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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
12c (12.2.1.2)
E82763-01
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7.2 Reports Server構成ファイル

Oracle Reports ServicesのReports Serverコンポーネントの構成設定は、表7-1で指定されているディレクトリにあるrwserver.confおよびrwbuilder.confのXMLファイルに格納されます。

これらのファイルはどちらも、WindowsおよびUNIXにおいてデフォルトのサーバー構成値を含むrwserver.templateファイル(ORACLE_HOME\reports\conf内)によってサポートされています。

rwserver.confファイルは、デフォルトのサーバー構成ファイルです。rwbuilder.confファイルにより、Oracle Reports Builderによってインプロセスで使用されるサーバー・インスタンスを構成します。

rwserver.confファイルおよびrwbuilder.confファイルの内容は、ほぼ同じです。唯一の違いは、rwbuilder.confpersistFilesecurityの構成要素(この項で後述)を使用しないことです。

これらのファイルは、次の条件で自動的に作成されます。

この項では、次の項目について説明します。

7.2.1 Reports Serverの構成要素

rwserver.confrwbuilder.confの要素と属性を構成するために、rwserverconf.xsdファイルには次のデータ型の定義が格納されています。

これらの要素は、関連する属性およびサブ要素とともに、次の各項で説明します。

これらはXML要素です。XMLは大文字と小文字を区別することに注意してください。また、これらの要素のいずれかをrwserver.confまたはrwbuilder.confの構成ファイルに追加する場合、rwserverconf.xsdに記述されている要素の順序に従う必要があります。

7.2.1.1 ORBPorts

ORBPorts要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="ORBPorts">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="value" use="required" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

ORBPorts要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

ポート範囲を指定する場合:

<ORBPorts value="17000-17010"/>

特定のポートを指定する場合:

<ORBPorts value="17000,17010,17020,17030,17040"/>

必須/オプション

オプションです。デフォルトの場合、CORBAオブジェクトは、通信に使用可能な任意のポートを使用します。Reports ServerではCORBA通信が使用されるため、使用可能な空きポートが通信に使用されます。任意のポートではなく事前定義済のポートをReports Serverで使用する必要がある場合、サーバー構成ファイルにORBPorts要素を含める必要があります。

説明

ORBPorts要素では、CORBA通信に使用するポートを、ポート範囲または特定のポートのどちらかで指定します。ORBPortsを指定すると、ORB内部通信用に指定されたリストから1つのポートが選択されます。Reports Serverと各エンジンのそれぞれに、1つのポートが必要です。


注意:

ORBPorts要素は、レポート関連のリクエストの実行に必要な固有のポートを、Reports Serverとエンジンに割り当てる目的で使用されます。これらのポートを、Oracle Enterprise Managerの「ポート」リンクから表示されるポートと混同しないでください。このリンクから表示されるポートは、Reports Server検出メカニズムとOracle Reports Bridgeコンポーネント用に予約されたポートです。

個々のエンジンに対して、ポート番号を指定することはできません。各エンジンは、リスト内の次のポート番号を取得します。engine要素のmaxengine属性がrwEngに対して5に設定されているときに、URLEngも有効化されている場合、ORBPorts要素にポートを7つ以上指定する必要があります(Reports Server用に1つ、rwEng用に5つ、rwURLEng用に1つ必要)。

ORBPorts要素の属性を、表7-2で説明します。

表7-2 ORBPorts要素の属性

属性 有効値 説明

value

ポート範囲

または

カンマ区切りの番号

Reports ServerとエンジンによるCORBA通信に使用可能なポート範囲



注意:

Reports Serverが実行されているサーバーでTCPポート・フィルタリングが有効化されている場合にのみ、ORBPorts要素を指定します。ポート・フィルタリングが有効化されている場合、Reports Server用のポートをいくつか開いてから、ORBPortsを使用して、Reports Serverとエンジンで通信を行うためのポートをサーバー構成ファイルに指定します。指定されたポートがすべて使用不可の場合、Reports Serverまたはエンジンは起動に失敗し、エラーが表示される場合があります。

7.2.1.2 pluginParam

pluginParam要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="pluginParam">
  <xs:complexType mixed="true">
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="name" use="required" type="xs:ID"/>
    <xs:attribute name="value" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="type" default="text">
      <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:NMTOKEN">
          <xs:enumeration value="text"/>
          <xs:enumeration value="file"/>
          <xs:enumeration value="url"/>
        </xs:restriction>
      </xs:simpleType>
    </xs:attribute>
  </xs:complexType>
</xs:element>

pluginParam要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<pluginParam name="mailServer" value="mail.oracle.com"> 
  <property name="enableSSL" value="yes"/>
  <property name="mailUserName" value="%MAILUSER%"/>
  <property name="mailPassword" value="%xyz%"/>
</pluginParam>

必須/オプション

オプションです。pluginParam要素は、必要な数だけ指定できます。

説明

pluginParam要素は、電子メール、JDBCプラガブル・データ・ソース(PDS)、テキストPDSなどの一部のビルトイン宛先で使用できるプラグインを指定する手段を提供します。これはビルトイン宛先のFTPおよびWebDAVでは使用されず、Faxなどのカスタムのプラガブル宛先では使用できません。今回のリリースでは、すべてのサーバーに独自にtextpds.conf、jdbcpds.confおよびxmlpds.confの各ファイルが配置されます。

ビルトイン宛先でサポートおよび必要とされるプラグインであれば、任意のプラグイン・パラメータを指定でき、また自由に命名できます。

pluginParam要素の属性を、表7-3で説明します。

表7-3 pluginParam要素の属性

属性 有効値 説明

name

メール・サーバー

文字列

プラグイン・パラメータの名前。

name="mailServer"と設定されている場合のenableSSLプロパティを指定する方法の詳細は、この表の後に記載されている「プロパティ」を参照してください。

value

文字列

指定されたプラグイン・パラメータの値。

type

text

file

url

デフォルト: text

指定されているプラグインのタイプ。

textの場合は、メール・サーバーの名前など、指定されているプラグイン・パラメータを識別できる文字列を指定します。textは、pluginParam要素の内容がテキストであることを示すので、getPluginParam()メソッドは要素に指定されている内容をそのまま返します。

fileの場合は、プラグイン・パラメータ・ファイルのディレクトリ・パスとファイル名を指定します。ディレクトリ・パスは、Reports Serverのホスト・マシン(WindowsまたはUNIX)の標準に従って指定します。fileは、pluginParam要素の内容がファイル名であることを示すので、getPluginParam()メソッドは指定されたファイルから読み込んだ内容を返します。

urlの場合は、FTPサイトへの完全なURLなど、プラグイン・パラメータで必要とする完全な絶対URLを指定します。urlは、pluginParam要素の内容がURLであることを示すので、getPluginParam()メソッドはそのURLから読み込んだ内容を返します。使用するURLとOracle Reports Servicesは、ファイアウォールの同じ側に位置する必要があります。

デフォルト・タイプ(text)を使用するときは、pluginParam文字列で指定する必要はありません。この項の最初に示した例では、プラグイン・パラメータ(メール・サーバー名)がデフォルト・タイプのtextであるので、typeの指定がありません。


プロパティ

オプションで、pluginParam要素に複数のpropertyサブ要素も入力できます。唯一の要件は、指定されたプラグイン・パラメータによって識別される名前と値のペアにすることです。例:

<pluginParam name="mailServer" value="%MAILSERVER%"> 
  <property name="enableSSL" value="yes"/> 
</pluginParam>

この例では、propertyサブ要素によってenableSSLプロパティが指定されています。このプロパティは、mailServerにのみ適用されます。指定されたmailServerがSSL対応である場合、平文による接続リクエストは拒否されます。このため、指定されたmailServerとの接続を確立して電子メールを送信するには、SSL Socketを使用する必要があります。デフォルトでは、enableSSLの値は以前のリリースとの互換性を確保するためにnoになります。

7.2.1.3 cache

cache要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="cache">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="class" default="oracle.reports.cache.RWCache"
type="xs:string"/> </xs:complexType> </xs:element>

cache要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<cache class="oracle.reports.cache.RWCache">
  <property name="cacheSize" value="50"/>
  <property name="cacheDir" value="D:\orawin\reports\server\cache"/>
</cache>

必須/オプション

オプションです。サーバー構成ファイルに1つのcache要素を指定できます。cache要素が指定されていない場合は、デフォルトが使用されます(oracle.reports.cache.RWCache)。

説明

cache要素により、サーバーのキャッシュ実装を定義するJavaクラスを指定します。デフォルトのcache Javaクラスを使用できますし、Oracle Reports ServicesのCache APIを使用して独自の実装を定義できます。


注意:

cache APIの詳細は、Oracle Technology Network (OTN)(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/overview/index.html)で提供されている『Oracle Reports Java API Reference』を参照してください。

cache要素の属性を、表7-4で説明します。

表7-4 cache要素の属性

属性 有効値 説明

class

「説明」欄を参照してください。

デフォルト: oracle.reports.cache.RWCache

oracle.reports.cache.Cacheインタフェースを実装する完全修飾されたJavaクラス


プロパティ

オプションで、cache要素に複数のpropertyサブ要素も入力できます。唯一の要件は、cacheに登録する実装クラスによって識別される名前と値のペアにすることです。たとえば、Oracle Reports Servicesで用意されているデフォルトcache Javaクラスを使用する場合、構成エントリは次のようになります。

<cache class="oracle.reports.cache.RWCache">
  <property name="cacheSize" value="50"/>
  <property name="cacheDir" value="D:\orawin\reports\server\cache"/>
</cache>

この例では、cacheSizeの単位はメガバイトで、キャッシュの位置を示すcacheDirはWindowsプラットフォーム向けに指定されています。UNIXでは、次のようなUNIX標準を使用します。

<property name="cacheDir" value="home/john/HRInstance/reports/server/cache"/>

デフォルトのcache Javaクラスは、次のプロパティも提供します。

  • maxCacheFileNumber。キャッシュで許可されるファイルの最大数。例:

    <property name="maxCacheFileNumber" value="250"/>
    

    最大キャッシュ・ファイル数

  • ignoreParametersは、Reports Serverがキャッシュ・キーを作成する際に無視したいレポート・パラメータをリストします。(Reports Serverは、キャッシュ・キーを使用して、受信したジョブ・リクエストがキャッシュ内の既存出力に一致するかどうかを判断します。)

    <property name="ignoreParameters" value="param1,param2"/>
    

7.2.1.4 cluster


注意:

Oracle Reports 10g リリース2 (10.1.2)では、Reports Serverクラスタリングは非推奨であり(詳細は『A Guide to Functional Changes Between Oracle Reports 6i and 11g』を参照)、cluster要素は無効でした。

高可用性を実現するOracle Fusion Middleware技法の詳細は、第2.5項「高可用性環境の設定」を参照してください。


7.2.1.5 connection

connection要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="connection">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="orbClient" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
 
    <xs:attribute name="idleTimeOut" default="15">
        <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="1"/> 
        </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
    
    <xs:attribute name="maxConnect" default="50">
        <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="1"/> 
        </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
    
  </xs:complexType>
</xs:element>

connection要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<connection idleTimeOut="20" maxConnect="50" >
  <orbClient id="RWClient" publicKeyFile="clientpub.key"/>
</connection>

必須/オプション

オプションです。サーバー構成ファイルでconnection要素を指定しない場合、デフォルト値が使用されます(表7-5を参照)。サーバー構成ファイルに1つのconnection要素を指定できます。

説明

connection要素は、サーバーとサーバーに接続されているクライアント間の接続ルールを定義します。

connection要素の属性を、表7-5で説明します。

表7-5 connection要素の属性

属性 有効値 説明

idleTimeOut

接続のアイドル・タイムアウト(分)

数値

デフォルト: 15

接続のアイドル状態が許可される時間(分)。

maxConnect

最大接続数

数値

デフォルト: 50

Reports Serverが同時にサービスを提供できるリクエストの最大数。リクエスト数がmaxConnect値を超えると、Java例外が返されます。


connection要素には、第7.2.1.17項「orbClient」で説明されているorbClientサブ要素も含まれます。

7.2.1.6 destination

destination要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="destination">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="class" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="destype" use="required" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

destination要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<destination destype="oraclePortal" class="oracle.reports.server.DesOraclePortal">
  <property name="portalUserid"
            value="portal_db_username/portal_password@portal_db_connection" 
            encrypted="no"/>
</destination>

必須/オプション

オプションです。destination要素をサーバー構成ファイルに入力しなかった場合は、用意されている宛先クラスが使用されます(プリンタ、電子メール、ファイル、キャッシュおよびOracle Portal。サーバーからポータルへのログインに使用されるユーザーIDとパスワードを指定するには、サーバー構成ファイルにエントリが必要なので、ポータルは例外)。任意の数のdestination要素をサーバー構成ファイルで設定できます。

説明

destination要素を使用して、サーバーとともに宛先タイプを登録できます。

次のデフォルトの宛先を登録する必要はありません。

  • キャッシュ

  • 電子メール

  • プリンタ

  • ファイル

  • FTP

  • WebDAV

次のデフォルトの宛先を登録できます

  • Oracle Portal: この宛先のエントリはデフォルトでサーバー構成ファイルに作成されますが、コメント・アウトされます。この宛先の使用を開始するには、destinationエントリのコメントを外し、適切なプロパティ値(portalUseridプロパティの値など)を指定する必要があります。

Oracle Reports Services Destinations APIで作成した新しい宛先タイプは登録する必要があります。


注意:

destination APIの詳細は、Oracle Technology Network (OTN)(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/overview/index.html)で提供されている『Oracle Reports Java API Reference』を参照してください。

宛先の構成の詳細は、第13章「Oracle Reports Servicesの宛先の構成」を参照してください。


destination要素の属性を、表7-6で説明します。

表7-6 destination要素の属性

属性 有効値 説明

class

文字列

Reports ServerのDestination Javaクラス(oracle.reports.server.Destination)のサブクラスである完全修飾されたJavaクラス。使用可能な値は、次のとおりです。

oracle.reports.server.DesMail

oracle.reports.server.DesFile

oracle.reports.server.DesPrinter

oracle.reports.server.DesOraclePortal

destype

文字列

宛先タイプを識別します。例:

destype="printer"


プロパティ

オプションで、destination要素に複数のpropertyサブ要素も入力できます。唯一の要件は、Reports ServerのDestination JavaクラスのサブクラスであるJavaクラスによって識別される名前と値のペアにすることです。例:

 <destination destype="oraclePortal" class="oracle.reports.server.DesOraclePortal">
     <property name="dbuser" value="$$PORTAL_DB_USERNAME$$"/>
     <property name="dbpassword" value="csf:$$CSF_ALIAS$$:$$PORTAL_DB_PASSWORD_KEY$$"/>
     <property name="dbconn" value="$$PORTAL_DB_TNSNAME$$"/>
   </destination>

この例では、propertyサブ要素によって接続情報が提供され、Reports ServerでOracle Portalにアクセスできるようになります。encrypted属性を指定することで、Reports Serverの次回起動時にportalUserid値が自動的に暗号化されます。


注意:

portalUseridデータベース接続文字列については、thin (scott/tiger@testhost.mydomain.com:1521:iasdb)とOracle Call Interface (scott/tiger@ordb)の両方のJDBCフォーマットがサポートされます。

destinationの実装で追加情報が必要な場合、その情報をpluginParam要素で指定します。

7.2.1.7 environment

environment要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="environment">
  <xs:complexType>
     <xs:sequence>
        <xs:element ref="envVariable" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
     </xs:sequence>
     <xs:attribute name="id" use="required" type="xs:ID"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

environment要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<environment id="JP">
  <envVariable name="NLS_LANG" value="Japanese_Japan.JA16SJIS"/>
  <envVariable name="NLS_CURRENCY" value="¥"/>
  <envVariable name="DISPLAY" value="MyServer.MyCompany.com:0.0"/>
</environment>

必須/オプション

オプションです。environment要素は、必要な数だけ指定できます。

説明

environment要素は、特定のランタイム環境を設定するために使用する特性(環境変数)を定義します。environment要素は、必要な数だけ指定できます(たとえば、サポートが必要な言語や地域ごとに1つずつ指定できます)。environment要素の中では、必要な数だけenvVariable要素を追加できます。

environment要素のIDを参照して、その要素の設定を呼び出します。environment要素のIDは、次のところから参照できます。

  • Reports Server構成ファイルのengine要素のdefaultEnvId属性。エンジンの起動時に、対応する環境設定をそのエンジンに適用します。詳細は、第7.2.1.9項「engine」を参照してください。

  • レポートのジョブ・リクエストのコマンドライン・キーワードENVID。特定のレポートのジョブ・リクエストについてのみ環境設定を有効にします。

environment要素の属性を、表7-7で説明します。

表7-7 environment要素の属性

属性 有効値 説明

id

デフォルト環境ID

文字列

環境の名前


environment要素には、第7.2.1.8項「envVariable」で説明されているenvVariableサブ要素が1つ以上含まれます。

7.2.1.8 envVariable

envVariable要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="envVariable">
  <xs:complexType>
     <xs:attribute name="name" use="required" type="xs:string"/>
     <xs:attribute name="value" use="optional" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

envVariable要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<envVariable name="NLS_LANG" value="Japanese_Japan.JA16SJIS"/>
<envVariable name="NLS_CURRENCY" value="¥"/>
<envVariable name="DISPLAY" value="MyServer.MyCompany.com:0.0"/>

必須/オプション

オプションです。

説明

envVariableは、名前と値のペアで指定します。これらのサブ要素には標準の環境変数またはユーザー定義の環境変数を設定できます。

envVariableは、environment要素のサブ要素です。

envVariable要素の属性を、表7-8で説明します。

表7-8 envVariable要素の属性

属性 有効値 説明

name

追加

文字列

使用する環境の名前(NLS_LANGなど)

value

追加

文字列

name属性で識別される環境変数に割り当てる値(Japanese_Japan.JA16SJISなど)


7.2.1.9 engine

engine要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="engine">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
 
    <xs:attribute name="id" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="class" use="required" type="xs:string"/>
        
    <xs:attribute name="maxEngine"  use="required">
        <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="1"/> 
        </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
    
    <xs:attribute name="minEngine" use="required">
        <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="0"/> 
        </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute>
    
    <xs:attribute name="engLife"  use="required">
    <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
        <xs:minInclusive value="1"/> 
        </xs:restriction>
       </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
    
    <xs:attribute name="maxIdle" default="30">
        <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="1"/> 
        </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
    
    <xs:attribute name="callbackTimeOut"  default="90000">
        <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="60000"/> 
        </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
    
    <xs:attribute name="engineResponseTimeOut">
        <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="1"/> 
        </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
        
    <xs:attribute name="initEngine" type="xs:integer"/>
    <xs:attribute name="jvmOptions" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="classPath" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="defaultEnvId" type="xs:string"/>
  
  </xs:complexType>
</xs:element>

engine要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<engine id="rwEng" class="oracle.reports.engine.EngineImpl" initEngine="1"
    maxEngine="5" minEngine="1" engLife="50" maxIdle="15" callbackTimeOut="90000">
  <property name="sourceDir" value="D:\orawin\reports\myReport"/>
  <property name="tempDir" value="D:\orawin\reports\myTemp"/>
</engine>

必須/オプション

必須です。構成ファイルに1つ以上のengine要素を指定する必要があります。

説明

engine要素は、完全修飾されたJavaクラスを識別します。このJavaクラスは、エンジンを起動し、エンジンの動作制御を設定する多数の属性を提供します。Oracle Reports Servicesで用意されているデフォルト・エンジンを使用できますし、Oracle Reports ServicesのEngine APIを使用して独自の実装を定義できます。カスタム・エンジンの例としては、データベース・イベントの発生時に特定のオペレーティング・システム・コマンドを実行するエンジンなどを開発できます。


注意:

engine APIの詳細は、Oracle Technology Network (OTN)(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/overview/index.html)で提供されている『Oracle Reports Java API Reference』を参照してください。

engine要素の属性を、表7-9で説明します。

表7-9 engine要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

特定のengine要素を識別する、構成XMLファイル内で一意のキーワード。テキスト文字列または数字のどちらでも使用できます。例:

id="rwEng"

class

文字列

デフォルト: oracle.reports.engine.EngineImpl

oracle.reports.engine.Engineおよびoracle.reports.engine.EngineInterfaceの2つのインタフェースを実装する完全修飾されたJavaクラス。

maxEngine

最大エンジン数

数値

デフォルト: 1

サーバーで実行できるこのタイプのエンジンの最大数。

minEngine

最小エンジン数

数値

デフォルト: 0

サーバーで維持されるこのタイプのエンジンの最小数。

engLife

再起動前の最大ジョブ数

数値

デフォルト: 50

エンジンが終了する前、および必要に応じて新しいエンジンが開始する前に、エンジンで実行できるジョブの数。この機能により、メモリー・リークを防止できます。

maxIdle

シャットダウン前の最大アイドル時間(分)

数値

デフォルト: 30

エンジンの現在数がminEngineを超えている場合に、エンジンが停止する前に許可されるアイドル時間(分単位)。

たとえばminEngine0maxIdle30であり、1つのエンジンが実行中の場合、このエンジンは30分間使用されないと停止します。同じ条件でminEngineが1の場合、30分間アイドル状態であっても実行中のエンジンは停止しません。

callbackTimeOut

数値

デフォルト: 90000

サーバーがエンジンを起動してからエンジンがサーバーに応答するまでに許可される待ち時間(ミリ秒)。

サーバーをホスティングするマシンが非常に高速である場合、小さい数を指定するとパフォーマンスが向上します。

engineResponseTimeOut

エンジン・レスポンス・タイムアウト(分)

数値

デフォルト: null(タイムアウトなし)

ユーザー環境でのレポート実行中にエンジンがジョブのステータス更新に要する最大時間(分)。ジョブのステータスを更新する時間がなんらかの理由(エンジンがハングしたりSQL問合せが長時間ブロックされるなど)でこの最大時間を超えると、Reports Serverではジョブが終了します。

initEngine

数値

デフォルト: 1

初期化時にReports Serverで起動するエンジンの数。

rwrunを使用してレポートを実行する場合、デフォルト値のinitEngine="1"が保持されます。rwrunで同時に実行できるレポートは1つのみなので、他の値に設定すると、レポートは実行されない場合があります。

jvmOptions

JVMのオプション

文字列

Java Virtual Machine (JVM)でエンジンを起動するときにReports Serverで使用するJVMオプション。たとえば、この属性を使用してJVMの開始ヒープ・サイズと最大ヒープ・サイズ、追加のCLASSPATHエントリなどを指定できます。

この属性を指定しない場合、サーバー環境で実行されるエンジンは、REPORTS_JVM_OPTIONS環境変数値によって指定されるJVMオプションを使用します。詳細は、第B.1.54項「REPORTS_JVM_OPTIONS」を参照してください。

classPath

文字列

class属性で指定されるJavaクラスへのディレクトリ・パス。ディレクトリは、サーバー・プラットフォームの表記規則に従って指定します。例:

Windowsの場合:

classPath=
"%ORACLE_HOME%\myEngine.jar"

UNIXの場合:

classPath="$ORACLE_HOME/myEngine.jar"

defaultEnvId

デフォルト環境ID

文字列

(オプション属性)Reports Serverがエンジンを起動するときのデフォルト環境を指定します。この属性は、サーバー構成ファイルのenvironment要素に関連付けられたIDを取得します。

defaultEnvIdが指定されている場合、参照されたenvironment要素で指定される環境変数と、Reports Serverの実行に使用されている環境変数を使用してReports Serverでエンジンを起動します。

defaultEnvIdが指定されていない場合、起動時に有効になっている環境設定を使用してReports Serverでエンジンを起動します。

詳細は、第7.2.2項「動的な環境切替え」を参照してください。


プロパティ

オプションで、engine要素に複数のpropertyサブ要素も入力できます。唯一の要件は、Oracle Reportsエンジンを実装するJavaクラスによって識別される名前と値のペアにすることです。

表7-10 engine要素のプロパティ

プロパティ 有効値 説明

sourceDir

Reportsソース・ディレクトリ

ディレクトリ・パス

レポート定義ファイルに使用するデフォルト・ディレクトリ。これは、REPORTS_PATH環境変数で指定したパス情報より優先されます。

sourcedirで指定されるディレクトリは、デフォルトではアクセスされません。使用されるのはファイルを検索する場合のみであり、ターゲット・ファイルが見つかった場合は、Oracle Reportsにより関連セキュリティ設定が個別に処理されます。

この表の後ろにある例を参照してください。

tempDir

Reports作業ディレクトリ

ディレクトリ・パス

Oracle Reports Servicesで一時ファイルに使用する作業ディレクトリの名前と位置。この値がデフォルト・エンジンに対して指定されていない場合、REPORTS_TMP環境変数で指定されている作業ディレクトリが使用されます。REPORTS_TMPが指定されていない場合、オペレーティング・システムのデフォルト作業ディレクトリが使用されます。

この表の後ろにある例を参照してください。

keepConnection

データベース接続の維持

YES|NO

デフォルト: YES

デフォルトのランタイム・エンジン実装(oracle.reports.engine.EngineImpl)によって使用されます。

YES: デフォルトのランタイム・エンジンは既存のデータベース接続情報を保持します。

NO: デフォルトのランタイム・エンジンは既存のデータベース接続情報を破棄し、ジョブに指定されたユーザーIDを使用して再接続します。

keepConnectionプロパティは、rwbuilderまたはrwrunを使用して配布されたレポートには影響しません。

以前のリリース(9.0.2.xなど)で使用されたrwserver.confファイルが現行の環境で実行されている場合、このプロパティは移行されます。

diagnosis

エンジン診断の有効化

YES|NO

Oracle Reports 10g リリース2 (10.1.2)で、エンジンのロギング用に導入されました。レポートの特定機能が正常に完了したかどうかを診断します。診断ログには、レポートの実行時におけるエンジンの重要なチェックポイントまたはタスクに関する情報が記録されます。この情報は、エンジンがレスポンスを停止しジョブがハング状態になった場合に役立ちます。

YES: 診断情報がdiagnostic.logファイルに書き込まれます。

エンジンの診断オプションでは、レポートのトレースよりも詳細な情報が提供されます。通常、トレースは、レポートの実行をデバッグする目的で、現在フォーマット中のファイルや現在実行中のレポート・トリガーなどに関する情報を取得する際に使用されます。

この表の後ろにある例を参照してください。


sourcedirおよびtempDirプロパティ: Oracle Reports Servicesに付属するデフォルトのengine Javaクラスを使用する場合、engine構成エントリは次のようになります(Windows環境の場合)。

<engine id="rwEng" class="oracle.reports.engine.EngineImpl" initEngine="1"
    maxEngine="5" minEngine="1" engLife="50" maxIdle="15" callbackTimeOut="90000">
  <property name="sourceDir" value="D:\orawin\reports\myReport"/>
  <property name="tempDir" value="D:\orawin\reports\myTemp"/>
</engine>

この構成ではデフォルトのengineクラスが使用されるので、classPath属性は指定されません。

diagnosisプロパティの例: エンジンの診断オプションを有効にするには、engine構成要素を次のように指定できます。

<engine id="rwEng" class="oracle.reports.engine.EngineImpl" initEngine="2"
    maxEngine="8" minEngine="1" engLife="1" maxIdle="3" callbackTimeOut="90000">
  <property name="diagnosis" value="yes"/>
</engine>

7.2.1.10 job

job要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="job">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="engineId" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="jobType" default="report" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="securityId" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="retry" default="0">
        <xs:simpleType>
            <xs:restriction base="xs:integer">
                <xs:minInclusive value="0"/>
            </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute>
  </xs:complexType>
</xs:element>

job要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<job jobType="report" engineId="rwEng" securityId="rwSec" retry="3"/>

必須/オプション

必須です。1つ以上のjob要素を指定する必要があります。

説明

job要素は、engineおよびsecurityの各要素と連携して動作します。jobを使用して、ジョブ・タイプを識別し、そのタイプのジョブで使用するエンジンおよびセキュリティの実装を指定します。たとえば、ユーザーが開発した、データベース・イベントの発生時に特定のオペレーティング・システム・コマンドを実行するエンジンなどです。Oracle Reports Servicesのイベントドリブン型公開APIを使用して、イベントを特定のジョブ・タイプとして識別します。そのイベントが発生すると、ジョブ・タイプ情報がReports Serverに渡されます。そして、Reports Serverが構成ファイルのjob要素でそのジョブ・タイプを検索し、要素の属性で指定されている指示に従います。この指示は、そのタイプのジョブに指定されたエンジン(さらに該当する場合はセキュリティの実装)に対するものです。

job要素の属性を、表7-11で説明します。

表7-11 job要素の属性

属性 有効値 説明

engineId

文字列

このジョブ・タイプを処理するエンジンに対して入力されたIDを参照します。利用可能なIDは、サーバー構成ファイルでengine要素のid属性を使用して指定されます。idは、特定のエンジンを識別する、構成XMLファイル内で一意のキーワードです。

jobType

文字列

デフォルト: report

サーバーで処理されるジョブのタイプを記述します。Reports Serverにあるエンジンがそのジョブ・タイプを処理できれば、任意のジョブ・タイプを入力できます。

Oracle Reportsで用意されているデータベース認証機能は、jobType=reportの場合にのみ使用できます。これは、Oracle Reports Servicesで用意されているデフォルト・エンジン(rwEng)のジョブ・タイプです。データベース認証機能は、jobTypeが別の値(たとえば、独自で開発したカスタム・エンジンなど)を指定している場合は実装されません。これは、カスタム・エンジンでは、接続文字列の形式が異なっていることが必要になる場合があるためです。Oracle Reportsのデータベース認証機能では、接続文字列はデフォルトのエンジンで使用されるOracle Reports形式のuser/password@dbnameに限定されます。

securityId

文字列

このジョブ・タイプに適用されるセキュリティ・メカニズムに対して入力されたIDを参照します。利用可能なIDは、サーバー構成ファイルのsecurity要素で指定されています。

retry

ジョブの再試行

整数

デフォルト: 0

jobType="report"の場合、ジョブを1回実行してからエンジンのクラッシュや不測のエラーによりジョブが失敗したときに実行するジョブ再試行の回数を指定します。指定された回数に達するまで別のエンジンにジョブは再送信されます。

ジョブが明示的に取り消された場合やjobType="rwurl"(URLエンジン)の場合は、この属性は無視されます。

無効な値が指定された場合、この属性は無視され、デフォルト値の0が使用されます。

コマンドラインでJOBRETRYが指定されている場合はその値が優先され、retry属性は無視されます。


7.2.1.11 jobRecovery

jobRecovery要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="jobRecovery">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="auxDatFiles" default="no">
      <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:NMTOKEN">
          <xs:enumeration value="yes"/>
          <xs:enumeration value="no"/>
        </xs:restriction>
      </xs:simpleType>
    </xs:attribute>
  </xs:complexType>
</xs:element>

jobRecovery要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<jobRecovery auxDatFiles="yes"/>

必須/オプション

オプションです。ジョブ・リカバリ・メカニズムを有効化する場合は、jobRecovery要素をサーバー構成ファイルに追加します。デフォルトでは、ジョブ・リカバリ・メカニズムは無効化されています。

説明

jobRecovery要素には、auxDatFiles属性があります。auxDatFiles=yesを指定すると、リジリエンスが高いジョブ・リカバリ・メカニズムがOracle Reportsで有効化され、元の.datファイルがなんらかの原因で破損した場合に、ジョブの復旧が最大化されます。auxDatFiles=yesを指定すると、server_name.dat(メインの.datファイル)に加えて、次の2つの補助ファイルが作成されます。

  • datfilename_offset.dat: メインの.datファイルのジョブの補助情報が格納され、メインの.datファイルからのジョブの取出しを支援します。

  • datfilename_sc.dat: スケジュールされているすべてのジョブ情報が格納されます(メインの.datファイルに格納されている情報に加えて)。

ジョブ・リカバリ・メカニズムが有効化されている場合、Reports Serverは起動時にメインの.datファイルを読み取り、datfilename_offset.datファイルと連携して、それに格納されている補助情報を使用します。メインの.datファイルが破損しており、すべてのジョブ情報を取り出せない場合、datfilename_sc.datファイルの読取りを開始して、このファイルのスケジュール済ジョブをリカバリします。このように、datfilename_sc.datがバックアップ・ファイルとしての役割を果たすことで、メインの.datファイルが破損した場合の、スケジュールされたジョブのリカバリ可能性が最大化されます。

ジョブ・リカバリ・メカニズムが有効化されているときにdatfilename_offset.datファイルが見つからない場合(jobRecovery要素が初めて有効化されたときなど)、Reports Serverはメインの.datファイルからジョブを読み取り、残りの2つの補助ファイルを一から作成します。

server_name.datdatfilename_offset.datおよびdatfilename_sc.datは3ファイルで1つのセットを形成し、補助ファイルが有効なのはジョブ・リカバリ・メカニズムが有効化されている場合のみです。ジョブ・リカバリ・メカニズムが無効化されているときに補助ファイルが検出されると、補助ファイルがファイル・システムから削除され、ファイル間の整合性が維持されます。こうした整合性上の理由で、これらの3つのファイルは必ず一緒に扱う必要があります(たとえば、マシン間でファイルをコピーする場合は、3ファイルを一緒にコピーする必要があります)。

jobRecovery要素の属性を、表7-12で説明します。

表7-12 jobRecovery要素の属性

属性 有効値 説明

auxDatFiles

yes

no

デフォルト: no

前述の説明を参照してください。


7.2.1.12 jobStatusRepository

jobStatusRepository要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="jobStatusRepository">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="class" default="oracle.reports.server.JobRepositoryDB" 
type="xs:string"/> </xs:complexType> </xs:element>

jobStatusReposity要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<jobStatusRepository>
<property name="dbuser" value="<dbuser>"/>
<property name="dbpassword" value=csf:reports:"<dbkey>"/>
<property name="dbconn" value="<dbconn>"/>
</jobStatusRepository>

必須/オプション

オプションです。サーバー構成ファイルに1つのjobStatusRepository要素を指定できます。

説明

jobStatusRepository要素は、ジョブ・ステータス・リポジトリを実装するJavaクラスを指定します。これによって、persistFile要素に加えてジョブ・ステータス情報を格納するための別の手段が実現します。

persistFileはバイナリ・ファイルであるため、アプリケーション内でジョブ・ステータス情報を公開する際には使用できません。jobStatusRepository要素は、ステータス情報を格納する追加手段を実現することで、アプリケーションのステータス情報を保存する手段を実現します。

デフォルトのクラスoracle.reports.server.JobRepositoryDBでは、情報はデータベースに格納されます。Oracle ReportsのAPIを使用して、目的の位置に情報を格納するようにReports ServerのJob Repositoryインタフェース(oracle.reports.server.JobRepository)を独自に実装します。

jobStatusRepository要素の属性を、表7-13で説明します。

表7-13 jobStatusRepository要素の属性

属性 有効値 説明

class

ジョブ・リポジトリDBを有効にします

文字列

デフォルト: oracle.reports.server.JobRepositoryDB

Reports ServerのJob Repository Javaクラス(oracle.reports.server.JobRepository)を実装する完全修飾されたJavaクラス


プロパティ

オプションで、jobStatusRepository要素に複数のpropertyサブ要素を入力し、オプションをリポジトリに渡すこともできます。唯一の要件は、サーバー構成ファイルで指定されているクラスによって識別される名前と値のペアにすることです。

サーバー構成ファイルのjobStatusRepository要素は、次のようになります。

<jobStatusRepository>
<property name="dbuser" value="<dbuser>"/>
<property name="dbpassword" value=csf:reports:"<dbkey>"/>
<property name="dbconn" value="<dbconn>"/>
</jobStatusRepository>

注意:

Oracle Reportsでは、ジョブ・キューに関するログ情報を更新するときに、jobstatusrepository要素のdbconnプロパティを使用してデータベースに接続します。

7.2.1.13 log

log要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="log">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="option" default="noJob">
      <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:NMTOKEN">
          <xs:enumeration value="allJobs"/>
          <xs:enumeration value="succeededJobs"/>
          <xs:enumeration value="failedJobs"/>
          <xs:enumeration value="noJob"/>
        </xs:restriction>
      </xs:simpleType>
    </xs:attribute>
  </xs:complexType>
</xs:element>

log要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<log option="allJobs"/>

必須/オプション

オプションです。サーバー構成ファイルに1つのlog要素を指定できます。

説明

log要素は、下位互換性を確保するために用意されています。これは、Reportsログ・ファイルの生成および書込みを行います。ログ・ファイルは自動的に生成され、次のパスに格納されます(このパスは、WindowsとUNIXで共通です)。

$ORACLE_INSTANCE     /diagnostics/logs/ReportsSeverComponent/<reports_server_name>/rwserver_diagnostic.log

log要素の属性を、表7-14で説明します。

表7-14 log要素の属性

属性 有効値 説明

option

allJobs

succeededJobs

failedJobs

noJob

デフォルト: noJob

ログを記録するジョブのタイプを記述します。これはデフォルトでログを記録するサーバー・アクティビティに対する追加項目です。次のオプションから選択します。

  • allJobs: すべてのジョブのログを記録します。

  • succeededJobs: 正常に実行されたジョブのログのみを記録します。

  • failedJobs: 失敗したジョブのログのみを記録します。

  • noJob: ジョブのログを記録しません。


7.2.1.14 jobRepository

jobRepository要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="jobRepository">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
</xs:element>

jobRepository要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<jobRepository>
<property name="dbuser" value="dbuser"/>
<property name="dbpassword" value="csf:reports:dbpasswdKey"/>
<property name="dbconn" value="dbconn"/>
</jobRepository>

必須/オプション

高可用性(HA)環境では必須です。HAでない環境ではオプションです。サーバー構成ファイルに1つのjobRepository要素を指定できます。

説明

jobRepository要素により、すべてのジョブ情報を、ファイル・システム(DATファイル)ではなく、データベースに格納できます。高可用性(HA)を使用する場合、この要素は必須です。グループ内のReports Serverではジョブ情報を共有しますが、それはジョブ情報が個々のDATファイルではなく、データベースに格納されている場合にのみ可能だからです。

jobRepository要素には属性はありません。

プロパティ

jobRepositoryに必要なプロパティ・サブ要素はrepositoryconnのみです。jobRepository要素により、すべてのジョブ情報をデータベースやファイル・システム(DATファイル)に格納できます。

7.2.1.15 notification

notification要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="notification">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="class" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="id" default="mailNotify" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

notification要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<notification id="tellMe02" class="oracle.reports.server.MailNotify"/>

必須/オプション

オプションです。notification要素を構成ファイルに入力しないと、通知機能は使用できません。任意数のnotification要素を構成ファイルに入力できます。

説明

notification要素を使用して、ジョブが成功または失敗したときに送られる通知のタイプを定義するJavaクラスを指定します。電子メールを介して通知を送信するデフォルトnotificationクラスを使用できますし、Oracle ReportsのNotification APIで独自のクラスを定義できます。


注意:

notification APIの詳細は、Oracle Technology Network (OTN)(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/overview/index.html)で提供されている『Oracle Reports Java API Reference』を参照してください。

notification要素の属性を、表7-15で説明します。

表7-15 notification要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

デフォルト: mailNotify

特定のnotification要素を識別する、構成XMLファイル内で一意のキーワード。テキスト文字列または数字のどちらでも使用できます。例:

id="tellMe01"

class

「説明」欄を参照してください。

デフォルト: oracle.reports.server.MailNotify

Reports ServerのNotification Javaクラス(oracle.reports.server.Notification)を実装する完全修飾されたJavaクラス


デフォルトの電子メール通知実装を使用する場合は、pluginParam要素を使用して、メールの送信に使用する送信用SMTPメール・サーバーを指定します。コマンドライン・キーワードのnotifysuccessおよびnotifyfailureを使用して、通知の送信先となる電子メール・アドレスを指定します(詳細は、付録A「コマンドライン・キーワード」を参照)。たとえば、これらのコマンドを次のようにランタイムURLに挿入できます。

notifysuccess=recipient's e-mail address&notifyfailure=recipient's e-mail address

デフォルトの電子メール実装では、notificationのタイプごとに1つのアドレスのみを指定できます。一方または両方のnotificationタイプを指定できます。notificationは、同じアドレスまたはそれぞれ異なるアドレスに送信できます。

サーバー構成ファイルのnotification要素は、次のようになります。

<notification id="mailNotify" class="oracle.reports.server.MailNotify">
  <property name="succNoteFile" value="succnote.txt"/>
  <property name="failNoteFile" value="failnote.txt"/>
<notification/>

succNoteFileおよびfailNoteFile 成功した電子メール通知ファイルおよび失敗した電子メール通知ファイル

メール・サーバーの中には送信者のドメイン名を確認できるものもあります。このドメイン名の確認によって通知が失敗した場合は、notification要素の一部に次のプロパティを追加する必要があります。

<property name="sender" value="valid email address"/>

デフォルトの通知実装では、成功または失敗のテキスト・ファイルがデフォルト位置(ORACLE_HOME\reports\templates)にあるかぎり、パスの指定は不要です。そうでない場合は、サーバーをホスティングするプラットフォームの要件に従ってディレクトリ・パスとファイル名を入力します。

7.2.1.16 oidconnection

oidconnection要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="oidconnection">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="increment" default="10" type="xs:integer"/>
    <xs:attribute name="init" default="10" type="xs:integer"/>
    <xs:attribute name="timeout" default="0" type="xs:integer"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

oidconnection要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<oidconnection init="10" increment="10" timeout="600"/>

必須/オプション

オプションです。

説明

oidconnection要素により、Reports ServerのOracle Internet Directory接続プーリング・パラメータを指定します。本番環境では、このパラメータを使用して、Reports ServerのOracle Internet Directory接続プーリングを、次のように詳細に管理できます。

  • Reports Serverの初期化時にプールで開いた状態にする接続の数

  • 使用可能な接続を使用し尽くした場合に、新しいリクエストを受信したときにプールに追加する新しい接続の数

  • リソース使用率を減少させるために、開いているアイドル状態のOracle Internet Directory接続を閉じるまでのタイムアウト

oidconnection要素の属性を、表7-16で説明します。

表7-16 oidconnection要素の属性

属性 有効値 説明

init

数値

デフォルト: "10"

Reports Serverの初期化時に作成されるOracle Internet Directory接続の初期数

increment

数値

デフォルト: "10"

すべての接続が使用中になったときに増分される接続数

timeout

数値

デフォルト: 0(タイムアウトの指定なし)

接続が閉じられるまでの、アイドル状態の秒数



注意:

これらの属性でデフォルト値より非常に大きな値や小さな値を設定すると、Oracle Reports Servicesのパフォーマンスに影響する場合があります。一般的な本番環境では、デフォルト値をお薦めします。

Oracle Reports Servlet (rwservlet)では、rwservlet.propertiesファイルのoidconnection要素を使用して、Oracle Internet Directory接続プーリング・パラメータを指定できます。

7.2.1.17 orbClient

orbClient要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="orbClient">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="id" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="publicKeyFile" use="required" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

orbClient要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<orbClient id="RWClient" publicKeyFile="clientpub.key"/>

必須/オプション

オプションです。サーバー構成ファイルでorbClient要素を指定しない場合、デフォルト値が使用されます(表7-17を参照)。

説明

orbClient要素によって、クライアントがReports Serverとの接続に使用する公開鍵ファイルの名前が指定されます。Reports Serverでは公開鍵を使用して、クライアントがReports Serverに接続しようとする際に送信する署名を検証します。この公開鍵を使用して署名が検証できるクライアントのみがReports Serverによって受け付けられます。任意数のorbClient要素をサーバー構成ファイルに入力できます。

orbClientは、connection要素のサブ要素です。

orbClient要素の属性を、表7-17で説明します。

表7-17 orbClient要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

デフォルト: RWClient

公開鍵および秘密鍵を使用するレポート・クライアントを識別します。

publicKeyFile

filename.key

デフォルト: clientpub.key

クライアントがReports Serverとの接続に使用する公開鍵ファイルを識別します。Reports Serverでは公開鍵を使用して、クライアントがReports Serverに接続しようとする際に送信する署名を検証します。この公開鍵を使用して署名が検証できるクライアントのみがReports Serverによって受け付けられます。デフォルト・ファイルは、rwrun.jarファイルに格納されます。


Oracle Reports Servicesでデフォルトで用意されているクライアント公開鍵ファイルとクライアント秘密鍵ファイルは、clientpub.keyclientpri.keyです。これらの鍵ファイルは、Oracle Reports Servicesのすべてのコンポーネントで使用されます。公開鍵ファイルと秘密鍵ファイルを再生成し、デフォルトの鍵ペアを置換できます。これを行うには、コマンド・プロンプトで次のように入力します。

Windowsの場合:

rwgenkey.bat path_and_client_public_key_file_name path_and_client_private_key_file_name

UNIXの場合:

rwgenkey.sh path_and_client_public_key_file_name path_and_client_private_key_file_name

これらの鍵を再生成する場合、公開鍵ファイルの位置をpublicKeyFile属性で指定して、ORACLE_HOME\jlib\zrclient.jarにある秘密鍵ファイルを置換できます。このためには、jar形式のファイルを元の形式に戻し、再生成した秘密鍵を入力した後、ファイルを再びjar形式に変換します。

7.2.1.18 persistFile

persistFile要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="persistFile">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="fileName" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

persistFile要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<persistFile fileName="neptune.dat"/>

必須/オプション

オプションです。ファイルを指定しない場合、サーバーはserver_name.datというデフォルト名で独自のファイルを作成します。1つのpersistFile要素を指定できます。

説明

persistFile要素は、すべてのジョブ・ステータスを記録するファイルを識別します。Reports Serverは、これを使用してサーバーを停止前のステータスに復元します。

この名前persistFileは、サーバーが停止後に再起動してもファイルが元の状態のままであること、つまり永続性があることに由来します。

サーバー永続ファイルは、サーバーの初回起動時、または現在のサーバー永続ファイルを削除または名前変更した後の初回起動時に自動的に作成されます。このファイル名を変更した後も引き続き使用する場合は、新しい名前をサーバー構成ファイルに入力してから、実際にファイル名を変更し、次にサーバーを再起動します。

persistFile要素の属性を、表7-18で説明します。

表7-18 persistFile要素の属性

属性 有効値 説明

fileName

文字列

デフォルト: server_name.dat

サーバー永続ファイルの名前、およびオプションでパスを指定します。ファイルが次のデフォルト・ディレクトリにある場合は、パスを省略できます。

ORACLE_INSTANCE\reports\server\

このパスは、WindowsとUNIXの両方で共通です。


7.2.1.19 identifier

identifier要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="identifier">
  <xs:complexType mixed="true">
    <xs:attribute name="encrypted" default="no">
      <xs:simpleType>
        <xs:restriction base="xs:NMTOKEN">
          <xs:enumeration value="yes"/>
          <xs:enumeration value="no"/>
        </xs:restriction>
      </xs:simpleType>
    </xs:attribute>
  </xs:complexType>
</xs:element>

identifier要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<identifier encrypted="yes">fpoiVNFvnlkjRPortn+sneU88=NnN</identifier>

必須/オプション

オプションです。サーバー構成ファイルに1つのidentifier要素を指定できます。

説明

identifier要素は、Oracle Reportsを最初にインストールしたときに、Reports Configuration Assistantによって自動的に構成ファイルに書き込まれます。Reports Configuration Assistantは、この値をSERVERACCESSKEY/12312312313という形式で設定します。ここで、SERVERACCESSKEYはユーザー名で、ランダムに生成された数(12312312313)はパスワードです。ユーザー名とパスワードは暗号化され、Oracle Reports Servicesの構成時にrwserver.templatetargets.xmlに書き込まれます。インストール後に起動されたすべてのReports Serverが、このidentifier情報を構成ファイルに保持することになります。

セキュアでないReports Serverでは、identifier要素の値が次の場合に使用されます。

  • Reports Queue Managerを介してReports Serverに接続するとき

  • コマンドラインからReports Serverを停止するとき

このどちらの場合も、コマンドラインでは、identifier要素で指定された値と同じauthid値を指定する必要があります。特定のパスワードを指定するには(生成されたパスワードは擬似的なランダム数のため)、次の手順を実行する必要があります。

  1. サーバー構成ファイルのrwserver.confを編集します。

  2. 生成されたusername/passwordの暗号化値をカスタムの値に置換します。

  3. encrypted=noを設定します。

    例:

    <identifier encrypted="no">username/password</identifier>
    
  4. Reports Serverを再起動します。Reports Serverの再起動時に、encrypted=yesが設定されます。

  5. targets.xmlファイルを編集し、rwserver.confファイルと同じusernameおよびpasswordの値を指定します。

この変更の直後にReports Serverを再起動する必要があります。その結果、ユーザー名とパスワードが自動的に暗号化され、encryptedyesにリセットされます。この値は次のようになります。

<identifier encrypted="yes">fpoiVNFvnlkjRPortn+sneU88=NnN</identifier>

セキュアなReports Serverでは、認証はセキュリティ・インフラストラクチャ(つまりOracle Internet Directoryリポジトリ)を使用して実行されます。そのため、Reports Serverの停止時や、コンソール・ウィンドウからのReports Queue Managerの起動時に、identifier要素の値を渡すことはできません。


注意:

rwservlet.propertiesファイルでDIAGNOSTIC=NOが設定されていると、このユーザー名とパスワードは、Webコマンド(getjobidgetserverinfoshowjobsshowenvなど)にアクセスする場合にも使用されます。DIAGNOSTIC=NOの場合は、このユーザー名とパスワードを持つ管理者を除き、Webコマンドは使用できません。

Reports Queue Managerの詳細は、Reports Queue Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。rwservlet.propertiesの詳細は、第7.3項「Oracle Reports Servlet構成ファイル」を参照してください。

7.2.1.20 property

property要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="property">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="name" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="value" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="encrypted" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

rwserver.confにおけるproperty要素の指定の詳細は、次の要素の説明を参照してください。

7.2.1.21 queue

queue要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="queue">
  <xs:complexType>
    <xs:attribute name="maxQueueSize" default="1000">
        <xs:simpleType>
          <xs:restriction base="xs:integer">
            <xs:minInclusive value="100"/> 
          </xs:restriction>
        </xs:simpleType>
    </xs:attribute> 
  </xs:complexType>
</xs:element>

queue要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<queue maxQueueSize="1000"/>

必須/オプション

オプションです。サーバー構成ファイルに1つのqueue要素を指定できます。queue要素を指定しないと、デフォルトのmaxQueueSizeである1000が使用されます。

説明

queue要素を使用して、完了したジョブ・キューで保持できるジョブの最大数を指定します。Oracle Reports Servicesには、次の3つのキュー・コンポーネントがあります。

  • スケジュールされたジョブのキュー

  • 実行中のジョブのキュー

  • 完了したジョブのキュー

queue要素は、これらの各コンポーネントに許可される値を指定します。

この要素は完了したジョブ・キューにのみ適用されます。ジョブ数が指定された最大値を超えると、完了したジョブ・キューから最も古いジョブが自動的に削除されます。スケジュールされたジョブ・キューと実行中のジョブ・キューは変わりません。デフォルトでは、レポート・サーバーのキュー・サイズは1000です。

キュー・サイズを3000よりも大きくし、Reports Queue Manager (rwrqm.exe)でキューを監視すると、Queue Managerが失敗する場合があります。キュー・サイズを3000以上に設定する必要がある場合、Oracle Reports Servlet (rwservlet)を使用して、Reports Serverのジョブ・キューを管理および監視します。


注意:

詳細は、Reports Queue Managerのオンライン・ヘルプを参照してください。

queue要素の属性を、表7-19で説明します。

表7-19 queue要素の属性

属性 有効値 説明

maxQueueSize

キュー・サイズ

数値

デフォルト: 1000

レポートのジョブ・キューに保持できるジョブの最大数


7.2.1.22 folderAccess

folderAccess要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="folderAccess">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element name="read" type="xs:string"/>
      <xs:element name="write" type="xs:string"/>
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
</xs:element>

folderAccess要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<folderAccess>
 <read>c:\myreports;c:\orawin\reports\samples<\read>
   <write>c:\myoutputs<\write>
<\folderAccess>

必須/オプション

オプションです。

説明

folderAccess要素によって、セキュアなReports Server、セキュアでないReports Server、Reportsアプリケーション(インプロセスReports Server)またはOracle Reports Runtimeにおけるファイル・システムへの読取りアクセス権と書込みアクセス権が定義されます。

folderAccess要素には属性はありません。これにはサブ要素が2つあります。

  • read: Reports Server、Reportsアプリケーション(インプロセスReports Server)またはOracle Reports Runtimeに読取り専用アクセス権を付与するフォルダを指定します。「ファイル・システム・アクセス制御の有効化」「ディレクトリの読取り」.

  • write: Reports Serverで書込みができるフォルダを指定します。「ファイル・システム・アクセス制御の有効化」「ディレクトリの書込み」

前述の例では、c:\myreportsおよびc:\orawin\reports\samplesにあるレポート定義ファイルは、実行のみが許可されます。同様に、destype=fileのとき、出力ファイルを作成できるのはc:\myoutputs (desname=c:\myoutput\test.pdf)内にある場合のみです。

注意: readサブ要素やwriteサブ要素に空白やアスタリスクを指定すると、グローバル・アクセスが指定されます。ディレクトリ名はセミコロン(;)で区切ります。

7.2.1.23 security

security要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="security">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="property" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="class" use="required" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="id" use="required" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

security要素は、rwserver.confで11gでは次の例のように指定できます。

<security id="rwJaznSec" class="oracle.reports.server.RWJAZNSecurity"/> 

下位互換性を確保するために、security要素を次のように指定できます。

<security id="rwSec" class="oracle.reports.server.RWSecurity">
<property name="oidAppEntity" value="$$Self.oidAppEntity$$"/>
<property name="oidUrl" value="$$Self.oidUrl$$"/>
<property name="oidPasswdKey" value="$$Self.oidPasswdKey$$"/>
<property name="portalUserName" value="$$Self.portalUserName$$"/>
<property name="portalConnection" value="$$Self.portalConnection$$"/>
<property name="portalPasswdKey" value="$$Self.portalPasswdKey$$"/>
</security

必須/オプション

オプションです。security要素を構成ファイルに入力しないと、Reports Serverはセキュアになりません。任意数のsecurity要素を構成ファイルに入力できます。

説明

security要素は、サーバー・アクセスを制御する完全修飾されたJavaクラスを識別します。Oracle Reports Servicesで用意されているデフォルト・セキュリティ・クラスを使用できますし、Reports ServerのSecurity APIで独自の実装を定義できます。


注意:

security APIの詳細は、Oracle Technology Network (OTN)(http://www.oracle.com/technetwork/middleware/reports/overview/index.html)で提供されている『Oracle Reports Java API Reference』を参照してください。

security要素の属性を、表7-20で説明します。

表7-20 security要素の属性

属性 有効値 説明

id

文字列

特定のsecurity要素を識別する、構成XMLファイル内で一意のキーワード。テキスト文字列または数字のどちらでも使用できます。次に11gで指定できる例を示します。

id="rwJaznSec"

下位互換性を確保するために次のような指定も可能です。

id="rwSec"

class

「説明」欄を参照してください。

11gのデフォルト: oracle.reports.server.RWJAZNSecurity

下位互換性のためのデフォルト: oracle.reports.server.RWSecurity

Reports ServerのSecurity Javaインタフェース(oracle.reports.server.Security)を実装する完全修飾されたJavaクラス。デフォルトは、Oracle Portalで利用できるセキュリティ機能に依存します。


また、複数のプロパティをsecurity要素に関連付けることもできます。唯一の要件は、Reports Serverのセキュリティを実装するJavaクラスによって識別される名前と値のペアにすることです。

すべてのプロパティの値は、インストール時にインストーラによって設定されます。Reports Serverではこのエンティティを使用して、Oracle Internet DirectoryとPortalに接続します。Oracle Fusion Middlewareのコンポーネントはすべて、Oracle Internet DirectoryとOracle Portalに接続できますが、このディレクトリでの権限はコンポーネントごとに異なる場合があります。したがって、各コンポーネントは、Oracle Internet Directoryに接続したときに、個々のエンティティ名によって識別される必要があります。Oracle Reports Servicesエンティティの形式は次のとおりです。

reportsApp_hostname_GUID

例:

reportsApp_testhost.mydomain.com_BBEFDCDAC2343600E0340800020C7BBCC

7.2.1.24 proxyServer

proxyServer要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="proxyServer">
 <xs:complexType>
  <xs:attribute name="name" type="xs:string" use="required"/>
  <xs:attribute name="port" type="xs:string" use="required"/>
  <xs:attribute name="protocol" default="all">
   <xs:simpleType>
    <xs:restriction base="xs:string">
     <xs:enumeration value="http"/>
     <xs:enumeration value="https"/>
     <xs:enumeration value="ftp"/>
     <xs:enumeration value="file"/>
     <xs:enumeration value="all"/>
    </xs:restriction>
   </xs:simpleType>
  </xs:attribute>
 </xs:complexType>
</xs:element>

proxyServer要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<proxyServer name="www-proxy.example.com" port="80" protocol="all"/>

必須/オプション

オプションです。

説明

外部ネットワークに接続するために使用するプロキシ・サーバーの名前、ポートおよびプロトコルを指定する要素です。

proxyServer要素の属性を、表7-20で説明します。

表7-21 proxyServer要素の属性

属性 有効値 説明

name

文字列

プロキシ・サーバーのホスト名。例を次に示します。

port

文字列

プロキシ・サーバーがリスニングするポート。

protocol

http/https/ftp/file/all

プロキシ・サーバーによって使用されるプロトコル。


7.2.1.25 domain

domain要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="domain">
 <xs:complexType mixed="true">
 </xs:complexType>
</xs:element>

domain要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<bypassProxy>
<domain><localhost</domain>
<domain>127.0.0.1</domain>
</bypassProxy>

必須/オプション

オプションです。

説明

プロキシ設定を使用しないプロキシ・サーバーの名前を指定する要素。domain要素には属性はありません。

7.2.1.26 bypassProxy

bypassProxy要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="bypassProxy">
 <xs:complexType>
  <xs:sequence>
   <xs:element ref="domain" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
  </xs:sequence>
 </xs:complexType>
</xs:element>

bypassProxy要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<bypassProxy>
     <domain>localhost</domain>
     <domain>127.0.0.1</domain>
</bypassProxy>

必須/オプション

オプションです。

説明

プロキシ設定を使用しないプロキシ・サーバーの名前を指定するドメインのリストを指定する要素。

bypassProxy要素には属性はありません。これにはdomainサブ要素が含まれます(第7.2.1.25項「domain」を参照)。

7.2.1.27 proxyServers

proxyServers要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="proxyServers">
 <xs:complexType>
  <xs:sequence>
   <xs:element ref="proxyServer" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
  </xs:sequence>
 </xs:complexType>
</xs:element>

proxyServers要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<proxyServers>
 <proxyServer name="xyz.abc.com" port="80" protocol="http"/>
<proxyServer name="www-proxy1.xyz.abc.com" port="80" protocol="ftp"/>
<proxyServer name="www-prox21.xyz.abc.com" port="80" protocol="https"/>
</proxyServers>

必須/オプション

オプションです。

説明

Reports Serverによって使用されるプロキシ・サーバーのリストを指定する要素。

proxyServers要素には属性はありません。これにはproxyServerサブ要素が含まれます(第7.2.1.24項「proxyServer」を参照)。

7.2.1.28 proxyInfo

proxyInfo要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="proxyInfo">
 <xs:complexType>
  <xs:sequence>
   <xs:element ref="proxyServers"/>
   <xs:element ref="bypassProxy"/>
  </xs:sequence>
 </xs:complexType>
</xs:element>

proxyInfo要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<proxyInfo>
  <proxyServers>
    <proxyServer name="www-proxy.example.com" port="80" protocol="all"/>
  </proxyServers>
  <bypassProxy>
    <domain>localhost</domain>
    <domain>127.0.0.1</domain>
  </bypassProxy>
</proxyInfo>

必須/オプション

オプションです。

説明

レポートで使用されるプロキシ・サーバーおよびプロキシを使用しないバイパス・ホストを指定する要素。

proxyInfo要素には属性はありません。これにはサブ要素が2つあります。

7.2.1.29 webLayout

webLayout要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="webLayout">
  <xs:complexType> 
    <xs:attribute name="port" type="xs:string"/>
    <xs:attribute name="docroot" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

webLayout要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<webLayout port="8888" docroot="$DOMAIN_HOME/servers/WLS_REPORTS/tmp/_WL_user/reports_<version>/<random_string>/war"/>

必須/オプション

オプションです。

説明

Reports Builderを使用してレポートを実行してWebレイアウトを生成するためには、webLayout要素が必要になります。

webLayout要素の属性を、表7-22で説明します。

表7-22 webLayout要素の属性

属性 有効値 説明

port

文字列

OHSメイン・ポートOHSが存在しない場合、Reports管理対象サーバー・ポートを指定します。

docroot

文字列

Reportsアプリケーションが配布されているweb.warの場所


7.2.1.30 dbProxyKey

dbProxyKey要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="dbProxyKey">
 <xs:complexType>
  <xs:attribute name="name" type="xs:string" use="required"/>
  <xs:attribute name="database" type="xs:string" use="required"/>
 </xs:complexType>
</xs:element>

dbProxyKey要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<dbProxyConnKeys> 
  <dbProxyKey name=key1 database=db1/>
  <dbProxyKey name=key2 database=db2/>
</dbroxyConnKeys>

必須/オプション

オプションです。

説明

dbProxyKeyには、nameパラメータとdatabaseパラメータが含まれます。これは、useridコマンドライン・パラメータで指定されるデータベースに基づいて、サーバー構成ファイルから取得されます。

dbProxyKey要素の属性を、表7-23で説明します。

表7-23 dbProxyKey要素の属性

属性 有効値 説明

name

文字列

鍵の名前

database

文字列

データベースの名前


7.2.1.31 dbProxyConnKeys

dbProxyConnKeys要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="dbProxyConnKeys">
 <xs:complexType> 
  <xs:sequence>
   <xs:element ref="dbProxyKey" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
  </xs:sequence>
 </xs:complexType>
</xs:element>

dbProxyConnKeys要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<dbProxyConnKeys>
<dbProxyKey name=key1 database=db1/>
<dbProxyKey name=key2 database=db2/> 
</dbProxyConnKeys>

必須/オプション

オプションです。

説明

dbProxyConnKeys要素には属性はありません。これにはdbProxyKeyサブ要素が含まれます(第7.2.1.30項「dbProxyKey」を参照)。

7.2.1.32 urlEngineAccess

urlEngineAccess要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="urlEngineAccess"> 
  <xs:complexType> 
   <xs:sequence> 
    <xs:element ref="urlPatterns" minOccurs="0" maxOccurs="1"/> 
   </xs:sequence> 
  </xs:complexType> 
   
 <xs:element name="urlPatterns"> 
  <xs:complexType> 
   <xs:sequence> 
    <xs:element ref="urlPattern" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/> 
   </xs:sequence> 
  </xs:complexType> 
 </xs:element>

<urlEngineAccess> 
     <urlPatterns> 
      <urlPattern>http://host:port/myservlet/*</urlPattern> 
      <urlPattern>http://host:port/servlet2/myreportsOnly/*</urlPattern> 
     </urlPatterns> 
   </urlEngineAccess>

必須/オプション

オプション

説明

この要素は、Reports URLエンジンによりアクセスできる許可されたURLのパターンを指定します。デフォルトでURLパターンのリストは空です。つまり、許可されたURLはありません。HTTPおよびHTTPSプロトコルのみが許可されています。

7.2.1.33 jobThresholds

jobThresholds要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="jobThresholds">
 <xs:complexType>
  <xs:attribute name="longRunning" default="180">
   <xs:simpleType>
    <xs:restriction base="xs:integer">
     <xs:minInclusive value="1"/> 
    </xs:restriction>
   </xs:simpleType>
  </xs:attribute> 
  <xs:attribute name="potentialRunAway" default="180">
   <xs:simpleType>
    <xs:restriction base="xs:integer">
     <xs:minInclusive value="1"/> 
    </xs:restriction>
   </xs:simpleType>
  </xs:attribute>  
 </xs:complexType>
</xs:element>

jobThresholds要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

  <jobThresholds longRunning="180" potentialRunAway="180"/>

必須/オプション

オプションです。

説明

jobThresholdは、longRunningPotentialRunAwayの2つの属性で構成されます。詳細は、表7-24を参照してください。

表7-24 jobThresholds要素の属性

属性 有効値 説明

longRunning

ジョブの実行時間がこのカットオフ時間を超えている場合、長時間実行中ジョブとみなされます。

比較的長時間実行しているジョブ。

potentialRunAway

現在実行中のジョブの実行時間がこのカットオフ時間を超えている場合、潜在的に暴走しているジョブとみなされます。

正常に完了する可能性が相対的に低いジョブ。


7.2.1.34 server

server要素は、rwserverconf.xsdで次のように定義されています。

<xs:element name="server">
  <xs:complexType>
    <xs:sequence>
      <xs:element ref="cache" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="engine" minOccurs="1" maxOccurs="unbounded"/>
      <xs:element ref="environment" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
      <xs:element ref="security" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
      <xs:element ref="oidconnection" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="destination" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
      <xs:element ref="job" minOccurs="1" maxOccurs="unbounded"/>
      <xs:element ref="notification" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
      <xs:element ref="log" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="jobStatusRepository" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="jobRepository" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="trace" minOccurs="0" maxOccurs="1"/-->
      <xs:element ref="connection" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="ORBPorts" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="queue" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="folderAccess" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="persistFile" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="jobRecovery" minOccurs="0" maxOccurs="1"/-->
      <xs:element ref="identifier" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="proxyInfo" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="pluginParam" minOccurs="0" maxOccurs="unbounded"/>
      <xs:element ref="webLayout" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="dbProxyConnKeys" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
      <xs:element ref="jobThresholds" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
<xs:element ref="urlEngineAccess" minOccurs="0" maxOccurs="1"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="version" type="xs:string"/>
  </xs:complexType>
</xs:element>

server要素は、rwserver.confで次の例のように指定できます。

<server>
  one or more element specifications
</server>

必須/オプション

必須です。指定された構成ファイルに1つのserver要素を指定できます。

説明

server要素は、サーバー構成ファイルのコンテンツ領域を開始および終了します。ファイルの階層に関しては、その他すべての要素はserver要素に従属します。

server要素の属性を、表7-25で説明します。

表7-25 server要素の属性

属性 有効値 説明

version

文字列

Reports Serverのバージョン


7.2.2 動的な環境切替え

動的な環境切替え機能を使用すると、Reports Serverの起動後または特定のジョブ・リクエスト中に環境を動的に変更できます。このことは、Reports Serverの1つのインスタンスが、言語、通貨、表示設定などの任意の環境設定でレポートを処理できることを意味します。

動的な環境切替え機能を有効化するには、Reports Server構成ファイルにenvironment要素を追加して、特定のランタイム環境を設定する必要があります。あるenvironment要素を一度設定すると、次のどちらの方法でも設定の切替えができます。

  • Reports Server構成ファイルにあるengine要素のdefaultEnvId属性の値をenvironment要素のidに設定し、エンジンの起動時に対応する環境設定をそのエンジンに適用します。詳細は、第7.2.1.9項「engine」を参照してください。

  • ENVIDコマンドライン・キーワードの値をenvironment要素のidに設定し、現行のレポートのジョブ・リクエストについてのみ環境設定を有効にします。詳細は、第A.6.5項「ENVID」を参照してください。

7.2.2.1

次の例は、動的な環境切替え機能の使用方法を示しています。

例1

日本語のレポートをReports Serverから実行すると仮定します。日本語でのレポートの実行に適した環境は、次のとおりです。

  • NLS_LANG = Japanese_Japan.JA16SJIS

  • 通貨単位(NLS_CURRENCY)は、日本通貨の円(\)に設定されます。

  • UNIXでReports Serverを実行している場合は、DISPLAYを設定する必要があります。

最初に、Reports Server構成ファイルにenvironment要素を追加する必要があります。次に例を示します。

<environment id="JP">
  <envVariable name="NLS_LANG" value="Japanese_Japan.JA16SJIS"/>
  <envVariable name="NLS_CURRENCY" value="¥"/>
  <envVariable name="DISPLAY" value="MyServer.MyCompany.com:0.0"/>
</environment>

environment要素を設定すると、次のどちらかの方法を使用して日本語出力のレポートをリクエストできます。

  • Reports Server構成ファイルで、engine要素のdefaultEnvId属性を次のように使用します。

    <engine id="rwEng" initEngine="1" minEngine="0" maxEngine="10" engLife="50" maxIdle="30" defaultEnvId="JP"/>
    

    JP値によって、Reports Server構成ファイルのenvironment要素が識別されます。最初のエンジンは、このenvironment要素で指定される環境設定で起動されます。

  • ENVIDコマンドライン・キーワードを、次のように設定します。

    http://machine_name:port/reports/rwservlet?SERVER=server_name 
    &REPORT=Japanese.rdf&USERID=username/passwd@db&DESFORMAT=htmlcss 
    &DESTYPE=cache&ENVID=JP
    

    このURLがReports Serverに送信されると、オプションのENVIDキーワードが検出され、指定されたid(この例ではJP)と、構成ファイルのenvironment要素の対応idを一致させます。Reports Serverでこれらの設定でエンジンを実行している場合、その既存エンジンを再利用してジョブを処理します。そうでない場合は、現在の環境に加えて、JP environment要素で指定された3つの環境変数を使用してエンジンを起動します。新しいエンジンの起動によって、Reports ServerのmaxEngine設定を超える場合、Reports Serverではエンジンを1つ停止してから新しいエンジンを起動します。engLifeの設定を超えていない場合であっても、エンジンが停止される場合があります。Reports Serverで正しい環境でエンジンが実行されていると、そのエンジンによってジョブが処理され、指定されたDESTYPEに出力がルーティングされます。

    ENVIDをジョブで使用しない場合、Reports ServerではdefaultEnvId環境で起動されたエンジンを使用してリクエストが処理されます。Reports Server構成ファイルのengine要素に対してdefaultEnvIdが指定されていないと、Reports Serverインスタンスの起動に使用された設定がエンジンによって継承されます。

例2

次の例では、この環境切替え機能を使用して、例1で日本語のレポートの実行に使用したReports Serverと同じReports Serverでアラビア語のレポートを実行する方法を示します。

Reports Server構成ファイルに別のenvironment要素を次のように追加します。

<environment id="AR">
 <envVariable name="NLS_LANG" value="Arabic_United Arab Emirates.AR8ISO8859P6"/>
 <envVariable name="NLS_CALENDAR" value="Arabic Hijrah "/>
</environment>

アラビア語のレポートは、次のコマンドラインを使用して、Reports Serverに送信します。

http://machine_name:port/reports/rwservlet?SERVER=server_name
&REPORT=arabic.rdf&USERID=username/passwd@db&DESFORMAT=htmlcss 
&DESTYPE=cache&ENVID=AR

ジョブがENVID=ARで送信されるので、Reports Serverでは、Reports Server構成ファイルのAR要素で指定された環境でエンジンを検索または起動します。ジョブは新しいエンジンで処理され、出力は指定の宛先に配布されます。

例3

次の例では、環境切替え機能をJSPレポートと組み合せて(つまりOracle Reports Servlet (rwservlet)と組み合せずに)使用する方法を示します。

Reports Server構成ファイルに、次のenvironment要素があると仮定します。

<environment id="UK"> 
 <envVariable name="NLS_LANG"  value="AMERICAN_UNITED KINGDOM.WE8ISO8859P1"/>
</environment>

<environment id="US">
 <envVariable name="NLS_LANG" value="AMERICAN_AMERICA.WE8ISO8859P1"/>
</environment>

JSPレポートで次のような書式マスクを使用すると、通貨記号、グループ化記号、小数点記号が環境に応じて変化します。

<rw:field id="sal" src="sal" formatMask="L999G999D999"/>

イギリスの通貨記号、グループ化記号、小数点記号を使用してレポートを実行するには、次のURLを使用します。

http://myserver:port/test/myjsp?USERID=scott/tiger@orcl&ENVID=UK

注意: ENVID=UKcgicmd.datキー・マップ・ファイルに追加できます(詳細は、第18.14項「キー・マップ・ファイルの使用」を参照)。

7.2.2.2 使用上の注意

  • この機能は多数の言語のレポート処理に最適ですが、このほかにも様々な用途に幅広く使用できます。レポートが正常に実行されるために特定の環境が必要であるような場合に、この機能が役に立ちます。

  • Reports Serverでは、特定の環境のリクエストを取得するときに、environment IDごとに1つ以上のエンジンを起動します。ただし、エンジンの総数は、そのエンジン・タイプについて指定されたmaxEngineを超えることができません。Reports Server構成ファイルで指定されているenvironment要素の数以上の値にmaxEngineを設定することをお薦めします。

  • defaultEnvIdは、rwEng以外のプラガブル・エンジンにも適用できます。Reports Serverは、指定されたenvironment IDでプラガブル・エンジンを起動します。

  • インプロセスReports Serverで使用されるエンジンの場合、環境変数の優先順位の最上位から最下位までの順序は、次のようになります。

    • reports.sh (UNIXのみ)。


      注意:

      現行のreports.shファイルを変更した場合、バックアップとして保存しておき、Oracle Reportsをインストールした後で、最新バージョンでインストールされたreports.shと保存ファイルとをマージする必要があります。最新のreports.shには、変更する必要のある内容がいくつかあります。

    • Reports Server構成ファイルのenvironment要素

    • WebLogic管理コンソールで「サーバーの起動」タブにナビゲートし、oracle.homeパラメータおよびoracle.instanceパラメータを指定します。

    • システム設定とレジストリ(Windowsのみ)。

  • スタンドアロン・サーバーで使用されるエンジンの場合、環境変数の優先順位の最上位から最下位への順序は、次のようになります。

    • reports.sh (UNIXのみ)。


      注意:

      現行のreports.shファイルを変更した場合、バックアップとして保存しておき、Oracle Reportsをインストールした後で、最新バージョンでインストールされたreports.shと保存ファイルとをマージする必要があります。最新のreports.shには、変更する必要のある内容がいくつかあります。

    • Reports Server構成ファイルのenvironment要素

    • rwserver.shを起動するコンソールにある環境設定。

    • システム設定とレジストリ(Windowsのみ)。

  • ENVIDに設定された同じ環境変数がreports.sh (ORACLE_INSTANCE/config/reports/bin/reports.sh)にも設定されていると、Reports Serverでは環境変数の値をENVIDではなくreports.shから取得します。

    たとえば、環境切替え機能を使用してREPORTS_PATH環境変数を別のエンジンに設定するとします。しかし、reports.shファイルにも同じREPORTS_PATH環境変数が設定されています。そのため、リクエストを渡したときに、Reports ServerではENVIDに設定されたREPORTS_PATHではなく、reports.shによって設定されたREPORTS_PATHのみが使用されます。

    この問題を回避する手順は、次のとおりです。

    1. reports.shを開き、環境変数の値をコメント化します。たとえば、reports.shファイルに設定されたREPORTS_PATH値をコメント化します。

    2. rwserver.confファイルを開きます。

    3. reports.shファイルの環境変数値を、rwserver.confファイルにコピーします。例:

      <environment id="default">
        <envVariable name=REPORTS_PATH value="$ORACLE_
        HOME/reports/templates:$ORACLE_
        HOME/reports/samples/demo:$ORACLE_HOME/reports/integ:$ORACLE_
        HOME/reports/printers"/>
      </environment>
      
      <environment id="testenv">
       <envVariable name="REPORTS_PATH" 
       value="/private/file_path:$ORACLE_HOME/reports/templates:$ORACLE_ 
       HOME/reports/samples/demo:$ORACLE_HOME/reports/integ:$ORACLE_HOME/ 
       reports/printers"/>
      </environment>
      
    4. defaultEnvIdの値を、rwserver.confファイルで適切なタグに追加します。たとえば、defaultEnvId属性をengine要素に追加し、エンジンがデフォルトのREPORTS_PATHで起動するようにします。

      <engine id="rwEng" class="oracle.reports.engine.EngineImpl" initEngine="1" 
      maxEngine="1" minEngine="0" engLife="50" maxIdle="30"
      callbackTimeOut="90000" defaultEnvId="default">
    5. これでレポートを実行します。