Oracle DICOMプロトコル・アダプタは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタ・スイートのコア・コンポーネントで、標準のDICOMクライアント(PACSやDICOMビューアなど)とWebCenter Contentの間のブリッジとして機能します。この章では、アダプタ、クローラおよびプロキシをインストールして構成する方法について説明します。
このドキュメントは、WebLogic Serverにアプリケーションをデプロイするプロセスについて読者がよく理解していることを前提としています。アプリケーション・デプロイメントの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイを参照してください
この章の構成は、次のとおりです。
Oracle DICOMプロトコル・アダプタは、3つのコンポーネントで構成されます。すべてのコンポーネントまたは選択したコンポーネントのみをWebLogic Serverにデプロイできます。
次の項で、各コンポーネントの概要について詳細に説明します。
コンポーネントのデプロイの詳細は、次の項を参照してください。
各コンポーネントの構成の詳細は、次の項を参照してください。
DICOMアダプタは、Oracle WebLogic ServerにResourceAdapterアプリケーションとしてデプロイされます。アダプタでは、次のDICOMプロトコル・ロールがサポートされます。
C-ECHO SCP
C-FIND SCP
C-MOVE SCP
C-STORE SCP
C-STORE SCU
これらのプロトコル・ロールの詳細は、プロトコル・メッセージの処理を参照してください。
次の図は、プロトコル・アダプタが他のDICOMクライアント(DICOMビューアやPACSなど)およびWebCenter Contentと相互作用する方法を示しています。この例は、PACSがDICOMアダプタに画像をプッシュしてコンテンツ・サーバーにチェックインする方法を示しています。また、DICOMビューアがDICOMアダプタを通じてコンテンツ・サーバーのDICOM画像を問い合せ、取得する方法も示しています。
DICOMアダプタでは、DICOM規格で指定されているとおり、DICOMネットワーク・プロトコルの次の操作がサポートされます。DICOMクライアントは、DICOMアダプタにこれらのDICOMコマンドを発行して、コンテンツ・サーバーに格納されているDICOM画像コンテンツを問い合せ、取得できます。
C-ECHO: DICOMアダプタとDICOMクライアントの間の接続を確認するために使用されます。C-ECHOリクエストを受信すると、DICOMアダプタは、メッセージが受信されたことと、接続が良好であることを示すC-ECHOレスポンスを発行します。
C-MOVE: DICOMアダプタを問い合せ、C-MOVEリクエストで定義されている特定のメタデータ属性に一致する画像をコンテンツ・サーバー・リポジトリから取得するために使用されます(ワイルドカードがサポートされます)。
C-STORE: DICOMアダプタに画像を転送するために使用されます。DICOMアダプタは、C-STOREリクエストを受信すると、関連するDICOM画像を取得し、その画像をコンテンツ・サーバーにチェックインします。
C-FIND: DICOMアダプタを問い合せ、特定の問合せに一致するコンテンツ・サーバー・リポジトリの画像メタデータを取得するために使用されます。問合せではワイルドカードがサポートされます。
Oracle DICOMクローラは、DICOMプロトコルを使用して定期的にPACSのセットを問い合せるDICOMアダプタのスケジュール・サービスで、新しいDICOM画像またはDICOMメタデータ(あるいはその両方)をコンテンツ・サーバーにインポートします。これは、Oracle WebLogic ServerにResourceAdapterアプリケーションとしてデプロイされます。
ユーザーは、ユーザー指定の検索基準に基づいて特定のDICOM画像を識別する目的で、PACSにDICOM C-FINDリクエストを定期的に発行するようにDICOMクローラを構成できます。DICOMクローラは、このような画像を識別すると、コンテンツ・サーバー・リポジトリに画像または画像のメタデータをチェックインするDICOMアダプタに各画像を転送するために、PACSにC-MOVEリクエストを発行します。次の図は、DICOMクローラ、PACSおよびDICOMアダプタ間におけるこれらのメッセージの交換方法を示しています。
Oracle DICOM WADOプロキシは、画像メタデータがコンテンツ・サーバー内に存在し、画像がPACSに含まれる場合にWADO形式のURLを通じてDICOM画像を取得するサービスです。
WADOプロキシは、Oracle WebLogic ServerにJAX-RSサーブレット・アプリケーションとしてデプロイされます。このプロキシは、特定のPACSから特定のDICOM画像を取得する操作に対応するHTTP GETリクエストをリスニングします。PACSのAEタイトルと画像の一意のSOPインスタンスUIDは、両方ともWADO URLの一部としてエンコードされます。WADO URLの形式は、次のとおりです。
http://hostname:port/dicom-net/resource/AE_TITLE /wado?requestType=WADO&studyUID=study_uid&seriesUID=series_uid &objectUID=instance_uid
プロキシは、このようなWADOリクエストを受信すると、画像を取得するために、対応するPACSにC-MOVEリクエストを発行します。プロキシは、発行したC-MOVEに対応するDICOM画像データを含むPACSからC-STOREリクエストを受信した後、WADOリクエストを発行したHTTPクライアントにDICOM画像データを渡します。
次の図は、WADOクライアントからのWADOリクエストを処理するために必要なメッセージのセットが様々なコンポーネント間でどのように交換されるかを示しています。また、PACSから取得されたDICOM画像のチェックイン時に、このタイプのWADO URLがどのように生成されるかも示しています。
Oracle DICOMプロトコル・アダプタをデプロイするには、次の複数の手順を実行する必要があります。
Oracle DICOMプロトコル・アダプタを実行するために必要なJavaクラスおよびJavaライブラリが含まれるOrdDicomLibrary.earファイルをインストールしてデプロイします。
同様に、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの各コンポーネントのファイルが含まれるOrdDicomAdapter.earアーカイブ・ファイルをインストールしてデプロイします。詳細は、アーカイブ・ファイルのデプロイを参照してください。
標準デプロイメント(標準デプロイメントを参照)を実行するか、インストール用に個々のコンポーネントを選択する拡張デプロイメント(拡張デプロイメントを参照)を実行します。
このドキュメントは、WebLogic Serverにアプリケーションをデプロイするプロセスについて読者がよく理解していることを前提としています。アプリケーション・デプロイメントの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイを参照してください
Oracle DICOMプロトコル・アダプタは、2つのWebLogicエンタープライズ・アーカイブ・ファイルとして配布されます。
OrdDicomLibrary.earアーカイブには、アダプタを実行するために必要なすべてのJavaクラスと他のJavaライブラリが含まれます。
OrdDicomAdapter.earアーカイブは、OrdDicomLibrary.earアーカイブ・ファイルを参照し、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントに対して基本的なデプロイメント構成を提供するために必要なXMLディスクリプタおよび構成ファイルを含みます。
WebLogicにOrdDicomLibrary.earアーカイブをデプロイするには、次のようなコマンドを発行してweblogic.Deployerツールを使用します。
java weblogic.Deployer -upload -name OrdDICOM -source OrdDicomLibrary.ear -targets [target_name] -adminurl [weblogic_admin_url] -user [weblogic_user] -deploy -library
Oracle DICOMプロトコル・アダプタの個々のコンポーネントをデプロイするには、Java jar
ツールを使用してOrdDicomAdapter.earアーカイブのコンテンツを抽出します。次に、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの構成の説明に従って、デプロイの前にXML構成ファイルを変更します。
アーカイブがoracle-dicomというディレクトリに抽出される場合、ディレクトリのファイル構造は次のようになります。
oracle-dicom/META-INF/MANIFEST.MF oracle-dicom/META-INF/application.xml oracle-dicom/META-INF/weblogic-application.xml oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.jar oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.rar oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.jar oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.rar oracle-dicom/APP-INF/lib/dicom-net_wado.war oracle-dicom/APP-INF/classes/ordim_adapter_config.xml oracle-dicom/APP-INF/classes/ordim_crawler_config.xml oracle-dicom/APP-INF/classes/ordim_wado_config.xml
oracle-dicom/APP-INF/classesディレクトリのXMLファイルは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの各コンポーネントを構成するために使用されるファイルです。DICOMアダプタの構成、DICOMクローラの構成およびDICOM WADOプロキシの構成を参照してください。
oracle-dicom/APP-INF/lib/ディレクトリのアーカイブ・ファイルは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタを構成するモジュールに対応します。
oracle-dicom/META-INF/ディレクトリのXMLファイルは、アプリケーションで使用されるすべてのモジュールおよびリソースを記述したWebLogicデプロイメント・ディスクリプタに対応します。
注意:
OrdDicomLibrary.earライブラリは、Oracle DICOMプロトコル・アダプタをデプロイする前に、WebLogicと、コンテンツ・サーバーにインストールされているWebCenterのOracle DICOMコンポーネントにデプロイする必要があります。詳細は、アーカイブ・ファイルのデプロイおよびWebCenter用のOracle DICOMコンポーネントのインストールおよび使用を参照してください。
Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つの各コンポーネントの単一インスタンスをデプロイするには、oracle-dicom/APP-INF/classes/ディレクトリのXMLファイルを編集します。
構成ファイルを変更してから、次のようなコマンドを発行してWebLogicにアプリケーションをデプロイします。この例では、OrdDicomLibrary.earアーカイブをoracle-dicomというディレクトリに抽出していると仮定します。
java weblogic.Deployer -upload -name OracleDicomAdapterSuite -source 'oracle-dicom' -targets myserver -adminurl [weblogic_admin_url] -user [weblogic_user] -deploy
このコマンドによって、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントがWebLogicにデプロイされ、それらが起動されます。
Oracle DICOMプロトコル・アダプタの各コンポーネントは、1つのエンタープライズ・アーカイブにまとめられていますが、すべてのコンポーネントを一度にデプロイする必要はありません。特定のコンポーネントの複数のインスタンスをデプロイすることや、特定のコンポーネントのインスタンスを1つもデプロイしないことが可能です。
META-INF/application.xmlファイルは、デプロイ時に有効化されるモジュールを記述します。次に、このファイルの例を示します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <application xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/javaee" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/javaee http://java.sun.com/xml/ns/javaee/application_5.xsd" version="5"> <!-- Oracle DICOM Protocol Adapter --> <module> <connector>/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.rar</connector> </module> <module> <ejb>/APP-INF/lib/dicom-net_adapter.jar</ejb> </module> <!-- Oracle DICOM Crawler --> <module> <connector>/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.rar</connector> </module> <module> <ejb>/APP-INF/lib/dicom-net_crawler.jar</ejb> </module> <!-- Oracle DICOM WADO Proxy --> <module> <web> <web-uri>/APP-INF/lib/dicom-net_wado.war</web-uri> <context-root>dicom-net</context-root> </web> </module> </application>
この例では、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのすべてのコンポーネントが有効化されます。これらのコンポーネントのいずれかを無効化するには、削除するコンポーネントに対応するモジュール参照を削除(またはコメント・アウト)します。
DICOMアダプタ・コンポーネントとDICOMクローラ・コンポーネントの両方には、2つ以上のモジュール定義が必要です。
*.rarアーカイブは、コンポーネントのResourceAdapterアーカイブです(コンポーネントにはそのうちの1つが必要です)。
*.jarは、コンポーネントのMessageDrivenBean (MDB)アーカイブです(コンポーネントにはそのうちの1つ以上が必要です)。
DICOM WADOプロキシ・コンポーネントのインスタンスごとに、モジュール定義が1つのみ必要です(*.warアーカイブ)。
デフォルトでは、次のリストに示すとおり、Oracle DICOMプロトコル・アダプタ構成ファイルが、各MDBアーカイブに対して1つと、WADOプロキシ・アーカイブに対して1つあります。
dicom-net_adapter.jarとordim_adapter_config.xml
dicom-net_crawler.jarとordim_crawler_config.xml
dicom-new_wado.warとordim_wado_config.xml
Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントのいずれかについて、複数のインスタンスをデプロイするには、次の手順を実行します。
<module>
エントリを追加します。この項では、様々なOracle DICOMプロトコル・アダプタ・コンポーネントに必要な変更について説明します。
アダプタの.jarアーカイブを変更するには、MDBの名前を変更し、使用するXML構成ファイルの名前を更新します。これを行うには、アーカイブのMETA-INF/ejb-jar.xmlファイルを編集し、(太字のイタリック体で示されている)次のパラメータ値を変更します。
<message-driven> <display-name>DICOM_ADAPTER</display-name> <ejb-name>DICOM_ ADAPTER</ejb-name> […] </message-driven> <container-transaction> <method> <ejb-name>DICOM_ ADAPTER</ejb-name> […] </method> […] </container-transaction> <activation-config-property> <activation-config-property-name>adapterConfig</activation-config-property-name> <activation-config-property-value>ordim_adapter_config.xml</activation-config-property-value> </activation-config-property>
アーカイブのMETA-INF/weblogic-ejb-jar.xmlファイルも編集し、(太字のイタリック体で示されている)次の追加パラメータ値を変更する必要があります。
<weblogic-enterprise-bean>
<ejb-name>DICOM_ ADAPTER</ejb-name>
[…]
</ weblogic-enterprise-bean>
*.jarアーカイブを変更してOracle DICOMクローラの新しいインスタンスを作成するには、MDBの名前を変更し、使用するXML構成ファイルの名前を更新する必要があります。
これを行うには、アーカイブのMETA-INF/ejb-jar.xmlファイルを編集し、(太字のイタリック体で示されている)次のパラメータ値を変更します。
<message-driven> <display-name>DICOM_CRAWLER</display-name> <ejb-name>DICOM_CRAWLER</ejb-name> […] </message-driven> <container-transaction> <method> <ejb-name>DICOM_CRAWLER</ejb-name> […] </method> […] </container-transaction> <activation-config-property> <activation-config-property-name>crawlerConfig</activation-config-property-name> <activation-config-property-value>ordim_crawler_config.xml</activation-config-property-value> </activation-config-property>
アーカイブのMETA-INF/weblogic-ejb-jar.xmlファイルも編集し、(太字のイタリック体で示されている)次の追加パラメータ値を変更する必要があります。
<weblogic-enterprise-bean>
<ejb-name>DICOM_CRAWLER</ejb-name>
[…]
</ weblogic-enterprise-bean>
WADOプロキシの新しいインスタンスを作成するには、最初にWADO .warアーカイブを変更します。これを行うには、サーブレットの名前を変更し、使用するXML構成ファイルの名前を更新するため、アーカイブのWEB-INF/web.xmlファイルを編集して(太字のイタリック体で示されている)次の値を変更します。
<context-param> <param-name>wadoConfig</param-name> <param-value>ordim_wado_config.xml</param-value> </context-param> <servlet> <display-name>JAX-RS Servlet</display-name> <servlet-name>jersey</servlet-name> […] </servlet> <servlet-mapping> <servlet-name>jersey</servlet-name> <url-pattern>/*</url-pattern> </servlet-mapping>
この項では、Oracle DICOMプロトコル・アダプタの3つのコンポーネントを構成する方法について説明します。
DICOMアダプタを構成するには、ordim_adapter_config.xsd
スキーマ(ordim_adapter_config.xsdを参照)に準拠するXMLファイルを作成します。
この項では、スキーマで構成可能な各要素について説明します。
DICOMアダプタのDICOMホスト情報を識別するために使用されます。
title: ホストのDICOM AEタイトルを指定します。
bind: ホストが着信DICOMアソシエーションをリスニングするポート番号を指定します。
次に、adapter要素の例を示します。
<adapter useSSL="false"> <title>UCM</title> <bind port="11112"/> </adapter>
コンテンツ・サーバー・チェックイン・プロパティによってWebCenter Contentサーバーに接続する方法を識別するために使用されます。
connection: DICOMアダプタでWebCenter Contentに接続するために必要なパラメータを指定します。
url: WebCenter Contentサーバーに接続するために使用するURL。
login: WebCenter Contentサーバーに接続するためのログイン資格証明(ユーザー名とパスワード)。パスワードが指定されない場合、DICOMアダプタのリソース・アダプタに関連付けられたデフォルトのWebLogicセキュリティ・レルムの資格証明マップを通じて取得されます。
properties: DICOMアダプタを通じてDICOM画像をチェックインする場合に使用するコンテンツ・サーバー・チェックイン・プロパティを識別するために使用します。
property: コンテンツ・サーバー・チェックイン・プロパティの名前と値を指定します。有効なプロパティは次のとおりです。
SECURITY_GROUP: チェックインに使用するWebCenter Contentセキュリティ・グループの名前を表す文字列値。
DICOM_DOC_CHECKIN: チェックイン時にDICOM画像の画像表現を格納するかどうかを表すブール値。
DICOM_DOC_TYPE: DICOM画像のチェックインに使用するコンテンツ・サーバー・ドキュメント・タイプを表す文字列値。
DICOM_DOC_FOLDER: DICOM画像を格納するコンテンツ・サーバー・フォルダの名前を表す文字列値。
DICOM_DOC_ORIGINAL: チェックイン時に元のDICOM画像を保持するかどうかを表すブール値。
DICOM_DOC_PREVIEW: チェックイン時にDICOM画像の画像プレビューを生成するかどうかを表すブール値。
DICOM_XML_CHECKIN: チェックイン時にDICOM画像のメタデータのXMLベース表現を生成するかどうかを表すブール値。
DICOM_XML_TYPE: チェックイン時にDICOM XMLメタデータに使用するコンテンツ・サーバー・ドキュメント・タイプを表す文字列値。
DICOM_XML_FOLDER: DICOM XMLメタデータを格納するコンテンツ・サーバー・フォルダの名前を表す文字列値。
DICOM_WADO_LINK_ENABLE: DICOM画像のチェックイン時にWADO URLを生成するかどうかを表すブール値。
DICOM_WADO_LINK_PREFIX: WADOリンク生成用のベースURL (接頭辞文字列)を表す文字列値。
次に、UCM要素の例を示します。
<UCM> <connection> <url location="http://hostname:16200/cs/idcplg"/> <login username="user" password="pass"/> </connection> <properties> <property name="SECURITY_GROUP" value="DICOMGroup"/> <property name="DICOM_DOC_CHECKIN" value="true"/> <property name="DICOM_DOC_TYPE" value="DICOM"/> <property name="DICOM_DOC_FOLDER" value="/Contribution Folders/DICOM"/> <property name="DICOM_DOC_ORIGINAL" value="true"/> <property name="DICOM_DOC_PREVIEW" value="false"/> <property name="DICOM_XML_CHECKIN" value="false"/> <property name="DICOM_XML_TYPE" value="DICOMXML"/> <property name="DICOM_XML_FOLDER" value="/Contribution Folders/DICOM"/> <property name="DICOM_WADO_LINK_ENABLE" value="true"/> <property name="DICOM_WADO_LINK_PREFIX" value="http://hostname:7001/dicom-net/resource"/> </properties> </UCM>
DICOM固有の構成(AEタイトルとIPアドレス/ポートのマッピングなど)を指定します。
hosts: アダプタへの接続を許可するDICOMクライアントのセットを指定します。
host: アダプタが接続できるリモートDICOMクライアントのAEタイトル、IPアドレスおよびポートを指定します。
次に、DICOM要素の例を示します。
<DICOM> <hosts> <host title="TESTPACS" address="testpacs.hostname" port="11112"/> <host title="WADO" address="127.0.0.1" port="12347"/> </hosts> </DICOM>
Oracle DICOMクローラを構成するには、ordim_crawler_config.xsd
スキーマ(ordim_crawler_config.xsdを参照)に準拠するXMLファイルを作成します。この項では、構成可能なスキーマの各要素について説明します。
DICOMクローラのDICOMホスト構成を指定します。
title: クローラのDICOM AEタイトル。
次に、crawler要素の例を示します。
<crawler> <title>UCM_CRAWLER</title> </crawler>
単一のクローラ・ジョブを表します。
target: 検索するDICOMクライアントのAEタイトル。
dest: DICOM画像が送信されるDICOMホストのAEタイトル。
period: ジョブ実行間の遅延間隔と時間単位。
search: ジョブ起動中に実行する問合せのリスト(実行順)。各問合せは、ある問合せの出力が次の問合せの基本データセットとなるように連鎖されます。
query: 単一の問合せを表し、データセットの名前および使用するDICOM検索ルートを指定します。
次に、jobs要素の例を示します。
<jobs> <job> <target title=" PACS "/> <dest title="UCM"/> <period duration="15" timeUnit="s"/> <search> <query searchRoot="study" dataset="Q1"/> <query searchRoot="study" dataset="Q2"/> <query searchRoot="study" dataset="Q3"/> </search> </job> </jobs>
クローラの接続を許可するDICOMクライアントのセットを指定します。
host: クローラが接続できるリモートDICOMクライアントのタイトル、IPアドレスおよびポートを指定します。
次に、hosts要素の例を示します。
<hosts> <host title="UCM" address="localhost" port="12345"/> <host title="PACS " address="pacs.hostname" port="11112"/> </hosts>
クローラ・ジョブの問合せの一部として使用するDICOMデータセットのセットを指定します。各データセットには、ジョブのqueryタグで参照できる名前が割り当てられます。
dataset: 単一のデータセットを指定します。
value: DICOMタグとそれに対応する値(タグ/値ペア)。
次に、datasets要素の例を示します。
<datasets> <dataset name="Q1"> <value tag="00080052">STUDY</value> <value tag="0020000D">*</value> </dataset> <dataset name="Q2"> <value tag="00080052">SERIES</value> <value tag="0020000E">*</value> </dataset> <dataset name="Q3"> <value tag="00080052">IMAGE</value> <value tag="00080018">*</value> </dataset> </datasets>
Oracle DICOM WADOプロキシを構成するには、ordim_wado_config.xsd
スキーマ(ordim_wado_config.xsdを参照)に準拠するXMLファイルを作成します。この項では、構成可能なスキーマの各要素について説明します。
Oracle DICOM WADOプロキシのDICOMホスト情報を識別するために使用されます。
wado: プロキシのDICOMホスト情報を識別します。
title: ホストのDICOM AEタイトルを指定します。
bind: ホストが着信DICOMアソシエーションをリスニングするポート番号を指定します。
次に、wado要素の例を示します。
<wado useSSL="false"> <title>WADO</title> <bind port="12347"/> </wado>
典型的な2つのシナリオについて、使用方法のシナリオで説明しました。この項では、各シナリオの構成方法の詳細について説明します。
各シナリオで、次の手順を実行する必要があります。
ユーザーが画像をインポートするすべてのPACSの接続詳細を使用して、Oracle DICOMクローラを構成します。詳細は、DICOMクローラの構成を参照してください。
戻される画像を制限するフィルタとして機能するDICOM問合せを設定します。
oracle_dicom_config.hdaファイルのUCM_DICOM_MAP ResultSetにメタデータ・マッピングを追加して、DICOMコンポーネントを構成します。画像のインポート時に保持するDICOMメタデータ要素ごとに、メタデータ・マッピングを追加します。詳細は、oracle_dicom_config.hdaファイルの編集を参照してください。
このシナリオでは、ユーザーがPACSのすべてのDICOM画像と画像メタデータをコンテンツ・サーバーに統合すると仮定します。
これを実現するには、DICOMアダプタ構成で次のプロパティを設定する必要があります。
<property name="DICOM_DOC_CHECKIN" value="true"/> <property name="DICOM_DOC_ORIGINAL" value="true"/>
これらの設定によって、画像をPACSからインポートするときに、画像からメタデータを抽出してコンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールドに移入し、元の画像をコンテンツ・サーバーに保持します。画像のインポート後は、そのメタデータに基づいて画像を検索し、直接コンテンツ・サーバーから、またはDICOMアダプタを通じて画像を取得できます。
このシナリオでは、ユーザーがPACSのDICOM画像メタデータのみをコンテンツ・サーバーに統合すると仮定します。
WADOプロキシを構成して、すべてのPACSの接続詳細(DICOMクローラと同じセット)を含めるようにします。次のようにDICOMアダプタ構成にプロパティを設定します(hostname:portはWADOプロキシのホスト名とポートのセットに設定します)。
<property name="DICOM_DOC_CHECKIN" value="true"/>
<property name="DICOM_DOC_ORIGINAL" value="false"/>
<property name="DICOM_WADO_LINK_ENABLE" value="true"/>
<property name="DICOM_WADO_LINK_PREFIX" value="http://hostname:port/dicom-net/resource"/>
最初の2つのプロパティによって、画像がインポート時にコンテンツ・サーバーにチェックインされても、コンテンツ・サーバーによって、移入されたメタデータ・フィールドにDICOM画像メタデータのみが保持されます。
最後の2つのプロパティによって、コンテンツ・サーバーのメタデータ・フィールドの1つとしてWADOリンクを生成および追加します。このリンクは、WADOプロキシを示すURLで、画像が格納されているPACSから元の画像を取得するためにプロキシによって必要とされるすべての情報を含みます。そのため、ユーザーは、WADOリンクのURLを参照することで常に元の画像にアクセスできます。
このシナリオでは、メタデータに基づいてインポート済の画像を検索することはできますが(シナリオ1と同じ)、元の画像自体をコンテンツ・サーバーから直接取得することはできません。かわりに、画像を検索して、それを取得するために対応するWADOリンクを参照できます(コンテンツ・サーバーを通じて直接画像を検索する場合)。
または、画像を取得するためにDICOMアダプタを通じてDICOM問合せを発行できます。アダプタは、WADOリンクを通じてPACSから元の画像を透過的に取得し、リクエストを発行したDICOMクライアントに渡します。