server.xml
ファイルには、サーバー構成の大部分が含まれます。この章では、server.xml
ファイルの基本構文と、サーバー機能の構成に使用される要素の概要について説明します。この章のトピックは、次のとおりです:
server.xml
ファイルには、構成を定義する要素が含まれます。server.xml
ファイルは、 INSTANCE_HOME/net-server-id/config
ディレクトリにあります。
ファイル・エンコーディングはUTF-8であり、UNIXテキスト・エディタとの互換性が維持されています。
server.xml
ファイルの構造は、server
を最上位の要素とする階層型です。server
要素には多くのサブ要素があり、それらのサブ要素の多くには独自のサブ要素があります。
一般的に、server.xml
を直接編集する必要はありません。かわりに、管理者コンソールやtadm
コマンドライン・インタフェースを使用して、server.xml
ファイルの値を変更します。管理者コンソールやtadm
コマンドライン・インタフェースを使用した変更は、server.xml
ファイルに影響します。スクリプトの作成時にtadm
を使用してserver.xml
ファイルを変更することで、将来の互換性が確保されます。server.xml
ファイルを直接編集する場合、編集後のserver.xml
ファイルが有効であることを確認してください。
server.xml
ファイルの値を変更するには、編集する要素に関連付けられたタグ間の値を変更します。たとえば、<log-level>の値をNOTIFICATION:1
からTRACE:1
に変更するには、server
要素のlog
子要素を見つけます。この例では、次の行があります。
<log> <log-file>../logs/server.log</log-file> <log-level>NOTIFICATION:1</log-level> </log>
For example:
NOTIFICATION:1
のログ・レベルを変更します
<log-level>NOTIFICATION:1</log-level>
これをTRACE:1
に変更します
<log-level>TRACE:1</log-level>
server.xml
ファイルの変更後、ほとんどの変更を反映するには、構成をデプロイする必要があります。コマンドライン・インタフェースのコマンドtadm pull-config
を使用して、変更したserver.xml
ファイルをプルし、管理者コンソールまたはtadm deploy-config
コマンドを使用して変更をデプロイします。変更を有効にするにはサーバーの再起動が必要な場合があります。再起動が必要または不要な変更の詳細は、動的再構成を参照してください。
ファイルに新しい要素を追加するには、要素と必須サブ要素(存在する場合)を追加します。各要素は、<virtual-server>
などのタグで始まり、</virtual-server>
などの終了タグで終わります。タグでは大文字と小文字が区別されます。
現在の環境のserver.xml
ファイルを変更するには、どの要素に関連設定が含まれるかを理解している必要があります。次の項では、各機能領域を構成する要素を簡単に説明します。
server.xml
のすべての要素とそのサブ要素の詳細は、「server.xmlの要素」を参照してください。
origin-server
要素は、サーバー・プールのメンバーを定義します。origin-server-pool
要素は、ロード・バランシング・リクエストで使用されるオリジン・サーバーのプールを構成します。オリジン・サーバーは、Oracle WebLogic ServerインスタンスやOracle iPlanet Web Serverインスタンスなどのバックエンド・サーバーであり、Oracle Traffic Directorはクライアントから受信したリクエストをこのサーバーに転送し、レスポンスをこのサーバーから受信します。同じサービスを提供するオリジン・サーバーのセットによって、オリジン・サーバー・プールが構成されます。詳細は、origin-server-pool、origin-server、serverを参照してください。
health-check
要素は、オリジン・サーバー・プールの各オリジン・サーバーのステータスを決定するために使用されるパラメータを構成します。health-check
要素は、origin-server-pool
要素のサブ要素です。詳細は、health-checkおよびorigin-server-poolを参照してください。
failover-group
要素は、VIP (仮想IP)、プライマリ・サーバーとして指定された1つのインスタンス、およびバックアップ・サーバーとして指定されたもう1つのインスタンスをグループ化したものです。アクティブ/パッシブまたはアクティブ/アクティブのクラスタ・フェイルオーバー構成は、フェイルオーバー・グループとして表されます。failover-group
要素は、フェイルオーバー・グループを定義します。詳細は、failover-groupを参照してください。
http
要素は、一般的なHTTPプロトコル・オプションを構成します。keep-alive
要素は、HTTPキープ・アライブ接続管理を構成します。http-listener
要素は、サーバーが新しいHTTP接続をリスニングするポートおよびIPアドレスを構成します。virtual-server
要素は、サーバーがHTTPリクエストを処理する方法を構成します。詳細は、http、keep-alive、http-listenerおよびvirtual-serverを参照してください。
access-log
要素は、アクセス・ログのファイル名と形式を構成します。access-log-buffer
要素は、アクセス・ログの更新頻度と、アクセス・ログのエントリの順序を構成します。詳細は、access-logおよびaccess-log-bufferを参照してください。ログ・ファイル形式の詳細は、カスタム・アクセス・ログ・ファイル形式の使用を参照してください。
log
要素は、サーバー・ログのファイル名と内容を構成します。event
要素は、アクセス・ログとサーバー・ログのローテーションを構成します。詳細は、logおよびeventを参照してください。
snmp
要素は、Simple Network Management Protocol (SNMP)を構成し、stats
要素は統計収集を構成します。詳細は、snmpおよびstatsを参照してください。
thread-pool
要素は、リクエストの処理に使用されるスレッドの数と、サーバーがキューに入れるHTTP接続の最大数を構成します。詳細は、thread-poolを参照してください。
keep-alive
要素は、HTTPキープ・アライブ接続管理を構成します。詳細は、keep-aliveを参照してください。dns-cache
要素は、DNSキャッシュを構成します。詳細は、dns-cacheを参照してください。
ssl
要素は、Secure Sockets Layer (SSL)およびTransport Layer Security (TLS)を構成します。SSLとTLSは、HTTPリスナーごとに別々に構成できます。詳細は、sslおよびhttp-listenerを参照してください。
pkcs11
要素は、証明書失効リスト(CRL)やサード・パーティの暗号モジュールを含むPKCS #11サブシステムを構成します。
variable
要素は、式、ログ形式およびobj.conf
パラメータで使用される変数を定義します。variable
要素の詳細は、variableを参照してください。変数および式の使用の詳細は、変数、式、ワイルドカードおよび文字列補間の使用を参照してください。
virtual-server
要素は、仮想サーバーを構成します。各仮想サーバーは、1つ以上のHTTPリスナーからのHTTPリクエストを処理します。http-listener
要素は、HTTPリスナーを構成します。詳細は、virtual-serverおよびhttp-listenerを参照してください。
変数は、変数で説明したとおり、variable
要素を使用して仮想サーバー内で定義できます。
例2-1 server.xml
ファイル
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <!-- Copyright (c) 2011, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved --> <server> <cluster> <local-host>www.example.com</local-host> <instance> <host>www.example.com</host> </instance> </cluster> <log> <log-file>../logs/server.log</log-file> <log-level>NOTIFICATION:1</log-level> </log> <platform>64</platform> <temp-path>/tmp/net-test-8a4af444</temp-path> <user>myuser</user> <access-log> <file>../logs/access.log</file> </access-log> <http-listener> <name>http-listener-1</name> <port>1894</port> <server-name>www.example.com</server-name> <default-virtual-server-name>test</default-virtual-server-name> </http-listener> <virtual-server> <name>test</name> <http-listener-name>http-listener-1</http-listener-name> <host>www.example.com</host> <object-file>test-obj.conf</object-file> </virtual-server> <origin-server-pool> <name>origin-server-pool-1</name> <type>http</type> <origin-server> <host>www.example.com</host> <port>20005</port> </origin-server> </origin-server-pool> </server>