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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド
12c (12.2.1.2.0)
E82973-02
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Oracle OLAPデータ・ソースでの作業

Oracle Databaseには、埋込みのフル機能オンライン分析処理サーバーを提供するOLAPオプションが用意されています。

OLAPオプションは、次のような役割で使用されます。

Oracle Business Intelligenceでは、Oracle OLAPをデータ・ソースとしてサポートしています。Oracle OLAPソースからメタデータをインポートすると、Oracle OLAPオブジェクトが管理ツールの物理レイヤーに表示されます。この項では、物理レイヤーのOracle OLAPオブジェクトに関する情報を示します。

この項では、次の項目について説明します。

Oracle OLAPデータ・ソースからのメタデータのインポートについて

Oracle BI管理ツールを使用してOracle OLAPからメタデータをインポートする方法について説明します。

Oracle BI管理ツールを使用した場合:

  • 複数言語のメタデータが格納されているOracle OLAPキューブの場合、デフォルトの言語のみがインポートされます。

  • 少なくとも1つの階層が含まれるディメンションのみがインポートされます。

  • 複数の階層が含まれる単一の問合せはサポートされていません。問合せに、指定されたディメンションの複数階層からの列が含まれる場合は、Oracle BIサーバーからエラーが返されます。

  • Oracle OLAPメジャーに対する、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーのデフォルトの集計ルールは、外部集計です。外部集計ルールとは、Oracle BIサーバーで、特定のメジャーに対して基礎となる集計ルールが認識されないため、内部的に計算されないということです。かわりに、Oracle BIサーバーから常に、基礎となるマルチディメンション・データ・ソースに集計の問合せが送信されます。

    場合によっては、メジャーの集計ルールを外部集計以外のものに設定することがあります。たとえば、複数のデータ・ソースをフェデレートしている場合や、Oracle OLAPでレベルごとには表されていないディメンション属性に沿ってより高レベルの集計を実行する必要がある場合です。両方の場合とも、基礎となるデータ・ソースのルールに一致するようにデフォルトの集計ルールを変更できます。可能な場合、集計はOracle OLAPデータ・ソースで実行されます。

Oracle Business IntelligenceでサポートされるOracle OLAPの最新バージョンは、「システム要件と動作要件」を参照してください。

Oracle OLAPアナリティック・ワークスペース(AW)オブジェクトでの作業

Oracle OLAPアナリティック・ワークスペース(AW)オブジェクトをOracle BI管理ツールの物理レイヤーに表示できます。

これらのオブジェクトは、Oracle OLAPメタデータのアナリティック・ワークスペース・オブジェクトに対応しており、物理カタログ・オブジェクトおよび物理スキーマ・オブジェクトに似ています。アナリティック・ワークスペースは、関連キューブを格納するためのコンテナです。アナリティック・ワークスペースのコンテキスト内に、ディメンション、キューブおよびその他のディメンション・オブジェクトを作成します。

Oracle OLAPアナリティック・ワークスペース・オブジェクトには、「名前」、「 説明」および「動的名前」のプロパティがあります。「動的名前」タブを使用して、アナリティック・ワークスペース・オブジェクトの名前を指定する変数を指定できます。「動的名前」タブは、少なくとも1つのセッション変数が定義されていないと、アクティブにはなりません。「変数を使用したカタログまたはスキーマの名前の指定」を参照してください。

Oracle OLAPのディメンション、階層およびレベルでの作業

Oracle OLAPのディメンションは、データを識別してカテゴリ分けする一意の値のリストです。

これらのディメンションによって、キューブのエッジおよびキューブ内のメジャーのエッジが形成されます。レポートでは、ディメンションの値またはディメンションの値の説明属性によって、行と列のラベルが指定されます。

Oracle OLAPのディメンションには、次の3種類があります。

  • レベル・ベース・ディメンション レベルベースのディメンションのメンバーは、基本的に月や年などのタイプに基づいてレベルにグループ分けされます。ほとんどのディメンションがレベルベースです。

  • 値ベース・ディメンション これらのディメンションは、メンバー間で親子の関係がありますが、メンバーはすべて同一タイプ(従業員やアカウントなど)のため、これらの関係によって意味のあるレベルが形成されることはありません。

  • リスト・ディメンションまたはフラット・ディメンション これらのディメンションには、レベルまたは階層がありません。

注意:

Oracle Business Intelligenceでは、階層のないディメンション(フラット・ディメンション)はサポートされません。Oracle OLAPデータ・ソースからフラット・ディメンションをインポートすると、エラーが発生します。フラット・ディメンションを使用している場合は、Oracle Business Intelligenceへのインポートを試みる前に、データ・ソースでフラット・ディメンションを単一レベル階層に置換します。

「Oracle OLAPディメンション」ダイアログの「一般」タブでは、次のディメンション・プロパティとともに、ディメンションの名前と説明を表示、編集できます。

  • 時間。対象のディメンションが時間ディメンションであることを示します。

  • 不規則。ベースが異なるメンバーが1つ以上属しているため、不規則なベース・レベルが作成されている階層が対象のディメンションに含まれることを示します。

  • スキップ・レベル。このディメンションに、階層に穴を作成して2つ以上高いレベルの親を持つメンバーが1つ以上属している階層が含まれていることを示します。スキップレベル階層の例としては、少なくとも1つの都市がその親として国を持つ(アメリカ合衆国におけるワシントン市など)都市-州-国という階層があげられます。

  • 外部名。物理SQL問合せでディメンションの参照時に使用される物理名。この値は、データ・ソースで定義されている外部名を反映する必要があります。

  • キャッシュのプロパティ。対象のディメンションをOracle BIサーバーの問合せキャッシュに含める場合は、「キャッシュ可能」を選択します。キャッシュ・エントリが失効しないことを指定するには、「キャッシュ失効なし」を選択します。または、「キャッシュ永続時間」を選択して、問合せキャッシュでエントリが保持される期間を指定する値を入力することもできます。問合せで永続時間が異なる複数の物理オブジェクトが参照されている場合は、その問合せのキャッシュ・エントリは、問合せで参照される表の中で永続時間が最も短く設定されているものの永続時間だけ保持されます。これによって、後続の問合せで失効したキャッシュ・エントリからキャッシュ・ヒットが取得されることはなくなります。

「Oracle OLAPディメンション」ダイアログの「列」タブおよび「階層」タブには、対象のディメンションに属するディメンション・メンバーと階層がリストされます。「列」タブでは、列の追加または削除と、特定の列の編集ができます。「階層」タブでは、階層の追加、削除または編集を実行できます。入力(キー)ボタンを使用して、ディメンションにデフォルトの階層を選択することもできます。

ディメンションには、1つ以上の階層を格納できます。ほとんどの階層がレベルベースで、1つ以上の集計レベルで構成されています。メンバーは、多対1の関係における次に高いレベルにロールアップされ、これらのメンバーはその次に高いレベルにロールアップされ、最終的に最上位レベルまでロールアップされます。不規則階層およびスキップレベル階層もサポートされています。

ディメンションには、値ベースの階層を格納できます。値ベースの階層は、レベルをサポートしない親子階層です。たとえば、従業員ディメンションは、各従業員の上司を識別する親子関係を持つ場合があります。第1レベル、第2レベル、第3レベルの上司を一緒にグループ化するレベルは、分析上意味がない場合があります。

値ベースの階層の場合、ルート・メンバー物理キューブ列に対してデフォルトで「Null値可能」オプションが選択されています。「Null値可能」オプションは、値ベースの階層のルート・メンバーを適切に機能させるために選択する必要があります。

通常、1つのディメンションに対する複数の階層は、ベースレベルのディメンション・メンバーを共有して、別個の階層に分岐します。これらの階層ですべて同一のベース・メンバーが使用され、同一の集計演算子が使用される場合は、これらの階層で最上位レベルを共有できます。それ以外の場合は、別個の集計値を格納するために、別個の最上位レベルが必要です。

「Oracle OLAP階層」ダイアログを使用して、階層の名前、外部名および説明を表示および編集できます。レベルベースの階層の場合は、レベルの追加、削除、編集または並替えを実行できます。値ベースの階層の場合、列を追加、削除または編集できます。

  • 「Oracle OLAP階層」ダイアログで、列名をダブルクリックして、キー列を指定します。
  • 列名をダブルクリックして、1つの列をレベル・キーとして指定します。

Oracle OLAPキューブおよび列での作業

Oracle OLAPキューブは、ディメンションがまったく同じになっているメジャーを識別して、その上でデータのロード、集計、格納および問合せのすべての段階で一緒に処理される候補となる情報オブジェクトです。

キューブは、ビジネス・メジャーの形状を定義するものであり、順序付けされたディメンションのセットによって定義されます。ディメンションによってキューブのエッジが形成され、メジャーがキューブ本体のセルになります。

Oracle OLAPキューブには、他のキューブと同様のプロパティがあります。キューブの名前と説明は表示と編集が可能です。また、次に示すキューブのプロパティは更新が可能です。

  • 外部名。物理SQL問合せでキューブの参照時に使用される物理名。この値は、データ・ソースで定義されている外部名を反映する必要があります。

  • 密度および実体化。スパースで完全に実体化されているOracle OLAPのキューブの場合は、問合せを最適化するために、これらのプロパティに値を指定します。「密度」オプションを「疎」に設定し、「実体化」オプションを「完全な実体化」に設定すると、Oracle BIサーバーでは、空のセルをスキップするためにループ句が生成されます。「密度」オプションを空白のままにすると、Oracle BIサーバーはデータが疎であると見なします。

    これらの値を設定する場合は、データ・ソースの実際のプロパティを反映するように設定する必要があります。これがデータ・ソースにも当てはまらないかぎり、データをスパースおよび完全な実体化と指定しないでください。

    これらの値をOracle OLAP 11gキューブに設定する必要はありません。これらのオブジェクトについては、最適化が自動的に行われます。

  • キャッシュのプロパティ。このキューブをOracle BIサーバーの問合せキャッシュに含める場合は、「キャッシュ可能」を選択します。

    キャッシュのエントリが失効しないことを指定する場合は、「キャッシュ有効期限なし」を選択します。それ以外の場合は、「キャッシュ永続時間」を選択して、エントリがキャッシュに永続する期間を指定する値を入力します。

    永続時間が異なる複数の物理オブジェクトを参照する問合せの場合、この問合せのキャッシュ・エントリは、問合せで参照される表のうち、永続時間が最も短く設定されている表の永続時間の範囲で存続します。これによって、後続の問合せで失効したキャッシュ・エントリからキャッシュ・ヒットが取得されることはなくなります。

「Oracle OLAPキューブ」ダイアログの「列」タブには、キューブに属している列がリストされます。列の追加または削除と、特定の列の編集ができます。

メジャー、計算されたメジャー、属性またはレベル・キーは、Oracle OLAP列として定義できます。Oracle OLAP列には、その他の物理列と同じプロパティがあります。「物理表の列の作成と編集」を参照してください。