Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Studioでのビジネス・プロセスの開発 12c (12.2.1.2.0) E82789-01 |
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この章では、プロジェクト内でプロセスのアクティビティを監視するためにBPMプロセス分析を使用および構成する方法について説明します。プロセス分析を使用すると、プロジェクト内のプロセスのパフォーマンスおよびワークロードのメトリックを取得できます。これらのメトリックを使用して、プロセスに関する意思決定を行うことができます。
この章の内容は次のとおりです。
ビジネス・プロセス分析では、デプロイ済プロセスのパフォーマンスを監視できます。プロジェクト内で主要パフォーマンス・インジケータが測定され、データベースに格納されます。プロセス・アナリストは、プロセス・ワークスペース・ダッシュボードまたはOracle BAM 12cプロセス分析ダッシュボードを使用して、BAM 12cに保存されているメトリックを参照できます。
プロセス・アナリストは、標準の事前定義済メトリックおよびプロセス固有のユーザー定義メトリックを監視できます。プロセス開発者は、ビジネス・インジケータを使用してプロセス固有のメトリックを定義できます。ビジネス・インジケータは、プロジェクト・データ・オブジェクトにバインドできます。バインドすると、BPMNプロセスの実行時にBPMNサービス・エンジンによってビジネス・インジケータ値がプロセス分析ストアに公開されます。
プロセス開発者は、プロセスの開発時に監視対象の主要パフォーマンス・インジケータを定義します。ビジネス・アナリストは、即時利用可能なプロセス分析ダッシュボードをそのまま使用するか、それらをカスタマイズします。さらに、プロセス内のカスタム・ビジネス・インジケータによって定義されるカスタム・メトリックが、デプロイメント時にBAM 12cプロセス固有データ・オブジェクトで公開されます。ビジネス・アナリストは、これらのプロセス固有データ・オブジェクトからカスタム・ダッシュボードやビューを作成することもできます。
プロセス分析では、次のメトリックが追跡されます。
「プロセス・パフォーマンス」および「アクティビティ・パフォーマンス」メトリック
「ケース」メトリック
「ヒューマン・タスク」メトリック
さらに、プロセス内の主要パフォーマンス・インジケータは、ビジネス・インジケータを使用して格納できます。デフォルトでは、BPMNサービス・エンジンにより、すべてのBPMNプロセスに共通の事前定義済のメジャーおよびディメンションの値が公開されます。
次に、BAM 12c PROCESS
およびACTIVITY
論理データ・オブジェクトで使用可能なメジャーおよびディメンション列のいくつかを示します。
サポートされている事前定義済のメジャーは、次のとおりです。
最後のプロセスからの日数
日単位のプロセス・サイクル時間
プロセスの開始からの日数
日単位の予想完了時間
時間単位の予想完了時間
時間単位のプロセス・サイクル時間
時間単位のプロセス・オープン時間
ミリ秒単位のプロセス実行時間
ミリ秒単位のプロセス一時停止時間
クローズ、オープン、本日オープン、本日クローズ、期限切れの各インスタンスすべてのCOUNT
サポートされている事前定義済のディメンションは、次のとおりです。
コンポジット名
ドメイン名
リビジョン・プロセス名
プロセス表示名
フォルト・タイプ
プロセス・インスタンス・ステータス
プロセス開始時間
また、ニーズに合ったカスタム・メジャーを定義することもできます。カスタム・メジャーを定義するには、ビジネス・インジケータを使用します。様々なタイプのビジネス・インジケータを使用すると、特定の値の測定、カテゴリの追跡、およびインスタンスが1つ以上のアクティビティを完了した回数のカウントを行うことができます。
Oracle BPMは、プロセス分析データの格納に使用できるBAM 12cプロセス・メトリックを提供します。また、そのデータをBAM 11g Monitor Expressに格納したり、両方のシステムを同時に使用することもできます。
プロセス分析では、プロセスの完了までにかかる時間と、そのプロセス内の各フロー・オブジェクトが完了するまでにかかる平均時間を追跡します。
BAM 12cプロセス・データ・オブジェクトは、インスタンスがそのプロセスを実行するためにかかる時間(開始から終了イベントまで)を追跡します。
BAM 12cアクティビティ・データ・オブジェクトは、プロセス・インスタンスがフロー・オブジェクトに到達してから、プロセス内の次のフロー・オブジェクトに移動するまでの経過時間を追跡します。
注意:
アクティブおよび完了したアクティビティ、測定間隔、マーク、およびカウンタ・インスタンスに関する情報は、アクティビティ・データ・オブジェクトに格納されます。
フロー・オブジェクトが同期サービス操作を起動すると、プロセス・インスタンスは、同期サービスからの応答を受信するまでフロー・オブジェクトを終了しないため、アクティビティ・パフォーマンス・メトリックに同期サービス操作の実行にかかる時間が含まれます。ただし、起動されたサービス操作が非同期の場合、プロセス・インスタンスは、サービスの起動後、サービスの完了を待たずにプロセスを終了するため、アクティビティ・パフォーマンス・メトリックには、サービス操作の実行にかかる時間は含まれません。
プロセス分析は、特定の時間に各アクティビティを処理中のインスタンスの数を追跡します。特定のプロセス、アクティビティまたはインスタンスのワークロードを表示できます。
プロセスとアクティビティのワークロードおよびパフォーマンス・メトリックは、それぞれBAM 12cのプロセスとアクティビティの各データ・オブジェクトに基づいています。
一般的なプロセス分析ワークフローには、BAM 12cプロセス・メトリック、BAM 11g Monitor Expressあるいはその両方を使用するようにプロセスを構成するなど、いくつかのタスクが含まれます。
次のリストに、BPMプロジェクト内でプロセス分析を使用する際に実行する一般的なタスクを示します。
BPMプロジェクトおよび1つ以上のBPMNプロセスを作成します。
プロジェクトまたはプロセスのサンプリング・ポイント生成を構成します。
BAM 12cプロセス・メトリックまたはBAM 11g Monitor Express、あるいはその両方を使用するようにプロジェクトを構成します。
プロジェクト・データ・オブジェクトを自身のプロジェクトに追加します。
プロジェクト・データ・オブジェクトに値を割り当てます。
ビジネス・インジケータを定義し、それらを適切なプロジェクト・データ・オブジェクトにバインドします。
ビジネス・インジケータの値を追跡するプロセスに測定マークまたはカウンタ・マークを追加します。
プロジェクトをデプロイします。プロジェクトをデプロイする前に実行が必要なことの詳細は、「分析を公開するためのグローバル・フラグの有効化方法」を参照してください。
BAM 12cコンポーザまたはBAM 11g Architectを使用して、カスタムのダッシュボードを構成します。
図7-1に、BPMNプロセスのデプロイおよび実行後に、プロセス分析データが通過するサイクルを示します。
プロジェクトをデプロイする前に、ターゲットBAM 12cまたはBAM 11gサーバーが起動済で使用可能であることと、分析の公開のためのグローバル・フラグが有効化されていることを確認します。
注意:
グローバル分析フラグを有効化する前またはBAM 12cサーバーが停止しているときにBAM12c分析データ・ターゲットとともに構成されたBPM 12cコンポジットをデプロイする場合、そのコンポジットからBAM 12cプロセス・スター・スキーマに公開されるすべてのデータは永続的に無効化されます。BAM 12cサーバーが停止した場合、BAM 12cサーバーが復帰しても、無効化はそのままです。
無効化は、コンポジットのデプロイメント時間中に実行時分析移入の有効化に必要ないくつかの必須アーティファクトをBAM 12c内に作成できないために発生します。これらのコンポジットがBAM 12cプロセスのスター・スキーマにデータを公開できるようにするには、BAM 12cサーバーが稼働された状態で、グローバル分析フラグが有効化されているBPM 12cコンポジットを再デプロイする必要があります。
分析公開のためのグローバル・フラグが有効化されていることを確認します。
BPMNサービス・エンジンは、プロセス内のアクティビティを実行するとき、プロセスに関するデータをBAM 12cプロセス・メトリックに格納します。このデータは、プロジェクト内で定義されているサンプリング・ポイントからのものです。プロジェクト内のどのプロセスまたはアクティビティでサンプリング・ポイントがこれらのデータベース内に生成されるかを構成できます。
デフォルトでは、プロセス、アクティビティ、HWFタスク・イベントおよびCASEライフサイクル・イベントを測定に使用できます。これらのポイントのいずれかを測定するには、プロジェクト、プロセスおよびアクティビティ・レベルでオーバーライド動作を指定します。測定は、プロセスおよびアクティビティ標準サンプリングのすべてのディメンション、属性およびメジャーを取得します。デフォルトのプロジェクトレベル設定は、BPMプロジェクトの場合は対話型を生成することであり、SOAプロジェクトの場合は対話型を生成しないことです。デフォルトでは、プロジェクトは対話型アクティビティに対してのみサンプリング・ポイントを生成するように設定されています。
サンプリング・ポイント生成は、次のレベルで構成できます。
プロジェクト
プロセス
アクティビティ
プロジェクトに含まれるプロセス内のすべてのアクティビティに対してサンプリング・ポイントを生成するようにプロジェクトを構成できます。また、このプロジェクト内のプロセスに対してサンプリング・ポイントを生成しないように選択することもできます。BPMNプロセスがプロジェクトのデフォルト設定を使用するように構成されている場合は、この値が使用されます。
プロジェクトで定義されているサンプリング・ポイント生成の設定とは異なる設定を使用するようにプロセスを構成できます。通常、これはプロジェクトのパフォーマンスを向上させるために行います。たとえば、プロジェクト内に多数のアクティビティからなるプロセスがある場合、このプロセスに対してプロセス・メトリックを取得する必要がなければ、サンプリング・ポイントを生成しないようにプロセスを構成します。あるいは、測定する対象がプロジェクト内の1つのプロセスのみの場合、サンプリング・ポイントを生成しないようにプロジェクトを構成しておいて、その特定のプロセスのみサンプリング・ポイントを生成するように構成します。
デフォルトでは、プロセスはプロジェクトのサンプリング・ポイント構成を使用するように構成されています。
また、プロセス内の1つ以上のアクティビティを、プロセス内で使用されるサンプリング・ポイント設定とは異なる設定を使用するように構成することもできます。たとえば、サンプリング・ポイントのメトリックでは関連情報を取得できないと思われる場合は、サンプリング・ポイントが生成されないようにプロセス内のすべてのゲートウェイ・アクティビティを構成します。
デフォルトでは、アクティビティはプロセスのサンプリング・ポイント構成を使用するように構成されています。プロセスがプロジェクト構成を使用するように構成されている場合、アクティビティはプロジェクトで指定された構成を使用します。
単一、カウンタ・マークおよび時間隔の測定を定義できます。
単一測定によって、プロセスの特定のポイントでのインジケータのサンプリングが可能になります。単一測定は、遷移に対して指定され、定義で指定されたメジャーのみを取得し、すべてのディメンションおよび属性を取得します。
カウンタ・マーク測定では、アクティビティに対してカウンタを定義できます。カウンタ・マーク・メジャーは、定義で指定されているカウンタをサンプリングし、すべてのディメンションおよび属性を取得します。
間隔測定では、開始ポイントと終了ポイントで論理アクティビティを定義できます。間隔測定は、定義で指定されているメジャーのみと、すべてのディメンションおよび属性を取得します。
HWFに対する測定を有効化するには、BPMプロジェクト・プリファレンスの「プロセス分析サマリー」セクションを編集し、「プロジェクト・サンプリング・ポイント」値を「対話型に対して生成」に設定します。プロジェクトのサンプリング・ポイント生成を構成する方法の詳細は、「プロジェクトのサンプリング・ポイント生成を構成する方法」を参照してください。
ケース測定を有効化するには、BPMプロジェクト・プリファレンスの「プロセス分析サマリー」セクションを編集し、「プロジェクト・サンプリング・ポイント」値を「ケースに対して生成」に設定します。このオプションは、BPMプロジェクトに対してケースを定義した場合にのみ表示されます。プロジェクトのサンプリング・ポイント生成を構成する方法の詳細は、「プロジェクトのサンプリング・ポイント生成を構成する方法」を参照してください。
プロジェクト内に作成したプロセスはいずれも、その特定のプロセスに別の構成を使用するようにプロセス・プロパティを編集していないかぎり、そのプロジェクトに定義されているサンプリング・ポイント構成を使用します。
サンプリング・ポイント生成はアクティビティ・レベルで構成できます。
アクティビティ・ガイドのサンプリング・ポイント生成を構成するには:
ビジネス・インジケータは、プロセスのキー・パフォーマンス・インジケータを取得するために使用されます。ビジネス・インジケータは、プロジェクト・データ・オブジェクトにバインドできます。
ビジネス・インジケータ・バインディングまたは構造ペインのプロジェクト・データ・オブジェクト・ノードを使用して、ビジネス・インジケータをプロジェクト・データ・オブジェクトにバインドできます。便宜上、ビジネス・インジケータは「構造」ウィンドウ内にそれぞれのエントリを持ちます。
主要パフォーマンス・インジケータはプロセス内の関連情報を表すもので、プロセスが正しく動作しているかどうかの判断に役立ちます。
一般的なビジネス・インジケータの例は次のとおりです。
受注金額
製品在庫
経過時間
出荷ステータス
ビジネス・インジケータを使用すると、測定対象のインジケータの値をプロセスに格納したり、測定した値のグループ化に使用するカテゴリをプロセスに格納することができます。
ビジネス・インジケータは、格納する情報のタイプに応じて次のように定義できます。
メジャー
ディメンション
カウンタ
属性
注意:
カーディナリティが低いインジケータの場合は、ディメンション・ビジネス・インジケータを使用します。たとえば、顧客タイプや注文ステータスなどです。カーディナリティが高いビジネス・インジケータ(インスタンスごとに値が一意である識別キーなど)の場合は、属性ビジネス・インジケータを使用してください。
ビジネス・インジケータのタイプによって、使用できるデータ型が決まります。表7-1に、各ビジネス・インジケータ・タイプに使用可能なデータ型を示します。
表7-1 ビジネス・インジケータ・タイプに使用可能なデータ型
ビジネス・インジケータ・タイプ | 使用可能なデータ型 |
---|---|
ディメンション |
|
メジャー |
|
カウンタ |
|
属性 |
|
メジャー
メジャーは、測定できる主要パフォーマンス・インジケータの値を格納します。メジャーでは、連続型のデータ型のみが許可されます。メジャーは測定マークとともに使用する必要があります。営業見積プロセスにおいては、取引金額や割引率などがメジャーの例です。
ディメンション
ディメンションは、プロセス内のメジャー・ビジネス・インジケータの値のグループ化に使用できる主要パフォーマンス・インジケータの値を格納します。連続型のデータ値を使用してディメンションを定義する場合、少なくとも1つの範囲を追加する必要があります。データ値が連続型であれば、プロセス分析データベースには範囲値のみが格納されます。営業見積プロセスにおいては、取引範囲や業界タイプなどがディメンションの例です。
カウンタ
カウンタは、インスタンスが特定のアクティビティを完了した回数を追跡します。カウンタはカウンタ・マークとともに使用する必要があります。カウンタ・ビジネス・インジケータは、実際の値を格納せず、その値は常に1です。インスタンスがアクティビティを完了した回数を示す値は、プロセス分析データベースで直接更新されます。カウンタ・ビジネス・インジケータの値を監視するには、そのカウンタ・ビジネス・インジケータを追跡するように構成されたカウンタ・マークに基づいて、ダッシュボードを作成する必要があります。カウンタの構成方法の詳細は、「プロセス内のアクティビティへのカウンタの追加」を参照してください。
属性
属性ビジネス・インジケータを使用すると、ディメンションまたはメジャーとして分類されない高いカーディナリティ値を取得できます。ただし、情報をフィルタしたり、他の情報を参照することができます。一般に、属性ビジネス・インジケータは識別キー(注文IDやサービス・リクエストIDなど)の値を格納するために使用されます。
ビジネス・インジケータをプロジェクトに追加するプロセスには、次の手順があります。
ビジネス・インジケータを使用すると、プロジェクト内で測定する主要パフォーマンス・インジケータを定義できます。ビジネス・インジケータをプロジェクトに追加するには、次の方法のいずれかを使用できます。
ビジネス・インジケータ・エディタの使用
アプリケーション・ナビゲータ・ペインで、「ビジネス・インジケータ」をダブルクリックします。
「ビジネス・インジケータ」画面に、様々なタイプのビジネス・インジケータのリストが表示されます。使用可能なオプションは、「カウンタ」、「メジャー」、「属性」、「ディメンション」です。
「ビジネス・インジケータ」画面で、追加するビジネス・インジケータのタイプの「追加」(+)ボタンをクリックします。
「作成」ダイアログ・ボックスが表示されます。
ビジネス・インジケータを識別する名前を入力します。
名前の最大長は28文字です。
「タイプ」リストからデータ型を選択します。
注意:
使用可能なデータ型は、選択したビジネス・インジケータのタイプによって異なります。表7-1に、各ビジネス・インジケータ・タイプに使用可能なデータ型を示します。
連続データ型を選択し、ビジネス・インジケータ・タイプとして「ディメンション」を選択した場合は、少なくとも1つの範囲を追加してください。
「OK」をクリックします。
「ビジネス・インジケータの作成」ダイアログ・ボックスが閉じ、作成したビジネス・インジケータが保存されます。
プロジェクト構造ペインの使用
「構造」ウィンドウで、ビジネス・インジケータ・バインディング・ノードを開き、ビジネス・インジケータ・タイプを右クリックします。
使用可能なオプションは、「カウンタ」、「メジャー」、「属性」、「ディメンション」です。
ビジネス・インジケータのバインド・ダイアログ・ボックスが表示されます。
ビジネス・インジケータのバインド・ダイアログ・ボックスで、「追加」(+)ボタンをクリックします。
「ビジネス・インジケータの作成」ダイアログが表示されます。
「ビジネス・インジケータの作成」ダイアログ・ボックスで、ビジネス・インジケータを識別する名前を入力します。
名前の最大長は28文字です。
「タイプ」リストからデータ型を選択します。
注意:
使用可能なデータ型は、選択したビジネス・インジケータのタイプによって異なります。表7-1に、各ビジネス・インジケータ・タイプに使用可能なデータ型を示します。
連続データ型を選択し、ビジネス・インジケータ・タイプとして「ディメンション」を選択した場合は、少なくとも1つの範囲を追加してください。
「OK」をクリックします。
「ビジネス・インジケータの作成」ダイアログ・ボックスが閉じ、作成したビジネス・インジケータが保存されます。
ユーザー定義測定マーク・ユーザー・インタフェースの使用
ユーザー定義測定マーク・プロパティ・ユーザー・インタフェースからは、メジャー・タイプのビジネス・インジケータのみを作成できることに注意してください。
ビジネス・インジケータを作成した後は、そのビジネス・インジケータをプロジェクト・データ・オブジェクトにバインド(マップ)する必要があります。実行時に、BPMによって、ビジネス・インジケータの値がそれに関連付けられたデータ・オブジェクトから決定されます。次のノードのいずれかの「プロジェクト構造」ペインを使用して、ビジネス・インジケータをプロジェクト・データ・オブジェクトにバインドします。
「ビジネス・インジケータ・バインディング」ノード
「ビジネス・インジケータ・バインディング」ノードで、ビジネス・インジケータ・タイプをクリックし、「新規」をクリックします。
ビジネス・インジケータのバインド・ダイアログ・ボックスが表示されます。
ビジネス・インジケータのバインド・ダイアログ・ボックスで、ビジネス・インジケータを選択または作成し、それを新しいプロジェクト・データ・オブジェクトにバインドします。
必要に応じて、新しいプロジェクト・データ・オブジェクトの名前を他の一意の新しい名前に変更することもできます。
オプション。「自動初期化」を選択して、ビジネス・インジケータをデフォルト値で初期化します。
デフォルト値の詳細は、「デフォルト値」を参照してください。
「OK」をクリックします。
ビジネス・インジケータ・バインディングおよび新しいプロジェクト・データ・オブジェクトが追加されます。
「プロジェクト・データ・オブジェクト」ノード
次のステップは、プロジェクト・データ・オブジェクトのデータ・アソシエーションを定義することです。プロジェクト・データ・オブジェクトにバインドされたビジネス・インジケータは、そのプロジェクト・データ・オブジェクトから実行時値を取得します。
アクティビティに対するBPMプロセス・データ・アソシエーションを実行します。「データ・アソシエーション」ユーザー・インタフェースを起動するには、次のように実行します。
プロジェクトに追加したビジネス・インジケータを使用して、監視するプロセスに関するデータを格納できます。
一部のビジネス・インジケータでは、BPMNサービス・エンジンが値をプロセス分析データベースに格納するように指定する別のアーティファクトをプロセスに追加する必要があります。
ディメンション
BPMNサービス・エンジンは自動的に、分析データベースを処理するためにプロセスに定義されている事前定義済サンプリング・ポイントおよびカスタム・サンプリング・ポイントでデータをディメンション・ビジネス・インジケータに格納します。ディメンション・ビジネス・オブジェクトは、BAMプロセス・スター・スキーマ・データ・オブジェクトに書き込まれます。
メジャー
事前定義済のメジャーは、サンプリング・ポイントを生成するように構成されているすべてのフロー要素で常に測定されます。
測定マークを追加してポイントを指定したり、BPMNサービス・エンジンがタイプ測定のカスタム・ビジネス・インジケータを測定および格納するプロセス・セクションを追加することができます。測定マークの追加方法の詳細は、「プロセスへの測定マークの追加」を参照してください。
カウンタ
BPMNサービス・エンジンがカウンタ・ビジネス・インジケータの値を格納するアクティビティにカウンタ・マークを追加する必要があります。カウンタ・マークの追加方法の詳細は、「プロセス内のアクティビティへのカウンタの追加」を参照してください。
属性
BPMNサービス・エンジンは自動的に、プロセスに定義されている事前定義済サンプリング・ポイントおよびカスタム・サンプリング・ポイントを使用してデータを属性ビジネス・インジケータに格納します。
測定マークを使用すると、プロセス内の特定の位置、またはプロセスの特定のセクションにおいて、タイプが測定のビジネス・インジケータを測定できます。
1つの測定マークを使用して、複数の測定ビジネス・インジケータを測定できます。
測定マークによって、プロセス分析データベースに次のデータが保存されます。
プロセスのデフォルト測定の値
その測定マークに関連付けられている測定ビジネス・インジケータの値
プロセスに定義されているディメンションの値
BPMNサービス・エンジンでは、測定ビジネス・インジケータの値が保存されるときに、プロセスに定義されたディメンションの値も保存されます。後でプロセスを監視するためにダッシュボードを構築するときに、これらのディメンションを使用して値を様々なカテゴリにグループ化できます。たとえば、営業見積プロセスでは、承認済見積金額の合計を地域ごとに表示できます。
定義できる測定マークのタイプは次のとおりです。
単一測定
間隔の開始
間隔の停止
測定マークは、フロー要素に関連付けらます。タイプが間隔の開始である測定マークは、それに先行するフロー要素の実行前に、ビジネス・インジケータの値を追跡します。カウンタ・マーク、タイプが間隔の停止である測定マーク、および単一測定マークは、それに先行するフロー要素の実行後にビジネス・インジケータの値を追跡します。
単一測定
プロセス内にメジャー・ビジネス・インジケータを定義した場合は、プロセス内のこれらのビジネス・インジケータの測定ポイントに単一測定マークを追加する必要があります。単一測定マークは、BPMNサービス・エンジンがプロセス内のそのポイントで、その測定マークに関連付けられているメジャー・ビジネス・インジケータの値を格納する必要があることを示すものです。またBPMNサービス・エンジンは、デフォルトのプロセス・メジャーの値およびディメンション・ビジネス・インジケータもプロセス内のこのポイントで格納します。
「間隔の開始」と「間隔の停止」
プロセスのセクション内でビジネス・インジケータを測定する場合は、「間隔の開始」測定マークを使用してセクションの開始を指定し、「間隔の停止」測定マークを使用してセクションの終了を指定する必要があります。これらの測定マークを使用すると、デフォルトのビジネス・インジケータや、プロセスのセクション内に定義したビジネス・インジケータを測定できます。一般に、これらの測定マークは、プロセスの中のクリティカルなセクションを監視するために使用します。たとえば、ボトルネックとして特定したプロセス部分の中のインスタンス量を監視する場合などです。
BPMNサービス・エンジンは、単一測定マークの実行時に次のビジネス・インジケータの現在の値をプロセス分析データベースに格納します。
測定マークに関連付けられているビジネス・インジケータ
デフォルトの測定
プロセスに定義されているディメンション
プロセスに対して定義されている属性
注意:
アクティブおよび完了したアクティビティ、測定間隔、マーク、およびカウンタ・インスタンスに関する情報は、アクティビティ・データ・オブジェクトに格納されます。
測定マークを使用して、特定のビジネス・インジケータを測定するプロセス内のセクションを定義できます。
注意:
1つの間隔の開始の測定マークに対して1つの間隔の停止の測定マークを定義する必要があるだけです。間隔の停止の測定マークを複数定義することはサポートされておらず、予期しない動作が発生する可能性があります。
プロセス・セクション内でビジネス・インジケータを測定するには:
カウンタ・マークを使用して、プロセスに対して定義したカウンタ・ビジネス・インジケータの値を更新できます。
1つのカウンタ・マークで複数のカウンタ・マーク・ビジネス・インジケータを更新できます。
カウンタ・マークが定義されているアクティビティにトークンが到着すると、BPMサービス・エンジンによって、それに関連付けられたカウンタの値が含まれているイベントがプロセス分析データベースに公開されます。
注意:
カウンタ変数の実際の値はプロセス分析データベースに格納されます。カウンタ変数のデフォルト値は変更されないため、プロセスでカウンタ変数を使用して計算を実行しないでください。カウンタ変数の値は常に1です。
通常、カウンタ・マークは次の目的で使用します。
監査: インスタンスが完了したアクティビティの数とその他のパフォーマンス測定を組み合せた情報は、プロセスを監査するために重要です。
パフォーマンスの問題の識別: カウンタを使用して、プロセス内のパフォーマンスの問題を特定できます。インスタンスが予期したパスと異なるパスを経由しているか、アクティビティ内のループの実行時間が適正な時間を超えているため、プロセスの実行時間が予期した時間より長くなる場合があります。このような状況は、実際に完了したアクティビティの数と予期した数を比較して識別できます。
インスタンスが経由するプロセス・パスの識別: 異なるカウンタ・ビジネス・インジケータを使用して、対応するパスをマークできます。インスタンスがプロセスの最後に到達したとき、インスタンスが経由したパスは、完了したアクティビティの最大数を示します。
通常は、監視対象のプロセス・パスごとに1つのカウンタ・ビジネス・インジケータを定義します。次に、そのプロセス・パスに含まれるすべてのアクティビティにカウンタ・マークを追加します。最後に、アクティビティが含まれるパスに対応するカウンタ・ビジネス・インジケータを、カウンタ・マークに関連付けます。
カウンタ・マークをアクティビティに追加して、インスタンスがこのアクティビティを実行した回数を追跡できます。
プロセス内のアクティビティにカウンタを追加するには:
BPMNサービス・エンジンは、カウンタ・マークを含むアクティビティを実行するときに、それに関連付けられたカウンタの値が含まれているイベントをプロセス分析データベースに公開します。
使用しないカウンタ・マークや不要なカウンタ・マークは削除できます。
カウンタ・マークを削除するには:
分析ビュー識別子は、コンポジットの既存のすべてのバージョンのデータを提供するプロセス分析ビューを識別します。
この識別子は、デプロイされたすべてのプロセスで一意である必要があります。複数のプロセスに対して同じ識別子を使用すると、プロセスのデプロイメントが失敗します。分析ビュー識別子を作成し、Oracle SQLでビューを問合せできるようにします。
分析ビュー識別子を作成する目的は、そのビューを問い合せることでプロセス・メトリックへのOracle SQLによるアクセスを可能にすることです。形式の詳細は、「プロセス・スター・スキーマ・ビュー」を参照してください。
Oracle Business Activity Monitoring (BAM) 12cは、事前定義済プロセス・スター・スキーマのセットおよび自身のプロセスのアクティビティの監視に使用できるダッシュボードを備えています。
コンポジット・レベルで、デフォルトでBPMコンポジットがBAM 12cに公開されます。システム(グローバル)レベルで、BAM 12cへの移入はデフォルトで無効化されており、このデフォルト設定はコンポジットレベルの設定をオーバーライドします。システム・レベルでBAM 12cプロセス・スター・スキーマ・データ移入を有効化するには、AnalyticsConfig
MBeanのDisableProcessMetrics
パラメータをfalse
に設定します。
即時利用可能なBAM 12cプロセス分析ダッシュボードで、BAM 12cプロセス・スター・スキーマ・データ・オブジェクトに格納されているデータを表示できます。
BAM 12cプロセス・メトリックによって、プロセス・アナリストは様々なパースペクティブからプロセス・メトリックを分析できます。パースペクティブは、プロセスを定義するときに定義します。メジャーは、ディメンションにより分類できる数値ファクトです。たとえば、営業見積サンプル・プロセスにおいては、製品のディメンションと取引金額のメジャーを定義して、製品別の取引金額を分析する必要があります。
BAM 12cプロセス・メトリックでは、次のディメンションがサポートされています。
アクティビティ
プロセス
参加者
また、次のメジャーもサポートされています。
特定のプロセスの完了時間
特定のアクティビティの完了時間
参加者によるタスクの数
BAM 12cプロセス・メトリックでは、アクティビティに関連するデータはACTIVITY
データ・オブジェクトに格納されます。プロセスに関連するデータはPROCESS
データ・オブジェクトに格納されます。また、プロセスに関連するデータは「プロセス・パフォーマンス」(BPM_CUBE_PROCESSPERFORMANCE
)表および「ワークロード」(BPM_CUBE_WORKLOAD
)表にも格納されます。参加者に関連するデータはHWF ASSIGNMENTデータ・オブジェクトに格納されます。
PROCESS
とACTIVITY
の各データ・オブジェクトには、完了済および進行中のプロセスやアクティビティに関するデータがそれぞれ含まれています。タスク・パフォーマンス表には完了したアクティビティに関連するデータが、「プロセス・パフォーマンス」表には完了したプロセスに関連するデータが含まれます。同様に、TASK
とASSIGNMENT
の各データ・オブジェクトには、参加者への完了済および進行中のタスク割当てに関するデータが含まれています。
アクティビティおよびプロセスのデータ・オブジェクトのデータは、アクティビティまたはプロセスが開始または完了したときに計算されて永続化されます。
即時利用可能なサンプリング・ポイントに対しては、すべてのディメンションおよびメジャーが格納されます。ユーザー定義のサンプリング・ポイントに対しては、選択したディメンション、メジャーおよびカウンタが格納されます。
BAM 12cプロセス・メトリックを使用してプロジェクトのパフォーマンスを監視する場合は、開発時にプロセス・メトリックの生成を有効にする必要があります。アプリケーションをデプロイするときに、BPM 12cによってこの構成が使用されてBAM 12cプロセス・メトリックが有効になります。
プロジェクトでBAM 12cプロセス・メトリックを有効化する手順は次のとおりです。
BPMNサービス・エンジンは、定義したサンプリング・ポイント構成を使用して、アクティビティを実行したり、プロセスを完了するたびに、事前定義済BAM 12cプロセス・メトリックに分析情報を公開します。サンプリング・ポイントを生成しないようにプロセスを構成した場合、BPMNサービス・エンジンはこの情報を公開しません。
注意:
連携して動作するには、Oracle BAMとOracle BPMが同じWebLogicドメインに存在する必要があります。
測定サンプリング・ポイントおよびビジネス・インジケータで構成されているBPMプロジェクトがデプロイされるときに、BAM 12cプロセス・スター・スキーマで次のアクションが実行されます。
デプロイされたコンポジットで定義されている各ビジネス・インジケータの列で、コンポジット固有のファクト・データ・オブジェクトが作成または更新されます。さらに、分析ビュー識別子がコンポジットに対して指定されている場合、コンポジット固有の物理データ・オブジェクトに対してデータベース・ビュー・シノニムが生成されます。コンポジット固有物理データ・オブジェクトの名前と作成されたデータベース・ビューの詳細は、「プロセス・スター・スキーマ・ビュー」を参照してください。
標準ディメンション・データ・オブジェクト(COMPOSITE_DEFINITION
、ACTIVITY_DEFINITION
、PROCESS_DEFINITION
、TASK_DEFINITION
、ROLE_DEFINITION
など)に、コンポジットから適切なメタデータ情報が移入されます。
Oracle BAM 11gを使用すると、Oracle BPMの使用中にOracle BAM 11gの機能を活用できるため、プロジェクト内のプロセスのアクティビティを監視できます。Oracle BAM 11gは事前定義済Oracle BAM 12cプロセス・メトリックとともに使用でき、また、それを無効化することも選択できます。
プロジェクト内でOracle BAM 11gを有効化する前に、Oracle BAM 11gを適切に構成する必要があります。Oracle BPMと連携するようにOracle BAM 11gを構成する方法の詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』の「Oracle BPMNプロセス・サービス・コンポーネントとエンジンの構成」の章を参照してください。
BPMプロジェクトをデプロイすると、Oracle BAM 11gはそのBPMプロジェクトに対してカスタムBAMデータ・オブジェクトと事前定義済BAMデータ・オブジェクトを自動的に作成します。
プロジェクト内でOracle BAM 11gを有効化する手順は次のとおりです。
Oracle BAM 11gが有効化されているプロセスを実行するときに、BPMNサービス・エンジンによって、そのプロセスで測定されるビジネス・インジケータに関する情報がOracle BAM 11g Monitor Expressデータ・オブジェクトに移入されます。この情報は、プロジェクト内に定義した「サンプリング・ポイント」プリファレンスに基づいて生成されます。
BAM 11gのデータ・ターゲットを有効化した場合、そのプロセスをデプロイするときにBAM 11gデータ・オブジェクトが自動的に作成されます。Monitor Expressダッシュボードを使用するには、自動的に作成されたデータ・オブジェクトをインポートする必要があります。
最初のプロセスをデプロイすると、カスタム・ビジネス識別子とすべての共通データ・オブジェクトがrecommended/Samples/Monitor Expressフォルダに作成されます。後続のデプロイメントでは、すべてのプロセスで共通データ・オブジェクトが使用され、新しいカスタム・ビジネス識別子のみが作成されます。