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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド
12c (12.2.1.2.0)
E82973-02
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Oracle Business IntelligenceでのIBM DB2 Cube Viewsの使用

DB2 Cube Views Generatorを使用してOracle Business IntelligenceからIBM DB2にメタデータをエクスポートする方法を説明します。

この項では、次の項目について説明します。

Oracle BIでのIBM DB2 Cube Viewsの使用について

これによりデータ・ウェアハウスのパフォーマンスおよびデータベースの機能がどのように向上するかを説明します。

IBM DB2 Cube Viewsは、IBMの登録商標です。「システム要件と動作保証」を参照してください。

データベースに存在するデータの論理的関係に関するメタデータを、DB2データベースで格納できるようにします。また、効率的なDB2マテリアライズド・クエリー・テーブル(MQT)を使用することによって、データ・ウェアハウスの問合せのスピードが向上します。このMQTは、リレーショナル・データを事前集計して問合せのパフォーマンスを強化します。

問合せの処理時に、DB2のクエリー・リライト機能は可能なかぎりMQTに問合せをルーティングします。このテーブルは基底にある元表より小さく、データが事前集計されているため、再ルーティングされた問合せを高速で実行できます。

DB2 Cube Views Generatorは、Oracle BI固有のメタデータをIBM Cube ViewsのXMLファイルに変換するメタデータ・ブリッジとして機能します。メタデータをXMLファイルに変換してから、IBM Cube Viewsを使用して変換後のメタデータをDB2データベースにインポートしてIBM Cube Viewsメタデータ・カタログ表に格納します。メタデータのインポート後は、IBM Optimization Advisorを使用してマテリアライズド・クエリー・テーブル(MQT)およびその索引を作成するスクリプトを生成します。デプロイされたMQTはDB2 Query Reroute Engineで着信するアプリケーション問合せの最適化に使用されます。

DB2には、XMLドキュメントを引数として渡してメタデータ・オブジェクトの作成、変更、削除および読取りを実行するAPI(ストアド・プロシージャとして実装)があります。

キューブ・メタデータのデプロイ

XMLファイルのインポート前に、DB2 Cube Views Generatorによって生成されたalias-SQLファイルを実行する必要があります。

DB2 Cube Views Generatorによって生成されたXMLファイル には、キューブ・メタデータがXML形式で格納されています。XMLファイルをDB2にインポートした後は、マテリアライズ照会表を作成する必要があります。

注意:

XMLファイルのインポート前に、IBM Cube Viewsとそのツールを十分に理解しておくことを強くお薦めします。IBMのドキュメントを参照してください。

メタデータのデプロイ前にジェネレータの実行に記載された手順を完了します。キューブ・メタデータをデプロイするには、次の各項で説明されているタスクを実行します。

IBM Cube Viewsに対する別名-SQLファイルの実行

XMLファイルをDB2データベースにインポートする前に、別名-SQLファイルを実行する必要があります。

IBMのドキュメントを参照してください。

DB2 Cube Viewsで生成された別名-SQLファイルは、データ・ウェアハウスが配置されたデータベース上のSQLクライアントによって実行する必要があります。実行するとデータベースの表に別名(シノニム)が作成されます。

XMLファイルのインポート

別名-SQLファイルを実行すると、データベースにXMLファイルをインポートできます。

注意:

XMLファイルをインポートする前にIBM Cube Viewsとツールを理解する必要があります。

このファイルのインポートには、次のIBMツールを使用できます。

  • IBM OLAPセンター(推奨)「IBM OLAPセンターを使用したXMLファイルのインポートのガイドライン」とIBMのドキュメントを参照してください。

  • IBMコマンドライン・クライアント・ユーティリティ(db2mdapiclient.exe)。このユーティリティはDB2に付属しています。

  • IBM DB2ストアド・プロシージャIBM Cube Viewsは、SQLベースおよびXMLベースのアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)を提供し、これを使用すると、1つのストアド・プロシージャを実行してメタデータ・オブジェクトを作成、変更および取得できます。

IBM OLAPセンターを使用したXMLファイルのインポートのガイドライン

IBM OLAPセンターを使用して、キューブのメタデータをDB2にインポートできます。IBM OLAPセンターにはウィザードがあり、ファイルのインポートに使用できます。

IBMのドキュメントを参照してください。

XMLファイルをインポートするには、次のガイドラインを使用します。

  • IBM OLAPセンターのツールを使用して、DB2データベースに接続します。

  • インポート・ウィザードで、インポート対象のXMLファイルを選択します。

  • データベースに存在しないデータベース構成を参照するメタデータが存在すると、エラー・メッセージが表示されます。

  • ウィザードでインポートのオプションを確認されたときは、既存オブジェクトの置換を選択します。

  • IBM OLAPセンターに戻ると、キューブ・モデルの図が表示されます。

XMLファイルインポート後のキューブ・メタデータの変更に関するガイドライン

XMLファイルのインポート後に実行できる操作を説明します。

次の操作を実行する必要がある場合があります。

  • Oracle OLAPでは外部キーがメタデータとして格納されないため、外部キーはDB2データベース内の変換後のメタデータには存在しません。IBM Cube Viewsの参照整合性のユーティリティを使用して外部キー情報制約を生成する必要があります。このユーティリティはIBMのWebサイトで提供されています。

  • 外部キー結合列がNULL値可能であるなど、その他の問題が発生することがあります。この問題を解決するには、次の方法を使用できます。

    • これらの列のデータがNULL値可能でない場合は、列をNOT NULL列に変換します。

    • これらの列のデータがNULL値可能な場合、または列のデータがNULL以外でも列のデータ型を変換しない場合は、次のガイドラインを使用してキューブ・モデルを変更する必要があります。

      • ファクト対ディメンションの結合では、変換後のキューブ・モデルからこのディメンション・オブジェクトを手動で排除し、この結合の外部キーで構成される縮退ディメンション・オブジェクトを作成する必要があります。

      • ディメンション対ディメンションの結合では、変換後のキューブ・モデルから結合の主キー側を表すディメンション・オブジェクトを手動で排除し、この結合の外部キーで構成される縮退ディメンション・オブジェクトを作成する必要があります。

      • ファクト対ファクトの結合では、変換後のキューブ・モデルから結合の主キー側を表すファクト・オブジェクトを手動で排除し、この結合の外部キーで構成される縮退ディメンション・オブジェクトを作成する必要があります。

  • キューブ・ジェネレータでは増分メタデータ変更が許可されません。スキーマの変更では、DB2データベースのキューブ・モデル・メタデータを手動で削除し、Oracle Business Intelligenceのメタデータを変換しなおす必要があります。たとえば、Oracle Business Intelligenceのメタデータ・リポジトリ内のキューブのディメンションを変更する必要がある場合は、DB2データベースのキューブ・モデルを削除し、Oracle Business IntelligenceからXMLファイルを再生成して、DB2データベースにインポートする必要があります。

  • DB2 Cube Views Generatorではメタデータの削除はできません。IBM OLAPセンターを使用してキューブ・モデルを手動で削除する必要があります。

  • IBM統計ツールとIBM最適化アドバイザを定期的に実行する必要があります。

マテリアライズド・クエリー・テーブル(MQT)作成のガイドライン

キューブのメタデータをデータベースにインポートした後は、IBM最適化アドバイザを実行してSQLスクリプトを生成し、そのスクリプトを実行してMQTを作成する必要があります。

IBMのドキュメントを参照してください。

実装から最適な結果を取得するにはIBM最適化アドバイザでいくつかのパラメータを指定する必要があります。IBM最適化アドバイザ・ウィザードによってメタデータが分析され、SQL問合せに使用されるデータの格納および索引付けを行うサマリー表を構築する方法をお薦めします。IBM最適化アドバイザの実行は、MQTを最新の状態に保持するためにも役立ちます。また、ETLの実行ごとにデータベースをリフレッシュする必要があります。

MQTを作成するには、次のガイドラインを使用します。

  • IBM OLAPセンターで、最適化するキューブ・モデルを選択してIBM最適化アドバイザ・ウィザードを開きます。

  • 次の表を参考にして、ウィザードの指示に従います。

    確認対象 選択

    サマリー表

    Deferred (またはImmediate)を選択して、テーブルの表領域を指定します。

    制約

    最適化パラメータに適切な値を選択します。Data-samplingオプションはオンにします。

    SQLスクリプト

    サマリー表作成の実行にはスクリプトの作成が必要です。ファイル名と場所を選択します。

  • IBM最適化アドバイザが閉じたら、SQLスクリプトを実行してMQTを作成する必要があります。