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Oracle® Fusion Middleware Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド
12c (12.2.1.2)
E82763-01
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12.8 PostScript出力の生成

表12-10に、宛先フォーマットがPostScriptである場合におけるクロス・プラットフォーム配布シナリオを示します。

表12-10 クロス・プラットフォームの配布 - シナリオ3

開発プラットフォーム 配布プラットフォーム 宛先フォーマット

Windows

UNIX

PostScript


ここでは、マルチバイトPostScript出力を想定したレポートの設計および配布を、次の項で説明します。

12.8.1 レポートの設計

UNIXプラットフォームにレポートを配布する前に、次の手順を実行してレポートを準備します。

  1. 新しいレポートを作成します。

  2. レポートで使用するフォントについて、次の項目を確認します。

    • UNIXで使用可能なフォントを使用します。Windows (TTFファイル)で使用可能なすべてのフォント・ファイルが、UNIX (AFMファイルまたはTFMファイル)でも使用できるとは限りません。UNIXプラットフォームで使用できる適切なAFMまたはTFMフォント・ファイルがある場合は、そのフォント・ファイルを使用できます(PostScriptの場合はAFMファイル、PCLの場合はTFMファイル)。


      注意:

      AFMがサポートされるのは、日本語エンコードを除き、シングルバイトのPostScriptファイル生成時のみです。

      AFMファイルに対してサポートされるコード体系は、次のとおりです。

      • AdobeStandardEncoding

      • ExtJIS12-88-CFEncoding

      • FontSpecific

      • HRoman

      • ISOLatinHebrew

      • JIS12-88-CFEncoding

      • JIS12e-88-CFEncoding


    • 適切に拡大または縮小可能なフォントを使用します。たとえば、Tahomaは異なるフォント・サイズに適切に拡張または縮小できますが、MS Sans Serifはできません。これは、MS Sans Serifがラスター・フォントであるためです。ラスター・フォントはサイズを変更できず、一般的に表示が粗くなる問題があります。一方、TahomaはTrueTypeフォントであり、MS Sans Serifと外観が非常に似ています。またTahomaはベクトル・フォントであるため、任意のサイズに変更したり、適切な角度にフォントを回転したりできます。

    • Unicode文字が含まれないフォントを使用します。Oracle Reportsでは、UNIXプラットフォームで出力されたPost Scriptに対してUnicode文字セットがサポートされていません。そのかわり、次のいずれかを使用できます。

      • Oracle ReportsのPDF出力(desformat=pdf): 第10.6.1項「マルチバイト文字セットの印刷」に記載しているように、これによってマルチバイト文字セットがサポートされています。

      • Oracle ReportsユーティリティであるIXおよびPASTA: Oracle Reportsのインストール時に出力されOracle Applicationsで使用されるPostScript出力でフォントを埋め込むためのユーティリティです。詳細は、第10.6.2項「IXおよびPASTAの概要」を参照してください。

  3. PostScriptの出力を設計プラットフォーム(Windows)と同様に配布プラットフォーム(UNIX)で表示するには、両方のプラットフォームで同じ用紙サイズを設定する必要があります。Windowsでデフォルトの用紙サイズをレターから他のサイズ(A4など)に変更するには、次の作業が必要です。

    1. 「設定」「コントロール パネル」「プリンタ」を選択します。

    2. デフォルトのプリンタを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

    3. 「全般」タブの「印刷設定」をクリックします。

    4. 「用紙/品質」タブの「詳細設定」をクリックします。

    5. 用紙サイズを選択し、「OK」をクリックします。

    6. デフォルトの用紙サイズが設定されたメイン・ダイアログ・ボックスが表示されるまで、「OK」をクリックします。

12.8.2 レポートの配布

UNIX上に使用可能なAFMフォント・ファイルがない場合、または文字の不揃いなどレポート出力にフォントの問題が発生した場合は、ttf2pt1など、サード・パーティの無料ユーティリティを使用してWindowsのTTFファイルを変換し、AFMファイルを生成できます。TFMファイルには変換しないでください。予測したとおりの結果にならない場合があります。

レポートをUNIXプラットフォームに配布するには、次の手順を実行します。

  1. レポートに使用されているフォントに対応するTTFファイルを探します。これらのTTFファイルをAFMに変換して、レポートに使用されているフォント用のAFMファイルを作成します。

    TTFファイルからAFMファイルへの変換には、TrueTypeからType1へのフォント変換ユーティリティを使用します。たとえば、ttf2pt1です。

  2. 変換後、AFMファイルの名前から拡張子.afmを削除します。例:

    表12-11 変換後のフォント・ファイル名

    変換前 変換後 変更した名前

    arial.ttf

    arial.afm

    Arial


  3. AFMファイルを$ORACLE_HOME/guicommon/tk/admin/AFMディレクトリにコピーします。

  4. TK_PRINTER環境変数またはPRINTER環境変数に、デフォルトのプリンタの名前が設定されていることを確認します。たとえば、printer1です。

  5. uiprint.txtに次のような適切なPPDファイルのエントリがあることを確認します。printer name: PostScript:2:test:ppd file。この例では、次のようになります。

    printer1:PostScript:2:test:hpljet42.ppd
    
  6. 任意のテキスト・エディタを使用して、ファイルhpljet42.ppdを編集します。たとえば、DefaultPageSizeDefaultPageRegionおよびDefaultPaperDimensionを次のように編集して、デフォルトの用紙をレターからA4に変更します。

    …..
    *DefaultPageSize: A4
    …..
    *DefaultPageRegion: A4
    …..
    *DefaultPaperDimension: A4
    ….
    

    注意:

    PPDファイルをORACLE_HOME/guicommon/tk/admin/PPDから次の場所にコピーします。

    $DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/ReportsToolsComponent/<reports_tools_name>/guicommon/tk/admin/PPD


  7. 使用するPPDファイルに、レポートに使用されているすべてのAFMファイルのエントリがあることを確認します。

    Font Informationセクションに移動して、新しいAFMファイルに必要なエントリを次のような形式で追加します。

    *FONTNAME:ENCODING:VERSION:LOCATION
    

    例:

    *Font Arial: Standard "(Version 2.76)" Standard ROM
    
  8. レポートをプリンタに対して実行し、A4サイズで出力されることを確認します。

    http://mywebserver.com:reports/rwservlet?server=myserver+report="c:\test.rdf"+a
    uthid=hr/hr@mydb+desformat=postscript+destype=cache
    

12.8.3 よくある質問

この項では、レポートをPostScript出力に配布する作業に関連したよくある質問(FAQ)に回答します。

質問

Oracle Reportsでは、Unicode PostScriptファイルの生成をサポートしていますか。

回答

現在、Oracle Reportsでは、Windowsプラットフォームの場合のみPostScript出力におけるUnicode文字セットをサポートしています。UNIXプラットフォームでは、次のいずれかを使用できます。

  • Oracle ReportsのPDF出力(desformat=pdf): 第10.6.1項「マルチバイト文字セットの印刷」に記載しているように、これによってマルチバイト文字セットがサポートされています。

  • Oracle ReportsユーティリティであるIXおよびPASTA: Oracle Reportsのインストール時に出力されOracle Applicationsで使用されるPostScript出力でフォントを埋め込むためのユーティリティです。詳細は、第10.6.2項「IXおよびPASTAの概要」を参照してください。

質問

Oracle Reportsでは、PostScript出力ファイルにフォントを埋め込むことができますか。

回答

Oracle Reportsでは、PostScript出力ファイルにフォントは埋め込まれません。フォント名と、AFMファイルを使用して計算されたメトリックが書き込まれます。そのため、レポートでフォントの位置の問題が起こらないようにするには、必要なフォントをプリンタにインストールしておく必要があります。

質問

UNIXの異なるインストールでレポートを実行すると、レポートのページ数が異なります。インストールに関係なくレポートのページ数を同じにするには、どうすればよいでしょうか?

回答

UNIXでは、Oracle Reportsはインストールのデフォルト・プリンタのPPD/HPDファイルを使用してフォーマットを行います。解像度やフォント・リストは、このPPD/HPDファイルから取得されます。Oracle Reports 10g (9.0.4)以降、インストールにデフォルトのプリンタが設定されていないと、screenprinter.ppdが使用されるようになりました。このPPDファイルによって画面がエミュレートされます。初期のリリースのOracle Reportsでは、かわりにDISPLAY環境変数が使用されていました。2つのインストール間で同じAFM/TFMファイルおよびフォント・ファイルが使用されていることを確認します。これで、PDF出力のページ数は同じになるはずです。