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Oracle® Fusion Middleware Oracle Stream Analyticsの使用
12c (12.2.1.2.0)
E82777-01
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1 Oracle Stream Analyticsの概要

Oracle Stream Analyticsは非常に先進的で、スケーラブルで、信頼性が高く、柔軟です。Oracle Stream Analyticsを使用して、イベント処理アプリケーションを容易に設計できます。

Oracle Stream Analyticsは、複雑なイベント処理操作を簡略化し、技術的バックグラウンドのないユーザーでも使用できるようにするために開発されました。

この章の構成は、次のとおりです。

1.1 Oracle Stream Analyticsのユーザー・インタフェース

Oracle Stream Analyticsのユーザー・インタフェース・コンポーネントについては、次以降の項で示し、詳しく説明します。

1.1.1 サイン・イン・ページ

Oracle Stream Analyticsは、Visualizerで構成されたのと同じ、ユーザーおよびユーザー・ロールの組合せを使用します。Oracle Stream Analyticsは、Oracle Stream Analytics Event Processing Serverによって提供されるのと同じ、ロールベースの認可および認証システムを使用します。

次の資格証明を使用してOracle Stream Analyticsアプリケーションにサイン・インします。

  • ユーザー名: <インストール時に入力したユーザー名>(デフォルト・ユーザーはoepadmin)

  • パスワード: <インストール時に入力したパスワード>

Oracle Stream Analytics Event Processing Serverのいずれかのユーザー・アカウント(管理者ロールを持つもの)を使用してサイン・インすることもできます。

「サイン・イン」ページを次に示します。

図1-1 Oracle Stream Analyticsの「サイン・イン」ページ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Oracle Stream Analyticsの「サイン・イン」ページの説明

1.1.2 ホームページ

Oracle Stream Analyticsでサポートされている業種が、ホーム・ページにリストされています。

各業種にはそれに関連付けられたタグがあり、タグでは大文字と小文字が区別されます。

  • IOT用の分散インテリジェンス - エッジとデータ・センター両方のセンサーとデバイスからの大量の高速データをリアルタイムで取得、分析し、それに対処します。この業種のタグは、IOTです。

  • リスクと不正の管理 - 業界最高のストリーム処理プラットフォームを活用して、リアルタイムでリスクを評価し、金融詐欺を防止します。この業種のタグは、riskです。

  • 運送と物流 - ストリーミング・データをOracleの先進の空間機能と結びつけることによって、車両を管理し、アセットを追跡し、サプライ・チェーンの効率を改善します。この業種のタグは、transportationです。

  • 顧客の経験と消費者の分析 - リアルタイムで顧客感情を理解して、混乱を軽減し、忠実度を高め、オファーを届け、顧客を引きつけます。この業種のタグは、customerです。

  • 電気通信 - プロアクティブにネットワークをモニターし、ネットワーク障害を予測して、DDoSタイプの攻撃を防止します。この業種のタグは、telecomです。

  • 小売業 - その時点の小売購買傾向を理解および適用し、有効な品質保持期限パターンと配置を調査し、顧客カートの使用に応答し、先進の自動販売機と相互作用します。この業種のタグは、retailです。

ホームページを次に示します。

図1-2 Oracle Stream Analyticsホーム・ページ

図1-2の説明が続きます。
「図1-2 Oracle Stream Analyticsホーム・ページ」の説明

1.1.3 「カタログ」ページ

「カタログ」ページは、探査、ストリーム、参照、マップ、接続およびターゲットなどのリソースが表示される場所です。これは、Oracle Stream Analyticsのあらゆるタスクを実行するための場所です。

カタログで表示されるリソースは、アプリケーションに使用しているランタイムによって異なります。

スター・アイコンをクリックして、リソースをカタログでお気に入りとしてマークできます。アイコンを再度クリックして、お気に入りからします。お気に入りアイコン右のメニュー・アイコンを使用して、リソースの削除あるいはトポロジの表示が可能です。「カタログ」ページを次に示します。

図1-3 「カタログ」ページ

図1-3の説明が続きます
「図1-3「カタログ」ページ」の説明

カタログで項目に適用されたタグは、左ナビゲーション・ペイン下の画面にもリスト表示されます。これらのタグのいずれかをクリックすると、カタログのそのタグの付いた項目のみを表示できます。画面上部にタグが表示されます。画面上の「すべてクリア」をクリックし、カタログをクリアしてすべての項目を表示します。次の画面は、タグを選択したときのカタログを示しています。

図1-4 タグが適用されたカタログ

図1-4の説明が続きます
「図1-4 タグが適用されたカタログ」の説明

「表示」下の左側のパネルの「すべて表示」リンクを使用して、カテゴリに基づいて探査、ストリーム、参照、マップ、接続およびターゲットを包含または除外できます。「すべて表示」をクリックすると、隣にティック・マークが表示され、すべてのコンポーネントがカタログに表示されます。

いくつかの選択した項目のみをカタログに表示するには、「すべて表示」の選択を解除し、個別にコンポーネントを選択します。選択されたコンポーネントのみがカタログ内に表示されます。

1.1.4 Exploration Editor

Exploration Editor (Explorerとも呼ばれます)を使用すると、Oracle Stream Analyticsで探査を作成または編集できます。

1.1.4.1 式エディタ

式エディタを使用して、式を簡単に作成できます。式エディタは様々な標準の関数をサポートしており、文字列、数値データ、英数字データ、日時、その他多くのデータ型に操作を実行できます。式エディタを探査内で使用して、計算を実行し、特定のデータを取得できます。

1.1.5 ストリーム・ウィザード

ストリーム・ウィザードを使用すると、Oracle Stream Analyticsでストリームを作成または編集できます。

1.1.6 参照ウィザード

参照ウィザードを使用すると、Oracle Stream Analyticsで参照を作成または編集できます。

1.1.6.1 マップ、接続およびターゲットの使用

マップ、接続およびターゲットは、今回のリリースで追加された新しい機能です。

詳細は、次の各項を参照してください。

1.1.6.1.1 マップの作成/編集

マップは、境界を定義するための地理的な領域の仮想的な垣根です。マップは特定の領域における境界を定義するのに役立ち、ビジネスのためのデータの分析に使用できます。分析したデータを基にして、データをビジネス・パフォーマンスの向上に使用できます。

マップを使用して、ビジネスにトリガーを設定できます。デバイスが定義された境界に出入りするとき、ユーザーはテキスト・メッセージまたは電子メールでアラートを受け取ります。

マップを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「カタログ」に移動します。
  2. 「新規アイテムの作成」「マップ」の順に選択します。
    「マップの作成 - タイプ・プロパティ」ウィザードが開きます。

    図1-5 マップの作成 - タイプ・プロパティ

    図1-5の説明が続きます
    「図1-5 マップの作成 - タイプ・プロパティ」の説明
  3. 「タイプ・プロパティ」画面の次のフィールドに詳細を入力します。
    1. 「名前」にマップの名前を入力します。これは必須フィールドです。
    2. 「説明」にマップの説明を入力します。これはオプションのフィールドです。
    3. 「タグ」にマップのタグを入力します。任意のタグを好きなように入力できます。タグは「カタログ」でのマップのフィルタリングに役立ちます。
    4. マップ・タイプを選択します。使用可能なタイプは、次のとおりです。
      • なし(手動で作成) - この値は、既存のマップ・タイプを使用しないで、手動でタイプを作成することを示します。このオプションを選択すると、詳細を保存できますが、マップの作成は完了しません。

      • データベース表 — マップはデータベース表に格納されているデータに基づきます。

        注意:

        データベース表には少なくとも1つのSDO_GEOMETRYタイプのフィールドが含まれている必要があります。
    5. 「保存」をクリックして、実施した変更をコミットするか、これまでに追加された詳細設定を保存します。
    6. 「次へ」をクリックします。
      「マップの作成」 - 「接続の詳細」画面が開きます。

      図1-6 マップの作成 - 接続の詳細

      図1-6の説明が続きます
      「図1-6 マップの作成 - 接続の詳細」の説明
  4. 接続の詳細画面の次のフィールドに詳細を入力します。
    1. ドロップダウン・リストからデータ・ソース名を選択します。このデータ・ソース名は、以前に作成した接続から付けられています。
    2. 「戻る」をクリックすると、ウィザードの前の画面に移動します。
    3. 「保存」をクリックして、実施した変更をコミットするか、これまでに追加された詳細設定を保存します。
    4. 「次へ」をクリックします。
      「マップの作成 - 形状」画面が開きます。
  5. 「名前」で形状の名前を選択します。IDのプロパティ、説明のプロパティ、名前のプロパティおよび形状のプロパティを変更できます。選択された形状は、マップおよび接続の形状バインディング・キーを表示します。
  6. 「戻る」をクリックすると、ウィザードの前の画面に移動します。
  7. 「保存」をクリックしてこれまでに入力した詳細を保存し、マップの作成を完了します。
指定した詳細でマップが作成されます。
作成されたマップは次のように表示されます。

図1-8 作成されたマップ

図1-8の説明が続きます。
「図1-8 作成されたマップ」の説明

保存されたジオフェンスをクリックして、マップに保存済の領域を表示します。マップのビューのズーム・インおよびズーム・アウト・コントロールを使用できます。場所を表示をクリックすると、選択されたジオフェンスの緯度と経度を表示できます。

情報の編集アイコンをクリックし、名前、説明などのマップの詳細を編集します。「元に戻す」アイコンは、最後に行った変更の取消しに、再実行アイコンは最後に実行したアクションの繰返しに使用できます。

1.1.6.1.2 接続の作成/編集

接続は、URL、証明書など、外部システムへの接続に必要なメタデータの集合体です。接続はストリームおよびターゲットの作成の基礎になります。

接続を作成および編集する手順は、次のとおりです。
  1. 「カタログ」に移動します。
  2. 「新規アイテムの作成」「接続」の順に選択します。
    「接続の作成 - タイプ・プロパティ」ウィザードが開きます。

    図1-9 接続の作成 - タイプ・プロパティ

    図1-9の説明が続きます。
    「図1-9 接続の作成 - タイプ・プロパティ」の説明
  3. 「タイプ・プロパティ」画面の次のフィールドに詳細を入力します。
    1. 「名前」にマップの名前を入力します。これは必須フィールドです。
    2. 「説明」にマップの説明を入力します。これはオプションのフィールドです。
    3. 「タグ」にマップのタグを入力します。任意のタグを好きなように入力できます。タグは「カタログ」でのマップのフィルタリングに役立ちます。
    4. 「接続タイプ」を選択します。使用可能なタイプは、次のとおりです。
      • Kafka

      • Twitter

      • Coherenceキャッシュ

      • HTTPパブリッシュ/サブスクライブ

      • MQTT

      • Weblogicサーバー

    5. 「次へ」をクリックします。
      「接続の作成」 - 接続の詳細画面が開きます。

      図1-10 接続の作成 - 接続の詳細

      図1-10の説明が続きます。
      「図1-10 接続の作成 - 接続の詳細」の説明
    6. 使用可能なフィールドは、選択した接続のタイプによって異なります。

      表1-1 接続のタイプ

      フィールド名 説明

      Kafka

      Kafka接続を使用する場合、このタイプを選択します。

      注意:

      Kafka接続のトピック名の指定は、ストリームで使用される接続に必要です。デプロイメントが成功するには、トピックが存在する必要があります。
      • ZooKeeper

      カンマで区切られたZooKeeperの接続文字列を入力します。

      • Kafkaブートストラップ

      カンマで区切られたKafkaの接続文字列を入力します。

      ツイッター

      Twitter接続を使用する場合、このタイプを選択します。

      • コンシューマ・キー

      コンシューマ・キーとして使用されるAPIキーを入力します。

      • コンシューマ・シークレット

      コンシューマ・シークレットとして使用されるAPIシークレットを入力します。

      • アクセス・トークン

      アクセス・トークンを入力します。

      • アクセス・トークン・シークレット

      シークレットのアクセス・トークンを入力します。

      • HTTPプロキシ・ホスト

      HTTPプロキシのホストを入力します。

      • HTTPプロキシ・ポート

      HTTPプロキシのポート番号を入力します。

      Coherenceキャッシュ

      Coherenceキャッシュ接続を使用する場合、このタイプを選択します。

      • Tangosol構成

      XMLコンテンツ(XMLヘッダーなし)をtangosolのconfig.xmlファイルからこのフィールド内にコピーして貼り付けます。

      • キャッシュ構成

      XMLコンテンツ(XMLヘッダーなし)をキャッシュの config.xmlファイルからこのフィールド内にコピーして貼り付けます。

      HTTPパブリッシュ/サブスクライブ

      HTTPパブリッシュ・サブスクライブ接続を使用する場合、このタイプを選択します。

      • サーバーのURL

      サーバーのURLを入力します。

      • ユーザー名

      この接続に使用されるユーザー名を入力します。

      • パスワード

      この接続に使用されるパスワードを入力します。

      MQTT

      MQTT接続を使用する場合、このタイプを選択します。

      • サーバーURL

      サーバーのURLを入力します。

      WebLogicサーバー

      WebLogicサーバー接続を使用する場合、このタイプを選択します。

      • URL

      サーバーのURLを入力します。

      • ユーザー名

      接続に使用されるユーザー名を入力します。

      • パスワード

      接続に使用されるパスワードを入力します。

  4. 「戻る」をクリックすると、ウィザードの前の画面に移動します。
  5. 「保存」をクリックして、実施した変更をコミットするか、これまでに追加された詳細設定を保存します。
指定した詳細で接続が作成されます。
1.1.6.1.3 ターゲットの作成/編集

ターゲットは、ダウンストリーム・システムとのインタフェースを定義するオブジェクトです。ターゲット・タイプのリストは、サポートされる技術とメッセージング・システムに関しては、ストリーム・タイプのリストとほぼ同じです。また、ターゲットはイベント形状の定義の観点からタイプ分けされます。

ターゲットを作成および編集する手順は、次のとおりです。
  1. 「カタログ」に移動します。
  2. 「新規アイテムの作成」「接続」の順に選択します。
    「接続の作成 - タイプ・プロパティ」ウィザードが開きます。

    図1-11 ターゲットの作成 - タイプ・プロパティ

    図1-11の説明が続きます
    「図1-11 ターゲットの作成 - タイプ・プロパティ」の説明
  3. 「タイプ・プロパティ」画面の次のフィールドに詳細を入力します。
    1. 「名前」にマップの名前を入力します。これは必須フィールドです。
    2. 「説明」にマップの説明を入力します。これはオプションのフィールドです。
    3. 「タグ」にマップのタグを入力します。任意のタグを好きなように入力できます。タグは「カタログ」でのマップのフィルタリングに役立ちます。
    4. 「接続タイプ」を選択します。使用可能なタイプは、次のとおりです。
      • HTTPパブリッシャ

      • Kafka

      • JMS

      • Coherenceキャッシュ

      • CSVファイル

      • REST

      • MQTT

      • EDN

    5. 「次へ」をクリックします。
      「接続の作成」 - 接続の詳細画面が開きます。

      図1-12 ターゲットの作成 - ターゲットの詳細

      図1-12の説明が続きます
      「図1-12 ターゲットの作成 - ターゲットの詳細」の説明
    6. 使用可能なフィールドは、選択したターゲットのタイプによって異なります。

      表1-2 ターゲットのタイプ

      フィールド名 説明

      HTTPパブリッシャ

      HTTPパブリッシャ・ターゲットを使用する場合、このタイプを選択します。

      • 接続

      HTTPパブリッシャのタイプのドロップダウン・リストから接続を選択します。

      • チャネル

      HTTPパブリッシャの適切なチャネルを入力します。

      Kafka

      Kafkaターゲットを使用する場合、このタイプを選択します。

      • 接続

      Kafkaのタイプのドロップダウン・リストから接続を選択します。

      • トピック名

      Kafkaターゲットの適切なトピック名を入力します。

      JMS

      JMSターゲットを使用する場合、このタイプを選択します。

      • 接続

      JMSのタイプのドロップダウン・リストから接続を選択します。

      • JNDI名

      JMSの適切なJNDI名を入力します。

      Coherenceキャッシュ

      Coherenceキャッシュ・ターゲットを使用する場合、このタイプを選択します。

      • 接続

      Coherenceキャッシュのタイプのドロップダウン・リストから接続を選択します。

      • キャッシュ名

      キャッシュの適切な名前を入力します。

      • キャッシュ・キー

      キャッシュの適切なキーを入力します。

      CSVファイル

      CSVファイルをターゲットとして使用する場合、このタイプを選択します。

      • ファイル名

      ファイル名を入力し、「ダウンロード」をクリックしてCSVファイルをダウンロードします。

      • 追加

      CSVファイルをターゲットに追加する場合は、このチェック・ボックスを選択します。

      REST

      RESTターゲットを使用する場合、このタイプを選択します。

      • ターゲットURL

      RESTターゲットのURLを入力します。

      MQTT

      MQTTターゲットを使用する場合、このタイプを選択します。

      • 接続

      MQTTのタイプのドロップダウン・リストから接続を選択します。

      • トピック名

      MQTTターゲットの適切な名前を入力します。 このトピック名はMQTT接続で定義されている必要があります。

      • サービスのクオリティ
      ゼロより大きい数値を入力してください。 入力できる値は次のとおりです。
      • 0 - 多くても1回

      • 1 - 少なくとも1回

      • 2 - 必ず1回。

      増分アイコンまたは減分アイコンを使用して値を増加または減少させます。

      EDN

      EDNターゲットを使用する場合、このタイプを選択します。

      • 接続

      EDNのタイプのドロップダウン・リストから接続を選択します。

    7. 「戻る」をクリックすると、ウィザードの前の画面に移動します。
    8. 「保存」をクリックして、実施した変更をコミットするか、これまでに追加された詳細設定を保存します。
    9. ウィザードの次の画面に進むには、「次へ」をクリックします。
      「ターゲットの作成 - 形状」画面が開きます。
  4. 既存の形状を使用してマッピングを行うには、既存の形状を選択を選択します。
  5. マッピングに新しい形状を作成するには、新規形状の作成を選択します。新しい形状を作成するとき、形状の名前を指定し、形状にフィールドを追加し、フィールドのタイプを指定する必要があります。
  6. 「戻る」をクリックすると、ウィザードの前の画面に移動します。
  7. 「保存」をクリックして、実施した変更をコミットするか、これまでに追加された詳細設定を保存します。
指定した詳細でターゲットが作成されます。

1.2 Oracle Stream Analyticsのコンポーネント

Oracle Stream Analyticsのコンポーネントについては、次以降の項で示します。

1.2.1 ストリーム

ストリームは、動的データのソースです。データは流動するものであり、静的であったり凍結したりしてはいません。たとえば、個別の企業の株価は、データが毎秒到来するため、ストリームとみなすことができます。ストリームはEDNサーバー、JMSサーバー、RESTサービス、HTTPパブリッシュ・サブスクライブ・サーバー、CSVファイルからのシミュレーション(データ・ダンプ)、Kafkaアダプタ、Twitterアダプタ、MQTTアダプタ、Coherenceキャッシュ・アダプタまたはイベント・ジェネレータから得られます。

1.2.2 参照

参照は、イベント・データに関するコンテキスト情報を提供する静的データのソースです。イベント・データのメタデータとコンテキスト情報は、参照に格納されます。このリリースでサポートされる唯一の参照タイプは、Oracle Databaseの表です。

1.2.3 探査

探査を使用すると、データを管理するためのビジネス基準を定義できます(フィルタ、サマリー、グループ化または相関)。探査は、ストリーミング・データ、式およびビジネス・ルールの視覚表現です。これにより、ビジネス基準がどのように適用され、データを管理するかがわかります。ターゲットを探査に追加または添付できます。ただし、ターゲットは事前に作成され、構成されている必要があります。

1.2.4 トポロジ・ビューア

トポロジは、接続されたエンティティのグラフィカル表示です。トポロジは、エンティティ間の依存関係および接続を示します。

トポロジ・ビューアを使用して、選択したエンティティの他のエンティティに対する依存関係を識別できます。依存関係を理解することにより、注意深くエンティティを削除あるいはアンデプロイできます。Oracle Stream Analyticsでは、トポロジ用の2つのコンテキスト、即時ファミリおよび拡張ファミリがサポートされています。

トポロジ・ビューアは、次のいずれかの方法で起動できます。

エディタ右上の「トポロジの表示」アイコンをクリックして、トポロジ・ビューアを開きます。トポロジは、エンティティ間の依存関係および接続のグラフィカル表示です。デフォルトでは、トポロジ・ビューアを起動したエンティティのトポロジが表示されます。このトポロジのコンテキストは即時ファミリで、エンティティと他のエンティティの間の即時依存関係および接続のみが表示されることを示します。トポロジのコンテキストを切り替えて、トポロジ・ビューアで起動したエンティティのトポロジ全体を表示できます。拡張ファミリコンテキストのトポロジでは、トポロジのすべての依存関係および接続が階層的に表示されます。

注意:

トポロジ・ビューアでは、トポロジが表示されているエンティティはグレーのボックスに囲まれています。

即時ファミリ

即時ファミリコンテキストによって、選択したエンティティとその子または親との間の依存性が表示されます。

次の図は、即時ファミリでどのようにトポロジが表示されるかを示しています。

図1-17 即時ファミリでのトポロジ・ビューア

図1-17の説明が続きます
「図1-17 即時ファミリでのトポロジ・ビューア」の説明

拡張ファミリ

拡張ファミリコンテキストは、エンティティ間の依存関係をフルコンテキストで表示します。つまり、エンティティに子エンティティおよび親エンティティがあり、親エンティティに他の依存関係がある場合、すべての依存関係がフルコンテキストで表示されます。

次の図は、拡張ファミリでどのようにトポロジが表示されるかを示しています。

図1-18 拡張ファミリでのトポロジ・ビューア

図1-18の説明が続きます
「図1-18 拡張ファミリでのトポロジ・ビューア」の説明

1.2.5 パターン

パターンを使用すると、共通のビジネス・シナリオに基づくイベント・ストリームを簡単に調査できます。

1.2.6 マップ

マップはジオフェンスの集合体です。ジオフェンスとは、地理的領域のことで、地理的マップ上のポリゴンです。Oracle Stream Analyticsでは、マップはGPSデータなどの地理的座標を含むストリーミング・データの基本となる参照として使用されます。

この技術は日々の生活で多く使用されています。次に例を示します。
  • ショッピング・モールでは、ショッピング・モールが所有するデバイスが領域から出たかどうかを識別して追跡する境界を設定できます。このような追跡は、経営者がデバイスを無効にしたり、デバイスの通信が途絶えたこと報告する際に役立ちます。

  • 店舗は特定の地理的ロケーションにいる顧客に割引を提供し、割引クーポンを送ることができます。割引クーポンを店に持参した顧客は割引を受けられます。

1.2.7 形状

形状は、ストリームの範囲内におけるデータ定義の表現です(つまり、イベント・タイプ)。