Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.2) E82764-01 |
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この章では、ネストしたマトリックス・レポートについて学習します。この章の手順に従うと、図26-1に示すレポート出力を生成できます。
概要
単純なマトリックスには通常の2つのディメンション(縦と横)がありますが、ネストしたマトリックス・レポートは、3つ以上のディメンションを持つマトリックス・レポートです。
任意の数の問合せを使用して、ネストしたマトリックス・レポートを作成できます。第26.2項「単一問合せマトリックスの作成」では、1つの問合せを使用してネストしたマトリックス・レポートのサンプルを作成します。第26.3項「複数問合せマトリックスの作成」では、複数の問合せを使用します。第26.4項「ブレークを含む複数問合せマトリックスの作成」では、1つのディメンションの中に別のディメンションをネストするグループ階層を使用するだけではなく、明示的に新しいグループを作成し、それをクロス積の中で別のグループの上に配置して、関連するグループ間に直接、親子関係も作成します。この場合、表示されるレコードは、データが存在するレコードにのみ制限されます。
注意:
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このサンプル・レポートでは、クロス積に3つの列を含めて作成した3つのディメンションのマトリックスを使用します。クロス積では、3つのディメンション(YEAR、DEPTNOという縦方向のディメンションとJOBという横方向のディメンション)に対して可能なすべての値が表示されます。この方法では、データ・モデルにおけるクロス積グループの中にブレーク・グループがあるため、NULL値を持つ行は除外されます。前述で説明したとおり、この章では、クロス積グループの中にブレーク・グループがある場合とない場合のネストしたマトリックスの作成方法について説明し、その出力の違いを確認します。
2つの縦のディメンション(YEARとDEPTNO)が表示される順序は、それに対応するグループをクロス積の中で配置する順序に基づきます。つまり、この場合、YEARとDEPTNOではDEPTNOの左側にYEARを配置します。これによって、DEPTNOがYEARの中にネストされ、ある年度に関するデータが部門の中にあるかどうかには関係なく、DEPTNOのすべてのレコードがYEARの各値に表示されます。
概要に関する詳細は、第2.1.7項「ネストしたマトリックス・レポートについて」を参照してください。
使用例
この例では、年度と部門ごと、および職種ごとに給与をクロス集計するレポートを作成します。結果のマトリックスには、一番上に横方向の職種、左端に縦方向の年度と部門が表示され、セル内には給与の合計が含まれます。これにより、部門20に属す事務員の給与合計がすぐにわかり、これを別の部門の事務員の給与合計と比較できます。
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
クロス積グループ内へのブレークを含む複数問合せマトリックスの作成
ネストしたマトリックス・レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダnestedmatrix
を開き、Oracle Reportsのサンプルnested1.rdf
、nested2.rdf
またはnested3.rdf
のいずれかを開きます。これらのファイルへのアクセス方法の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。