この章では、EDQ Siebelコネクタと既存のSiebelサーバーの構成方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
EDQ Siebelコネクタには、dnd.propertiesという名前の構成ファイルが必要です。この構成ファイルは、(EDQ Siebelコネクタの一部としてインストールおよび構成される)dnd.parmsファイルで指定された場所にインストールされます。dnd.propertiesファイルの設定により、どのEDQサーバーとプロジェクトを使用してSiebelインスタンスにデータ品質サービスを提供するか、どのように接続するかを制御します。
EDQ Siebelコネクタの設定はdnd.propertiesファイルに格納されており、次のカテゴリに分類されます。
CDS接続設定
複数の子エンティティのグループ
リアルタイム・サービスの定義
バッチ・ジョブの定義
これらの設定を使用して、ジョブの実行およびリアルタイム・サービス用のEDQサーバーに接続します。これらを設定する際は、値の末尾にスペースがないことを確認してください。接続の確立時にエラーが発生します。
httpprefix.cds - EDQサーバーのホスト名、HTTPポートおよびコンテキスト名(http://hostname:port/edq/webservicesなど)。
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注意: EDQは自身のWebページとサーバーの通信にSSLを使用し、Webページへのhttpリクエストをhttpsポートにリダイレクトします。ただし、必要に応じて、(セキュリティ標準で許可されている場合は)引き続きhttpをWebサービス・リクエストに使用できます。EDQがWindowsインストーラを使用してインストールされている場合のデフォルトのhttpポートは9002です。それ以外のインストールでは、ポートは、EDQのアプリケーション・サーバーへのデプロイ時に指定されます。httpsの使用が必須の場合、httpsの接頭辞とポート番号(EDQがWindowsインストーラを使用してインストールされている場合は9004にデフォルト設定)をここで指定できますが、EDQとの信頼できる接続を確立するには、EDQアプリケーション・サーバーからEDQ Siebelコネクタが使用するJREの証明書ストアに証明書または証明書のルートをインポートする必要があります(標準的なJavaのkeytoolコマンドを使用)。 |
jmxserver.cds - EDQサーバーのJMXインタフェースのホスト名およびポート(servername:9005など)。
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注意: EDQがWindowsインストーラを使用してインストールされている場合、JMX管理ポートは9005にデフォルト設定されます。それ以外のインストールでは、8090にデフォルト設定されます。これは、EDQサーバーの構成ディレクトリにあるdirector.propertiesファイルのmanagement.portエントリを読み取ることで確認できます。このエントリが存在しない場合、ポートは8090になります。 |
username.cdsおよびpassword.cds - EDQサーバー上の指定されたJMXおよびWebサービス・ユーザーのEDQログイン資格証明。このアカウントには、(少なくとも)次のEDQ権限が必要です。
Webサービス・リクエストまたはJMSメッセージをEDQに送信するためのアクセス権限を付与するSystem: Connect to Messaging System。
ジョブの実行を許可するServer Console: Execute JobおよびDirector: Execute Job。
projectnameに記載されたEDQプロジェクトに対する権限。ユーザーがプロジェクト権限を持っていることを確認するには、EDQのディレクタ・アプリケーションでプロジェクトを右クリックし、「プロパティ」を選択し、さらに「セキュリティ」タブを選択します。ユーザーがプロジェクトへのアクセス権限を持つグループのメンバーであることを確認します。前述のユーザー・アカウントがプロジェクトをDXIファイルからインポートするのに使用されたアカウントであった場合は、権限を持っているはずです。
ステージング・データベースの接続の詳細 - SiebelとEDQ-CDSの間でバッチ照合ジョブのデータを渡すのに使用されるステージング・データベースの接続の詳細および資格証明。詳細は、3.3項「ステージング・データベースの構成」を参照してください。
projectname.cdsは、EDQサーバーのEDQ-CDSプロジェクトの名前です。プロジェクトの名前が変更されていない場合は、この設定を変更しないでおくことができます。
projectname.cdshcは、EDQサーバーのEDQ-CDSヘルス・チェック・プロジェクトの名前です。プロジェクトの名前が変更されていない場合は、この設定を変更しないでおくことができます。
Siebelの階層データは、EDQが、複数の「子」レコードの詳細(名前、住所、電子メール・アドレス、代替電話番号など)を使用して、「親」レコード(連絡先、潜在顧客、アカウントなど)を照合できるよう、EDQ Siebelコネクタにより、フラットなレコード構造に変換されます。
複数の子エンティティの設定では、Siebelコネクタによるスカラー(単一フィールド)および非スカラー(複数フィールド)の子エンティティの処理方法が指定されます。
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注意: これらの設定は、複数の子エンティティがEDQ-CDSで有効化され、インストールされたバージョンのSiebel (バージョン8.1.1.10以降)でサポートされている場合のみ、必要です。詳細は、3.7項「ベンダー・パラメータについて」およびSiebelのドキュメントを参照してください。 |
スカラー・グループ
スカラー・グループは、1つのフィールドで構成されるSiebelビジネス・コンポーネント、つまりSiebelのData Qualityフィールド・マッピングでマップされるフィールドが1つのSiebelビジネス・コンポーネントで使用されます。コネクタは、これらのグループの値をEDQの単一入力属性のシンプルな値の区切りリストに入力します。
必要な構成形式は次のとおりです。
group.[name] = [BC1],[BC2],...
group.[name].concat = [EDQ-CDS属性名]
group.[name].delimiter = [デリミタ文字]
各要素の意味は次のとおりです。
name: ビジネス・コンポーネントに適用されるラベル。
BCn: Siebelビジネス・コンポーネントの名前。
group.[name].concat: データが連結される属性。
group.[name].delimiter: データを区切るのに使用されるデリミタ文字。
たとえば、デフォルトのdnd.propertiesファイルの次のグループにより、SiebelのAlternatePhoneビジネス・コンポーネントの構成が設定されます。
group.altphone = AlternatePhone group.altphone.concat = alternatephone group.altphone.delimiter = |
このように、各親エンティティのすべてのAlternatePhoneの値が区切りリストに連結されます。
つまり、次の形式で格納されるSiebelの連絡先のAlternatePhoneの値
contact1
AlternatePhone1
AlternatePhone2
contact2
AlternatePhone3
AlternatePhone4
が次の形式に変換されます。
contact1 AlternatePhone1|AlternatePhone2 contact2 AlternatePhone3|AlternatePhone4
非スカラー・グループ
非スカラー・グループは、名前、住所など、複数のフィールドで構成される、より複雑な子エンティティに使用されます。この場合、コネクタは、同じ親の複数のレコードを作成し、照合のため、EDQに送信します。子データはそれぞれ異なります。
必要な構成形式は次のとおりです。
group.[name] = [BC1],[BC2]...
次のように情報を置き換えてください。
name: ビジネス・コンポーネントに適用されるラベル
BCn: Siebelビジネス・コンポーネントの名前
たとえば、次の非スカラー・グループでは、それぞれアドレスを格納するSiebelビジネス・コンポーネントのリストを指定します。
group.address = CUTAddress,PersonalAddress
この設定では、CUTAddressおよびPersonalAddressレコードがコネクタによって住所ラベルにグループ化され、EDQ-CDSでの照合用に別個のレコードに拡張されます。
連絡先の形式のCUTAddressおよびPersonalAddressの値は次のとおりです。
contact1
CUTAddress1
PersonalAddress1
contact2
CUTAddress2
PersonalAddress2
これらの値が次の形式に変換されます。
contact1 address1 [CUTAddress1] contact1 address2 [PersonalAddress1] contact2 address3 [CUTAddress2] contact2 address4 [PersonalAddress2]
リアルタイム・サービスの定義
これらのプロパティを使用して、WebサービスでのSiebelコネクタとEDQ-CDSの通信方法が構成されます。
|
注意: グローバルな通信設定が継承されるため、通常、これらのプロパティを変更する必要はありません。 |
dnd.propertiesファイルには、ws1からws10まで、10の事前定義済Webサービス構成が格納されています。これらには、次のパラメータの一部またはすべてが事前構成されており、必要に応じて編集できます。
type - Siebelベンダー・パラメータのData Qualityの操作を識別するタグ。
conduit - SiebelコネクタとEDQ-CDSの通信方法を指定します。可能な値は、simplews、dbbatch、jmsbatchです。
url - WebサービスのURLエンド・ポイント。
failsafe - エラー時のコネクタの動作を指定します。
true: コネクタで障害が発生しても、エラー・メッセージは生成されません。
false: コネクタにより、エラー・メッセージが生成されます。
usernameおよびpassword - Webサービスへの接続に使用される資格証明。
parameternames - Webサービス・パラメータとしてEDQ-CDSに渡される、Siebelセッション・パラメータのカンマ区切りリスト。
idelement - Siebelに対応して生成されるXML要素の名前。
バッチ・ジョブの定義は、次の8つのグループに分けられます。
アカウントの照合
アカウントのヘルス・チェック
アカウント・キーの分析
連絡先の照合
連絡先のヘルス・チェック
連絡先キーの分析
潜在顧客の照合
潜在顧客キーの分析
これらのグループには、バッチ操作の実行方法を制御するプロパティが存在する。
これらのプロパティは、SiebelコネクタとEDQ-CDSの間のデータ・フロー方法を制御します。
type - Data Qualityの操作を識別するタグ。これは、Siebelベンダー・パラメータに一致する必要があります。
conduit - SiebelコネクタとEDQ-CDSの通信方法を指定します。可能な値は、simplews、dbbatch、jmsbatchです。
failsafe - エラー時のコネクタの動作を指定します。
true: コネクタで障害が発生しても、エラー・メッセージは生成されません。
false: コネクタにより、エラー・メッセージが生成されます。
writetable - コネクタがデータを書き込み、EDQ-CDSがデータを読み取るステージング・データベースの候補表。
db - ステージング・データベースのデータベース接続文字列。
project - dnd.propertiesファイルの先頭にある$projectname変数から読み取るCDSプロジェクト名。
job - EDQ-CDSジョブの名前。
runlabel - ジョブの実行ラベル。
overrides - これらの設定の値およびステージング・データベースにより、EDQ-CDSプロセスのデフォルトの(外部化された)構成設定が上書きされます。たとえば、キー・プロファイル、一致しきい値があります(デフォルトではそれぞれ、Typicalおよび70)。ただし、これらはSiebelで構成されたパラメータで上書きできます(3.7項「ベンダー・パラメータについて」を参照)。
readtable - 一致が書き込まれるステージング・データベースの表の名前。
idelement - Siebelビジネス・コンポーネントの識別子要素。
次に、EDQ-CDSを使用するようSiebelを構成する手順を示します。次の手順を実行する前に、Siebel Data Quality管理ガイド(Siebel Bookshelfで提供)を読んでください。
|
注意: Siebel 8.1.1.10以降は、この章で説明するすべての設定でデフォルト設定されています。そのため、このバージョンのSiebelを使用する場合は、この章をチェック・リストとして使用して、すべての設定が正しいことを確認できます。古いバージョンのSiebelでは、特に指定がなければ、このガイドに記載されている設定を使用してください。 |
このガイドは4つの項に分かれています。
サーバーの構成
データ品質の管理
ユーザー・プリファレンス
(オプション)データ品質バッチ・ジョブを有効化するテンプレートの作成
Siebel Webクライアントにシステム管理者としてログインします。
Siebelサイトマップで「管理」→「サーバー構成」に移動します。
ページ上部にある「Enterprise」をクリックし、「コンポーネント・グループ」タブを選択します。
Data Qualityコンポーネント・グループを見つけ、有効化されていることを確認します。
コンポーネント・グループが割り当てられ、Siebelサーバー(次の例ではcai)で有効化されていることを確認します。

「パラメータ」タブに切り替え、Data Cleansing TypeパラメータをEDQに設定します。

DeDuplication Data TypeパラメータをEDQに設定します。

ページ上部にある「サーバー」をクリックし、Data Quality Managerコンポーネントを見つけ、「パラメータ」タブを選択します。
次のパラメータの値がEDQに設定されていることを確認します。
Data Cleansing Type
DeDuplication Data Type
次のパラメータの値をTrueに設定します。
Data Cleansing Enable Flag
DeDuplication Enable Flag

|
注意: 前述の図には、Siebelの構成の完了時に実行されるサーバーの再起動後の値が示されています。 |
EDQ-CDSと一緒に使用するSiebelアプリケーション・コンポーネントで手順8~10を繰り返します。次にその例を示します。
Call Center Object Manager
EAI Object Manager
Sales Object Manager
|
ヒント: これらの手順は、EDQ-CDSと一緒に使用する他のコンポーネントでも使用できます。 |
データ品質の管理オプションを設定するには、次の手順を実行します。
Siebelにシステム管理者としてログインします。
Siebelサイトマップで「管理」→データ品質に移動します。
データ品質設定をクリックし、次のオプションを作成します。
データ・クレンジングの有効化 = はい
重複除外の有効化 = はい
次のオプションを追加して、リアルタイムの重複防止サービスの実行中に特定のタイプの新しいレコードが重複している可能性を通知するポップアップ・ダイアログを有効にします。これらのオプションが指定されない場合でも、リアルタイムの重複防止サービスの実行中は、チェックが実行されますが、新しいレコードを追加する際に重複アカウント、重複連絡先または重複潜在顧客タブに移動する必要があります。
ユーザーの重複除外の強制 - アカウント = はい
ユーザーの重複除外の強制 - 連絡先 = はい
ユーザーの重複除外の強制 - リスト管理 = はい
サード・パーティ管理をクリックします。EDQの名前およびdndのDLL名で新しいベンダー・エントリを追加します。

EDQベンダーを選択し、次のようにBCの操作を追加します。
| ビジネス・コンポーネント名 | 操作 |
|---|---|
| アカウント | データ・クレンジング |
| アカウント | 重複除外 |
| 連絡先 | データ・クレンジング |
| 連絡先 | 重複除外 |
| CUTアドレス | データ・クレンジング |
| リスト管理潜在顧客の連絡先 | データ・クレンジング |
| リスト管理潜在顧客の連絡先 | 重複除外 |
さらに、次のビジネス・コンポーネントを追加して、複数の子アドレスを使用する照合を構成します。
| ビジネス・コンポーネント名 | 操作 |
|---|---|
| CUTアドレス | 重複除外 |
| Personal Address | データ・クレンジング |
| Personal Address | 重複除外 |
画面の下までスクロールし、BCの操作ごとにフィールド・マッピングを設定します。これらのマッピングは、3.6項「ビジネス・コンポーネントのフィールド・マッピングについて」に記載されています。
|
注意: フィールド・マッピングを追加または変更する場合、これらはEDQで構成されたWebサービス(リアルタイム操作)およびステージング・データベースの表の列の名前(バッチ操作)に対応している必要があります。また、Siebelツールを使用する、関連するDQ統合オブジェクトとビジネス・サービスを変更する必要があります。Siebel UCMを使用している場合は、UCM統合オブジェクトとDQ統合オブジェクトのデータ・マップを変更しなければなりません。 |
EDQベンダーを選択した状態で、画面中央にあるベンダー・パラメータタブを選択し、3.7項「ベンダー・パラメータについて」で指定したパラメータを追加してください。
ユーザーのデータ品質を有効にするには、次の手順を実行します。
「ツール」メニューで「ユーザー・プリファレンス」を選択します。
データ品質をクリックします。
重複除外の有効化およびデータ・クレンジングの有効化オプションを「はい」に設定します。
これでSiebelの構成は完了です。Siebelサーバーを再起動して、すべての構成の変更が有効になったことを確認します。
サーバー管理UIからデータ品質バッチ・ジョブを実行するようにSiebelを構成できます。また、Siebelコマンドラインからジョブを実行したり、ジョブの構成をファイルに格納し、必要に応じて再利用することができます。
これには、いくつかのカスタム・ジョブ・テンプレートをSiebelに追加する必要があります。これらのテンプレートおよび必要なパラメータは、3.5項「 ジョブ・テンプレート構成ツールについて」に記載されています。
ジョブ・テンプレートを追加する手順:
Siebel Webクライアントを開きます。
Siebelサイトマップで「管理」→「サーバー構成」に移動します。
ジョブ・テンプレートをクリックします。
「新規」をクリックして、新しいジョブ・テンプレートを作成します。
3.5項「 ジョブ・テンプレート構成ツールについて」に記載されている詳細を使用して、ジョブ・テンプレートおよびジョブ・パラメータ領域のフィールドへの入力を完了します。
|
注意: 新しいジョブ・テンプレートごとに「コンポーネント」フィールドをData Quality Managerに設定します。このドロップダウン・フィールドにオプションが表示されない場合は、「Enterprise」画面のコンポーネントの定義タブに移動し、「同期化」をクリックします。 |
3.5項「 ジョブ・テンプレート構成ツールについて」に記載されているジョブごとに新しいジョブ・テンプレートを作成します。
ステージング・データベースは、SiebelのData Quality Managerからバッチ・ジョブを実行する際、SiebelとEDQの間でデータを処理するステージング領域としてSiebelコネクタが使用します。
このバッチ・インタフェースは、EDQがスタンドアロンのSiebel CRMシステムに接続される際に最も一般的に使用されます。Siebel UCMの「UCMのバッチ」フローは、インバウンド・データをSiebel UCMのマスター・データと照合する際、このインタフェースを使用しません。代わりに、EDQのリアルタイム照合サービスを呼び出します。
ただし、CRMとUCMの両方で、Siebel Data Quality Managerサービスは、マスター・データでのみ、重複の特定およびヘルス・チェックのバッチ・ジョブを実行できます。
これらのバッチ・ジョブの実行中、照合のドライバおよび候補レコードと、データ品質ヘルス・チェック・サービスの入力レコードがステージング・データベースの表に書き込まれます。これらのレコードは、EDQのジョブで読み取られます。照合サービスでのみ、EDQは照合プロセスで見つかった重複をこのステージング・データベースの別の表にエクスポートします。これらの重複は、Siebelに読み戻されます。
バッチ・ジョブの処理時に候補表および一致表を読み取り、書き込むためには、SiebelコネクタとEDQ-CDSの両方をステージング・データベースに接続する必要があります。これらの表は、サポートされるデータベース・タイプのスキーマ(Oracle)で作成できます。デフォルトの接続文字列は、Oracleデータベースに対応します。
接続の詳細は、dnd.propertiesファイルで指定されます(3.1項「EDQ Siebelコネクタの構成」を参照)。これらを構成するには、dnd.propertiesファイルを開き、ファイルの上の方にあるCDS Connection Settingsセクションのパラメータを編集します。これらのパラメータにより、ステージング・データベースへの接続に使用されるデータベースのホスト、ポート、データ・ソースのJNDI名、資格証明およびその他の設定を制御します。
次の項では、システムをファイナライズし、EDQ Siebelコネクタが正しくインストールおよび構成されていることを確認する方法について説明します。
始める前に、適切なリアルタイム・ジョブがEDQで実行中であることを確認します(Oracle Fusion Middleware Enterprise Data Quality Customer Services Data Services Packのインストールおよび構成を参照)。
すでにSiebelデータベースにレコードが移入されている場合(Accounts/Contacts/Prospects)、使用前に新しい構成用にシステムでクラスタ・キーを生成またはリフレッシュする必要があります。
Siebelの「管理」→「サーバー」ページから次のジョブ(3.5項「ジョブ・テンプレート構成ツールについて」で定義)を実行します。
アカウント・キーの生成
連絡先キーの生成
潜在顧客キーの生成
|
注意: EDQをキーの生成に使用する場合、Siebelで構成されたトークン式を使用してキーを生成する代わりに、これらのジョブにより、EDQキー生成Webサービスが自動的に呼び出されます。 |
アカウント・レコードのクリーニング・サービスをテストする手順:
「管理」→データ品質→データ品質設定→データ・クレンジングの有効化が「はい」に設定されていることを確認して、サーバーのデータ・クレンジングが有効化されていることを確認します。
|
注意: この設定が「いいえ」から「はい」に変更された場合、Siebelサーバーを再起動する必要があります。 |
「ツール」→「ユーザー・プリファレンス」→データ品質→データ・クレンジングの有効化が「はい」に設定されていることを確認して、現在のユーザー・プロファイルのデータ・クレンジングが有効化されていることを確認します。
|
注意: この設定が「いいえ」から「はい」に変更された場合、現在のクライアント・セッションを終了し、同じユーザーとして再びログインする必要があります。 |
小文字のアカウント名を使用して、新しいアカウント・レコードを入力します。

レコードを保存します。
アカウント名が大文字に変換されたことを確認して、クリーニング・サービスが呼び出されたことを確認します。

連絡先レコードの照合サービスをテストする手順:
「ツール」→「ユーザー・プリファレンス」→データ品質→重複除外の有効化を「いいえ」に設定して、現在のユーザー・プロファイルのリアルタイムの重複除外を一時的に無効化します。
|
注意: この設定が「いいえ」から「はい」に変更された場合、Siebelサーバーを再起動する必要があります。 |
同じ名前と電子メール・アドレスを使用して、2つの新しい連絡先レコードを入力し、保存します。

「管理」→「サーバー」ページから連絡先の照合のバッチ・ジョブを実行します
「管理」→データ品質→重複連絡先ページを確認して、レコードが照合されたことを確認します。

連絡先レコードのリアルタイムの照合サービスをテストする手順:
「ツール」→「ユーザー・プリファレンス」→データ品質→重複除外の有効化をが「はい」に設定されていることを確認して、現在のユーザー・プロファイルのリアルタイムの重複除外が有効化されていることを確認します。
「管理」→データ品質→データ品質設定→ユーザーの重複除外の強制 - 連絡先を「はい」に設定します。
3.4.3項「バッチ照合サービスのテスト」と同じ詳細を使用して、新しい連絡先レコードを入力します。
レコードを保存します。
一致している可能性がある連絡先ダイアログが表示され、以前に作成された2つの連絡先レコードに対する一致が表示されていることを確認します。

|
注意: 正確な名前と電子メールの一致は、この例のように、EDQがキーの生成に使用されているか(Siebel 8.1.1.10以降)、キーの生成に使用される問合せ式およびトークン式が名前、名前と電子メール、または属性のみを使用するように調整されている場合のみとなります。 |
明確にするため、表に記載されているテンプレートの大半で見られるData Quality Settingパラメータは、1つの二重引用符(")と2つの一重引用符(')で始まり、1つの一重引用符と1つの二重引用符で終わります。
| 名前 | 短縮名 | パラメータ |
|---|---|---|
| Batch account cleanse | BatAccClean | Buscomp Name = Account
Business Object Name = Account Operation Type = Data Cleansing |
| Batch account match | BatAccMatch | Buscomp Name = Account
Business Object Name = Account Data Quality Setting = "'','Yes','dedupe'" Operation Type = DeDuplication |
| Batch account health check | BatAccHealth | Buscomp Name = Account
Business Object Name = Account Data Quality Setting = "'','Yes','healthcheck'" Operation Type = DeDuplication |
| Batch account key analysis | BatAccKeyAnalysis | Buscomp Name = Account
Business Object Name = Account Data Quality Setting = "'','Yes','keyanalysis'" Operation Type = DeDuplication |
| Batch address cleanse | BatAddClean | Buscomp Name = CUT Address
Business Object Name = CUT Address Operation Type = Data Cleansing |
| Batch contact cleanse | BatConClean | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Operation Type = Data Cleansing |
| Batch contact match | BatConMatch | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Data Quality Setting = "'','Yes','dedupe'" Operation Type = DeDuplication |
| Batch contact health check | BatConHealth | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Data Quality Setting = "'','Yes','healthcheck'" Operation Type = DeDuplication |
| Batch contact key analysis | BatConKeyAnalysis | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Data Quality Setting = "'','Yes','keyanalysis'" Operation Type = DeDuplication |
| Batch prospect cleanse | BatProClean | Buscomp Name = List Mgmt Prospective Contact
Business Object Name = List Mgmt Prospective Contact Operation Type = Data Cleansing |
| Batch prospect match | BatProMatch | Buscomp Name = List Mgmt Prospective Contact
Business Object Name =List Mgmt Prospective Contact Data Quality Setting = "'','Yes','dedupe'" Operation Type = DeDuplication |
| Batch prospect key analysis | BatProKeyAnalysis | Buscomp Name = List Mgmt Prospective Contact
Business Object Name =List Mgmt Prospective Contact Data Quality Setting = "'','Yes','keyanalysis'" Operation Type = DeDuplication |
| アカウント・キーの生成 | GenAccKey | Buscomp Name = Account
Business Object Name = Account Operation Type = Key Generate |
| 連絡先キーの生成 | GenConKey | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Operation Type = Key Generate |
| 潜在顧客キーの生成 | GenProKey | Buscomp Name = List Mgmt Prospective Contact
Business Object Name = List Mgmt Prospective Contact Operation Type = Key Generate |
| Incremental account match | IncAccMatch | Buscomp Name = Account B
usiness Object Name = Account Data Quality Setting = "'','No','dedupe'" Operation Type = DeDuplication Object Where句 = [Updated] > '12/18/2007 00:00:00' 注意: 前述のオブジェクトのWhere句は単なる一例です。 |
| Incremental account health check | IncAccHealth | Buscomp Name = Account
Business Object Name = Account Data Quality Setting = "'','No','healthcheck'" Operation Type = DeDuplication Object Where句 = [Updated] > '12/18/2007 00:00:00' |
| Incremental contact match | IncConMatch | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Data Quality Setting = "'','No','dedupe'" Operation Type = DeDuplication Object Where句 = [Updated] > '12/18/2007 00:00:00' 注意: 前述のオブジェクトのWhere句は単なる一例です。 |
| Incremental contact health check | IncConHealth | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Data Quality Setting = "'','No','healthcheck'" Operation Type = DeDuplication Object Where句 = [Updated] > '12/18/2007 00:00:00' |
| Incremental prospect match | IncProMatch | Buscomp Name = List Mgmt Prospective Contact
Business Object Name = List Mgmt Prospective Contact Data Quality Setting = "'','No','dedupe'" Operation Type = DeDuplication Object Where句 = [Updated] > '12/18/2007 00:00:00' 注意: 前述のオブジェクトのWhere句は単なる一例です。 |
| Refresh account keys | RefAccKey | Buscomp Name = Account
Business Object Name = Account Operation Type = Key Refresh |
| Refresh contact keys | RefConKey | Buscomp Name = Contact
Business Object Name = Contact Operation Type = Key Refresh |
| Refresh prospect keys | RefProKey | Buscomp Name = List Mgmt Prospective Contact
Business Object Name = List Mgmt Prospective Contact Operation Type = Key Refresh |
|
注意: これらのビジネス・コンポーネントフィールドは、Idを除いて、すべてドロップダウン・フィールドです。このフィールドは手動で入力する必要があります。 |
UID、EIDおよびIEIDは、オプションのEDQのマップされたフィールドで、ユーザーが必要とする場合はSiebelビジネス・コンポーネント・フィールドにマップできます。
マップされたフィールドは次のとおりです。
UID - uid1、uid2、uid3
EID - eid1、eid2、eid3
IEID - ieid1、ieid2、ieid3
マップされたフィールドは次の操作に適用されます。
アカウント - 重複除外
連絡先 - 重複除外
リスト管理潜在顧客の連絡先 - 重複除外
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Id | entityid |
| Language Code | languages |
| 名前 | name |
| Location | subname |
| Main Phone Number | phone |
| Tax ID Number | taxnumber |
| Home Page | website |
| VAT registration number | vatnumber |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Id | entityid |
| Language Code | languages |
| 名前 | name |
| Location | subname |
| Main Phone Number | phone |
| Tax ID Number | taxnumber |
| VAT registration number | vatnumber |
| Home Page | website |
次のフィールドは、複数の子エンティティが無効化されている場合のみ、使用されます。
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Primary Account Street Address | address1 |
| Primary Account Address Street Address2 | address2 |
| Primary Account Address Street Address3 | address3 |
| Primary Account City | city |
| Primary Account State | adminarea |
| Primary Account Postal Code | postalcode |
| Primary Account Country | country |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Street Address | address1 |
| Street Address 2 | address2 |
| City | city |
| State | adminarea |
| Postal Code | postalcode |
| Country | country |
|
注意: このビジネス・コンポーネントは、複数の子エンティティが有効化されている場合のみ、使用されます。 |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Street Address | address1 |
| Street Address 2 | address2 |
| City | city |
| State | adminarea |
| Postal Code | postalcode |
| Country | country |
|
注意: このビジネス・コンポーネントは、複数の子エンティティが有効化されている場合のみ、使用されます。 |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Street Address | address1 |
| Street Address 2 | address2 |
| City | city |
| State | adminarea |
| Postal Code | postalcode |
| Country | country |
|
注意: このビジネス・コンポーネントは、複数の子エンティティが有効化されている場合のみ、使用されます。 |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Street Address | address1 |
| Street Address 2 | address2 |
| City | city |
| State | adminarea |
| Postal Code | postalcode |
| Country | country |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Id | individualid |
| M/M | title |
| M/F | gender |
| First Name | firstname |
| Middle Name | middlename |
| Last Name | lastname |
| Home Phone # | homephone |
| Work Phone # | workphone |
| Fax Phone # | faxphone |
| Cellular Phone # | mobilephone |
| Email Address | email |
| Job Title | jobtitle |
| Social Security Number | taxnumber |
| Birth Date | dob |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Id | individualid |
| M/M | title |
| M/F | gender |
| First Name | firstname |
| Middle Name | middlename |
| Last Name | lastname |
| Home Phone # | homephone |
| Work Phone # | workphone |
| Fax Phone # | faxphone |
| Cellular Phone # | mobilephone |
| Email Address | email |
| Job Title | jobtitle |
| Social Security Number | taxnumber |
| Birth Date | dob |
| Primary Account Name | accountname |
次のフィールドは、複数の子エンティティが無効化されている場合のみ、使用されます。
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Primary Street Address | address1 |
| Primary Address Street Address2 | address2 |
| Primary Address Street Address3 | address3 |
| Primary City | city |
| Primary State | adminarea |
| Primary Postal Code | postalcode |
| Primary Country | country |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Id | individualid |
| M/M | title |
| M/F | gender |
| First Name | firstname |
| Middle Name | middlename |
| Last Name | lastname |
| Home Phone # | homephone |
| Work Phone # | workphone |
| Fax Phone # | faxphone |
| Cellular Phone # | mobilephone |
| Email Address | email |
| Job Title | jobtitle |
| Social Security Number | taxnumber |
| Birth Date | dob |
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Id | individualid |
| M/M | title |
| M/F | gender |
| First Name | firstname |
| Middle Name | middlename |
| Last Name | lastname |
| Home Phone # | homephone |
| Work Phone # | workphone |
| Fax Phone # | faxphone |
| Cellular Phone # | mobilephone |
| Email Address | email |
| Job Title | jobtitle |
| アカウント | accountname |
| Social Security Number | taxnumber |
| Birth Date | dob |
次のフィールドは、複数の子エンティティが無効化されている場合のみ、使用されます。
| ビジネス・コンポーネント・フィールド | マップされたフィールド |
|---|---|
| Street Address | address1 |
| Street Address 2 | address2 |
| City | city |
| State | adminarea |
| Postal Code | postalcode |
| Country | country |
ベンダー・パラメータは次のとおりです。
| 名前 | 値 |
|---|---|
| Key Generation Process by Third Party | キー生成にEDQ Webサービスを使用する場合はYes。Siebelトークン式を使用する場合はNo。
注意:外部キー生成がインストールされたバージョンのSiebel (バージョン8.1.1.10以降)でサポートされている場合は、このパラメータを「Yes」に設定してください。パラメータが |
| Support Multiple Child Entities Deduplication | 複数の子エンティティを使用して照合する場合はYes。そうでない場合はNo。
注意: このパラメータが |
| Account DataCleanse Record Type | accountclean |
| Account DeDup Record Type | accountmatch |
| CUT Address DataCleanse Record Type | addressclean |
| CUT Address DeDup Record Type | addressmatch
注意: 複数の子エンティティが有効化されている場合のみ使用されます。 |
| Personal Address DataCleanse Record Type | addressclean |
| Personal Address DeDup Record Type | addressmatch
注意: 複数の子エンティティが有効化されている場合のみ使用されます。 |
| Contact DataCleanse Record Type | contactclean |
| Contact DeDup Record Type | contactmatch |
| List Mgmt Prospective Contact DataCleanse Record Type | prospectclean |
| List Mgmt Prospective Contact DeDup Record Type | prospectmatch |
| Batch Max Num Of Records | 200 |
| Parameter 1 | "session", "clusterlevel", "2"
注意: それぞれのコンマの後ろにスペースが必要です。 |
| Parameter 2 | "session", "matchthreshold", "70"
注意: それぞれのコンマの後ろにスペースが必要です。 |
| Parameter 3 | "session", "uselegacykeygen", "N"
注意: それぞれのコンマの後ろにスペースが必要です。 |
| Parameter 4 | "session", "keyprofileind", "Typical"
注意: それぞれのコンマの後ろにスペースが必要です。 |
| Parameter 5 | "session", "keyprofileent", "Typical"
注意: それぞれのコンマの後ろにスペースが必要です。 |
EDQキー生成サービスを呼び出すのではなく、Siebelによってキーが生成される場合のみ、これらのパラメータを構成してください。これは、8.1.1.10よりも前のバージョンのSiebelに適用されます。
インストールされたバージョンのSiebelがキー生成のEDQサービスの使用をサポートしている場合、これらのサービスを使用して、パフォーマンスと照合の有効性の適切なバランスを確保する必要があります。
|
注意: これらのクエリおよびトークンのパラメータの値は一例として提供されます。これらは、個人の住所データが適正に入力され、第1アドレスに郵便番号が入力され、個人の大半がアカウントに割り当てられていることを前提としています。使用可能なデータがそうでない場合は、最も頻繁に移入される識別データ・フィールドを使用するようにこれらのパラメータを構成する必要があります。詳細は、Oracle Siebel Data Quality管理ガイドを参照してください。 |
| 名前 | 値 |
|---|---|
| Account Query Expression | "IfNull (Left ([Primary Account Postal Code], 5), '?????')+ IfNull (Left ([Name], 1), '?')+ IfNull (Mid([Street Address], FindNoneOf ([Street Address], '1234567890 '), 1), '?')" |
| Account Token Expression | "IfNull (Left ([Primary Account Postal Code], 5), '_____') + IfNull (Left ([Name], 1), '_') + IfNull (Mid([Street Address], FindNoneOf ([Street Address], '1234567890 '), 1), '_')" |
| Contact Query Expression | "IfNull (Left ([Postal Code], 5), '?????')+ IfNull(Left ([Account], 1), '?')+ IfNull (Left ([Last Name], 1), '?')" |
| Contact Token Expression | "IfNull (Left ([Postal Code], 5), '_____') + IfNull(Left ([Account], 1), '_') + IfNull (Left ([Last Name], 1), '_')" |
| List Mgmt Prospective Contact Query Expression | "IfNull (Left ([Postal Code], 5), '?????')+ IfNull(Left ([Account], 1), '?')+ IfNull (Left ([Last Name], 1), '?')" |
| List Mgmt Prospective Contact Token Expression | "IfNull (Left ([Postal Code], 5), '_____') + IfNull(Left ([Account], 1), '_') + IfNull (Left ([Last Name], 1), '_')" |
|
注意: 前述の問合せ式、トークン式およびパラメータ名の値は、大文字と小文字を区別します。また、アカウント・トークン式および連絡先トークン式の設定の'_____'は、連続する5文字のアンダースコアを表しています。 |