Oracle Stream Analyticsは非常に先進的で、スケーラブルで、信頼性が高く、柔軟です。Oracle Stream Analyticsを使用して、イベント処理アプリケーションを容易に設計できます。
Oracle Stream Analyticsは、複雑なイベント処理操作を簡略化し、技術的バックグラウンドのないユーザーでも使用できるようにするために開発されました。
この章の構成は、次のとおりです。
Oracle Stream Analyticsのユーザー・インタフェース・コンポーネントについては、次以降の項で示し、詳しく説明します。
Oracle Stream Analyticsは、Visualizerで構成されたのと同じ、ユーザーおよびユーザー・ロールの組合せを使用します。Oracle Stream Analyticsは、Oracle Stream Analytics Event Processing Serverによって提供されるのと同じ、ロールベースの認可および認証システムを使用します。
次の資格証明を使用してOracle Stream Analyticsアプリケーションにサイン・インします。
ユーザー名: <インストール時に入力したユーザー名>
(デフォルト・ユーザーはoepadmin
)
パスワード: <インストール時に入力したパスワード>
Oracle Stream Analytics Event Processing Serverのいずれかのユーザー・アカウント(管理者ロールを持つもの)を使用してサイン・インすることもできます。
「サイン・イン」ページを次に示します。
Oracle Stream Analyticsでサポートされている業種が、ホーム・ページにリストされています。
各業種にはそれに関連付けられたタグがあり、タグでは大文字と小文字が区別されます。
IOT用の分散インテリジェンス - エッジとデータ・センター両方のセンサーとデバイスからの大量の高速データをリアルタイムで取得、分析し、それに対処します。この業種のタグは、IOTです。
リスクと不正の管理 - 業界最高のストリーム処理プラットフォームを活用して、リアルタイムでリスクを評価し、金融詐欺を防止します。この業種のタグは、riskです。
運送と物流 - ストリーミング・データをOracleの先進の空間機能と結びつけることによって、車両を管理し、アセットを追跡し、サプライ・チェーンの効率を改善します。この業種のタグは、transportationです。
顧客の経験と消費者の分析 - リアルタイムで顧客感情を理解して、混乱を軽減し、忠実度を高め、オファーを届け、顧客を引きつけます。この業種のタグは、customerです。
電気通信 - プロアクティブにネットワークをモニターし、ネットワーク障害を予測して、DDoSタイプの攻撃を防止します。この業種のタグは、telecomです。
小売業 - その時点の小売購買傾向を理解および適用し、有効な品質保持期限パターンと配置を調査し、顧客カートの使用に応答し、先進の自動販売機と相互作用します。この業種のタグは、retailです。
ホームページを次に示します。
「カタログ」ページは、探査、ストリーム、参照、マップ、接続およびターゲットなどのリソースが表示される場所です。これは、Oracle Stream Analyticsのあらゆるタスクを実行するための場所です。
カタログで表示されるリソースは、アプリケーションに使用しているランタイムによって異なります。
スター・アイコンをクリックして、リソースをカタログでお気に入りとしてマークできます。アイコンを再度クリックして、お気に入りからします。お気に入りアイコン右のメニュー・アイコンを使用して、リソースの削除あるいはトポロジの表示が可能です。「カタログ」ページを次に示します。
カタログで項目に適用されたタグは、左ナビゲーション・ペイン下の画面にもリスト表示されます。これらのタグのいずれかをクリックすると、カタログのそのタグの付いた項目のみを表示できます。画面上部にタグが表示されます。画面上の「すべてクリア」をクリックし、カタログをクリアしてすべての項目を表示します。次の画面は、タグを選択したときのカタログを示しています。
「表示」下の左側のパネルの「すべて表示」リンクを使用して、カテゴリに基づいて探査、ストリーム、参照、マップ、接続およびターゲットを包含または除外できます。「すべて表示」をクリックすると、隣にティック・マークが表示され、すべてのコンポーネントがカタログに表示されます。
いくつかの選択した項目のみをカタログに表示するには、「すべて表示」の選択を解除し、個別にコンポーネントを選択します。選択されたコンポーネントのみがカタログ内に表示されます。
Exploration Editor (Explorerとも呼ばれます)を使用すると、Oracle Stream Analyticsで探査を作成または編集できます。
参照ウィザードを使用すると、Oracle Stream Analyticsで参照を作成または編集できます。
マップは、境界を定義するための地理的な領域の仮想的な垣根です。マップは特定の領域における境界を定義するのに役立ち、ビジネスのためのデータの分析に使用できます。分析したデータを基にして、データをビジネス・パフォーマンスの向上に使用できます。
マップを使用して、ビジネスにトリガーを設定できます。デバイスが定義された境界に出入りするとき、ユーザーはテキスト・メッセージまたは電子メールでアラートを受け取ります。
マップを作成する手順は、次のとおりです。
保存されたジオフェンスをクリックして、マップに保存済の領域を表示します。マップのビューのズーム・インおよびズーム・アウト・コントロールを使用できます。場所を表示をクリックすると、選択されたジオフェンスの緯度と経度を表示できます。
情報の編集アイコンをクリックし、名前、説明などのマップの詳細を編集します。「元に戻す」アイコンは、最後に行った変更の取消しに、再実行アイコンは最後に実行したアクションの繰返しに使用できます。
Oracle Stream Analyticsのコンポーネントについては、次以降の項で示します。
ストリームは、動的データのソースです。データは流動するものであり、静的であったり凍結したりしてはいません。たとえば、個別の企業の株価は、データが毎秒到来するため、ストリームとみなすことができます。ストリームはEDNサーバー、JMSサーバー、RESTサービス、HTTPパブリッシュ・サブスクライブ・サーバー、CSVファイルからのシミュレーション(データ・ダンプ)、Kafkaアダプタ、Twitterアダプタ、MQTTアダプタ、Coherenceキャッシュ・アダプタまたはイベント・ジェネレータから得られます。
参照は、イベント・データに関するコンテキスト情報を提供する静的データのソースです。イベント・データのメタデータとコンテキスト情報は、参照に格納されます。このリリースでサポートされる唯一の参照タイプは、Oracle Databaseの表です。
探査を使用すると、データを管理するためのビジネス基準を定義できます(フィルタ、サマリー、グループ化または相関)。探査は、ストリーミング・データ、式およびビジネス・ルールの視覚表現です。これにより、ビジネス基準がどのように適用され、データを管理するかがわかります。ターゲットを探査に追加または添付できます。ただし、ターゲットは事前に作成され、構成されている必要があります。
トポロジは、接続されたエンティティのグラフィカル表示です。トポロジは、エンティティ間の依存関係および接続を示します。
トポロジ・ビューアを使用して、選択したエンティティの他のエンティティに対する依存関係を識別できます。依存関係を理解することにより、注意深くエンティティを削除あるいはアンデプロイできます。Oracle Stream Analyticsでは、トポロジ用の2つのコンテキスト、即時ファミリおよび拡張ファミリがサポートされています。
トポロジ・ビューアは、次のいずれかの方法で起動できます。
選択したエンティティに対してトポロジ・ビューアを起動するには、カタログ・アクションメニューから「トポロジの表示」を選択します。
Exploration Editorの「トポロジの表示」をクリックします。
「ソースの詳細」ダイアログの「トポロジの表示」アイコンをクリックします(ストリームの表示)。
エディタ右上の「トポロジの表示」アイコンをクリックして、トポロジ・ビューアを開きます。トポロジは、エンティティ間の依存関係および接続のグラフィカル表示です。デフォルトでは、トポロジ・ビューアを起動したエンティティのトポロジが表示されます。このトポロジのコンテキストは即時ファミリで、エンティティと他のエンティティの間の即時依存関係および接続のみが表示されることを示します。トポロジのコンテキストを切り替えて、トポロジ・ビューアで起動したエンティティのトポロジ全体を表示できます。拡張ファミリコンテキストのトポロジでは、トポロジのすべての依存関係および接続が階層的に表示されます。
注意:
トポロジ・ビューアでは、トポロジが表示されているエンティティはグレーのボックスに囲まれています。即時ファミリ
即時ファミリコンテキストによって、選択したエンティティとその子または親との間の依存性が表示されます。
次の図は、即時ファミリでどのようにトポロジが表示されるかを示しています。
拡張ファミリ
拡張ファミリコンテキストは、エンティティ間の依存関係をフルコンテキストで表示します。つまり、エンティティに子エンティティおよび親エンティティがあり、親エンティティに他の依存関係がある場合、すべての依存関係がフルコンテキストで表示されます。
次の図は、拡張ファミリでどのようにトポロジが表示されるかを示しています。
マップはジオフェンスの集合体です。ジオフェンスとは、地理的領域のことで、地理的マップ上のポリゴンです。Oracle Stream Analyticsでは、マップはGPSデータなどの地理的座標を含むストリーミング・データの基本となる参照として使用されます。
ショッピング・モールでは、ショッピング・モールが所有するデバイスが領域から出たかどうかを識別して追跡する境界を設定できます。このような追跡は、経営者がデバイスを無効にしたり、デバイスの通信が途絶えたこと報告する際に役立ちます。
店舗は特定の地理的ロケーションにいる顧客に割引を提供し、割引クーポンを送ることができます。割引クーポンを店に持参した顧客は割引を受けられます。