この付録では、HIPAAメッセージに対するStrategic National Implementation Process (SNIP)検証を実装する方法について説明します。
この付録の内容は次のとおりです。
HIPAA EDIコンプライアンス・チェックでは、タイプ1からタイプ7までのデータ検証およびコンプライアンス・レポートをサポートしています。ただし、Oracle B2Bコンソールからは、タイプ1から6までのみ実行されます。
検証のタイプは次のとおりです。
タイプ1 EDI標準整合性のテスト: EDI発行の基本的な構文整合性を検証します。
タイプ2 HIPAA実装ガイドの要件のテスト: 繰返し回数の制限、使用されている修飾子または使用されていない修飾子、コード、要素およびセグメントをチェックすることにより、HIPAA要件ガイド固有の構文要件を検証します。
タイプ3 HIPAAバランスのテスト: 請求明細金額が合計請求金額と等しいかを検証します。
タイプ4 HIPAAセグメント間の状況のテスト: セグメント間の関係を検証します。たとえば、要素Aが存在する場合、要素Bを移入する必要があります。
タイプ5 HIPAA外部コード・セットのテスト: HIPAA標準に対して特定のコード・セット値を検証します。
タイプ6 製品タイプ/サービス・タイプのテスト: 特定の医療サービスに基づいて異なるセグメントが適切に作成および処理されているかを検証します。
タイプ7 取引パートナに固有のテスト: 支払人に固有の要件に関するコンプライアンス。ただし、これはOracle Healthcare/B2Bの設定では実装されません。
SNIP検証は、複数のレベルで構成できます。
グローバル・レベル: XEngineでグローバルな重大度を設定します。
ドキュメント・タイプ・レベル: すべての取引パートナでグローバルです。
取引パートナ・レベル
XEngineで重大度コード・オプションをグローバルに設定するには、<SOA_HOME>/soa/thirdparty/edifecs/XEngine/configディレクトリにあるSeverityConfig.xmlを編集します。次に示すように、<SeverityUsage>
セクションに次のコンテキストを追加できます。
<ApplyTo> <Criteria Name="emp.snip" Value="<snip_type
>"/> <SetSeverity SeverityID="<severity_type
>"/> </ApplyTo>
ここで、<snip_type>は、SNIP構成のタイプを示す1から7までの値であり、<severity_type>は、それぞれの検証失敗タイプに指定可能な各アクションに対する次の値です。
0 = 無視
2000 = 警告
3000 = 情報
たとえば、SNIPレベル1および2を検証する場合、SeverityConfig.xmlファイル内に次のSnippetを追加して、SNIPレベル3から7までを無効にする必要があります。
<SeverityUsage> ... <ApplyTo> <Criteria Name="emp.snip" Value="3"/> <SetSeverity SeverityID="0"/> </ApplyTo> <ApplyTo> <Criteria Name="emp.snip" Value="4"/> <SetSeverity SeverityID="0"/> </ApplyTo> <ApplyTo> <Criteria Name="emp.snip" Value="5"/> <SetSeverity SeverityID="0"/> </ApplyTo> <ApplyTo> <Criteria Name="emp.snip" Value="6"/> <SetSeverity SeverityID="0"/> </ApplyTo> <ApplyTo> <Criteria Name="emp.snip" Value="7"/> <SetSeverity SeverityID="0"/> </ApplyTo> ... </SeverityUsage>
サーバーを再起動すると、Oracle HealthcareエンジンによってSNIPレベル1および2のみが検証され、これ以外のSNIPレベルは無視されます。
SNIP検証タイプごとに、次のアクションを指定できます。
デフォルト: Oracle B2B Engineは、すべてのドキュメント・タイプでグローバルなXEngine SeverityConfig.xml内で構成されているSNIPアクションを使用して、HIPAAメッセージを検証します。SeverityConfig.xml内にオプションが定義されていない場合、XEngineは通常の検証を実行します。
検証: データにエラーがある場合は処理の続行前にエラーを修正する必要があることを指定します。本番環境の場合(XEngineなど)、データはワークフロー・ドキュメント内の次のステップに渡されず、否定確認がデータの送信者に送信されることを指定します。
警告: データに問題があってもデータの処理を続行できることを指定します。本番環境の場合(XEngineなど)、確認ドキュメントでエラーは通知されますが、データはワークフロー・ドキュメント内の次のステップに渡されることを指定します。このオプションは、SeverityConfig.xml
で定義されているオプションをオーバーライドします。
情報: データ・チェックでメッセージがレポートされた場合に、そのメッセージを通知する必要があることを指定します。本番環境の場合(XEngineなど)、確認ドキュメントでエラーは通知されず、データはワークフロー・ドキュメント内の次のステップに渡されることを指定します。
無視: データ・チェックのメッセージを抑制し、クリーンなデータと同様に処理することを指定します。本番環境の場合(XEngineなど)、エラー・レポートでも確認ドキュメントでもエラーは通知されず、データはワークフロー・ドキュメント内の次のステップに渡されることを指定します。
「管理」リンクから、ドキュメント・レベルでSNIP検証を構成できます。ドキュメント・レベルでSNIPレベルを設定すると、その特定のHIPAAドキュメントを使用するすべての取引パートナで構成がグローバルになります。
ドキュメント・レベルでSNIP検証を構成するには:
図J-1に、様々な検証タイプを使用するHIPAAドキュメントを示します。
「ドキュメント」タブの「パートナ」リンクから、取引パートナ・レベルでSNIP検証を構成できます。取引パートナ・レベルでSNIPレベルを設定すると、ドキュメント・タイプ・レベルで設定された構成がオーバーライドされます。
図J-2に、取引パートナ・レベルでのSNIPの構成方法を示します。