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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
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2.4 システムの設定

Oracle Reports Servicesの設定方法は、システムの要件に応じて大きく異なる場合があります。Oracle Reports Servicesを設定する前に、要件に基づいていくつかの決定を行う必要があります。事前にそのような決定を行うと、設定プロセスは非常に簡単になります。

次の各項では、これらの決定事項について説明します。

2.4.1 使用されるリクエスト・タイプの選択

Oracle Reports Servicesは、Webベースと非Webベースの両方のジョブ・リクエストを受け入れるように構成できます。

Webベースの場合、WebブラウザでURLをクリックするか入力することでレポートを実行できます。URLに従って、レポート出力はブラウザに返されるか、プリンタなど指定された宛先に送信されます。ユーザーがブラウザからレポートを起動できるようにするには、Oracle Reports Servlet (rwservlet)またはJSPをWebサーバーで使用します。これらのコンポーネントのうちのいずれかとOracle Reports Servicesが通信し、Webクライアントからのレポート・リクエストの処理を可能にするには、そのコンポーネントがWebサーバー上に配置されている必要があります。


注意:

詳細は、第2.4.2項「Oracle Reports Servlet、JSPまたはWebサービスの選択」を参照してください。

非Webベースの場合、各ユーザー・マシンにインストールされているrwclientコンポーネントを使用して、ジョブ・リクエストを送信できます。

構成の観点から見た、Webリクエストと非Webリクエストの有効化の重要な相違点は、次のとおりです。

  • Webリクエストを有効にする場合、サーバー側でOracle Reports Servlet (rwservlet)またはJSPを選択する必要がありますが、標準Webブラウザ以外にクライアント・ソフトウェアをインストールする必要はありません。

  • 非Webリクエストを有効にする場合は、リクエストの実行に使用するクライアント・ソフトウェアを各マシンにインストールする必要があります。このため、各クライアント・マシンでクライアント・ソフトウェアを管理する必要があります。

    クライアント・ソフトウェアは次のものになる場合があります。

    • Oracle Developer Suiteのインストール: これを使用してrwclientまたはrwrunからレポート・リクエストを送信できます。

    • Oracle Reports Java EE Thin Clientなどのユーティリティ: OTN (Oracle Technology Network)で入手できます。このユーティリティは、OTNのディスカッション・フォーラムを通じてのみサポートされることに注意してください。

Webベースにすると、クライアントのメンテナンス・コストが削減されるため、最も費用効果が高くなります。ただし、非Webリクエストの実行が必要な場合もあります。Oracle Reports Servicesは、単一の実行環境でWebリクエストと非Webリクエストの両方の実装をサポートします。

2.4.2 Oracle Reports Servlet、JSPまたはWebサービスの選択

Oracle Reports ServicesをWeb環境で使用するには、Oracle Reports Servlet (rwservlet)、Reports WebサービスまたはReports JSPを使用する必要があります。

Oracle Reports Servlet (rwservlet)とReports JSPのどちらを選択するかについては、さらに検討する必要があります。JSPのみを実装すると、Web配信に適したレイアウト(Oracle Reports Web Layout)を公開できます。Oracle Reports Servlet (rwservlet)により、ペーパー・レイアウトをレポート公開ソリューションに組み込むことができ、Oracle Reports Servicesの配布機能を最大限に活用できます。

JSPファイルにはWebレイアウトとペーパー・レイアウトの両方を含めることができるため、Oracle Reports Servlet (rwservlet)を使用する場合でもJSPファイルを使用できます。JSPに格納されているレポートを実行するときは、サーブレットをURLで指定し、JSPをコマンドライン・オプションreport=myreport.jspでコールします。この場合、レポート出力はペーパー・レイアウトに基づいて作成されます。

レポート実行の詳細は、第18章「レポート・リクエストの実行」を参照してください。

2.4.3 シングルマシン構成とマルチマシン構成の選択

Oracle Reports Servicesは、Webサーバーと同じマシン上に配置できますし、異なるマシン上にも配置できます。どちらも長所と短所があります。

たとえば、Oracle Reports ServicesとWebサーバーを同じマシンに配置すると、マシンのメモリーとディスク領域の使用量が増加しますが、ネットワーク通信量は減少します。これは、Webサーバーとアプリケーション・サーバー間でやり取りするリクエストがネットワークを経由せず、受信リクエストのみがネットワークを経由するためです。

インプロセスReports Serverを使用している場合(Oracle Reports Servlet (rwservlet)を実装している場合のみ使用可能)、シングル・マシンのパフォーマンス上の利点がさらに高まる場合があります。インプロセスReports Serverにより、Oracle Reports Servicesのコンポーネント間の通信が高速になり効率化されるので、処理時間が短縮します。Oracle Reports Servlet (rwservlet)を使用せずにレポートを配布する場合を除き、インプロセスReports Serverを使用することをお薦めします。

一方、シングルマシン構成を使用している場合に、そのマシンに障害が発生すると、すべてが失敗します。

Webサーバーとアプリケーション・サーバーが別々のマシンに置かれている場合、ネットワークの通信量が増大しますが、CPU、ディスク領域、利用可能なメモリーなど、システム・リソースが増えるという利点もあります。マルチマシン構成の場合も、インプロセスReports Serverがあると、Oracle Reports Servicesのコンポーネント間の通信が高速になるので、パフォーマンスが向上します。

また、Webサーバーとアプリケーション・サーバーをそれぞれ複数のマシンに置くという方法もあります。この方法には追加構成が必要ですが、Webサーバーのロード・バランシングが可能になります。

環境切替え機能を使用すると、言語などの環境設定が異なる複数のReports Engineを同じReports Serverで起動できます。詳細は、第7.2.2項「動的な環境切替え」を参照してください。