Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド 12.2.1.2.0 E82972-02 |
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トピック
この章の内容は次のとおりです。
インライン・プロンプトとダッシュボード・プロンプトの違いは、格納場所と実行時の動作の2点です。
分析レベルで作成されるプロンプトは、インライン・プロンプトと呼ばれます。これは、プロンプトが分析に埋め込まれて、Oracle BIプレゼンテーション・カタログに格納されず、他の分析に追加できないためです。エンド・ユーザーはインライン・プロンプトを使用して、分析の内容を決定するデータ値を指定できます。インライン・プロンプトは、列プロンプト、変数プロンプト、イメージ・プロンプト、通貨プロンプトのいずれかです。インライン・プロンプトを作成する際、プロンプトに対する列と演算子を選択し、ユーザーへの表示方法とユーザーによる値の選択方法を指定します。ユーザーの選択によって、ダッシュボードに埋め込まれる分析の内容が決まります。インライン・プロンプトは初期プロンプトです。つまり、分析のレンダリング時にのみ表示されます。ユーザーがプロンプト値を選択すると、プロンプト・フィールドが分析から消えます。別のプロンプト値を選択する唯一の方法は、分析を再実行することです。
ダッシュボード・レベルで作成されるプロンプトは、ダッシュボード・プロンプトと呼ばれます。これは、プロンプトが特定のダッシュボード外で作成されて、カタログにオブジェクトとして格納され、プロンプトに指定されている列を含むダッシュボードまたはダッシュボード・ページに追加できるためです。エンド・ユーザーは、ダッシュボード・プロンプトを使用してダッシュボード上のすべての分析およびスコアカード・オブジェクトの内容を判断するデータ値を指定できます。ダッシュボード・プロンプトは、列プロンプト、変数プロンプト、イメージ・プロンプト、通貨プロンプトのいずれかです。ダッシュボード・プロンプトは再利用可能です。1つのプロンプトを作成して何度も使用できます。プロンプト・オブジェクトを更新および保存すると、プロンプトが使用されているすべてのダッシュボードに更新がただちに表示されます。ダッシュボード・プロンプトは特定種類のフィルタで、ダッシュボードまたはダッシュボード・ページに対する作成、保存および適用時に、ダッシュボードに埋め込まれている分析およびスコアカード・オブジェクトや、同じダッシュボード・ページに埋め込まれている分析およびスコアカード・オブジェクトのすべてまたは一部をフィルタリングできます。ダッシュボード・プロンプトは対話形式のプロンプトで、ユーザーがダッシュボードを再実行せずに異なる値のプロンプトを表示できるように、常にダッシュボード・ページ上に表示されます。ユーザーはダッシュボード・プロンプトを作成し、プライベート・フォルダまたは共有フォルダのいずれかに保存します。
ビジネス・モデルで名前が変更された列をダッシュボードで使用する場合、名前が変更された列に基づく既存のダッシュボード・プロンプトは、新しく作成された分析では動作しません。この問題を回避するには、カタログ・マネージャを使用してカタログの列の名前を変更します。
「列プロンプトの作成」を参照してください。
列プロンプトは最も一般的で、柔軟性の高いプロンプト・タイプです。
列プロンプトを使用すると、ダッシュボードまたは分析に固有の値プロンプトをスタンドアロンで作成したり、既存のダッシュボードと分析フィルタの展開または調整を行うことができます。列プロンプトは、階層列、メジャー列および属性列に対して分析レベルまたはダッシュボード・レベルで作成できます。
ユーザーが、ビジネス上の重要な決定を行うために必要なデータを簡単かつ正確に見つけることができるよう、ユーザーのビジネス・ニーズと役割に特化したインテリジェント・プロンプトを作成できます。
Oracle BI Enterprise Editionでは、コンテンツ設計者は、通貨プロンプト、イメージ・プロンプトおよび変数プロンプトも作成できます。「他のプロンプト・タイプ」を参照してください。
列プロンプトと選択ステップの相互作用
選択ステップを使用すると、ユーザーは、属性列およびメジャー列からのデータの指定や精選を行ったり、ある種のフィルタを階層列に設定できます。選択ステップは、データの集計後に適用されることに注意してください。列に対して選択ステップを作成する際、選択の1ステップをダッシュボードまたは分析の列プロンプトでオーバーライドするオプションがあります。オーバーライド・ステップの前後の選択ステップはすべて指定されたとおりに処理されます。オーバーライド・ステップは、列プロンプトによって収集されたユーザー指定のデータ値を使用して処理されます。階層列に対して作成される列プロンプトには、「選択リスト」入力オプションのみ含めることができます。
「フィルタおよび選択ステップとは」、「データの選択の使用」、および「列プロンプトによる選択ステップのオーバーライド」を参照してください。
列プロンプト以外に、通貨プロンプト、イメージ・プロンプトおよび変数プロンプトを作成できます。
次のリストで、これらのプロンプト・タイプについて説明します。
列プロンプトの詳細は、「列プロンプトとは」を参照してください。
通貨プロンプト: 通貨プロンプトでは、ユーザーは、分析またはダッシュボードの通貨列に表示されている通貨タイプを変更できます。たとえば、分析に、カナダの特定の地域の総売上高がカナダ・ドルで含まれているとします。しかし、分析を表示しているユーザーは米国に住んでいるため、通貨プロンプトを使用して総売上高をカナダ・ドルからUSドルに変更します。プロンプトの通貨選択リストには、ユーザーの「マイ・アカウント」ダイアログ: 「プリファレンス」タブから通貨のプリファレンスが移入されます。「通貨プロンプト」オプションは、管理者がuserpref_currencies.xmlファイルを構成している場合にのみ表示されます。『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の「通貨オプションの構成」を参照してください。「通貨プロンプトの作成」を参照してください。
イメージ・プロンプト - イメージ・プロンプトでは、ユーザーがクリックして、分析またはダッシュボードに対する値を選択するイメージを提供します。たとえば、営業組織の場合、ユーザーは、マップのイメージから担当区域をクリックして販売情報を表示したり、製品イメージをクリックしてその製品の販売情報を表示します。HTML <map>タグの使用方法の知識がある場合、イメージ・マップ定義を作成できます。「イメージ・プロンプトの作成」を参照してください。
変数プロンプト - 変数プロンプトでは、ユーザーは、変数プロンプトに指定されている値を選択してダッシュボードに表示できます。変数プロンプトは列に依存しませんが、列を使用することはできます。たとえば、変数プロンプトを使用して、ユーザーが既存のデータを指定して販売予測を行えるようにします。たとえば、販売予測という変数プロンプトを作成し、変数プロンプトの値に10パーセント、20パーセントおよび30パーセントを指定します。地域と売上金額の列を含む分析を作成します。売上金額の列式に乗算の演算子を選択し、販売予測変数を挿入します。ユーザーは、この分析を実行する際、売上金額の列の再計算に使用するパーセンテージを選択します。「変数プロンプトの作成」を参照してください。
設計時、プロンプトのユーザー・インタフェース・コンポーネントを指定する必要があります。
このユーザー・インタフェース・コンポーネントによって、ユーザーが実行時にプロンプト値を入力できます。いくつかのユーザー入力オプションから選択できます。ラジオ・ボタン・オプションでは、ユーザーはプロンプト値を1つのみ指定できます。チェック・ボックス、選択リスト、リスト・ボックスおよびテキスト・フィールドの各オプションでは、ユーザーは1つまたは複数のプロンプト値を選択できます。スライダ・オプションでは、ユーザーは、値の範囲を指定して複数の値を選択したり、指定した値より小さい、または大きいすべての値を選択(200以上のすべての値を含めるなど)できます。使用できる入力オプションのタイプは、使用する列タイプによって異なることに注意してください。次の項で、各入力オプションについて説明します。
チェック・ボックス
チェック・ボックス・入力オプションでは、全プロンプト値が表示されたリストがユーザーに提供されます。各値の前には、選択可能な小さなボックスが表示されます。この入力オプションは、小規模なデータ・セットを含むプロンプトに適しています。リスト・ボックス・入力オプションは、大規模なデータ・セットを含むプロンプトに適していることに注意してください。このユーザー入力タイプによって、ユーザーが1つ以上のプロンプト値を選択することが自動的に可能になります。特定のプロンプト値を選択するには、ユーザーは、リストにざっと目を通し、特定のアイテムに対応するボックスをクリックします。
次の図に、列プロンプトまたは変数プロンプトに対する「チェック・ボックス」ユーザー入力オプションの例を示します。入力要求される列は「D51 Area」で、各値オプション(「Africa」、「Central」および「East」)は、小さなボックスの横に表示されます。値を選択するには、ユーザーは、プロンプト値の横にある小さなボックスをクリックします。この例では、「Africa」と「Central」が選択されており、ユーザーが複数のプロンプト値を選択できることがわかります。
選択リスト
選択リスト・入力オプションでは、すべてのプロンプト値の縮小されたリストがユーザーに提供されます。このオプションは、特定の値を検索する機能をユーザーに提供する、値の長いリストに有用です。このユーザー入力タイプは、プロンプト値を1つのみ受け入れるように設定することも、複数のプロンプト値を受け入れるように設定することもできます。
この入力オプションでは、フィールドとリストが提供されます。ユーザーが下向きの矢印ボタンをクリックすると、すべてのプロンプト値が含まれたリストが展開されます。展開されたリストから特定のプロンプト値を選択するには、ユーザーはリストをスクロール(または、リストを検索)し、特定の値に対応するボックスをクリックします。この入力オプションを階層列に使用する場合、ユーザーがプロンプト値を検索できる検索ダイアログが表示されます。
次の図に、列プロンプトまたは変数プロンプトに対する「選択リスト」ユーザー入力オプションの例を示します。入力要求される列はD51 Areaです。ユーザーは、「D51 Area」フィールドの横の下向きの矢印ボタンをクリックして、値のリストにアクセスします。値のリストにアクセスすると、各値オプション(「Africa」、「Central」、「East」、「Eastern」、「Europe」および「Middle East」)が、小さなボックスの横に表示されます。値を選択するには、ユーザーは、プロンプト値の横にある小さなボックスをクリックします。この例では、「Africa」と「Central」が選択されており、ユーザーが複数のプロンプト値を選択できることがわかります。ユーザーは、値のリストの最後にある「検索」をクリックして、特定の値を検索することもできます。
リスト・ボックス
リスト・ボックス入力オプションでは、すべてのプロンプト値が表示されたリストがユーザーに提供されます。この入力オプションは、大規模なデータ・セットを含むプロンプトに適しています。チェック・ボックス入力オプションは、小規模なデータ・セットを含むプロンプトに適していることに注意してください。このユーザー入力タイプは、ユーザーがプロンプト値を1つのみ選択できるように設定することも、[Ctrl]とマウス・クリックまたは[Shift]とマウス・クリックを使用して複数選択できるように設定することもできます。
特定のプロンプト値を選択するには、ハイパーリンクをクリックする場合と同様に、ユーザーはリストにざっと目を通し、プロンプト値名(Chicagoなど)を選択します。リスト・ボックス・オプションはチェック・ボックス・オプションに非常によく似ていますが、リスト・ボックス・オプションの場合、各値の前にボックスはありません。
次の図に、列プロンプトまたは変数プロンプトに対する「リスト・ボックス」ユーザー入力オプションの例を示します。入力要求される列はD51 Areaです。リストには、各値オプション(「Africa」、「Central」、「East」、「Eastern」および「Europe」)が含まれています。値を選択するには、ユーザーは値をクリックします。この例では「Central」が選択されています。
ラジオ・ボタン
ラジオ・ボタン入力オプションでは、全プロンプト値が表示されたリストがユーザーに提供されます。各プロンプト値の前には、ラジオ・ボタンが表示されます。このオプション・タイプは、ユーザーがプロンプト値を1つのみ選択する、値の短いリストに有用です。プロンプト値を選択するには、ユーザーは、リストにざっと目を通し、特定のアイテムに対応するラジオ・ボタンを選択します。
次の図に、列プロンプトまたは変数プロンプトに対する「ラジオ・ボタン」ユーザー入力オプションの例を示します。入力要求される列はD51 Areaです。リストには、各値オプション(「Africa」、「Central」、「East」、「Eastern」、「Europe」および「Middle East」)が含まれています。値を選択するには、ユーザーは、値に対応するラジオ・ボタンをクリックします。この例では、「Central」ラジオ・ボタンが選択されています。
スライダ
注意:
プロンプトのフィールド・サイズを設定する「プロンプト幅」オプション、および「ラベルをラップして合せる」プロンプトのページ設定オプションは、このユーザー入力タイプ用には指定したり、適用したりできません。スライダ入力オプションは、数値データ値にのみ使用できます。このオプションでは、ユーザーは、選択した演算子に応じて、値の範囲を指定して複数の値を選択したり、指定された値より小さい、大きいまたは等しいすべての値を選択できます。数直線で表された、ある範囲のプロンプト値をユーザーに提供する場合、スライダ・オプションを選択します。数直線には、ある範囲(10,000から20,000など)のプロンプト値が表示されます。プロンプト値を選択するには、ユーザーは、数直線上の値をクリックするか、つまみをクリックしてドラッグし、希望の値を選択します。ユーザーがクリックして値を選択できる上向きまたは下向きの矢印ボタンを持つスピナー・ボックスも提供されます。プロンプトにスライダ・オプションと次の間にある演算子を選択した場合、ユーザーは2つのつまみをクリックしてドラッグし、プロンプトに対する値の範囲を選択します。2つのスピナー・ボックスが提供され、入力または上向きと下向きの矢印ボタンを使用して値の範囲を指定できます。
次の図に、列プロンプトに対する値の範囲を受け入れる「スライダ」ユーザー入力オプションの例を示します。入力要求される列は7-Shipped Amountです。スライダ自体は数直線であり、最も左側には数値ラベル500K、中央には数値ラベル750K、そして最も右側には数値ラベル1Mがあります。数直線の上に、2つのスピナー・ボックスもあります。ユーザーは、これらのスピナー・ボックスから1つの値を選択する(1つ目のスピナー・ボックスでも2つ目のスピナー・ボックスでも500000を選択するなど)ことも、2つの値を選択して値の範囲を指定する(1つ目のスピナー・ボックスで500000を、2つ目のスピナー・ボックスで750000を選択するなど)こともできます。スピナー・ボックスに値を指定するには、値を入力するか、ボックスの上向きおよび下向きの矢印を使用して希望の値までスクロールします。数直線から値を選択するには、つまみをクリックして希望の値までドラッグするか、両方のつまみをクリックおよびドラッグして値の範囲を指定します。この例では、500000から750000までの範囲の値が選択されています。
テキスト・フィールド
テキスト・フィールド入力オプションは、ユーザーが特定のプロンプト値を入力できるフィールドをユーザーに提供します。このオプションは、複数のプロンプト値に使用できません。このオプションでは、フィールドとフィールド・ラベルのみが表示されます。このオプションは、ユーザーがプロンプト値を知っていて検索する必要がない場合、または数値のプロンプトに有用です。入力するプロンプト値は列の値に一致する必要があることに注意してください。たとえば、列のデータ値がAMERICAS(すべて大文字)の場合、ユーザーは、テキスト・フィールドにAMERICASと入力する必要があります。数値にはカンマを含めることはできません。リポジトリが二重列用に構成されている場合、表示列にプロンプトを作成して「テキスト・フィールド」を指定すると、コード値ではなく表示値に対してフィルタリングが行われます。
次の図に、列プロンプトまたは変数プロンプトに対する「テキスト・フィールド」ユーザー入力オプションの例を示します。入力要求される列はD52 Areaです。「D51 Region」ラベルの隣のフィールドは空です。このフィールドに、ユーザーは地域の名前(「AMERICAS」、「APAC」および「EMEA」など)を入力します。この例は、AMERICASがテキスト・フィールドに入力されたことを示しています。
モバイル・デバイスでも、同じような機能のプロンプトがOracle BI Mobileアプリケーションに表示されますが、表示方法およびユーザーの操作方法が異なります。
デスクトップ版のOracle Business Intelligenceで行ったプロンプト・ラベルのカスタマイズは、Oracle Business Intelligence Mobileで表示されるプロンプトには影響しません。Oracle BI Mobileでは、プロンプトの書式設定に関するすべてのプロパティが無視されます。
プロンプトを様々に組み合せて関連付け、的確で意味のあるデータをユーザーがリクエストできるダッシュボードおよびレポートを作成できます。
プロンプトの組合せや関連付けによって、ダッシュボード・プロンプトと分析プロンプトとの対話方法を指定できます。通貨プロンプトと変数プロンプトは組合せや関連付けに使用できないことに注意してください。
たとえば、地域ごとの製品の売上高に関する情報を含む分析Aを作成し、地域列に保護オプションを追加し、地域プロンプトを追加します。次に、地域ごとの営業担当者に関する情報を含む分析Bと、地域ごとの市の情報を含む分析Cを作成します。地域に対するダッシュボード・プロンプトを作成し、保存します。ダッシュボードを作成して、分析A、B、Cと地域ダッシュボード・プロンプトを追加し、ダッシュボードを実行すると、ダッシュボード・プロンプトの入力は、分析BとCにのみ作用します。このシナリオでは、分析Aの地域列フィルタ値を保護に設定したため、分析Aではダッシュボード・プロンプトで指定されている地域値は使用されません。つまり、分析Aでプロンプト値を受け入れる唯一の方法は、ユーザーが地域Aのプロンプト・フィールドにプロンプト値を指定するかどうかです。
プロンプトの組合せと関連付けには様々な方法があります。この表では、各方法を説明します。
関連付け方法 | 説明 |
---|---|
自動関連付け |
Oracle BI Enterprise Editionの自動関連付け機能では、列に対して機能するプロンプトを作成すること、つまり、プロンプトをアクティブ化して適用することを前提としています。Oracle BI EEでは、分析を作成して列プロンプトまたはイメージ・プロンプトを追加すると、自動関連付け方法が適用されます。この自動関連付け方法には、「プロンプトで使用」フィルタ演算子は必要ありません。任意の保護されていないフィルタが使用されます。 フィルタ演算子を「プロンプトで使用」に設定すると、プロンプトとフィルタとの間の制御について、自動関連付け方法より精密なレベルで行えることに注意してください。詳細は、この表の「フィルタの演算子を「プロンプトで使用」に設定」行を参照してください。 |
制約付きプロンプト |
この方法をプロンプト内のいくつかの列に使用し、ユーザーのプロンプトの選択肢が後続の選択肢に基づくよう強制します。制約付きプロンプトはプロンプト・オプションのダイアログで設定でき、選択肢を絞るプロンプトを指定します。たとえば、ある列は地域をフィルタし、次の列は市をフィルタする場合、市の列は、選択した地域内の市のみを表示するよう強制されます。 |
フィルタの演算子を「プロンプトで使用」に設定 |
この方法を使用して、フィルタと相互作用する複雑なプロンプトを作成します。この方法を使用すると、ダッシュボード・プロンプト、インライン・プロンプトおよびフィルタが埋込み分析にどのように適用されるかを完全に制御できます。 |
「選択ステップ」の「プロンプトでオーバーライド」オプション |
この方法を使用すると、分析またはダッシュボードの列プロンプトを使用して、階層列または属性列に対する特定の選択ステップにデータの選択肢が提供されます。フィルタは階層列に使用できないため、選択ステップが、階層列にプロンプトを使用できる唯一の方法です。列の選択ステップ・セットごとに1つの選択ステップのみをプロンプトでオーバーライドできます。オーバーライド・ステップの前後のすべてのステップは指定どおりに処理されます。 「フィルタおよび選択ステップとは」、「データの選択の使用」、および「列プロンプトによる選択ステップのオーバーライド」を参照してください。 |
保護されたフィルタと保護されていないフィルタ |
この方法を使用して、該当する列のフィルタ値が「プロンプトで使用」以外に設定されている場合にダッシュボード・プロンプトがインライン・プロンプト値を提供するかどうかを決定します。保護されていないフィルタと保護されたフィルタの設定は、ダッシュボード・プロンプトとインライン・プロンプトが同じダッシュボードにあり、両方のプロンプトが同じ列に対して作成されている場合に使用されます。 列のフィルタ値が保護されていない場合、ダッシュボード・プロンプト値によって分析の結果が決まります。フィルタ値が「プロンプトで使用」以外(「次と等しい/次の範囲内にある」など)に設定され、フィルタが保護されたフィルタに設定されている場合、ダッシュボード・プロンプトではレポートの結果は決まりません。 「フィルタ」ペインを参照してください。 |
プロンプトによって柔軟性の高いダッシュボードや分析を作成できるため、複雑なダッシュボードのプロンプトのOracle BI EEでの開始方法を理解することは重要です。次のリストに、Oracle BI EEが実行時にデフォルト値で適用するプロンプトの順序を示します。
そのダッシュボード・ページを有効範囲とする非表示のプロンプト。「ダッシュボードまたはダッシュボード・ページへの非表示のダッシュボード・プロンプトの追加」を参照してください
そのダッシュボード全体を有効範囲とする非表示のプロンプト。
そのダッシュボード・ページを有効範囲とするプロンプト。ダッシュボード・ページ・プロンプトの優先順位は特にありません。
そのダッシュボード全体を有効範囲とするプロンプト。
その分析を有効範囲とするインラインまたは名前付きのプロンプト。
オートコンプリート機能は特定のタイプのプロンプトに対して使用可能です。
Oracle BI EEには、プロンプトのオートコンプリート機能が用意されており、この機能を有効化すると、プロンプト選択フィールドへのユーザー入力時に、一致するプロンプト値が提示および強調表示されます。
オートコンプリートは、「新規プロンプト」ダイアログでプロンプト設計者が「値の入力をユーザーに許可」オプションを選択した場合に、選択リスト・タイプのプロンプトに対してのみ有効になります。オートコンプリートは、階層プロンプトには使用できません。
管理者は、大文字/小文字の区別の有無、および照合レベルを指定して、オートコンプリート機能を構成します。照合レベルは、ユーザーが入力する値と列の値をOracle BI EEでどのように照合するかを決定します。管理者は異なる3つの方法でオートコンプリートの照合を設定できます:
次で始まる - ユーザーが入力すると、Oracle BI EEによって、そのユーザーが入力している文字またはテキストで開始する列値が提示されます。たとえば、大文字小文字の区別なし、照合レベルが「次で始まる」のオートコンプリートを管理者が構成した場合、ユーザーがmと入力したときに、Oracle BI EEによってMicropodとMP3 Speakers Systemが候補として提示されます。
次で始まる語 - ユーザーが入力すると、Oracle BI EEによって、そのユーザーが入力した文字と最初の文字が一致する語が含まれている列値が提示されます。たとえば、大文字小文字の区別なし、照合レベルが次で始まる語のオートコンプリートを管理者が構成した場合、ユーザーがcと入力したときに、Oracle BI EEはComCell、MPEG Camcorderおよび7 Megapixel Digital Cameraを候補として提示します。
すべてに一致 - ユーザーが入力すると、Oracle BI EEによって、そのユーザーが入力している文字を含む列値が提示されます。たとえば、大文字小文字の区別なし、照合レベルが「すべてに一致」のオートコンプリートを管理者が構成した場合、ユーザーがlと入力したときに、Oracle BI EEはLCD 36X Standard、LCD HD Television、7 Megapixel Digital CameraおよびPlasma HD Televisionを候補として提示します。
管理者がOracle BI EEインスタンス構成ファイルでプロンプト設定を正しく構成している場合、ユーザーが「値の選択」ダイアログにアクセスしてプロンプト値を検索するときに、オートコンプリート機能によって一致する値が強調表示されます。ただし、照合レベルは、管理者が設定したプリファレンスでは判断されません。かわりに、ユーザーが「値の選択」ダイアログで照合レベルを選択します。
プロンプトのオートコンプリート機能は、管理者がシステム・レベルで有効にしますが、ダッシュボード設計者は、ダッシュボードからオートコンプリート機能を除外でき、ユーザーは、「マイ・アカウント」ダイアログを使用してオートコンプリートをオフにできます。オートコンプリートの各設定では、次の関連に注意してください:
システム設定 - 管理者はシステム構成ファイルを変更してOracle BI EEのオートコンプリート機能を有効にします。この機能がオンになっている場合は、すべてのユーザーがプロンプトのオートコンプリート機能にアクセスできます。この機能がオフになっている場合は、Oracle BI EEユーザー・インタフェースのすべてのオートコンプリート・フィールドが無効になります。詳細は、『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のプロンプトの構成に関する項を参照してください。
ダッシュボード設定 - Oracle BI EEのオートコンプリートが有効化されている場合、ダッシュボード・デザイナは、「ダッシュボードのプロパティ」ダイアログで「オートコンプリートのプロンプト」フィールドを「オフ」に設定することで、個々のダッシュボードのオートコンプリート機能を削除できますただし、「オートコンプリートのプロンプト」設定が「ユーザー・プリファレンス」に設定されている他のダッシュボードについては、プロンプトのオートコンプリート機能は有効です。
ユーザー・プリファレンス設定 - Oracle BI EEのオートコンプリートおよび個々のダッシュボードのオートコンプリートが有効化されている場合、ユーザーは、「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブで「オートコンプリートのプロンプト」フィールドを「オフ」に設定することで、各自のアカウントに対するプロンプトのオートコンプリート機能を無効にできます。このオプションを「オフ」に設定すると、システムおよびダッシュボードの設定がオーバーライドされ、ユーザーに対してオートコンプリート機能は表示されなくなります。
列プロンプトを使用すると、ユーザーは、ダッシュボードまたは分析の列に移入する値を選択できます。
次の手順を使用して、1つ以上のダッシュボードに適用できる名前付き列プロンプトを作成したり、分析に埋め込まれるインライン列プロンプトを作成します。この手順には、選択ステップまたは階層列に関する情報は含まれていません。「列プロンプトによる選択ステップのオーバーライド」および「プロンプトの編集」を参照してください。
次の手順を使用して、列プロンプト・オーバーライド付きの選択ステップを作成します。
選択ステップをダッシュボード・プロンプトまたは分析プロンプトでオーバーライドできます。たとえば、Products.Brand選択ステップをBizTechおよびFunPodメンバーが指定された列プロンプトでオーバーライドするように指定できます。
次のリストに、ユーザーがグループまたは列メンバーを選択した場合のプロンプトによる選択ステップのオーバーライドの例を示します。
1つ以上のグループ(My RegionsとMy Citiesなど)は、追加タイプの選択ステップのみオーバーライドできます。
1つ以上のメンバー(CentralとEasternなど)は任意のタイプの選択ステップをオーバーライドできます。
1つ以上のグループおよび1つ以上のメンバー(My RegionsとCentralなど)は、任意のタイプの選択ステップをオーバーライドできます。ただし、グループは無視され、メンバーはサポートされます。
列プロンプトを使用した選択ステップのオーバーライドの詳細は、次のトピックを参照してください。
イメージ・プロンプトは、ユーザーがクリックして特定のプロンプト値を選択できるセクションまたは領域を含むイメージをユーザーに提供します。
たとえば、イメージ・プロンプトは、北部、南部、東部、西部、中部の各営業部を表すセクションを含む米国の地図の場合があります。ユーザーは、ダッシュボードまたは分析に表示する販売情報に対応する部署をクリックできます。
イメージ・プロンプトは1つ以上のダッシュボードに適用したり、分析に埋め込むことができます。次の手順を使用して、イメージ・プロンプトを作成または編集します。「プロンプトの編集」を参照してください。
通貨プロンプトを使用すると、ユーザーは、ダッシュボードまたは分析に表示されている通貨タイプを変更できます。
プロンプトをダッシュボードに適用したり、分析に埋め込むと、通貨を選択できるリストがユーザーに提供されます。リスト内の通貨タイプは、管理者によってuserpref_currencies.xmlに指定されています。同じ通貨リストが、「マイ・アカウント」ダイアログの「プリファレンス」タブに表示されます。
次の手順を使用して、1つ以上のダッシュボードに適用できる通貨プロンプトを作成したり、分析に埋め込まれる通貨プロンプトを作成します。「プロンプトの編集」を参照してください。
名前付き通貨プロンプトを作成する場合、次の手順を使用します。
Oracle BI Enterprise Editionホームページに移動し、グローバル・ヘッダーでマウス・ポインタを「新規」メニューにあわせてメニューにアクセスし、「ダッシュボード・プロンプト」を選択します。
「サブジェクト・エリアの選択」メニューから、プロンプトの作成対象のサブジェクト・エリアを選択します。「定義」ペインが表示されます。
インライン・プロンプトを作成する場合、分析を作成するか、プロンプトの作成対象の既存の分析にアクセスします。「分析」エディタで「プロンプト」タブをクリックします。
「定義」ペインで「新規」ボタンをクリックします。リストから「通貨プロンプト」を選択します。
注意:
「通貨プロンプト」オプションは、管理者がuserpref_currencies.xmlファイルを構成している場合にのみ使用できます。『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』の「通貨オプションの構成」を参照してください。
「新規プロンプト」ダイアログで、「ラベル」フィールドに、通貨プロンプトのラベルを入力します。ラベルは、プロンプトのフィールド・ラベルとして表示されます。
「説明」フィールドに、プロンプトの短い説明を入力します。この説明はツールチップ・テキストとして表示されます。ツールチップ・テキストは、ユーザーがダッシュボードまたは分析でプロンプトのラベルにマウス・ポインタを合せると表示されます。
管理者が、格納されているプロンプト・オブジェクトをカタログ・マネージャから表示した場合にも、説明は表示されます。
「OK」をクリックします。プロンプトが「定義」ペインに表示されます。
プロンプトを保存します。次のオプションに注意してください。
ダッシュボード・プロンプトを作成する場合、プロンプトのエディタの「保存」ボタンをクリックし、プロンプトの保存先のフォルダを指定して、プロンプトを説明する名前を指定します。個人フォルダに保存されているダッシュボード・プロンプトは、本人のみが使用できることに注意してください。共有フォルダに保存されているダッシュボード・プロンプトは、オブジェクトにアクセスする権限を持つ他のユーザーも使用できます。
SQL問合せからOracle BIサーバー、Oracle Databaseまたはその他のJDBCソースに対してデータを受け取るOracle BI Publisherレポートに使用するダッシュボード・プロンプトを保存する場合、ダッシュボード・プロンプトの名前は、レポートのパラメータの名前と一致する必要があります。
インライン・プロンプトを作成する場合、分析を保存します。
「定義」ペインの矢印ボタンを使用して、選択したプロンプトを並べ替えます。プロンプトの並替えによって、実行時に選択肢が表示される順序が制御されます。このため、制約付きプロンプトを作成する場合は特に、順序が論理的であるようにします。
新しい行または列をプロンプト・ページに追加する場合は、「定義」ペインのツールバーにある「新規行」ボタンまたは「新規列」ボタンをクリックします。「定義」表で、新しい行または列に表示するプロンプトに対応するチェック・ボックスをクリックします。
ダッシュボードでプロンプトがどのように表示されるかをプレビューするには、「表示」ペインを使用してサンプル・データでプロンプトをプレビューするか、「定義」ペインのツールバーの「プレビュー」ボタン(使用可能な場合)をクリックして、実際のプロンプト値でプロンプトを表示します。
注意:
「プレビュー」ボタンが使用可能でない場合、表示されないよう管理者によって設定されています。
1つ以上のダッシュボードに適用できる変数プロンプトの作成や、分析に埋め込まれる変数プロンプトの作成が可能です。
変数プロンプトは列に依存しませんが、列を使用することはできます。たとえば、変数プロンプトを使用して、ユーザーが既存のデータを指定して販売予測を行えるようにします。販売予測という変数プロンプトを作成し、変数プロンプトの値に10パーセント、20パーセントおよび30パーセントを指定することがあります。地域と売上金額の列を含む分析を作成します。売上金額の列式に乗算の演算子を選択し、販売予測変数を挿入します。ユーザーは、この分析を実行する際、売上金額の列の再計算に使用するパーセンテージを選択します。
「他のプロンプト・タイプ」、「変数の使用」、および「プロンプトの編集」を参照してください。
保存済のダッシュボード・プロンプトまたはインライン・プロンプトを編集して、プロンプトが使用される場所にその変更を伝播できます。
たとえば、「Brand」列のプロンプトを編集して、選択リストへのユーザー入力を変更できます。この変更は、プロンプトが使用されるブランド売上分析に伝播されます
名前付きプロンプトを編集して保存した場合は、プロンプトが使用される場所にプロンプトに対する変更が伝播されます。
ダッシュボード・プロンプトを開くには:
グローバル・ヘッダーで、「カタログ」をクリックします。
カタログ・ページで編集対象のプロンプトに移動し、「編集」リンクをクリックします。プロンプト・エディタが表示されます。
インライン・プロンプトを開くには:
分析で「プロンプト」タブをクリックします。
「定義」ペインで、編集対象のプロンプトを強調表示して、「編集」ボタンをクリックします。プロンプト・エディタが表示されます。
必要な変更を行います。
プロンプトを保存します。
ダッシュボードまたはダッシュボード・ページにダッシュボード・プロンプトを追加すると、ユーザーはダッシュボードと対話できるようになります。
「インライン・プロンプトとダッシュボード・プロンプトとは」を参照してください。