Oracle Traffic Directorインスタンスを管理するための管理ドメインを作成する必要があります。管理ドメインは、管理対象またはスタンドアロンのいずれかです。
この項では、Oracle Traffic Directorでサポートされる様々なドメイン・タイプについて説明します。
管理対象ドメイン
管理対象ドメインには、特殊なWebLogic Serverインスタンスである管理サーバーが含まれ、管理サーバーでは、ドメイン内のすべてのOracle Traffic Directorインスタンスを一元的に構成および管理します。次のもので構成されます。
Oracle Fusion MiddlewareインフラストラクチャのOracleホーム内の、Oracle Traffic DirectorをWebLogic管理サーバーと同じ場所に配置してインストールするノード。
管理サーバーで管理されるゼロ以上のリモート・ノード。
管理対象ドメインでは、Oracle Traffic Directorを管理するためにFusion Middleware ControlまたはカスタムWLSTコマンドを使用できます。
スタンドアロン・ドメイン
これは、Oracle Traffic Directorがスタンドアロン・モードでインストールされる単一ノード・インストールです。スタンドアロン・ドメインには管理サポートはなく、Oracle Traffic Directorを管理するためのカスタムWLSTコマンドはスタンドアロン・ドメインでは使用できません。
管理対象ドメインまたはスタンドアロン・ドメインを選択
表3-1 管理対象ドメインvsスタンドアロン・ドメイン
管理対象ドメイン | スタンドアロン・ドメイン | |
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長所 |
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短所 |
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注意:
Oracle Traffic Directorインスタンスを管理対象Oracle Traffic Directorドメインの一部にすることで、DMZ環境にデプロイできます。リモート・ノード上の管理サーバーを使用し、ノード・マネージャを介して同じように管理できます。ノード・マネージャをDMZ環境で実行したくない場合は、Oracle Traffic Directorをスタンドアロン・ドメインにデプロイできます。まず、Oracle Traffic DirectorをWebLogic Serverと同じ場所に配置してインストールする必要があります(そこにOracle Traffic Director管理対象ドメインを作成できます)。WebLogic Serverのインストールおよび『Oracle Traffic Directorのインストール』を参照してください。Oracle Traffic DirectorドメインはOracle Traffic Directorドメイン・テンプレートから作成されます。Oracle Traffic Directorドメインは、制限付きJRFテンプレートまたは完全なJRFテンプレートを使用して作成できます。
制限付きJRFは、Oracle Traffic Directorドメインを作成するための推奨テンプレートです。制限付きJRFモードでは、データソースに接続せずにWebLogic Serverランタイムが作成されます。このため、ドメインの作成に実行中のOracleデータベースを必要としません。Oracle Traffic DirectorとSOAが同じドメインにある必要がある場合は、完全なJRFテンプレートを使用する必要があります。
制限付きJRFまたは完全なJRFを選択
表3-2 制限付きJRF vs完全なJRF
制限付きJRFテンプレート | 完全なJRFテンプレート | |
---|---|---|
長所 |
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短所 |
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制限付きJRFモードでは、データソースに接続せずにWebLogic Serverランタイムが作成されます。このため、ドメインの作成に実行中のOracleデータベースを必要としません。
制限付きJRFテンプレートを使用してOracle Traffic Directorドメインを作成するには、次の手順に従います。
$FMW_HOME/oracle_common/common/bin
ディレクトリにあるconfig.sh
を使用して構成ウィザードを実行します。
「ドメインの作成」画面が表示されます。
デフォルト値を選択して「次へ」をクリックします。
「テンプレート」画面が表示されます。
「製品テンプレートを使用してドメインを作成」を選択します。「使用可能なテンプレート」セクションで、「Oracle Traffic Director - Restricted JRF 12.2.1 [otd]」を選択します。
「Oracle Enterprise Manager - Restricted JRF」、「Oracle Restricted JRF」および「Weblogic Coherence Cluster Extension」が自動的に選択されます。選択内容をそのまま使用します。
「次へ」をクリックします。
「アプリケーションの場所」 画面が表示されます。
アプリケーションの場所のデフォルト値をそのままにして、「次へ」をクリックします。
「管理者アカウント」画面が表示されます。WebLogicドメイン管理ユーザー名とパスワードを入力します。この情報は、WebLogic Server ControlおよびFusion Middleware Controlにアクセスする際に必要です。
「次へ」をクリックします。
「ドメイン・モードおよびJDK」画面が表示されます。
デフォルトのドメイン・モード、「開発」およびJDKに「デフォルト」を選択します。
「次へ」をクリックします「拡張構成」画面が表示されます。
「管理サーバー」、「ノード・マネージャ」、「管理対象サーバー、クラスタおよびCoherence」を選択します。
注意:
「マシン」を構成するには「管理対象サーバー」を選択します。マシンの画面は、「管理対象サーバー」オプションが選択されている場合にのみ表示されます。「次へ」をクリックします。
「管理サーバー」画面が表示されます。次を入力します。
サーバー名: デフォルト(AdminServer)
を使用します
リスニング・アドレス: デフォルト(すべてのローカル・アドレス)
を使用します
リスニング・ポート: $WLS_ADMIN_PORT
SSLの有効化: デフォルト(未チェック)
を使用します
SSLポート: デフォルト(無効)
を使用します
サーバー・グループ: デフォルト(未指定)
を使用します
「次へ」をクリックします。
「ノード・マネージャ」画面が表示されます。デフォルト値(デフォルト: ドメイン当たり
)を使用します。「ノード・マネージャ資格証明」に、次のように入力します。
ユーザー名: $NM_USER
パスワード: $NM_PASSWORD
パスワードの確認: $NM_PASSWORD
「次へ」をクリックします。
「管理対象サーバー」画面が表示されます。管理対象サーバーは追加しないでください。
「次へ」をクリックします。
「クラスタ」画面が表示されます。クラスタは追加しないでください。
「次へ」をクリックします。
「Coherenceクラスタ」画面が表示されます。クラスタは追加しないでください。
「次へ」をクリックします。
「マシン」画面が表示されます。「追加」をクリックして、次の情報を入力します。
名前: $MACHINE_NAME
ノード・マネージャ・リスニング・アドレス: デフォルト(localhost)
を使用します
ノード・マネージャ・リスニング・ポート: $NM_PORT
「次へ」をクリックします。
「構成のサマリー」画面が表示されます。「ドメインのセキュリティ構成が無効です」というメッセージが表示されても、無視してかまいません。
「作成」をクリックします。
「構成の進行状況」画面に構成の進行状況が表示されます。構成プロセスが正常に完了すると、「ドメインの作成に成功しました。」というメッセージが表示されます。
「次へ」をクリックします。
構成のこの部分が完了するまで待ちます。リポジトリ・データベースの場所およびパフォーマンスにより、この処理には数分かかることがあります。「終了」をクリックします。「構成の終了」画面が表示されます。
完全なJRFテンプレートを使用してOracle Traffic Directorドメインを作成するには、次の手順に従います。
注意:
Oracleデータベースでは完全なJRFテンプレートを使用してドメインを作成する必要があります。
$FMW_HOME/oracle_common/common/bin
ディレクトリにあるconfig.sh
を使用して構成ウィザードを実行します。
構成ウィザードの最初の画面、「ドメインの作成」が表示されます。
「新しいドメインの作成」を選択して、希望するドメイン・ホームのパスを入力します。
「次へ」をクリックします。
依存するテンプレートが自動的に選択されます。依存するテンプレートは、「Oracle Enterprise Manager Plug-in for OTD - 12.2.1.x.0 [em]」および「Oracle JRF」です。
「使用可能なテンプレート」セクションで、「Oracle Traffic Director - 12.2.1.2.0 [otd]」を選択して「次へ」をクリックします。
「アプリケーションの場所」画面が表示されます。アプリケーションの場所は、デフォルト値のままにします。
「次へ」をクリックします。
「管理者アカウント」画面が表示されます。WebLogicドメイン管理ユーザー名とパスワードを入力します。この情報は、WebLogic Server ControlおよびFusion Middleware Controlにアクセスする際に必要です。
「次へ」をクリックします。
「ドメイン・モードおよびJDK」画面が表示されます。「ドメイン・モード」の「開発」
を選択します。表示されるデフォルトのJDK選択のままにします。
「次へ」をクリックします。
「データベース構成タイプ」画面が表示されます。RCUのデータベース接続情報を入力します。次を入力します。
自動構成オプション: RCU Data
ベンダー: Oracle
ドライバ: Oracleのサービス接続用ドライバ(Thin)。バージョン:9.0.1以降
DBMS/サービス - $SERVICE_ID (Oracle XEの場合はxe)
ポート: $DB_PORT (デフォルトは1521)
スキーマ所有者 - ${SCHEMA_PREFIX}_STB
パスワード - $DB_PASSWORD
「RCU構成の取得」をクリックします。検証処理が完了するのを待ちます。
「次へ」をクリックします。
「コンポーネントのデータ・ソース」画面が表示されます。ホスト名およびポートの情報が正しいことを確認します。
「次へ」をクリックします。
「コンポーネントのJDBCスキーマのテスト」画面が表示されます。テストが完了するのを待ちます。
「次へ」をクリックします。
「拡張構成」画面が表示されます。「管理サーバー」、「管理対象サーバー」、「クラスタ」および「Coherence」を選択します。
「次へ」をクリックします。
「管理サーバー」画面が表示されます。次を入力します。
サーバー名: デフォルト(AdminServer)
を使用します
リスニング・アドレス: デフォルト(すべてのローカル・アドレス)
を使用します
リスニング・ポート: $WLS_ADMIN_PORT
SSLの有効化: デフォルト(未チェック)
を使用します
SSLポート: デフォルト(無効)
を使用します
サーバー・グループ: デフォルト(未指定)
を使用します
「次へ」をクリックします。
「ノード・マネージャ」画面が表示されます。ノードは追加しないでください。デフォルト(デフォルト: ドメイン当たり
)を使用します。「ノード・マネージャ資格証明」に次のように入力して、「次へ」をクリックします。
ユーザー名: $NM_USER
パスワード: $NM_PASSWORD
パスワードの確認: $NM_PASSWORD
「次へ」をクリックします。
「管理対象サーバー」画面が表示されます。管理対象サーバーは追加しないでください。
「次へ」をクリックします。
「クラスタ」画面が表示されます。クラスタは追加しないでください。
「次へ」をクリックします。
「Coherenceクラスタ」画面が表示されます。クラスタは追加しないでください。
「次へ」をクリックします。
「マシン」画面が表示されます。「追加」をクリックして、次の情報を入力します。
名前: $MACHINE_NAME
ノード・マネージャ・リスニング・アドレス: デフォルト(localhost)
を使用します
ノード・マネージャ・リスニング・ポート: $NM_PORT
「次へ」をクリックします。
「構成のサマリー」画面が表示されます。「ドメインのセキュリティ構成が無効です」 というメッセージが表示されても、無視してかまいません。
「作成」をクリックします。
「構成の進行状況」画面が表示されます。
「次へ」をクリックします。
構成のこの部分が完了するまで待ちます。リポジトリ・データベースの場所およびパフォーマンスにより、この処理には数分かかることがあります。「終了」をクリックします。「構成の終了」画面が表示されます。
注意:
構成ウィザードを使用したOracle Traffic Directorの構成/インスタンスの作成はサポートされていないため、Oracle Traffic Directorの構成時は、構成ウィザードのシステム・コンポーネントの画面は無視します。Oracle Traffic Directorの構成/インスタンスの作成には、Oracle Traffic DirectorのカスタムWLSTコマンドまたはFusion Middleware Controlのいずれかを使用してください。
次のタスクに進む前に、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用します。RCUは、Oracle Fusion Middlewareインフラストラクチャのディストリビューションで入手できます。次の手順に従います。
$FMW_HOME/oracle_common/bin/rcu.sh
を実行します
「ようこそ」ページが表示されます。「次へ」をクリックします。
「リポジトリの作成」ページが表示されます。「リポジトリの作成」を選択し、「システム・ロードおよび製品ロード」(デフォルト)を選択します。「次へ」をクリックします。
「データベース接続の詳細」ページが表示されます。次の画面のように、RCU DBの接続情報を入力します。「次へ」をクリックします。
「前提条件チェック」ボックスが表示されます。ここに、前提条件チェックの進行状況が表示されます。完了したら、「OK」をクリックします。
「コンポーネントの選択」ページが表示されます。「新規接頭辞の作成」ラジオ・ボタンを選択して、スキーマの接頭辞を指定します(DEMOなど)。次のコンポーネントを選択します。「Oracle Platform Security Service」、「監査サービス」、「監査サービス追加」および「監査サービス・ビューア」。「次へ」をクリックします。
「前提条件チェック」ボックスが表示されます。ここに、前提条件チェックの進行状況が表示されます。完了したら、「OK」をクリックします。
「スキーマ・パスワード」ページが表示されます。デフォルトの「すべてのスキーマに同じパスワードを使用」ラジオ・ボタンがされた状態で、「パスワード」フィールドにパスワードを入力します。「次へ」をクリックします。
「表領域のマップ」ページが表示されます。必要なアクションはありません。「次へ」をクリックします。
「リポジトリ作成ユーティリティ」ボックスが表示され、確認を求められます。「OK」をクリックします。
表領域作成の進行状況を示す「表領域の作成中」ポップ・アップが表示されます。「OK」→「Next」をクリックします。
アクションや選択を示す「サマリー」ページが表示されます。「作成」をクリックします。
進行状況を示す「システム・ロード」ボックスが表示されます。このボックスは、完了時に消えます。
「閉じる」をクリックします。
次にように、リポジトリの作成を実行します。
$ORACLE_HOME/oracle_common/bin/rcu -silent -createRepository -connectString $DB_HOST:$DB_PORT:$SERVICE_ID -dbUser $DB_USER -dbRole $DB_ROLE -schemaPrefix $SCHEMA_PREFIX -useSamePasswordForAllSchemaUsers true -selectDependentsForComponents true -component OPSS -component IAU -f < <path_to_password_file>
パスワード・ファイルの内容が次のように表示されます。
welcome1 welcome1 welcome1 welcome1 welcome1 welcome1
例:
$ORACLE_HOME/oracle_common/bin/rcu -silent -createRepository -connectString ${DB_HOST}:1521:xe -dbUser sys -dbRole SYSDBA -schemaPrefix $SCHEMA_PREFIX -useSamePasswordForAllSchemaUsers true -selectDependentsForComponents true -component OPSS -component IAU -f < /tmp/pass.txt Processing command line .... Repository Creation Utility - Checking Prerequisites Checking Global Prerequisites The database you are connecting is not a supported version. Refer to the certification matrix for supported DB versions. ... Repository Creation Utility - Create : Operation Completed
Oracle Traffic Directorをインストールした後で、Oracle Traffic Director管理サーバーの管理コンソールへのログインを試行することでインストールを検証できます。これには次の手順を実行します。
次のコマンドを実行して、管理サーバー・インスタンスを起動します。
$DOMAIN_HOME/bin/startWebLogic.sh
Webブラウザで、前述の手順で確認したURLを入力します。
https://bin.example.com:1895/em
サーバーのセキュリティ証明書に関する問題のエラー・メッセージが表示されます。メッセージのテキストは、使用するブラウザによって異なります。信頼できる認証局で発行された証明書ではなく、自己署名による証明書がOracle Traffic Director管理サーバーで使用されているため、エラー・メッセージが表示されます。
証明書を信頼することを選択し、管理コンソールのログイン・ページに進みます。
証明書を信頼するために実行する手順は、使用しているブラウザによって異なります。例としてMozilla Firefox 4.0では、エラー・ページで「危険性を理解した上で接続するには」リンクをクリックし、「例外を追加」ボタンをクリックしてから、最後に結果ページで「セキュリティ例外を承認」ボタンをクリックします。
管理サーバーの作成時に指定した管理者のユーザー名とパスワードを使用してログインします。
この項では、例で説明されたトポロジの設定方法を説明します。
Fusion Middleware Controlの使用
「グラフィカル・ユーザー・インタフェース - Fusion Middleware Control」の説明に従って、Traffic DirectorのFusion Middleware Controlにログインします。
ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
「管理」→「OTD構成」を選択します。
「共通タスク」ペインで、「作成」ボタンを選択します。
構成の作成ウィザードが開きます。
画面上のプロンプトに従い、下に指定された詳細を使用して構成の作成を完了します。
名前: hr-config
(リスナー)ポート番号: 1905
IPアドレス: デフォルト
サーバー名: デフォルト
オリジン・サーバー名: hr-apps.example.com
オリジン・サーバーのポート番号: 80
デプロイメント・ページで、「マシン」
リストにリストされたマシンをチェックして「次へ」をクリックします。
構成の作成: 確認ページが表示されます。
「構成の作成」をクリックします。
構成が作成された後、新規構成ウィザードの「結果」画面に構成の作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。構成のインスタンスを作成することを選択した場合、インスタンスの作成が成功したことを示すメッセージも表示されます。
ライフサイクル・タスクを実行します。
左側のターゲット・ナビゲーション・パネルで、「Traffic Director」をクリックして展開します。
インスタンスが構成の下にリストされます。
起動するインスタンスをクリックします。
インスタンスを起動するには:
右パネルの結果ページに移動します。
「起動」をクリックします。次のメッセージが表示されます。
ターゲット/Domain_em_domain/em_domain/otd_hr-config_example.us.oracle.comの起動操作。正常に完了しました
インスタンスを停止するには:
「停止」をクリックします。
表示された確認ダイアログ・ボックスで確認します。 次のメッセージが表示されます。
ターゲット/Domain_em_domain/em_domain/otd_hr-config_example.us.oracle.comの停止操作に成功しました。
WLSTコマンドの使用
これで、Oracle Traffic Directorの構成の作成およびインスタンスの起動が正常に実行できました。
Oracle Traffic Directorを、スタンドアロン・ドメインを作成できるスタンドアロン・モードにする必要があります。『Oracle Traffic Directorのインストール』を参照してください。スタンドアロン・ドメインは、Oracle Traffic Directorスタンドアロン・テンプレートを使用して作成されます。構成ウィザードを使用して、またはオフラインWLSTコマンドから、ドメインを作成できます。
構成ウィザードを使用してスタンドアロン・ドメインを作成するには、次のタスクを実行します。
インストーラを実行します。
$ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/config.sh -log=config.log
「ドメインの作成」 ページが表示されます。
注意:
デフォルトで「Basic Standalone System Component Domain - 12.2.1.2.0 [wlserver]」が選択されています。
その他のOracle Traffic Directorテンプレート「Oracle Traffic Director - 12.2.1.2.0 [otd]」と「Oracle Traffic Director - Restricted JRF - 12.2.1.2.0 [otd]」は、スタンドアロン・ドメインには適用できません。
「使用可能なテンプレート」セクションで、「Oracle Traffic Director - Standalone 12.2.1.2.0 [otd]」を選択して「次へ」をクリックします。
「JDKの選択」ページが表示されます
デフォルトのJDKをそのまま使用して「次へ」をクリックします。
「システム・コンポーネント」 ページが表示されます。
「次へ」をクリックします。
「ノード・マネージャ」ページが表示されます。
注意:
Oracle Traffic Directorにはシステム・コンポーネントを構成するためのコマンドがあるため、システム・コンポーネントを作成する必要はありません。
次のオプションを選択します。
ノード・マネージャ・タイプ: デフォルト/ドメインごとのデフォルトの場所
ユーザー名: USERNAME
パスワード: PASSWORD
パスワードの確認: PASSWORD
「次へ」をクリックします
「構成のサマリー」 ページが表示されます。
「作成」をクリックします。
「構成の進行状況」ページが表示されます。これにより、構成の進行状況が表示されます。
スタンドアロン・ドメインが正常に作成されたら、「次へ」をクリックします。
「構成に成功しました」ページが表示されます。
「終了」をクリックします。
オフラインWLSTウィザードを使用してスタンドアロン・ドメインを作成するには、次のタスクを実行します。
WLSTコマンド・シェルを起動します。
$ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
otd_createStandaloneDomain
コマンドを実行してOracle Traffic Directorスタンドアロン・ドメインを作成します。『Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のotd_createStandaloneDomain
コマンドに関する項を参照してください。
> props = {'domain-home': '$DOMAIN_HOME'} > otd_createStandaloneDomain(props)
概要
次の項では、上で説明したようにOracle Traffic Directorをスタンドアロン・モードでデプロイしてスタンドアロン・ドメインを作成した後に、ロード・バランサを作成する方法について説明します。スタンドアロン・ドメインにはFusion Middleware Controlはありません。ロード・バランサの作成には、Oracle Traffic DirectorのオフラインWLSTコマンドを使用する必要があります。
トポロジは次の構成に基づいています。
クライアントからリクエストを受信するOracle Traffic Director: hr-apps.example.com:1905
オリジン・サーバーのホストおよびポート(この例のWebサーバー)
hr-1.example.com:80
hr-2.example.com:80
実際には、両方のオリジン・サーバーは、同じコンテンツを提供します。ただし、この例では、ロード・バランシングが機能していることがわかるようにするために、次のように少し異なるindex.html
ページを設定します。
hr-1.example.com:80
の場合: "オリジン・サーバー1から提供されたページ"
hr-2.example.com:80
の場合: "オリジン・サーバー2から提供されたページ"
ロード・バランシング方式はラウンド・ロビン
です。
注意:
Oracle Traffic Directorを管理するためのカスタムWLSTコマンドはスタンドアロン・ドメインでは使用できません。オフラインWLSTコマンドの使用
WLSTコマンド・シェルを起動します。
$ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/wlst.sh
Oracle Traffic Directorインスタンスを作成します。
> props = {'domain-home': '$DOMAIN_HOME', 'origin-server': 'hr-1.example.com:80,hr-2.example.com:80', 'listener-port': '1905', 'instance': 'hr', 'server-name': 'hr-apps.example.com'} > otd_createStandaloneInstance(props)
コマンドが正常に実行されたら、システム・コマンド・ラインからインスタンス・ディレクトリが作成されているかどうかを確認します。
ls $DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OTD/instances/hr
インスタンス管理タスクを実行します。
起動
$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OTD/instances/hr/bin/startserv
停止
$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OTD/instances/hr/bin/stop
再起動
$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OTD/instances/hr/bin/restart
再構成
$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OTD/instances/hr/bin/reconfig
ログ・ファイルのローテーション
$DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/components/OTD/instances/hr/bin/rotate
前の手順で作成し起動したOracle Traffic Directorインスタンスは、URL http://hr-apps.example.com:1905
でHTTPリクエストをリスニング中です。
この項では、Oracle Traffic Directorインスタンスのロード・バランシングの動作を、ブラウザを使用してどのように確認するかを説明します。
Webサーバーhr-1.example.com:80
とhr-2.example.com:80
が実行中であることを確認します。必要に応じて、Oracle Traffic Director仮想サーバーへのアクセス元となるホストの/etc/hosts
ファイルを更新して、ブラウザがhr-apps.example.com
を正しいIPアドレスに解決できるようにします。