトを取得します。これには、プロジェクト名も含まれます。

Frame getAdapterFrame();

これは、新規ダイアログまたはポップアップ・エラー・メッセージの呼出し時に必要なFrameオブジェクトを返します。

Frame getAdapterFrame();

これは、新規ダイアログまたはポップアップ・エラー・メッセージの呼出し時に必要なFrameオブジェクトを返します。

boolean isUpdateMode();

既存のアダプタが更新されていることを示します。

String getServiceName();

サービス名を取得します。

String getServiceType();

サービス・タイプを取得します。

WsdlInfo getExistingWsdlInfo();

既存のWSDLが選択されなかった場合はNULLです。これは、WsdlSelectionPageでユーザーが選択したWsdl/porttypeのWsdlInfoになります。

String getOperationName();

操作名を取得します。

Boolean isInbound();

アダプタがインバウンド(Read、Get)の場合、Trueです。

Connection getConnection();

データベース・アダプタなど、接続オブジェクトを使用するアダプタの接続を取得します。

最初から開発したウィザード・ページの例は、oracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.custom.CustomPropertiesPage.javaを参照してください。

3.1.4 JcaDataInterfaceの実装

JcaDataInterfaceのほとんどのメソッドに、次の2つのバージョンがあります。

  • 1つ目が、仕様を認識するバージョンで、プロパティまたは属性の所属先のアクティブ化または相互作用の仕様を示す(activationまたはinteraction) spec引数を取ります。

  • もう1つが、仕様を認識しないバージョンで、spec引数は取りません。このドキュメントの例ではすべて仕様非認識APIが使用されています。

これらのメソッドの仕様非認識バージョンは、一度に1つの仕様のみをサポートするアダプタ・ウィザード向けです。たとえば、FileAdapterインスタンスでは、ファイルの読取りかファイルへの書込みのいずれかを実行できます。単一インスタンスで両方を実行することはできません。

仕様認識メソッドは、複数の仕様をサポートするアダプタ・ウィザードで使用する必要があります。たとえば、MQアダプタでは、非同期コールバックも使用する読取り操作がサポートされています。

この場合、MQアダプタ・ウィザードでは、アクティブ化の仕様相互作用の仕様が生成されます。このため、MQアダプタ・ウィザードでは、プロパティまたは属性の所属先がどちらの仕様であるかを明確にするために、仕様認識メソッドを使用する必要があります。

spec引数には、spec文字列のみが含まれます。

仕様非認識APIでは、アクティブ化または相互作用の仕様を追加する前にプロパティを設定できる古いアダプタもサポートされます。

3.1.5 共通機能に対するフレームワーク・ページの使用

「ようこそ」ページ、「サービス名」ページおよび「終了」ページはすべてのアダプタ・ウィザードに共通です。これらのページは、アダプタ・フレームワークによって制御されるため、ウィザードに追加する必要はありませんが、「ようこそ」ページ(JcaAdapterWizard内)および「終了」ページのコンテンツをオーバーライドするためのアクセッサ・メソッドがあります。

フレームワーク・ページを使用する際は、アダプタによってこれらのページを拡張する必要があります。次に、各タイプの拡張について説明します。

3.1.6 ConnectionPageの拡張

すべてではありませんが、ほとんどのアダプタ・ウィザードに接続ページが必要です。たとえば、AQアダプタには、ユーザーが使用可能なキューのリストを問い合せて、表示できるようにするデータベース接続ページが必要です。

アダプタ・ウィザードにデータベース接続が必要な場合、addInitialWizardPagesJcaDBConnectionPageを追加して、このメソッドをそのまま使用します。AdapterWizardContextで次のアクセッサを使用することによって、後続のページでJDeveloperの接続オブジェクトを使用できるようになります。

Connection getConnection();
DatabaseConnectionInfo getDBConnectionInfo();

このガイドで示しているカスタム・アダプタは、独自の接続タイプを持ち、JcaDBConnectionPageは使用しないアダプタの一例です。

この場合、CustomConnectionPageによって、コネクション・ファクトリの場所を求めるプロンプトが出され、この情報が次のようなコードとともにデータ・モデルに配置されます。

JcaDataInterface jdata = (JcaDataInterface)getDataModel();
    jdata.setConnectionFactoryAtrribute(JcaDataInterface.
     CONNECTION_FACTORY
      _LOCATION_ATTRIBUTE,connectionTextField.getText().trim());

3.1.7 WsdlSelectionPageの拡張

多くのアダプタ・ウィザード(ファイル、FTP、AQ、MQおよびJMSアダプタのウィザードなど)では、デフォルトのWSDLを生成するのではなく、ユーザーに対して、既存のWSDL、ポートタイプおよび操作を選択するオプションが用意されています。基本的に、操作の選択によって、アダプタで使用することになるスキーマが定義されます。

ただし、既存のWSDLの選択は、独自のスキーマを提供または生成するアダプタではサポートされません(たとえば、DB、B2B、BAMおよびOracle Applicationアダプタでは、独自のスキーマが生成されます)。

一部のアダプタ・ウィザードではこれら2つが複合されており、既存のWSDLが選択されると、必須スキーマを有する特定の操作が無効になります。

アダプタで既存のWSDLをサポートする必要がある場合は、WsdlSelectionPageを拡張するクラスを作成する必要があります。

この例は、CustomWsdlSelectionPageを参照してください。このクラスを拡張するために実装する必要のある抽象メソッドが3つあります。

  • boolean adapterSupportsSynchRead(): アダプタに同期読取りオプションがある場合はtrueが返されます。これによって、output要素が含まれるWSDL操作をWsdlSelectionページで選択できるようになります。

  • boolean adapterSupportsCallback(): アダプタでコールバック(インバウンドまたはアウトバウンド)を使用できる場合はtrueが返されます。trueの場合、WsdlSelectionページでユーザーは2つのポート・タイプを選択できます。

  • createPagesForOperation():ユーザーがWSDL操作を選択した後に、開発者は新規ウィザード・ページを追加できます。

注意:

後続のウィザード・ページでは、選択した操作でサポートされない操作および機能を無効にする必要があります。たとえば、ファイル・アダプタおよびFTPアダプタの場合、選択された操作にoutput要素が含まれるときは、「操作」ページ上の、同期読取り操作以外のすべての操作を無効にする必要があります。詳細は、JcaOperationPageの箇所を参照してください。

既存のWSDLを選択した場合でも、アダプタ・フレームワークではWSDLが生成されますが、ポート・タイプ、操作、メッセージおよびスキーマはそのWSDLでは生成されず、ユーザーが選択したWSDLがインポートされます。ラッパーWSDLで、選択されたWSDLがインポートされます。これには、importおよびpartnerlinkTypesのみが含まれます。

partnerLinkTypeを使用しないWSDLをユーザーが選択したときは、ラッパーWSDLの生成はその方法において、BPELの場合と同様です。

また、アダプタ・ラッパーWSDLでは、partnerLinkTypesが定義される上、ユーザー選択のWSDLでは使用できないヘッダー・メッセージを定義できます。

3.1.8 JcaOperationPageの拡張

すべてのウィザード操作ページ(Read/WriteやGet/Putなどの操作を選択するページ)では、JcaOperationPageをオーバーライドする必要があります。これは、JcaOperationPageでは、操作名に基づいてWSDLオブジェクト作成が扱われるためです。

操作名は、抽象メソッドgetOperationName()を実装することによって指定されます。

ほとんどの操作ページで、選択された操作に基づいてウィザードのページが追加および削除されます。アクセッサ・メソッドremovePages()では、現在のページのみでなくすべてのウィザード・ページが削除されます。

「操作」ページのbuildDataModel()メソッドは、次のようなコードを使用して、データ・モデル内のアクティブ化または相互作用の仕様を設定する処理を担当します。

JcaDataInterface jdata = (JcaDataInterface)getDataModel();
    if (readRB.isSelected()){ 
        jdata.setActivationSpec
          (THIS_ADAPTERS_ACTIVATION_SPEC);
    )
    else{
        jdata.setInteractionSpec(THIS_ADAPTERS_INTERACTION_SPEC);
    }

注意:

更新モードの場合、OperationPagesで、ユーザーによる操作タイプまたは操作名の変更を可能にすることはできません。これは、その操作の存在に依存する参照にアダプタ・インタフェースがワイヤリングされる可能性があるためです。

この例は、oracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.custom.CustomOperationPage.javaを参照してください。

3.1.9 CustomAdapterConfigクラスの使用または拡張(あるいはその両方)

アダプタによっては、CustomPropertyPageを使用または拡張して、ユーザーがアクティブ化および相互作用の仕様プロパティを設定できるようにすることが可能です。

ただし、ほとんどの新しいアダプタには、独自のプロパティ・ページがあります。このことによって、プロパティの表示方法(たとえば、値のリスト、UIコントロールまたは検証)をアダプタでより高度に制御できるようになるためです。

カスタム・アダプタで構成ファイルの読取りに使用されるクラスCustomAdapterConfigはpublicなので、他のアダプタで使用したり拡張したりできます。

CustomAdapterConfigクラスでは、使用可能な仕様、プロパティおよびコネクション・ファクトリのリストが、構成ファイルcustomAdapter-config.xml(デフォルトのカスタム・アダプタ構成ファイル)から取得されます。このクラスを拡張し、getConfigFilePath()メソッドをオーバーライドすることによって、別の構成ファイルを使用できます。

属性displayResourceKeyおよびresourceBundleはオプションです。activation-spec、interaction-spec、またはproperty要素にdisplayResourceKeyが含まれている場合、フレームワークでは、getDisplayString()またはtoString()メソッドで使用可能なリソース・バンドルから表示可能なテキストを取得するキーとして、属性値が使用されます。リソース・バンドルが使用できない場合やバンドルにキーがない場合は、キー自体が表示可能なテキストとして使用されます(このため、リソース・バンドルをクラスに含める必要はありません)。

リソース・バンドルをこのクラスのコンストラクタに渡すことができますが、構成ファイル内の<connection-factory>要素のresourceBundle属性によってリソース・バンドルをオーバーライドすることもできます。

3.1.10 CommonAdapterSchemaPageまたはCommonAdapterInOutSchemaPageの拡張

多くのアダプタ・ウィザードで、ユーザーは、単一スキーマまたはリクエスト/リプライ・スキーマを選択して、アダプタで使用するメッセージを定義できます。

このようなウィザードでは、CommonAdapterSchemaPage (一方向操作を使用するアダプタ向け)またはCommonAdapterInOutSchemaPage (一方向操作とリクエスト/リプライ操作を両方とも使用するアダプタ向け)が、スキーマに関連したオプション(typeChooser、NXSDウィザード、不透明なスキーマおよびWSDL生成)で拡張されます。

CommonAdapterSchemaPageクラス拡張では、getIntroPrompt()を実装して、ページ上部の導入テキストを変更することのみが必要です。

この例は、oracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.custom.CustomSchemaPageを参照してください。

CommonAdapterInOutSchemaPageには、オーバーライド可能なパブリック・メソッドがいくつか含まれています。次の表を参照してください。

表3-3 CommonAdapterInOutSchemaPageのパブリック・メソッド

メソッド 説明

getIntroPrompt()

ページ上部の導入テキストを変更します。

getInboundSchemaLabel()

インバウンド・スキーマ・パネルのラベルを設定します。

getOutboundSchemaLabel()

アウトバウンド・スキーマ・パネルのラベルを設定します。

changeSequenceOfInOutSchemaPanels()

インバウンド・パネルおよびアウトバウンド・パネルの表示順を変更します。デフォルトの表示では、インバウンド・スキーマ・パネルが先です。

setInOutSchemaPanelVisibility()

スキーマ・パネルの表示を設定または設定解除します。

この例は、oracle.tip.tools.ide.pm.wizard.adapter.mq.MQAdapterInOutSchemaPageを参照してください。

3.1.11 「終了」ページの追加

ウィザードで「終了」ページが表示されるときに「終了」ボタンが表示されるようにするのではなく、ウィザード・フローの早い段階でウィザードに「終了」ページを追加する必要があります。「終了」ページには、まだ表示されていない他のページで必要なサマリー情報が表示されます。

このようなページの優先順位を指定できるように、techAdapterWizardPageに2つのヘルパー・メソッドaddFinishPage()およびsetFinishPageContents()が用意されています。

  • addFinishPage()では、コンテンツのない終了ページがウィザードに追加されます。ほとんどのウィザードでは、ページの削除または追加の際に「終了」ページが追加されます。

  • setFinishPageContents(String title, Object contents)では、ユーザーがウィザードの最後のページで「次へ」ボタンを選択したときに、setFinishPageContentsが(wizardValidatePage()から)呼び出されます。

「終了」ページのコンテンツとして、コンポーネントまたは文字列を指定できます。「終了」ページのコンテンツを文字列に設定すると、MultiLineLabelが自動的に作成されます。

3.1.12 終了後処理の実行(オプション)

各アダプタでは、JcaAdapterWizard拡張クラスのgetAdapterWizardFinish()メソッドをオーバーライドすることによって、AdapterWizardFinishInterfaceの実装を登録できます。これによって、アダプタで、終了時に追加のアクティビティを実行できるようになります。

たとえば、ファイル・アダプタでは、この終了処理のオーバーライドを使用して、FileAdapterHeaderスキーマが現行プロジェクトであるかどうかを確認し、このスキーマが現行プロジェクトでない場合は、ファイル・アダプタでヘッダー・ファイルがプロジェクト・ディレクトリにコピーされるように設定できます。

AdapterWizardFinishInterfaceには、アダプタのアーティファクト(WSDLファイルおよび.jcaファイル)の作成前と作成後のいずれかに制御を得る次の2つのメソッドが含まれます。

  • beforeWSDL()メソッドは、falseを返し、アダプタのアーティファクトを作成してはいけないことを示します。

  • afterWSDL()メソッドは、WSDLファイルの作成後に呼び出されます。

これらのメソッドはどちらも、実装で必要に応じて使用できます。

3.1.13 sca-config.xmlへのAdapterType要素の追加

次の要素は、sca-config.xmlに追加され、カスタム・アダプタで使用するアイコンとSCAEndpoint実装クラスについてSOAダイアグラムに通知して、追加情報を提供します。サブ要素の定義として、次のものがあります。

  • name: リソース・バンドルから取得されます。

  • description: リソース・バンドルから取得されます。

  • tooltip: リソース・バンドルから取得されます(グラフィックでマウス・カーソルの下に表示されます)。

  • icon16x16: パレットで使用されるアイコン。

  • icon20x20: グラフィックで使用されるアイコン。

  • 他の4つのアイコンは使用されません。

<adapterType
     resourceBundle="oracle.tip.tools.ide.pm.modules.biz
        integration.adapter.custom.resource.CustomStringResourceBundle">
          <name>${CUSTOM_ADAPTER_COMPONENT_NAME_L}</name>
          <bindingType>jca</bindingType>
           <bindingSubType>custom</bindingSubType
   <implementationClass>oracle.tip.tools.ide.pm.modules.bizintegration.adapter.custom.CustomScaEndpointImpl</implementationClass>
      <description>${CUSTOM_ADAPTER_COMPONENT_DESC}</description>
      <tooltip>${CUSTOM_ADAPTER_COMPONENT_DESC}</tooltip>
      <icon16x16>/oracle/tip/tools/ide/pm/modules/bizintegration/adapter/custom/resource/custom_adapter_16x16.png</icon16x16>
      <icon20x20>/oracle/tip/tools/ide/pm/modules/bizintegration/adapter/custom/resource/custom_adapter_20x20.png</icon20x20>
      <topSectionIcon>oracle/tip/tools/ide/fabric/resource/image/visuals_rd1/whiteServiceTop.png</topSectionIcon>
      <middleSectionIcon>oracle/tip/tools/ide/fabric/resource/image/visuals_rd1/whiteServiceMiddle.png</middleSectionIcon>
      <bottomSectionIcon>oracle/tip/tools/ide/fabric/resource/image/visuals_rd1/whiteServiceBottom.png</bottomSectionIcon>
      <collapsedSectionIcon>oracle/tip/tools/ide/fabric/
      resource/image/visuals_rd1/whiteServiceCollapsed.png</collapsedSectionIcon>
    </adapterType>
<collapsedSectionIcon>oracle/tip/tools/ide/fabric/resource/image/
visuals_rd1/whiteServiceCollapsed.png</collapsedSectionIcon> 
  </adapterType>

sca-config.xmlの<adapterType>には、リソース・バンドルのクラス名を格納する必要のあるリソース・バンドル属性が含まれます。このリソース・バンドルは、SOAダイアグラマで、ダイアグラムのエンドポイントのラベル付けに使用する変換済テキストの取得に使用されます。

たとえば、カスタム・アダプタのエントリを参照する場合、ダイアグラムにカスタム・アダプタを表示する際に、ダイアグラムではCustomStringResourceBundleCUSTOM_ADAPTER_COMPONENT_NAME_Lが検索されます。

アダプタ・ウィザードの内部で、ダイアグラムではリソース・バンドルを使用して、ウィザード内のすべてのラベルのテキストが取得されます。カスタム・アダプタの場合、同じバンドルが使用されます。

3.1.14 パブリック・ユーティリティ・メソッドの使用

このSDKのクラスには、アダプタ・ウィザード全体を通して使用されているユーティリティ・メソッドが含まれています。次の表は、これらのメソッドを示しています。

メソッド 備考

oracle.tip.tools.ide.adapters.designtime. adapter.jca.JcaUtil:

getAdapterWsdlInfo (AdapterWizardContext_wcontext)

複数のフレーバを使用できます。

initContextFromWsdlAndModel(Project project,JcaAdapterContext jcaAdapterContext,WsdlInfo wsdlInfo, JcaDataInterface jdata)

initContextFromWSDLMultiOper(JcaAdapterContext jcaAdapterContext, JcaDataInterface jdata)

Definition readAdapterWsdl(WSDLFactory wfact, URL wsdlLocation)

oracle.tip.tools.ide.adapters.designtime.adapter.CommonAdapterSchemaPage:buildOpaqueSchema(AdapterWizardContext _wcontext, Definition def1)removeOldSchema(AdapterWizardContext wcontext, String schemaLoc,String schemaNamespace)

一方向操作の定義オブジェクトからスキーマを削除します。

removeOldSchema(AdapterWizardContext wcontext, boolean oneway, boolean isCallback)

リクエスト/リプライ操作の定義オブジェクトから入力/出力スキーマを削除します。