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Oracle® Fusion Middleware SOA SuiteおよびBusiness Process Management SuiteのQuick Start for Developersのインストール
12c (12.2.1.2)
E82819-02
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2 Quick Startをインストールするための準備

Quick Startをインストールする前に、お使いのシステムでQuick Startが実行できることを確認する必要があります。

2.1 動作保証、システムおよび相互運用性の要件の確認

ご使用の環境がインストールに求められる要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスとシステム要件ドキュメントとをあわせて使用することをお薦めします。

  1. 環境が動作保証要件を満たしていることの確認

    サポートされているハードウェアまたはソフトウェア構成上に製品をインストールすることを確認してください。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

    Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。新しい動作保証要件がリリースされると、それらはすぐに動作保証に関するドキュメントに追加されます。動作保証情報は随時発表されます。そのため、動作保証ドキュメントは、ドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  2. 動作保証情報を確認するためのシステム要件ドキュメントの使用

    Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様に関するドキュメントを使用して、動作保証要件が満たされていることを確認してください。たとえば、お使いの製品が64ビットのOracle Linux 6.5で動作保証されたことが動作保証ドキュメントで明示された場合、その動作保証ドキュメントを使用してシステムが求められる最低限の要件を満たしていることを確認してください。その中には、ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージとパッチ、およびその他のオペレーティング・システム固有の要件が含まれます。システム要件は今後変更される可能性があります。そのため、システム要件のドキュメントは、ドキュメント・ライブラリとは別に作成され、Oracle Technology Networkで利用できます。

  3. 複数の製品間での相互運用性の確認

    複数のFusion Middleware製品を同一リリースから、または異なるリリースが混在した状態でインストールし実行する方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware相互運用性および互換性の理解』の「Oracle Fusion Middleware 12cの相互運用性および互換性」を参照してください。

2.2 Oracle Fusion Middleware製品のインストールに必要なソフトウェアについて

Oracle Fusion Middlewareをインストールする前に、データベースおよびJDKに求められる要件を理解し確認する必要があります。

2.2.1 Oracle Fusion Middlewareインストールのデータベース要件の理解

多くのOracle Fusion Middleware製品は、構成の前にデータベース・スキーマが必要です。このようなスキーマをインストールできるデータベースがない場合は、動作保証されたデータベースをインストールして構成する必要があります。

オペレーティング・システムで動作保証されているデータベースを調べるには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

スキーマ作成用にデータベースが適切に構成されていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ドキュメントのリポジトリ作成ユーティリティの要件に関する項を参照してください。

データベースが正しく構成されたら、Repository Creation Utility(RCU)を使用してデータベースに製品スキーマを作成する必要があります。このツールはOracle Fusion Middleware製品のOracleホームに用意されています。RCUの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』の「リポジトリ作成ユーティリティの理解」を参照してください。

2.2.1.1 SOA Suiteスキーマに必要なカスタム変数について

Oracle SOA Suiteのスキーマをインストールするときに、2つのカスタム変数の設定を求めるプロンプトが表示されます。この変数は、該当するスキーマがデータベースに作成される方法に影響します。

これらの変数は、次の各項でさらに詳しく説明します。

2.2.1.1.1 データベース・プロファイル・カスタム変数について

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の「カスタム変数」画面にある、データベース・プロファイル・カスタム変数を使用すると、SOAインフラストラクチャ・スキーマをインストールするデータベースに関する予測サイズまたはプロファイルを確認できます。

Oracle SOA Suite構成に必要なデータベースのサイズを推定する場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』のデータベース拡大管理計画の作成に関する項に記載された情報を考慮に入れてください。

データベース・プロファイルとして「SMALL」または「MEDIUM」と入力すると、スキーマの作成時に、RCUで特別なアクションが実行されます。「SMALL」「MEDIUM」オプションは、情報提供の目的にのみ入力する必要があります。

データベース・プロファイルとして「LARGE」を入力すると、RCUにより、間隔パーティション化というOracleデータベース機能を使用してSOAインフラストラクチャ・スキーマが作成されます。間隔パーティション化により、多数のコンポジット・アプリケーションを処理する必要がある場合に、データベースの効率が向上します。「LARGE」データベース・プロファイルを選択すると、RCUで、Oracle SOA Suiteの削除スクリプトとガイドラインでサポートされている方法で、間隔パーティション化した表が作成されます。

データベースのパーティション化に関する詳細は、Oracle Database VLDBおよびパーティション化ガイドで、次の内容に関する項を参照してください。

  • パーティション化の概念

  • 間隔パーティション化

2.2.1.1.2 Healthcare Integrationカスタム変数について

Healthcare Integrationカスタム変数は、Oracle Business Process Management Suiteユーザー・インタフェースのアクティブ化に役立ちます。インタフェースは、Oracle Business Process Management用にサポートされていません。

Oracle Business Process Management Suiteユーザー・インタフェースを使用する予定がない場合は、Healthcare Integrationカスタム変数の値を「NO」に設定します。Oracle Business Process Management Suiteユーザー・インタフェースを使用する予定がある場合は、「YES」に設定します。いずれにも設定しない場合、Oracle Business Process Management Suiteユーザー・インタフェースは、インストールおよび構成後に正常に動作しません。

「YES」に設定すると、RCUは、データベース内に追加のマテリアライズド・ビューを作成します。Oracle Business Process Management Suiteユーザー・インタフェースには、このビューが必要になります。NOに設定した場合、次に示すSQLスクリプトをデータベースで実行することで、これに該当する追加のスキーマ構成タスクを後から実行できます。このスクリプトは、B2Bインストール・タイプにHealthcareを選択すると、Oracle Fusion MiddlewareのOracleホームにインストールされます。

ORACLE_HOME/common/sql/soainfra/sql/oracle/b2b_mv.sql

詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle SOA Suiteヘルスケア統合ユーザーズ・ガイドのOracle SOA Suite for Healthcare Integrationユーザー・インタフェースの使用方法に関する項を参照してください。

2.2.2 Oracle Fusion MiddlewareインストールのJDK要件の理解

ほとんどのFusion Middleware製品は、.jar ファイル形式で配布されます。これらのディストリビューションにJDKは含まれていません.jar配布インストーラを実行するには、動作保証されたJDKがすでにシステムにインストールされている必要があります。

JDKがOracleホームの外部にインストールされていることを確認してください。Oracleホームの下にJDKをインストールすると、将来的にタスクを実行しようとすると、問題が発生します。Oracle Universal Installerは、Oracleホーム・ディレクトリが空であるかどうかを検証し、空のディレクトリが指定されるまで、インストールを進めません。JDKのインストールは、/home/oracle/products/jdkディレクトリに行うことをお薦めします。

一部の製品(Oracle HTTP ServerおよびOracle JDeveloperなど)は、プラットフォーム固有のディストリビューションとして提供されています。プラットフォーム固有のディストリビューションには、.bin (UNIXオペレーティング・システム用)または.exe (Windowsオペレーティング・システム用)インストーラが含まれます。その場合は、プラットフォーム固有のJDKがディストリビューションに含まれており、JDKを別途インストールする必要はありません。ただし、認定されたJDKのバージョンによっては、より新しいバージョンにそのJDKをアップグレードする必要があります。

Oracle Fusion Middlewareでサポートされるシステム構成のページで動作保証情報を参照し、必要なJDKバージョンであることを確認してください。12c (12.2.1.2)では、動作保証されたJDKは1.8.0_101以降です。

必要なJDKをダウンロードするには、次のURLにアクセスしてJava SE JDKをダウンロードします。

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html

2.3 インストール・ユーザーの選択

システムをインストールおよび構成するユーザーは、必要な権限を持っている必要があります。

2.3.1 ユーザー権限の理解

Fusion Middleware製品をインストールするユーザーは、そのファイルを所有し、そのファイルに対する特定の権限を持ちます。

  • 実行可能ファイル以外(.jar.properties.xmlなど)のすべてのファイルに対する読取り権限と書込み権限。その他の同じグループのすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限のみがあります。

  • すべての実行可能ファイル(.exe.shまたは.cmd)に対する読取り、書込みおよび実行権限。同じグループのその他のすべてのユーザーにはファイル所有者として読取り権限および実行権限のみがあります。

したがって、ソフトウェアをインストールするユーザー以外のユーザーも、ドメインまたはFusion Middleware製品を構成するためにOracleホームのインストール・バイナリを使用できます。

構成中に生成されたファイルは、構成ウィザードを実行したユーザーが所有者になり、前述のインストール・ユーザーと同じ権限を持ちます。ただし、セキュリティ・センシティブなファイルは、グループ権限では作成されません。ドメインを作成したユーザーのみが読取りおよび書込み権限を持ち、ドメインを管理できます。

次に例を示します。

  • 例1: 1人のユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合

    この例は、同じユーザーがソフトウェアをインストールしてドメインを構成する場合の権限を示します。

    すべてのファイルに対して適切な権限があるようにするには、同じ所有者が構成ウィザードを使用してOracle Fusion Middleware製品のインストールとWebLogic Serverドメインの構成の両方のタスクを実行することをお薦めします。

    ドメインを作成したユーザーがソフトウェアをインストールしたユーザーと異なる場合、両ユーザーは次の例で示されているように同じ権限を持っている必要があります。

  • 例2: Oracleホームとドメインを別のユーザーが作成する場合

    この例では、片方のユーザーがOracleホームを作成し、もう片方のユーザーがドメインを構成した場合の権限が示されています。

注意:

特定のドメイン・ファイルには、グループ権限がありません。たとえば、cwallet.ssoなどです。

インストーラを起動する前に次の点を考慮してください:

  • UNIXオペレーティング・システムでは、ソフトウェアのインストール前にシステムでumask027に設定することをお薦めします。これにより、インストール時にファイルの権限を正しく設定することができるようになります。以下のコマンドを使用します。

    umask 027

    このコマンドは、製品のインストーラと同じ端末ウィンドウで実行する必要があります。

  • UNIXオペレーティング・システムでは、インストール・プログラムをrootユーザーで実行しないでください。インストーラをrootユーザーで起動した場合、起動時の検証に失敗しインストールを続けられないことがあります。

  • 製品のインストールを管理する際(パッチ適用、管理対象サーバーの起動など)は、製品インストール時と同じユーザーIDを使用する必要があります。

  • Windowsオペレーティング・システムでは、製品のインストールに管理者権限が必要です。詳細は、「Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認」を参照してください。

2.3.2 UNIXオペレーティング・システムでの非デフォルト・ユーザー権限の理解

デフォルトの権限設定を変更すると、インストールおよび場合によってはシステムのセキュリティが脆弱になります。デフォルトの権限の設定を変更することはお薦めしません。

他のユーザーが特定のファイルまたは実行可能ファイルへアクセスしなければならない場合、ファイルのアクセス権を変更するかわりに、UNIXのsudoコマンド(または他の同様のコマンド)を使用することを検討してください。

さらにサポートが必要な場合は、ご使用のUNIXオペレーティング・システムに付属している管理者ガイドを参照するか、オペレーティング・システムのベンダーに問い合せてください。

2.3.3 Windowsオペレーティング・システムでのインストール・ユーザーに管理者権限があることの確認

Windowsレジストリを更新するには、管理者権限が必要です。

デフォルトでは、管理者権限を持つグループのユーザーは、一般レベルの権限でシステムにサインインしますが、管理タスクを実行する際には権限レベルの引き上げをリクエストできます。

高い権限が必要なタスクを実行するには:

  1. 左下の「スタート」メニューまたはWindowsアイコンから、「コマンド・プロンプト」アイコンを見つけます。
  2. コマンド・プロンプトを右クリックして「管理者として実行」を選択します。
    こうするとコマンド・プロンプトのウィンドウが新規に開き、このウィンドウで実行されるすべてのアクションが管理者権限で実行されます。

    注意:

    システムでユーザーアクセス制御が有効な場合、このアクションの確認を求めるウインドウが表示される場合があります。確認し、この手順を続行します。
  3. 必要なタスクを実行します。

    たとえば、製品のインストーラを起動するには:

    jarファイルの場合は、次のように入力します。

    java —jar distribution_name.jar

    実行可能ファイル(.exe, .bin, or .sh file)の場合、次のように入力します:

    distribution_name.exe

2.4 JAVA_HOMEの設定

環境変数JAVA_HOMEをJDKの場所を指すように設定します。

パス定義は次のようになります。

環境 実行コマンド

UNIX

JAVA_HOME=$HOME/Java/jdk1.8.0_101
export JAVA_HOME

Windows

「スタート」メニューでcmd.exeを検索します。cmd.exeを右クリックして、「管理者として実行」を選択します。

SET JAVA_HOME="C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_101"
  • JAVA_HOMEはすべて大文字にしてくだい。

  • JDKフォルダを前述の例のインストール先と同じ名前にしたり、同じ場所に配置することはできません。必ず実際のインストール先を指すようにしてください。

2.5 次の手順

インストール準備の手順を完了すると、Quick Startディストリビューションをインストールできるようになります。

このガイドの以降の章では、外部Oracle Databaseとコンパクト・ドメインを使用するようにディストリビューションを構成する方法、サンプル・アプリケーションを使用してディストリビューションをテストする方法およびQuick Startディストリビューションをアンインストールする方法を説明します。各章の最後に、このガイドを読み進めるためのアクション・リストがあります。

Oracle SOA SuiteOracle Business Process Management Suiteで、全般的なインストール・プロセスおよび構成プロセスは同じです。このドキュメントでは、詳細な手順の説明を簡略化するために、両者の異なる部分について説明します。

ディストリビューションを選択して、Quick Startの使用を開始します。

アクション リソース

Oracle SOA SuiteとQuick Startのインストールを開始します。

「Oracle SOA Suite Quick Start for Developersのインストール」を参照してください。

Oracle Business Process Management SuiteとQuick Startのインストールを開始します。

「Oracle Business Process Management SuiteのQuick Start for Developersのインストール」を参照してください。