この章では、識別子タイプ、連絡先情報タイプおよび取引パートナ・パラメータ・タイプの作成方法について説明します。また、Oracle B2Bでカスタム・タイプを使用して、ドキュメント交換、連絡先情報および取引パートナ・パラメータの各仕様を満たす方法についても説明します。
この章の内容は次のとおりです。
取引パートナ・プロファイルへのカスタム・タイプおよび値の追加については、取引パートナ・プロファイルの作成を参照してください。
識別子タイプ(つまり識別子)は、取引パートナを(交換識別子として)識別するのに役立ちます。また、様々なドキュメント・プロトコルに対する追加入力を定義するために使用できます。
Oracle B2Bには、一般的に必要な識別子の多くが事前にシードされています。新規のカスタム識別子を必須として作成できます。
識別子タイプを作成するには:
取引パートナのプロファイルに新しいタイプおよび値を追加する方法は、「識別子タイプと値の追加」を参照してください。
表10-1に示すように、Oracle B2Bでは、サポートされているドキュメント・プロトコルに対する事前定義の識別子が用意されています。使用されていないタイプを削除することで、B2B環境をさらにカスタマイズできます。取引パートナが使用するタイプは削除できません。
表10-1 Oracle B2Bで定義されている識別子タイプ
名前 | 説明 |
---|---|
AS1識別子 |
電子メールを使用したデータの送信にEDI over SMTPを使用するための仕様。AS1は、XML、TXTファイルなどの非EDIドキュメント・タイプも処理します。AS1識別子と名前識別子はAS1交換で必要です。 |
AS2識別子 |
AS2トランザクション内のサービス・アドレス(「AS2-From」フィールドまたは「AS2-To」フィールドで指定)の別名。この値は、取引パートナが認識する一意の名前にできます。AS2識別子と名前識別子はAS2交換で必要です。 |
DUNS |
続き番号で生成される9桁の一意の番号。正式にはD-U-N-S番号として知られ、Dun and Bradstreetから取得します。DUNS識別子と名前識別子はRNIF交換で必要です。 |
EDIグループID |
取引パートナ企業内の複数のブランチを識別するために使用します。グループIDは、交換IDと同じ番号にできます。 |
EDIグループID修飾子 |
EDI交換ID修飾子と同じように、この修飾子はEDIFACTのみに適用されます(X12には適用されません)。 |
EDI交換ID |
異なるソースから取得可能な取引パートナの一意の識別子。たとえば、取引パートナにDun & Bradstreet番号がある場合は、その番号を交換IDとして使用できます。多くの場合、選択したVANでは交換IDが割り当てられます。 |
EDI交換ID修飾子 |
後に続く交換IDのタイプをネットワークに通知します。一般的な修飾子には、ZZ (後に続く交換IDが相互定義であることを示す)、01 (交換IDが取引パートナのDun and Bradstreet番号であることを示す)、12 (交換IDが電話番号であることを示す)があります。 |
EDI交換内部ID |
取引パートナをEDI交換内部IDに基づいて識別します。 |
EDI交換内部サブID |
取引パートナをEDI交換内部サブIDに基づいて識別します。 |
Generic識別子 |
HTTPまたはHTTPSトランスポート・プロトコルとともにGeneric交換プロトコル(EDI X12 over Generic Exchange、EDI EDIFACT over Generic Exchange、またはCustom Document over Generic Exchange)を使用している場合に、取引パートナの識別に使用するIPアドレス。ホスト名は入力しないでください。 Generic識別子と名前識別子は、汎用HTTPおよび汎用電子メール交換で必要です。 IPアドレスではワイルドカード文字は使用できません。 |
HL7バッチ・アプリケーションID |
取引パートナをHL7バッチ・アプリケーションIDに基づいて識別します。BHS.3とBHS.5には、MSHセグメントの対応するフィールドと同じ定義があります。 |
HL7バッチ・アプリケーション共通ID |
取引パートナをHL7バッチ・アプリケーション共通IDに基づいて識別します。 |
HL7バッチ・アプリケーション共通IDタイプ |
取引パートナをHL7バッチ・アプリケーション共通IDタイプに基づいて識別します。 |
HL7バッチ機能ID |
取引パートナをHL7バッチ機能IDに基づいて識別します。 |
HL7バッチ機能共通ID |
取引パートナをHL7バッチ機能共通IDに基づいて識別します。 |
HL7バッチ機能共通IDタイプ |
取引パートナをHL7バッチ機能共通IDタイプに基づいて識別します。 |
HL7ファイル・アプリケーションID |
取引パートナをHL7ファイル・アプリケーションIDに基づいて識別します。FSH.3とFSH.5には、MSHセグメントの対応するフィールドと同じ定義があります。 |
HL7ファイル・アプリケーション共通ID |
取引パートナをHL7ファイル・アプリケーション共通IDに基づいて識別します。 |
HL7ファイル・アプリケーション共通IDタイプ |
取引パートナをHL7ファイル・アプリケーション共通IDタイプに基づいて識別します。 |
HL7ファイル機能ID |
取引パートナをHL7ファイル機能IDに基づいて識別します。このフィールドはさらに送信/受信アプリケーションについて示します。機能IDには、組織エンティティ、単位、製品またはベンダーの識別子を指定できます。 |
HL7ファイル機能共通ID |
取引パートナをHL7ファイル機能共通IDに基づいて識別します。 |
HL7ファイル機能共通IDタイプ |
取引パートナをHL7ファイル機能共通IDタイプに基づいて識別します。 |
HL7メッセージ・アプリケーションID |
送信/受信アプリケーションを識別します。 |
HL7メッセージ・アプリケーション共通ID |
アウトバウンド・メッセージの場合、このフィールドは、MSH.3 (送信者)およびMSH.5 (受信者)のメッセージ・アプリケーション共通IDをオーバーライドするために使用します。インバウンド・メッセージの場合、このフィールドは参照に使用します。 |
HL7メッセージ・アプリケーション共通IDタイプ |
アウトバウンド・メッセージの場合、このフィールドは、MSH.3 (送信者)およびMSH.5 (受信者)のメッセージ・アプリケーション共通IDタイプをオーバーライドするために使用します。インバウンド・メッセージの場合、このフィールドは参照に使用します。 |
HL7メッセージ機能ID |
取引パートナをHL7メッセージ機能IDに基づいて識別します。 |
HL7メッセージ機能共通ID |
アウトバウンド・メッセージの場合、このフィールドは、MSH.4 (送信者)およびMSH.6 (受信者)のメッセージ機能共通IDをオーバーライドするために使用します。インバウンド・メッセージの場合、このフィールドは参照に使用します。 |
HL7メッセージ機能共通IDタイプ |
アウトバウンド・メッセージの場合、このフィールドは、MSH.4 (送信者)およびMSH.6 (受信者)のメッセージ機能共通IDをオーバーライドするために使用します。インバウンド・メッセージの場合、このフィールドは参照に使用します。 |
MLLP ID |
TCP/IPのMinimum Lower Layer Protocol (MLLP)はHL7の標準です。MLLP IDおよび名前識別子は、MLLP交換で必要です。 |
名前 |
取引パートナを名前で識別します。このタイプの値は、取引パートナ名(たとえば、AcmeやGlobalChipsなど)を作成または編集すると、自動的に提供されます。名前識別子は、汎用ファイル、汎用FTP、汎用SFTP、汎用AQおよび汎用JMS交換で必要です。 |
ebMS識別子 |
OASISのebXML Messaging Services (ebXML)タイプは、HTTP、HTTPS、SOAP、XMLDsigおよびXMLEncryptを使用してメッセージを交換するためのセキュアで信頼できる方法を指定します。ebMS識別子および名前識別子は、ebMS交換で必要です。 |
Oracle B2Bでは、取引パートナの連絡先情報の集中管理場所が提供されます。作成したタイプは、取引パートナのプロファイルに追加してその値を変更できます。
任意の連絡先情報タイプを作成できます。連絡先名、電子メール・アドレス、電話番号、FAX番号などのタイプを作成します。使用されていないタイプを削除することで、B2B環境をさらにカスタマイズできます。取引パートナが使用するタイプは削除できません。
連絡先情報タイプを作成するには:
取引パートナのプロファイルに新しいタイプおよび値を追加する方法は、「連絡先情報の追加」を参照してください。