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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
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10.5 CUPSによって強化されたLinux印刷

Common UNIX Printing System (CUPS)は、多くのLinuxディストリビューションにおけるデフォルト印刷システムです。この項では、Reports Serverから印刷するためにCUPSを設定する方法を説明します。

CUPS印刷は、デフォルトで無効になっています。CUPS印刷を有効にするには、環境変数REPORTS_CUPS_PRINTINGYESに設定します。詳細は、付録B「REPORTS_CUPS_PRINTING」を参照してください。

CUPSにおける最大の長所は、標準的でモジュール化された印刷システムにあり、印刷システムでは印刷サーバー上で様々なデータ形式を処理できる点があります。また、Internet Printing Protocol (IPP)にも対応している点があります。この機能により、Reports ServerからPDFファイルを直接印刷できます。また、ネットワーク経由の印刷も簡単になります。

図10-3は、Oracle ReportsとCUPSとの間における対話的処理を示します。

図10-3 Oracle ReportsとCUPSサーバーとの間における対話的処理

図10-3の説明が続きます
「図10-3 Oracle ReportsとCUPSサーバーとの間における対話的処理」の説明

この構成では、Reports Serverが実行しているすべてのマシンで実行しているすべてのCUPSで、プリンタを構成する必要があります。

CUPSを構成するには、テキスト・ファイルをいくつか使用します。構成関連情報の詳細は、『CUPS Software Administrators Manual』(http://www.cups.org/doc-1.1/sam.html#CONTENTS)を参照してください。

デフォルトでは、他のネットワーク・マシンからCUPSへのアクセスは許可されていません。リモート・マシンからのアクセスを許可するようにCUPSを構成する手順は、次のとおりです。

  1. 次のコマンドを入力して、CUPS構成ファイルを開きます。

    open /etc/cups/cupsd.conf
    
  2. 次の手順を実行してListen命令を追加します。

    1. 構成ファイルを下方にスクロールして、他のListen命令が宣言されている行まで移動します。

    2. Listen 127.0.0.1:631をコピーし、その上または下の行に貼り付けます。

    3. 127.0.0.1をLinuxサーバーのIPアドレスに置き換えます。

  3. 次の手順を実行して各プリンタを構成します。

    1. 構成ファイルで次の行を探します。

      <Location /printers/your_printer_queue>
      
    2. Deny From All命令をコメント化します。

    3. Allow from 127.0.0.1Allow from Allに変更します。

    4. アクセスを可能にするすべてのプリンタ・キューまたはFAXキューについてこの手順を繰り返します。

  4. 構成ファイルを保存してCUPSを再起動します。

    • CUPSを停止するには、次のコマンドを入力します。

      /etc/rc.d/init.d/cups stop
      
    • CUPSを起動するには、次のコマンドを入力します。

      /etc/rc.d/init.d/cups start
      

Red Hat Advanced Serverには、プリンタの設定を支援するための構成ウィザードがあります。構成ウィザードを使用してこのタスクを実行する手順は、次のとおりです。

  1. rootユーザーとしてログオンし、コマンド・プロンプトを開いて次のように入力します。

    redhat-config-printer
    

    「Printer configuration」ウィンドウが表示されます。

  2. 「New」タブを選択し、Add a new print queueウィザードを起動します。

  3. ウィザードのプロンプトに従って、次の操作を実行します。

    • キュー名を入力します。

    • キュー・タイプを選択します。

    • プリンタ・モデルを選択します。

  4. 選択内容を確認して「Apply」をクリックし、新規印刷キューを作成します。

  5. CUPSでプリンタをテストする手順は、次のとおりです。

    • RedHatでブラウザを起動し、URLとしてhttp://localhost:631を入力します。

    • 「Printers」タブを選択します。作成したプリンタが一覧表示されます。

    • 「Print Test Page」をクリックし、プリンタの設定をテストします。テスト・ページが印刷されない場合は、構成手順を繰り返します。プリンタ・タイプとモデルが正しく選択されていることを確認してください。


注意:

lpadminを使用して、コマンドラインからプリンタの追加もできます。このコマンドの詳細は、Linuxのmanページを参照してください。

10.5.1 1台の印刷用サーバーの設定

デフォルトのCUPS構成では、印刷サーバーとしてlocalhostが使用されます。CUPSでリモート・サーバーが使用されるようにするには、/etc/cups/client.confファイルでサーバー名を変更する必要があります。

図10-4では、1台のCUPSサーバーにプリンタが追加され、Reports Serverが実行している他のすべてのマシンで印刷リクエストがリモートCUPSサーバーにルーティングされる構成を示しています。

図10-4 印刷リクエストが1台のリモートCUPSサーバーにルーティングされる構成

図10-4の説明が続きます
「図10-4 印刷リクエストが1台のリモートCUPSサーバーにルーティングされる構成」の説明

他の様々な印刷モデルの詳細は、『CUPS Software Administrators Manual』(http://www.cups.org/doc-1.1/sam.html#CONTENTS)を参照してください。


注意:

Oracle ReportsでプリンタをCUPSサーバーに追加すると、プリンタ名が割り当てられます。プリンタを参照する際はプリンタ名を使用する必要があります。構成で使用されるデバイスURIに応じて、内部で適切なコールにプリンタ名が変換されます。