Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド 12c (12.2.1.2.0) E82973-02 |
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Oracle BIリポジトリのレイヤーにより、オブジェクトとその関係が定義されます。
Oracle BIリポジトリには次のレイヤーがあります。
物理レイヤー。このレイヤーでは、Oracle BIサーバーが各物理データ・ソースに対するネイティブな問合せを作成するために必要とするオブジェクトとリレーションシップが定義されます。このレイヤーを作成するには、データ・ソースから表、キューブおよびフラット・ファイルをインポートします。
アプリケーションの論理動作を物理モデルから切り離すと、複数の物理ソースを同じ論理オブジェクトにフェデレートできるため、集計ナビゲーションやパーティション化のほか、ディメンションの適合や物理ソース内の変更からの分離が可能になります。また、この分離によって、ポータブルなOracle BIアプリケーションの作成も可能になります。
ビジネス・モデルとマッピング・レイヤー。このレイヤーでは、データのビジネス・モデルまたは論理モデルが定義され、ビジネス・モデルと物理スキーマ間のマッピングが指定されます。このレイヤーによって、ユーザーから見える分析動作が決まり、ユーザーが使用できるオブジェクトおよびリレーションシップのスーパーセットが定義されます。ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーは、ソース・データ・モデルの複雑さを隠します。
ビジネス・モデルの各列は、物理レイヤーの1つ以上の列にマップします。実行時に、Oracle BIサーバーがビジネス・モデルに対する論理SQL問合せを評価し、マッピングを使用して、必要な物理問合せを生成するための物理表、ファイルおよびキューブの最適なセットを決定します。多くの場合、マッピングには計算と変換が含まれ、複数の物理表が結合されることがあります。
プレゼンテーション・レイヤー。このレイヤーは、カスタマイズされた、ロール・ベースのセキュアなビジネス・モデルのビューをユーザーに表示する方法を提供します。また、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーに抽象化のレベルを加え、プレゼンテーション・サービスやその他のクライアントでリクエストを作成するユーザーに表示されるデータのビューを提供します。
1つのビジネス・モデルにマップする複数のサブジェクト・エリアをプレゼンテーション・レイヤーに作成することで、ビジネス・モデルを管理可能な部分に効果的に分割できます。
管理ツールでリポジトリのレイヤーを作成する前に、ユーザーの分析要件に基づいて、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーの大まかな設計を作成しておくことが重要です。作業の指針となる概念設計を作成したら、メタデータ・オブジェクトを作成できます。
物理レイヤー、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤー、プレゼンテーション・レイヤーの順にオブジェクトを作成することが望まれます。どの段階でも各レイヤーの作業を行うことができます。3つのレイヤーがすべて完成したら、リポジトリのテストを開始する準備をする際に、セキュリティを設定できます。
この図は、論理SQL問合せがどのようにOracle BIリポジトリのレイヤーを通過するかを示しています。
単一のOracle BIリポジトリには、エンタープライズ全体の1つの統合モデルではなく、複数の独立セマンティック・モデルを格納できます。セマンティック・モデルは、1つのビジネス・モデル、プレゼンテーション・レイヤーと物理レイヤー内の関連オブジェクト、および変数、初期化ブロック、アプリケーション・ロールのようなその他の関連オブジェクトで構成されます。セマンティック・モデルは、共通エンタープライズ情報モデル(CEIM)とも呼ばれます。
複数のセマンティック・モデルのビジュアル表示は、マルチユーザー開発のスタイルについてを参照してください。