プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Managementプロジェクトの移行
12c (12.2.1.2.0)
E82790-01
目次へ移動
目次

前
前へ
次
次へ

4 プロジェクトおよびプロセスの移行の理解

この章では、プロジェクト・アーティファクトおよびBPMプロセス・コンポーネントの移行について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 プロジェクト・アーティファクトの移行

BPM移行ユーティリティにより、次の表に示すマッピングを使用してBPMプロジェクトのアーティファクトが移行されます。

表4-1 プロジェクト・アーティファクトのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

プロジェクトのプロパティ

構成済言語のみ移行されます。

言語

「プロジェクト」プリファレンス内の「言語」プリファレンスに移行されます。

現在の言語

「プロジェクト」プリファレンス内の「現在の言語」プリファレンスに移行されます。

プロジェクト変数

プロジェクト・データ・オブジェクト

ビジネス・インジケータ

ビジネス・インジケータ

プロセス変数

プロセス・データ・オブジェクト

プロセスのプロパティ

「イベントの生成」および「作成者」プロパティが移行されます。

プロシージャ

BPMNプロセス

ドキュメント

i18nプロセスのドキュメントを移行します。

イメージ、フォント・タイプ、フォント・スタイル(太字、イタリック、下線など)およびフォント色は移行されません。

組織

BPMNプロセスで使用されているロールが移行されます。

レーン

レーン

レイアウト

移行はサポートされていません。BPM 12cでは自動レイアウトが使用されます。

シミュレーション・モデル

移行はサポートされていません。

プレゼンテーション

移行されません

プロジェクトの依存性

プロジェクトの依存性およびベース・プロジェクト・プロパティは移行されません。

カタログおよびロールの移行では、プロジェクトの依存がサポートされています。この機能を使用するには、ベース・プロジェクトを、依存プロジェクトの保存先と同じディレクトリにコピーする必要があります。

4.2 BPMアクティビティの移行

BPM移行ユーティリティでは、次の各項で説明するマッピングを使用してBPMプロセスのアクティビティが移行されます。

BPMアクティビティを移行する際の制限事項および既知の問題の詳細は、「BPMアクティビティの移行における既知の問題」を参照してください。

4.2.1 イベントの移行

BPM移行ユーティリティでは、次のマッピングを使用して、イベントがBPM 10gr3プロセスからBPM 12cプロセスに移行されます。

表4-2 BPM 10gr3アクティビティからBPM 12cへのイベントのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

Begin

メッセージ・キャッチの開始イベント。beginイベントに複数の引数セットが含まれている場合、複数のBPMNメッセージ開始イベント(引数セットごとに1つ)に移行されます。詳細は、「引数および引数マッピングの移行」を参照してください。

End

終了イベント。

引数および引数マッピングの移行の詳細は、「引数および引数マッピングの移行」を参照してください。

境界イベント

アクティビティのみ境界イベントをサポートしています。BPMNイベントとして移行されるアーティファクト内の境界イベントは移行されません。

「遷移の移行」を参照してください。

中断を許可するメッセージ待機

メッセージ開始イベントを持つイベント・サブプロセス。

場合によっては、中断を許可する通知待機はマッピングがないこともあります。通知待機に複数のアウトバウンド推移が存在する場合は、複数のイベント・サブプロセスにマッピングされます。

「引数および引数マッピングの移行」を参照してください。

中断を許可しないメッセージ待機

キャッチ・メッセージ・イベント。

場合によっては、中断を許可しない通知待機はマッピングがないこともあります。通知待機に複数の引数セットがある場合、ユーティリティによる移行では各引数セットについて別々のキャッチ・イベントが作成されます。

「引数および引数マッピングの移行」を参照してください。

メッセージの送信

中間メッセージ・スロー・イベント

タイマー

中間タイマー・キャッチ・イベント

補正

実装なしの抽象アクティビティとして移行されます。実装方法を決定するか、削除する必要があります。

ランタイム設定

詳細設定

カスタム・イメージ

移行されません。

4.2.2 アクティビティの移行

BPM移行ユーティリティでは、次のマッピングを使用して、アクティビティがBPM 10gr3プロセスからBPM 12cプロセスに移行されます。

表4-3 BPM 10gr3アクティビティからBPM 12cアクティビティへのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

実装なしの自動

抽象アクティビティ

コンポーネントが実装された自動

サービス・タスク

メソッドが実装された自動

スクリプト・タスク

プロシージャが実装された自動

プロセス・コールが実装されたサービス・タスク。引数および引数マッピングは移行されます。

ループのある自動

ループ条件、評価順序および条件は移行されません。

実装なしの対話型

空のヒューマン・タスクが実装されたユーザー・タスク。

移行を完了するには、ヒューマン・タスクを実装する必要があります。

スクリーンフローを起動する対話型

プロセス・コールが実装されたサービス・タスク。

サービス・タスクがロール定義をサポートするのではなく、ロールの割当てはプロセスに含まれるため、元のロールが移行後に変更されても構いません。

次のものが実装された対話型:

  • コンポーネント

  • メソッド

  • 外部

  • 入力

  • 表示

空のヒューマン・タスクが実装されたユーザー・タスク。

移行を完了するには、ヒューマン・タスクを実装する必要があります。

オプションのタスクが含まれる対話型

移行されません。

PUnitタスクが含まれる対話型

移行されません。

デシジョン

空のヒューマン・タスクが実装されたユーザー・タスク。

移行を完了するには、ヒューマン・タスクを実装する必要があります。

対話型コンポーネント・コール

空のヒューマン・タスクが実装されたユーザー・タスク。

移行を完了するには、ヒューマン・タスクを実装する必要があります。

次のものが実装された対話型コンポーネント・コール:

  • コンポーネント

  • 入力

  • 表示

  • BPMオブジェクト対話型コール

空のヒューマン・タスクが実装されたユーザー・タスク。

移行を完了するには、ヒューマン・タスクを実装する必要があります。

グループ

埋込みサブプロセス

BPM 10gr3のトランザクション・プロパティにはマッピングがありません。

サブフロー

実装のない抽象アクティビティ。アクティビティ名には、識別のために接尾辞"was screenflow"が付けられます。実装方法を決定する必要があります。

引数および引数マッピングの移行の詳細は、「引数および引数マッピングの移行」を参照してください。

スクリーンフロー

BPMNプロセス

サブスクリーンフロー

プロセス・コールが実装されたサービス・タスク。動的プロセス起動はサポートされていません

プロセス作成

実装なしの送信タスク。動的プロセス起動はサポートされていません。

ランタイム設定は移行されません。

終了待機

実装なしの受信タスク。

ランタイム設定は移行されません。

取得

移行は必要ありません。フローの変更機能は、すべてのBPMプロセスについて、プロセス・ワークスペースから使用できます。

実装なしの抽象アクティビティに移行されます。このアクティビティはプロセス・フローに接続されていません。

すべて取得

移行は必要ありません。フローの変更機能は、すべてのBPMプロセスについて、プロセス・ワークスペースから使用できます。

グローバル作成

実装なしの開始イベント、次に実装の定義されていないイニシエータ・ユーザー・タスクへのデフォルト・シーケンス・フローが続き、さらにデフォルト・シーケンス・フローが続きます。

グローバル作成アクティビティにスクリプトが含まれている場合、スクリプトが含まれるスクリプト・タスクは、最後のデフォルト・シーケンス・フローの後に追加されます。

グローバル作成アクティビティがスクリーンフローを起動する場合、移行されたスクリーンフローを呼び出すサービス・タスクは、最後のデフォルト・シーケンス・フローの後に追加されます。

自動完了および実行時設定は移行されません。

グローバル自動

開始イベントの後にスクリプト・タスクとタイプNoneの終了イベントが続きます。ランタイム設定は移行されません。

グローバル自動|間隔ごとのポーリング

タイマー開始イベント。

グローバル自動 - イベントによるトリガー

メッセージ開始イベント。

グローバル自動 - 自動スケジュール

メッセージ開始イベント。

グローバル自動 - JMSリスナー

メッセージ開始イベント。

グローバル自動 - JMS/JMX

メッセージ開始イベント。

グローバル対話型

移行されません。

ランタイム設定

詳細設定

カスタム・イメージ

移行されません。

4.2.3 ゲートウェイの移行

BPM移行ユーティリティでは、次のマッピングを使用して、ゲートウェイがBPM 10gr3プロセスからBPM 12cプロセスに移行されます。

表4-4 BPM 10gr3アクティビティからBPM 12cへのゲートウェイのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

条件ゲートウェイ

排他ゲートウェイ

分割

パラレル・ゲートウェイ。

「コピーの生成」プロパティは移行されません。

OR分割

包含ゲートウェイ。

複数のゲートウェイ

複数インスタンス・サブプロセス。

移行を手動で完了する必要があります。詳細は、「複数のゲートウェイの移行の理解」を参照してください。

4.2.3.1 複数のゲートウェイの移行の理解

BPM移行ユーティリティでは複数のゲートウェイを、次の特性を持つ複数インスタンス・サブプロセスに移行します。

  • 複数インスタンス・サブプロセスのタイプはパラレルです。

  • ループ特性タブはループ・カーディナリティが選択済で、単純な式が実装されています。移行処理を確認すると、警告が表示され、複数インスタンス実装の式を完了するように求められます。

複数のゲートウェイがある場合、移行を完了するために、手動で追加の手順を実行する必要があります。詳細は、「複数のゲートウェイの移行の完了」を参照してください。

4.2.3.2 複数のゲートウェイの移行の完了

BPM移行ユーティリティの実行後、次のものを実装または適応することにより、複数のゲートウェイの移行を手動で完了する必要があります。

  • ループ特性

  • 作成タイプ

  • 式およびスクリプト

マルチインスタンス・サブプロセスを使用してBPM 10gr3機能をレプリケートする手順は、次のとおりです。

  1. 必要な値または式を設定します。
  2. Split-Nに同時コピーが構成されている場合はt1'を設定し、その後、複数インスタンス・サブプロセスをパラレルではなくシーケンシャルとして構成します。
  3. サブプロセスで変数を作成し、プロセスの変数にマッピングします。
  4. マッピングの動作を維持できるようにスクリプト・コードを編集します。
  5. 複数のゲートウェイでデータ・オブジェクトが使用されている場合、すべてのコピー・インスタンスを移行します。
  6. BPM 10gr3プロセスに、スクリプトが実装された分割/結合アクティビティが含まれている場合、スクリプト・タスクを12cプロセスの最初および最後のフロー・オブジェクトとして追加します。その後、スクリプト実装を移行します。移行ユーティリティにより、スクリプト実装はコメントとして移行されるため、BPM 10gr3実装に基づいて新しいスクリプトを作成できます。

4.2.4 その他のプロセス・アーティファクトの移行

移行ユーティリティでは、次のマッピングを使用して、プロセス・アーティファクトがBPM 10gr3プロセスからBPM 12cプロセスに移行されます。

表4-5 BPM 10gr3アクティビティからBPM 12cへのプロセス・アーティファクトのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

レーン

BPMNレーン

メモ

テキスト注釈。

プロセス構造が異なるため、メモの場所が変更されます。移行を完了するには、メモを移動する必要があります。

測定マーク

移行されません。

ドキュメント

プロセス・メモ・ドキュメントおよびプロセス・メモ・ユースケース・ドキュメントは、12cの同じアーティファクトに移行されます。イメージおよびフォント・タイプ、フォント・スタイルおよびフォント色はサポートされていません。

フォルダ

プロセスまたはスクリーンフローが含まれているフォルダは、12c BPMプロジェクトのフォルダに移行されます。

ビジネス・ルール

移行されません。

プロセス・インタフェース

移行されません。

4.3 遷移の移行

BPM移行ユーティリティでは、次のマッピングを使用して、BPM 10gr3の遷移がBPM 12cのシーケンス・フローに移行されます。

表4-6 BPM 10gr3の遷移からBPM 12cのシーケンス・フローへのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

無条件推移

デフォルト・シーケンス・フロー。

条件推移

BPMNゲートウェイおよび条件シーケンス・フローとして移行されます。

式が12cの単純な式でサポートされている場合、条件は移行されます。そうでない場合、条件は単純な式のコメントとして表示されます。

期限推移

割込み境界タイマー・イベントを持つシーケンス・フロー。

詳細は、「期限推移の移行の理解」を参照してください。

メッセージ推移

デフォルト・シーケンス・フロー。

例外推移

デフォルト・シーケンス・フローを持つキャッチ・エラー境界イベント。

ビジネス・ルール推移

条件が空の条件シーケンス・フロー。

詳細は、「ビジネス・ルール推移の移行の理解」を参照してください。

補正型推移

移行されません。

4.3.1 期限推移の移行の理解

BPM移行ユーティリティにより、期限推移は、キャッチ・タイマー境界イベントとそれに続くデフォルト・シーケンス・フローに移行されます。

期限推移に間隔式または定数式が含まれている場合、この式はBPM 12cでサポートされている式と互換性がある必要があります。式に互換性がない場合、メッセージ・エラーが表示され、移行を完了するためには手動で修正する必要があります。

間隔式および定数式のみ移行されます。

4.3.2 ビジネス・ルール推移の移行の理解

BPM移行ユーティリティにより、各ビジネス・ルール推移は、空の条件を持つ条件シーケンス・フローに移行されます。

BPM 10gr3ビジネス・ルールのコードが空の条件内にコメントとして表示されるため、これを使用して新しいビジネス・ルールを手動でコーディングできます。詳細は、「ビジネス・ルール推移の移行の完了」を参照してください。

4.3.3 ビジネス・ルール推移の移行の完了

ビジネス・ルール推移は、空の条件を持つ条件シーケンス・フローとして移行されます。空の条件にBPM 10gr3からのコメント付きコードが含まれるため、これを新しい実装のガイドとして使用できます。

移行ユーティリティを使用してビジネス推移を移行した後、ビジネス・ルールを手動でコーディングし、それを使用できるように条件シーケンス・フローの条件を構成する必要があります。

4.4 例外の移行

BPM移行ユーティリティでは、次のマッピングを使用して例外処理を移行します。

表4-7 BPM 10gr3の遷移からBPM 12cのシーケンス・フローへのマッピング

10gr3アーティファクト 12cアーティファクト

例外推移

デフォルト・シーケンス・フローを持つエラー・キャッチ境界イベント。

プロセス例外

BPMNイベント・サブプロセス。

各例外推移は、別々のイベント・サブプロセスに移行されます。

補正

割込み境界タイマー・イベントを持つシーケンス・フロー。

スキップおよび戻るアクション

スキップおよび戻るアクションは、事前定義済変数アクションを使用してサポートされています。詳細は、『Oracle Business Process Management Studioでのビジネス・プロセスの開発』の例外からの復帰のためのキャッチ・イベントの構成に関する項を参照してください。

4.5 引数および引数マッピングの移行

BPM移行ユーティリティでは、次のアーティファクトの引数および引数マッピングを移行します。

  • Begin

  • End

  • メッセージ待機

  • スクリーンフロー・コールが実装された対話型

  • サブフロー

BPM 10gr3の引数はBPM 12cの引数に移行されます。BPM 10gr3の引数マッピングは、BPM 12cのデータ・アソシエーションに移行されます。

移行ユーティリティでは、これらの引数で使用されている変数、式およびデータ型がBPM 12cでサポートされている場合、またはBPM 12cに対応するものが存在する場合のみ、引数が移行されます。

スクリーンフロー・コールが実装されている対話型アクティビティの場合、移行ユーティリティによってメイン・タスクの入力/出力引数が使用されます。

複数の引数セットはBPMNでサポートされていません。一部の特殊の場合は、複数の引数セットは同じ状況のモデルを持つ異なる構造にマッピングされます。詳細は、「BPMアクティビティの移行」内の開始アクティビティおよび中断を許可する通知待機アクティビティを参照してください。