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Oracle® Fusion Middleware Oracle Traffic Directorの管理
12c (12.2.1.2.0)
E82687-03
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16 フェイルオーバー・グループの管理

この項では、次の項目について説明します。

フェイルオーバー・グループの作成

この項では、フェイルオーバー・グループを作成してOracle Traffic Directorインスタンスの高可用性ペアを実装する方法を説明します。

始める前に

  • フェイルオーバー・グループに割り当てる一意のVIPアドレスを決定します。

    • VIPアドレスは、フェイルオーバー・グループ内のノードと同じサブネットに属している必要があります。

    • クライアントはこれらのVIPアドレスにアクセスできる必要があります。

  • フェイルオーバー・グループの一部になるインスタンスを識別します。これらのノードは同じサブネットに属している必要があります。

  • 各ノードのネットワーク・インタフェースを識別します。

    VIPを管理する必要のある、インスタンスが実行されているノード上のネットワーク・インタフェース。結果が一致した最初のネットワーク・インタフェースが、VIPのネットワーク・インタフェースとして使用されます。

    この管理サーバーによる比較では、フェイルオーバー・グループ用に指定されたVIPがIPv4アドレスであるかIPv6アドレスであるかに応じて、それぞれIPv4アドレスまたはIPv6アドレスで構成されたホスト上のネットワーク・インタフェースのみが検証されます。

  • 存在しないアドレスにバインドできるようにする(転送バインディングのような)システム構成を実行することで、HTTPリスナーのVIP IPアドレスにバインドできます。次のシステム構成のどちらかを実行します。

    echo 1 > /proc/sys/net/ipv4/ip_nonlocal_bind

    または

    sysctl net.ipv4.ip_nonlocal_bind=1 (リブート後に保持する/etc/sysctl.confの変更)

    フェイルオーバー・グループを作成する構成では、リスナーのIPアドレスがアスタリスク(*)またはVIPと同じアドレスであることを確認してください。それ以外の場合、VIPに送信されたリクエストが仮想サーバーにルーティングされません。

  • 各フェイルオーバー・グループのルーターIDは一意である必要があります。

    ルーターIDが指定されていない場合、デフォルトのルーターIDは1から255の間のランダムな数値になります。

Fusion Middleware Controlを使用したフェイルオーバー・グループの作成

Fusion Middleware Controlを使用してフェイルオーバー・グループを作成するには、次を実行します。

  1. 「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従って、Fusion Middleware Controlにログインします。

  2. ページの左上隅にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。

  3. 「管理」→「OTD構成」を選択します。

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. フェイルオーバー・グループを作成する構成を選択します。

  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。

  6. 「管理」→「フェイルオーバー・グループ」を選択します。

    フェイルオーバー・グループ・ページが表示されます。これには、構成に定義されているフェールオーバー・グループのリストが表示されます。

  7. 「作成」をクリックします。

    新規フェイルオーバー・グループ・ウィザードが表示されます。

  8. 画面上のプロンプトに従って、仮想IPアドレス、ネットワーク・インタフェース、プライマリ・インスタンス、バックアップ・インスタンスなど、前に決定した詳細を使用してフェイルオーバー・グループの作成を完了します。

    フェイルオーバー・グループが作成されたら、新規フェイルオーバー・グループ・ウィザードの結果画面に、フェイルオーバー・グループの作成が成功したことを示すメッセージが表示されます。

  9. 結果画面で、「閉じる」をクリックします。

    フェイルオーバー・グループ・ページに、作成したフェイルオーバー・グループの詳細が表示されます。

WLSTを使用したフェイルオーバー・グループの作成

フェイルオーバー・グループを作成するには、otd_createFailoverGroupコマンドを実行します。

たとえば、次のコマンドでは、次の詳細でアクティブ-パッシブ・フェイルオーバー・グループが作成されます。

  • 構成: ha

  • プライマリ・インスタンス: 1.example.com

  • バックアップ・インスタンス: 2.example.com

  • 仮想IPアドレス: 192.0.2.1

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '192.0.2.1'
props['primary-instance'] = '1.example.com'
props['backup-instance'] = '2.example.com'
props['primary-nic'] = 'eth0'
props['backup-nic'] = 'eth0'

props['failover-type'] = 'active-passive'
otd_createFailoverGroup(props)

注意:

フェイルオーバー・グループを作成後、それらのマシン上でrootユーザーとしてotd_startFailoverを実行する必要があります。これはフェイルオーバーを手動で起動する操作です。このコマンドを実行しない場合、フェイルオーバーは起動せず、高可用性は得られません。詳細は、Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスotd_startFailoverコマンドを参照してください。

たとえば、次のコマンドでは、次の詳細でアクティブ-アクティブ・フェイルオーバー・グループが作成されます。

  • 構成: ha

  • プライマリ・インスタンス: 1.example.com

  • バックアップ・インスタンス: 2.example.com

  • 仮想IPアドレス: 192.0.2.1

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '192.0.2.1'
props['failover-type'] = 'active-active'
otd_createFailoverGroup(props)

詳細は、Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスotd_createFailoverGroupコマンドを参照してください。

フェイルオーバー・グループの管理

フェイルオーバー・グループを管理するには、フェイルオーバー・デーモンを特権ユーザー(通常はroot)で実行する必要があり、フェイルオーバー・グループのプライマリおよびバックアップ・インスタンスが実行されるマシン上で、otd_startFailoverコマンドを特権ユーザーで実行する必要があります。同様に、デーモンを停止するには、otd_stopFailoverを実行する必要があります。keepalivedデーモンの構成パラメータは、フェイルオーバー・グループの一部である各インスタンスのconfigディレクトリにあるkeepalived.confというファイルに格納されます。詳細は、Oracle Traffic Director WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンスotd_startFailoverおよびotd_stopFailoverコマンドを参照してください。

フェイルオーバー・グループを作成したら、それをリストしたり、設定を表示したり、フェイルオーバー・グループのプライマリ・インスタンスを変更したり、プライマリ・インスタンスとバックアップ・インスタンスを切り替えたり、削除したりできます。フェイルオーバー・グループのVIPまたは任意のプロパティを変更するには、フェイルオーバー・グループを削除してから新たに作成しなおす必要があることに注意してください。

Fusion Middleware ControlまたはWLSTのいずれかを使用して、フェイルオーバー・グループを表示、変更および削除できます。

Fusion Middleware Controlを使用したフェイルオーバー・グループの管理

Fusion Middleware Controlを使用してフェイルオーバー・グループを表示、変更および削除するには、次を実行します。

  1. 「Fusion Middleware Controlの表示」の説明に従って、Fusion Middleware Controlにログインします。
  2. ページの左上にある「WebLogicドメイン」ボタンをクリックします。
  3. 「管理」→「OTD構成」. を選択します

    使用可能な構成のリストが表示されます。

  4. フェイルオーバー・グループを管理する構成を選択します。
  5. 「共通タスク」ペインの「Traffic Director構成」をクリックします。
  6. 「管理」→「フェイルオーバー・グループ」.を選択します
  7. フェイルオーバー・グループ・ページが表示されます。これには、構成に定義されているフェールオーバー・グループのリストが表示されます。
    • フェイルオーバー・グループのプロパティを表示するには、その仮想IPをクリックします。

    • プライマリ・ノードおよびバックアップ・ノードのホストを切り替えるには、「プライマリの切替え」ボタンをクリックします。結果のダイアログ・ボックスで、「OK」をクリックします。

    • フェイルオーバー・グループを削除するには、「削除」ボタンをクリックします。結果のダイアログ・ボックスで、「OK」をクリックします。

  8. アクティブ-アクティブ・フェイルオーバー・グループのフェイルオーバー・インスタンスを追加または削除する場合、必ずすべてのノードのフェイルオーバー・グループを停止および起動してから変更を確認してください。

注意:

  • フェイルオーバー・グループ内の異なるプライマリ・インスタンスまたはバックアップ・インスタンスを割り当てる場合は、フェイルオーバー・グループを新たに作成しなおす必要があります。

  • 複数の構成にわたって最大255個のフェイルオーバー・グループを作成できます。

WLSTを使用したフェイルオーバー・グループの管理

たとえば、フェイルオーバー・グループをリストするには、otd_listFailoverGroupsコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
otd_listFailoverGroups(props)

たとえば、フェイルオーバー・グループを切り替えるには、otd_toggleFailovergroupPrimaryコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '10.128.67.44'
otd_toggleFailovergroupPrimary(props)

たとえば、フェイルオーバー・グループのプロパティを変更するには、otd_getFailoverGroupPropertiesコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['primary-instance'] = '1.example.com'
otd_getFailoverGroupProperties(props)

たとえば、フェイルオーバー・グループを削除するには、otd_deleteFailoverGroupコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '10.128.67.44'
otd_deleteFailoverGroup(props)

アクティブ-アクティブHAに固有のWLSTコマンド

たとえば、フェイルオーバー・インスタンスを追加するには、otd_addFailoverInstanceコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '10.128.67.44'
props['instance'] = '1.example.com'
props['nic'] = 'eth0'
otd_addFailoverInstance(props)

たとえば、フェイルオーバー・インスタンスを削除するには、otd_removeFailoverInstanceコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '10.128.67.44'
props['instance'] = '1.example.com'
otd_removeFailoverInstance(props)

たとえば、フェイルオーバー・インスタンスをリストするには、otd_listFailoverInstancesコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '10.128.67.44'
otd_listFailoverInstances(props)

たとえば、フェイルオーバー・インスタンスの順序を変更するには、otd_setFailoverInstanceOrderコマンドを実行します。

props = {}
props['configuration'] = 'ha'
props['virtual-ip'] = '10.128.67.44'
props['instances'] = '1.example.com, 2.example.com'
otd_setFailoverInstanceOrder(props)