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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理
12c (12.2.1.2)
E82709-01
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5 ポートの管理

Oracle WebLogic ServerまたはOracle HTTP Serverによって使用されるポート番号などの、Oracle Fusion Middlewareポート番号を確認および変更できます。

トピック:

5.1 ポートの管理について

Oracle Fusion Middlewareの多くのコンポーネントおよびサービスではポートを使用します。ほとんどのポート番号はドメインの作成時に割り当てられます。管理者は、これらのサービスで使用されるポート番号を把握し、同じポート番号がホスト上の2つのサービスに使用されないことを確認する必要があります。

一部のポートは、ドメインの作成時にポート番号割当てを指定できます。

インストール時に通常割り当てられるポート番号のリストは、「ポート番号」を参照してください。インストール時のポートの割当てを無効にする方法の詳細は、インストレーション・ガイドを参照してください。

5.2 ポート番号の表示

多くの場合、Oracle Fusion Middleware環境で使用されるポート番号を把握する必要があります。

次の各トピックで説明するように、コマンド行またはFusion Middleware Controlを使用して、現在使用中のポート番号を表示できます。

5.2.1 コマンド行を使用したポート番号の表示

Oracle WebLogic Serverのポート番号を表示するには、属性を指定してWLSTのgetコマンドを使用します。たとえば、管理ポートを取得するには、次のコマンドを使用します。

wls:/WLS_domain/serverConfig> get('AdministrationPort')
9002

5.2.2 Fusion Middleware Controlを使用したポート番号の表示

Fusion Middleware Controlを使用して、ドメイン、管理サーバー、管理対象サーバー、Oracle HTTP Serverなどのコンポーネントのポート番号を表示できます。

たとえば、ドメインのポートを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「WebLogicドメイン」メニューで「モニタリング」「ポートの使用状況」を選択します。

    次の図に示すように、「ポートの使用状況」ページが表示されます。

    オプションで、「表示」から管理対象サーバーを選択することで、表示するポートをフィルタできます。

「ポートの使用状況の詳細」表に、使用されているポート、IPアドレス、コンポーネント、チャネルおよびプロトコルが表示されます。

ターゲットに移動し、ターゲットのメニューから「ポートの使用状況」を選択することでも、管理サーバー、管理対象サーバー、Oracle HTTP Serverなどのコンポーネントについて同様のページを表示できます。

5.3 Oracle Fusion Middlewareで使用するポート番号の変更

Fusion Middleware ControlOracle WebLogic Server管理コンソールまたはコマンド行を使用して、一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのポート番号を変更できます。

ポート番号は、未使用であるポートの任意のポート番号に変更できます。コンポーネントに割り当てられているポート範囲内のポート番号を使用する必要はありません。割り当てられているポート範囲の詳細は、「ポート番号」を参照してください。

この項では次のトピックを記載しています:

その他のポートの変更の詳細は、次を参照してください。

  • ノード・マネージャ・ポートの変更の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャの構成に関する項を参照してください。

5.3.1 Oracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

次の各トピックで説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更できます。

Oracle WebLogic Serverポートの変更の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』のリスニング・ポートの構成に関する項を参照してください。

5.3.1.1 Fusion Middleware Controlを使用したOracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

Fusion Middleware Controlを使用して、管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更するには、次の手順を実行します。

  1. ターゲット・ナビゲーション・ペインで、サーバーを選択します。
  2. 「WebLogic Server」メニューで、「管理」「一般設定」を選択します。
  3. 「構成」タブを選択します。「一般設定」タブで、「リスニング・ポート」または「SSLリスニング・ポート」の数値を変更します。
  4. サーバーが稼働中であれば、サーバーを再起動します。
  5. 別のコンポーネントがOracle WebLogic Serverリスニング・ポートに依存している場合、そのようなコンポーネントを再構成する必要があります。

5.3.1.2 WLSTを使用したOracle WebLogic Serverリスニング・ポートの変更

WLSTコマンド行を使用して、管理サーバーまたは管理対象サーバーの非SSL (HTTP)リスニング・ポートおよびSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更するには、次の手順を実行します。コマンドはオフライン・モードで(サーバーに接続せずに)実行する必要があります。

たとえば、管理サーバーのHTTPリスニング・ポートをポート8001に変更するには、次のWLSTコマンドを使用します。

readDomain("oracle/config/domains/domain_name")
cd("servers/AdminServer")
cmo.setListenPort(8001)
updateDomain()

5.3.2 ノード・マネージャのリスニング・ポートの変更

次の各トピックで説明するように、Fusion Middleware ControlまたはWLSTを使用して、ノード・マネージャのリスニング・ポートを変更できます。

5.3.2.1 WLSTを使用したノード・マネージャのリスニング・ポートの変更

WLSTを使用してノード・マネージャのリスニング・ポートを変更するには:

readDomain('Domain_Home')
cd('/')
cd('NMProperties')
set('ListenPort',new_port_number)
updateDomain()

5.3.2.2 Fusion Middleware Controlを使用したノード・マネージャのリスニング・ポートの変更

Fusion Middleware Controlを使用してノード・マネージャのリスニング・ポートを変更するには、新しいポートを指し示すようマシンの構成を変更します。

  1. ノード・マネージャのプロパティ・ファイルを編集して、リスニング・ポート・プロパティを変更します。ドメインベースのノード・マネージャの場合、ファイルは次の場所にあります。
    DOMAIN_HOME/nodemanager/nodemanager.properties
    
  2. 「WebLogicドメイン」メニューから「環境」「マシン」を選択します。
  3. 「マシン」ページで、マシンを選択します。
  4. 「構成」タブを選択します。
  5. 「ノード・マネージャ」タブを選択します。
  6. 「リスニング・ポート」を新しいポート番号に変更します。
  7. 「保存」をクリックします。

5.3.3 Oracle HTTP Serverリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP Serverリスニング・ポート(非SSLまたはSSL)を変更する場合、通常、設定する必要がある依存関係が存在します。

次の各トピックでは、Oracle HTTP ServerのHTTPまたはHTTPSリスニング・ポートを変更する方法について説明します。

5.3.3.1 1024未満に設定されたポート使用時のOracle HTTP Serverのroot実行の有効化(UNIXのみ)

デフォルトでは、Oracle HTTP Serverはroot以外のユーザー(Oracle Fusion Middlewareをインストールしたユーザー)として実行されます。UNIXシステムでは、Oracle HTTP Serverのリスニング・ポート番号を1024未満の値に変更する場合は、rootとして実行するようにOracle HTTP Serverを有効にする必要があります。

rootとして実行するようにリスニング・ポートを有効にする方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle HTTP Serverの管理』の特権ポートでのOracle HTTP Serverインスタンスの起動(UNIXのみ)に関する項を参照してください。

5.3.3.2 WebLogic ServerドメインでのOracle HTTP Serverの非SSLリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP Serverの非SSL (HTTP)リスニング・ポートを変更する手順は次のとおりです。UNIXシステムでリスニング・ポートを1024未満の番号に変更する場合は、最初に「1024未満に設定されたポート使用時のOracle HTTP Serverのroot実行の有効化(UNIXのみ)」の手順を実行する必要があります。

Fusion Middleware Controlを使用してOracle HTTP Serverリスニング・ポートを変更する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、「HTTP_Server」を展開します。次に、Oracle HTTP Serverインスタンスを選択します。
  2. 「Oracle HTTP Server」メニューで、「管理」「ポート構成」を選択します。
  3. HTTPプロトコルを使用するリスニング・ポートを選択して、「編集」をクリックします。
  4. ポート番号を変更して、「OK」をクリックします。
  5. 「Oracle HTTP Server」メニューから「管理」を選択し、「拡張構成」を選択します。
  6. 関連する構成ファイルを選択し、関連するVirtualHostディレクティブを修正して、VirtualHostの古いリスニング・ポートの値を新しい値に変更します。次に例を示します。
    <VirtualHost *:4443> 

    構成を保存します。

  7. Oracle HTTP Serverを再起動します。(「Oracle HTTP Server」メニューで、「コントロール」「再起動」を選択します。)

5.3.3.3 WebLogic ServerドメインでのOracle HTTP ServerのSSLリスニング・ポートの変更

Oracle HTTP ServerのSSL (HTTPS)リスニング・ポートを変更するには、次の手順を実行します。UNIXシステムでリスニング・ポートを1024未満の番号に変更する場合は、「1024未満に設定されたポート使用時のOracle HTTP Serverのroot実行の有効化(UNIXのみ)」の手順を実行する必要があります。

Fusion Middleware Controlを使用してOracle HTTP Server SSLリスニング・ポートを変更する手順は次のとおりです。

  1. ナビゲーション・ペインで、「HTTP_Server」を展開します。次に、Oracle HTTP Serverインスタンスを選択します。
  2. 「Oracle HTTP Server」メニューで、「管理」「ポート構成」を選択します。
  3. HTTPSプロトコルを使用するリスニング・ポートを選択して、「編集」をクリックします。
  4. ポート番号を変更して、「OK」をクリックします。
  5. 「Oracle HTTP Server」メニューから「管理」を選択し、「拡張構成」を選択します。
  6. 関連する構成ファイルを選択し、関連するVirtualHostディレクティブを修正して、VirtualHostの古いリスニング・ポートの値を新しい値に変更します。次に例を示します。
    <VirtualHost *:4443> 

    構成を保存します。

  7. Oracle HTTP Serverを再起動します。(「Oracle HTTP Server」メニューで、「コントロール」「再起動」を選択します。)

5.3.3.4 スタンドアロン・ドメインでのOracle HTTP Serverリスニング・ポートの変更

スタンドアロン・ドメインにおいてOracle HTTP Serverの非SSLおよびSSLリスニング・ポートを変更するには、次のファイルを変更します。

DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/httpd.conf
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/admin.conf
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/ssl.conf
  1. 構成ファイルのコピーを作成します。
  2. 次の構成ファイルおよびポート値を格納しているその他の構成ファイルを修正します。
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/httpd.conf
    DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OHS/component_name/ssl.conf
  3. ファイル内の非SSLおよびSSLリスニング・ポートを新しい値に置換します。
  4. ファイル内の関連する仮想ホスト・ポートを修正します。

5.3.4 Oracle Database Netリスナー・ポートの変更

環境にメタデータ・リポジトリとして機能するOracle Databaseが含まれるときに、そのデータベースのリスナー・ポート番号を変更する場合は、この項で説明する手順を実行します。

最初に、リスナー・ポート番号の変更が必要かどうかを判断します。ホスト上に同じポートを使用する別のデータベースがある場合でも、両方のデータベースで同じポートを使用できます。

複数のOracle Database 10g、Oracle Database 11g、Oracle Database 12cデータベースで、同じOracle Netリスナー・ポートを共有できます。メタデータ・リポジトリとしてOracle Databaseを使用しているホストに別のOracle Database 10g、Oracle Database 11g、Oracle Database 12cデータベースが含まれる場合、それらはすべてポート1521を使用できます。リスナー・ポート番号を変更する必要はありません。

注意:

1つのホスト上で同じキー値を使用する2つのリスナーを実行する場合は、「IPCリスナーのKEY値の変更」を参照してください。

データベース・リスナー・ポートを変更するには:

  1. メタデータ・リポジトリを使用するすべてのコンポーネントを停止します。手順は、「Oracle Fusion Middlewareの起動と停止」を参照してください。

  2. メタデータ・リポジトリ・ホストで、メタデータ・リポジトリのOracle Netリスナー・ポートを変更します。

    1. ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID環境変数が設定されていることを確認します。

    2. メタデータ・リポジトリ・リスナーを停止します。

      lsnrctl stop
      
    3. 次の場所にあるlistener.oraファイルを編集します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/network/admin/listener.ora
      (Windows) ORACLE_HOME\network\admin\listener.ora
      

      LISTENERエントリの下にあるPORTの値を更新します。ファイルを保存します。

    4. tnsnames.oraファイルを編集します。デフォルトの場所は次のとおりです。

      (UNIX) ORACLE_HOME/network/admin/tnsnames.ora
      (Windows) ORACLE_HOME\network\admin\tnsnames.ora
      

      ファイルに次の変更を加えます。

      • MDSリポジトリに適用する各エントリでPORT値を更新します。

      • 次のようなエントリを追加します。

        newnetport =
          (DESCRIPTION =
            (ADDRESS = (PROTOCOL = tcp) (HOST = hostname) (PORT = port)))
        

        この例で、hostnameは完全修飾のホスト名、portは新しいポート番号です。

    5. メタデータ・リポジトリ・リスナーを起動します。

      lsnrctl start
      
    6. SQL*Plusを使用して、SYSDBA権限を持つSYSTEMユーザーとしてメタデータ・リポジトリにログインし、次のコマンドを実行します。

      SQL> ALTER SYSTEM SET local_listener='newnetport' scope=spfile;
      
    7. SQL*Plusを使用して、メタデータ・リポジトリを再起動します。

      SQL> SHUTDOWN
      SQL> STARTUP
      
  3. メタデータ・リポジトリに新しいポート番号を使用するようにシステム・データ・ソースを変更します。これを行うには、Fusion Middleware Controlを使用できます。

    1. チェンジ・センターで、「ロックして編集」をクリックします。

    2. ナビゲーション・ペインで、ドメインを展開します。

      「WebLogicドメイン」ページが表示されます。

    3. 「WebLogicドメイン」メニューから「JDBCデータ・ソース」を選択します。

      「JDBCデータ・ソースのサマリー」ページが表示されます。

    4. 変更するデータ・ソースを選択します。

      「JDBCデータ・ソース」ページが表示されます。

    5. 「接続プール」タブを選択します。

    6. データベース・ポートを変更するには、「データベースURL」フィールドを変更します。次に例を示します。

      jdbc:oracle:thin:@hostname.domainname.com:1522/orcl
      
    7. 「保存」をクリックします。

    8. このデータ・ソースを使用するサーバーを再起動します。(「ターゲット」タブをクリックし、このデータ・ソースを使用するサーバーを表示します。)

5.3.4.1 IPCリスナーのKEY値の変更

2つのリスナーのIPCプロトコル・アドレスに同じKEY値の使用が構成されている場合は、それらを同時に実行できません。デフォルトでは、メタデータ・リポジトリ・リスナーのIPC KEY値はEXTPROCに設定されます。したがって、EXTPROCキーを使用するIPCリスナーが他にもある場合は、EXTPROC1などの別のキー値を使用するようにメタデータ・リポジトリ・リスナーを構成する必要があります。

IPCリスナーのKEY値を変更する手順は次のとおりです。

  1. リスナーを停止します(ORACLE_HOME環境変数が最初に設定されていることを確認します)。
    lsnrctl stop
    
  2. listener.oraおよびtnsnames.oraファイルを編集します。各ファイルで、次の行を探します。
    (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC))
    

    この行を次のように変更します。

    (ADDRESS = (PROTOCOL = IPC)(KEY = EXTPROC1))
    
  3. リスナーを再起動します。
    lsnrctl start