Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.2) E82764-01 |
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この項のトピックは、第1.2項「レポート」で説明した基本的な概念に基づいています。
ペーパー・レイアウト・ビューのマージンに、ボイラープレート・テキスト・オブジェクトを手動で作成します。
レポート・ウィザードの「スタイル」ページで「タイトル」フィールドに入力します。
レポート・ウィザードを使用してタイトルを追加し、レポート出力のテンプレートを選択していない場合は、Oracle Reports Builderによって定義されたデフォルトの属性を適用したタイトルがレポートのマージンに挿入されます。これらの属性は、ペーパー・レイアウト・ビューで変更できます。
レポート・ウィザードを使用してタイトルを追加し、レポート出力に使用する事前定義済テンプレートまたはユーザー定義テンプレート・ファイルを選択した場合は、選択したテンプレートに定義されているB_OR$REPORT_TITLEという名前のボイラープレート・テキスト・オブジェクトがReports Builderによって検索されます。
B_OR$REPORT_TITLE
がある場合は、レポート・ウィザードで入力したタイトルのテキストが、このオブジェクトの属性を使用して表示されます。
B_OR$REPORT_TITLE
が見つからない場合、タイトルは、選択したテンプレートの「デフォルト」プロパティ(プロパティ・インスペクタの「タイトル」ノードの下)に定義されている属性を使用して表示されます。
注意: レポート・ウィザードでタイトルを指定しない場合、B_OR$REPORT_TITLE オブジェクトはレポートにコピーされません。 |
レポート・ブロック・ウィザードを使用して作成したレイアウトでは、タイトルはレポートのマージンに挿入されずに、グループ・タイトルとして新しいレイアウトに挿入されます。この場合、選択したテンプレートの「デフォルト」プロパティ(プロパティ・インスペクタの「タイトル」ノードの下)に従って属性が設定され、B_OR$REPORT_TITLE
は無視されます。テンプレートを選択しない場合は、Oracle Reports Builderに定義されているデフォルト属性がタイトルに使用されます。
関連項目
レポートをセクション化すると、同じレポート内に対象読者、出力書式、ページ・レイアウト、ページ・サイズまたは方向が異なる複数のレイアウトを定義できます。レポートにはセクションを3つまで定義でき、セクションごとにボディとマージンの領域を設定できます。各セクションには、ヘッダー、メインおよびトレーラという名前が付いています。デフォルトでは、レポートはメイン・セクションに定義されます。その他のセクションでは、複数のレポートを個別に作成せずに異なるレイアウトを定義できます。ヘッダー・セクションとトレーラ・セクションのマージンとボディを使用して、レポートにヘッダー・ページとトレーラ・ページを作成することもできます。
オブジェクト・ナビゲータでは、レポートの各セクションは「ペーパー・レイアウト」ノードの下に、「ヘッダー・セクション」、「メイン・セクション」および「トレーラ・セクション」として表示されます。
レポートの3つのセクション(ヘッダー、メイン、トレーラ)のフォーマット順序は、SRW.SET_FORMAT_ORDER
または「セクションのフォーマット順序」プロパティを使用して指定できます。この機能により、Oracle Reportsでは、任意のセクションを最初にフォーマットし、フォーマット時にのみ認識される情報(ページ番号など)を作成して、その情報を別のセクションのフォーマットに使用できます。たとえば、このプロパティを使用して目次を作成することもあります。この目的でのSRW.SET_FORMAT_ORDER
の使用例は、第35章「単純な目次と索引を使用したペーパー・レポートの作成」および第36章「複数階層の目次を使用したペーパー・レポートの作成」を参照してください。
セクションレベルの配布の使用例は、第37章「レポートの一括処理と配布」を参照してください。この章では、「繰返し」プロパティおよびサンプルの配布XMLファイルを使用して、1つのセクションに複数の配布先を定義する方法について説明します。高度なセクション・レベルの配布と、独自の配布XMLファイル作成の詳細は、『Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「拡張配布の作成」の章を参照してください。
例
例1
セクション分割と配布を使用することで、レポート出力をHTMLで公開したり、Postscriptバージョンでプリンタに送信したりできます。
例2
レポートのエグゼクティブ・サマリーを上級管理者に送信し、詳細な分析情報を各マネージャに電子メールで送信できます。この例では、1つのレポートに2つのレポート・セクション(縦方向のサマリー・セクションと横方向の詳細セクション)を作成します。「繰返し」プロパティを使用して、マネージャをリストするデータ・モデル・グループに詳細セクションを関連付け、データ・モデル・グループの各インスタンスの宛先を変更すると、出力が各マネージャに送信されます。
関連項目
レポートの定義には、インチ、センチメートルまたはポイントを使用できます。サイズの単位は、レポートを作成するデバイスに依存しません。つまり、Reports Builderを実行する任意のプラットフォームで動作するレポートを設計できます。レポートのサイズの単位は、次の方法で変更できます。
「サイズの単位」プロパティを設定します。
rwconverterを使用してレポートを変換します。DUNITキーワードで異なるサイズの単位を指定します。
異なる環境でレポートを開きます。たとえば、キャラクタ・モードのレポートを開くと、Reports Builderでは、レポートのサイズの単位がビットマップ環境のデフォルトに変更されます。レポートを保存する場合、新しいサイズの単位でレポートが保存されます。
レポート・ページには、長さと幅を任意に設定できます。プリンタ・ページがペーパー・レポートのページよりも小さいまたは大きい可能性があるため、物理ページと論理ページという概念が使用されます。物理ページのサイズは、プリンタで出力される1ページ分です。論理ページとはレポートの1ページのサイズで、1つの論理ページは複数の物理ページから構成されることがあります。
レポートの各セクション(ヘッダー、メイン、トレーラ)で、次のように指定します。
物理ページ(プリンタ・ページ)から構成される論理ページ(レポート・ページ)のディメンションを、「ページ当たりの水平パネル」プロパティ(幅)と「ページ当たりの垂直パネル」プロパティ(高さ)を使用して指定します。たとえば、「ページ当たりの水平パネル」のサイズを1にすると各論理ページの幅が物理ページの幅になり、「ページ当たりの垂直パネル」のサイズを2にすると、各論理ページの高さは2つの物理ページ分になります。
この例では、1つの論理ページが6つの物理ページから構成されています。この論理ページには、横方向に3つの物理ページが、高さ方向に2つの物理ページがあります。したがって、「ページ当たりの水平パネル」のサイズは3に、「ページ当たりの垂直パネル」のサイズは2になります。論理ページの横方向に2つの物理ページ、高さ方向に3つの物理ページを構成する場合は、「ページ当たりの水平パネル」のサイズに2を、「ページ当たりの垂直パネル」のサイズに3を指定します。
フォントの構成ファイル、フォントの別名の作成、フォントに関するトラブルシューティング、フォント・タイプなど、Oracle Reportsでのフォントの使用方法および追加方法の詳細は、『Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「Oracle Reportsにおけるフォントの管理」の章を参照してください。
「条件付き書式」ダイアログ・ボックスおよび「書式の例外」ダイアログ・ボックスを使用すると、既存の条件に基づいて選択されるレイアウト・オブジェクトに対して、出力書式属性(フォント、カラーなど)を指定できます。定義する条件を、書式の例外と呼びます。
「条件付き書式」ダイアログ・ボックスは、次のいずれかの方法で、ペーパー・レイアウト・ビューまたはペーパー・デザイン・ビューから表示できます。
オブジェクトをダブルクリックして、プロパティ・インスペクタを表示します。「標準レイアウト」ノードで、「条件付き書式」の値フィールド(「...」とラベル付けされています)をクリックします。
オブジェクトのショートカット・メニューを表示します(Windowsでは右クリックします)。
オブジェクトをクリックし、「書式」→「条件付き書式」を選択します。
「書式の例外」ダイアログ・ボックスは、「条件付き書式」ダイアログ・ボックスで「新規」または「編集」をクリックすると表示され、定義済の条件に基づいて選択されるレイアウト・オブジェクトに対して、出力書式属性を迅速かつ簡単に指定できます。「書式の例外」ダイアログ・ボックスで現行のレイアウト・オブジェクトに条件と書式を指定したら、その定義のすべてがPL/SQLフォーマット・トリガーにエクスポートされます。レイアウト・オブジェクトにフォーマット・トリガーがすでにある場合は、Oracle Reports Builderのプロンプトで確認してから、「書式の例外」ダイアログ・ボックスの定義で既存のトリガー・コードが上書きされます。
フォーマット・トリガーはPL/SQLエディタで手動編集できますが、その後に「書式の例外」ダイアログ・ボックスを使用して変更する場合は、Oracle Reports Builderによって、既存のフォーマット・トリガーに上書きするかどうかを確認するプロンプトが表示されます。
関連項目
ネストしたマトリックス・レポートとは、マトリックス・グリッド内に少なくとも1つの親子関係が表示されるマトリックス・レポートのことです。
ネストされたマトリックス・レポートには3つ以上のディメンションがあるため、複数のディメンションがページの水平方向または垂直方向に配置されます。たとえば、次を参照してください。年度ごとに関連部門のネストされたリストがあります。また、職種のリストは(水平方向の値として)一度だけ表示されます。職種の値の表示が一度のみであるため、職種の各カテゴリのサマリーがサマリー結果の値で1行に表示できます。
注意: ネストしたマトリックス・レポートで、子マトリックス問合せのあるマトリックス問合せを作成した場合、結合するフィールドはマスター・マトリックスの別のグループに分ける必要があります。それ以外の場合は、プラットフォームによっては最初のグループのみ印刷されます。 |
詳細な例は、第26章「ネストしたマトリックス・レポートの作成」を参照してください。
関連項目
グループ別マトリックス・レポートとは、マスター・グループの値ごとに異なるマトリックスを持つグループ上レポートのことです。たとえば、次のレポートの各年(マスター)には、その年の部門と職種のみを含む一意のマトリックスがあります。つまり、マトリックス内の各職種カテゴリの位置が各年で異なる場合があるため、各職種カテゴリのサマリーはサマリー結果の値で1行に表示できません。
複数の問合せを使用したグループ別マトリックス・レポートは、3つ以上のディメンションを持つという点で、ネストしたマトリックス・レポートに似ています。たとえば、次のレポートでは、年ごとに、関連部門の一覧がネストして表示されます。
複数の問合せを使用する利点は、ネストしているグループに対して、実際のブレークまたはマスター/ディテール・リレーションシップを取得できることです(たとえば、前述の複数の問合せ例では、80年にはレコード20のみが表示されています。1つの問合せでは、80年に該当するデータがあるかどうかにかかわらず、すべてのレコードが80年に対して表示されます)。特定のマスター・レコードに対するデータがないディテール・レコードを抑制する場合は、複数の問合せを使用する必要があります。
詳細な例は、第27章「グループ上マトリックス・レポートの作成」を参照してください。
関連項目