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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの管理
12c (12.2.1.2.0)
E82742-01
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33 FoldersへのFolders_gの移行

この章では、フォルダ移行ユーティリティを使用して、コンテンツ・サーバーのフォルダ・コンテンツとフォルダ構造をコントリビューション・フォルダからフォルダに移行する方法について説明します。

この章の構成は、次のとおりです。

33.1 FoldersへのFolders_gの移行の理解

フォルダ移行ユーティリティを使用すると、コントリビューション・フォルダ(Folders_gコンポーネントで提供)からフォルダ(FrameworkFoldersコンポーネントで提供)に、フォルダのコンテンツと構造を移行できます。このユーティリティは、コントリビューション・フォルダに関連付けられている表がデータベース・スキーマ内に存在し、FrameworkFoldersコンポーネントが有効になっている場合に使用できます。FoldersコンポーネントおよびFrameworkFoldersコンポーネントの詳細は、『Oracle WebCenter Contentのマネージメント』『Oracle WebCenter Contentのマネージメント』のフォルダに関する項を参照してください。

注意:

FrameworkFoldersは、以前のFolders_gコンポーネントに置き換わるコンポーネントの名前です。以前のフォルダ・インタフェースはコントリビューション・フォルダと呼ばれるようになりました。FrameworkFoldersコンポーネントによりサポートされるインタフェースはFoldersと呼ばれます。

注意:

11.1.1.8.0以前のWebCenter Portalでは、Folders_gコンポーネントのみがサポートされます。『Oracle WebCenter Portalの管理』のOracle WebCenter Content Serverの構成に関する項を参照してください。

FrameworkFoldersコンポーネントはデフォルトでWebCenter Contentの新規インストールとともにインストールされ、無効化されます。Folders_gコンポーネントを使用する以前のバージョンから更新されたWebCenter Contentシステムでは、そのコンポーネントを引き続き使用することも、FrameworkFoldersコンポーネントを使用するように移行することも選択できます。Folders_gフォルダ構造およびフォルダ・コンテンツの両方をFoldersに移行できます。

注意:

Folders_gおよびFrameworkFoldersコンポーネントの両方を、本番システムで同時に有効化して実行しないでください。両方のコンポーネントを同時に有効にすると、Webインタフェースにアラートが表示され、WebDAVなどの特定の機能が予期されたとおりに動作しません。

技術的には、両方のコンポーネントを同時に有効にする必要はありません。ただし、Folders_gデータを調整する必要があり、移行プロセス中に両方のコンポーネントを有効にしても問題がない場合は、このプロセス中に両方のコンポーネントを有効にすると便利なことがあります。

注意:

移行操作は複数回実行できます。これにより、移行が完了した後に、移行されたデータが適切な形式になっていることを検証し、そうでない場合は構成を変更するかソース・データを変更して移行を再試行できます。

主な懸念事項は、移行が行われる前に、Folders_gから新しいFolders構造に手動で移動されたコンテンツがないかどうかです。このような場合、移行により、新しいFolders構造に手動で設定されたそのアイテムの場所が失われる可能性があります。この問題を防ぐには、新しいFolders構造に移動されたすべてのアイテムを移行の前にFolders_gから削除するか、そのxCollectionIDフィールドを0 (ゼロ)に設定します。

33.2 フォルダの移行の準備

コンテンツ・サーバーのconfig.cfgファイルでいくつかの移行変数を設定して、移行操作を変更できます。

  • FolderMigrateExcludeList: 移行から除外するフォルダのリストを指定します。このリストには、フォルダIDおよびフォルダ・マークを含めることができます。大文字を使用し、アイテムをカンマで区切ります。この変数を適切に変更するには、「フォルダ移行」ページの「除外されたフォルダの変更」ダイアログを使用します。この変数が設定されない場合、TRASHフォルダのみが除外されます。

  • FldMigrateDefaultSecurityGroup: セキュリティ・グループがフォルダに関連付けられていない場合に、移行されたフォルダに割り当てるデフォルトのセキュリティ・グループを指定します。この変数が設定されない場合のデフォルト値はPublicです。Folders_g内のフォルダにはセキュリティ・グループ設定は必要なく、設定しなくても構いません。移行されたフォルダにはセキュリティ・グループの設定が必要です。

  • FldMigrateRootBaseName: 移行の実行時にFoldersに作成されるルート・フォルダのベース名を指定します。ルート・フォルダの形式は、<$FldMigrateRootBaseName$>_<$date$>_#<$run_index$>です。この変数が設定されない場合のデフォルト値はMigrateです。

  • ShowFolderMigrationMenu: 「フォルダ移行」オプションを「管理」メニューに表示するかどうかを指定します。移行が可能(Folders_g表がデータベース・スキーマで使用可能)であり、この変数が指定されない場合のデフォルトは1(オプションを表示する)です。「管理」メニューにオプションを表示しないようにするには、この変数を0(ゼロ)に設定します。

33.3 Foldersへの移行

この項では、Folders_gのフォルダ構造およびフォルダ・コンテンツをFoldersに移行する方法について説明します。

  1. Webブラウザを使用して、コンテンツ・サーバーに管理者としてログインします。

  2. FrameworkFoldersコンポーネントを有効化していない場合は、有効化します。詳細は、「コンポーネント・マネージャを使用したコンポーネントの有効化または無効化」を参照してください。

    注意:

    技術的には、両方のコンポーネントを同時に有効にする必要はありません。ただし、Folders_gデータを調整する必要があり、移行プロセス中に両方のコンポーネントを有効にしても問題がない場合は、このプロセス中に両方のコンポーネントを有効にすると便利なことがあります。

  3. 「管理」「フォルダ移行」を選択します。

    図33-1 「フォルダ移行」ページ

    図33-1の説明が続きます
    「図33-1 「フォルダ移行」ページ」の説明
  4. 「フォルダ移行」ページの「移行の実行」セクションに、次の移行前の情報が表示されます。

    • 移行オプションから除外されるフォルダ・サブツリー(デフォルトではTRASH)

    • 移行するフォルダ数

    • 移行するフォルダ内のコンテンツ・アイテムの数

    • 移行するショートカットの数

    • 移行から除外するフォルダ数

    移行から除外するフォルダを追加するには、「除外されたフォルダの変更」をクリックします。これにより、「フォルダ移行: 除外されたフォルダ」ダイアログが表示されます。「レガシー・フォルダの参照」ツリーから1つ以上のフォルダを選択すると、それらが自動的に「移行から除外されるレガシー・フォルダ」ペインに移動されます。

  5. 「拡張移行オプションの表示」リンクが表示されている場合は、このリンクをクリックして、移行中にコンテンツ・アイテムとフォルダ間にリンクを作成するためのオプションを表示できます。所有者リンクは、Folders内のコンテンツ・アイテムとフォルダ間の主要なアソシエーションです。1つのコンテンツ・アイテムに作成できる所有者リンクは1つのみです(一方、セカンダリ・ショートカットは無制限に作成できます)。所有者リンク・オプションでは、以前の移行により作成されたか、先に手動で割り当てられた既存の所有者リンクを持つコンテンツ・アイテムに対し、移行プロセスで所有者リンクの作成が試みられた場合に、この状況を処理する方法を指定します。

    「既存の所有者リンクのオプション」セクションには、次の3つのオプションがリストされます。

    • 既存の所有者リンクを削除します。移行により新規所有者リンクが作成されます。

      これはデフォルト選択です。これは一般的に、移入済のFolders_g階層から完全に空のFolders階層にフォルダとコンテンツを移行する際に管理者により使用されます。

    • 既存の所有者リンクをショートカットに変換します。移行により新規所有者リンクが作成されます。

      フォルダの移行プロセスが開始する前にFolders階層へのフォルダおよびコンテンツの移入が開始された場合、レガシーFolders_g階層および新しいFolders階層の両方にコンテンツ・アイテムが存在する可能性があります。ユーザーは、コンテンツ・アイテムがFolders_gフォルダ内に存在している場合でも、Foldersフォルダにコンテンツ・アイテムを追加できます。移行が行われると、移行プロセスはFolders_gにあるそのコンテンツ・アイテムを取り出し、Folders_gフォルダに対応する、新しく作成および移行されたFoldersフォルダにそのコンテンツ・アイテムを入れようとします。ただし、コンテンツ・アイテムに作成できる所有者リンクは1つだけであるため、そのコンテンツ・アイテムがすでに入れられているFoldersフォルダへのリンクを削除しないかぎり、新しいFoldersフォルダに同じコンテンツ・アイテムを入れることはできません。リンクを削除しないで情報を保持する場合は、このオプションによりFolders_g所有者リンクをFoldersショートカットに変更します。

    • 既存の所有者リンクを残します。移行されたリンクをショートカットに変更します。

      フォルダの移行プロセスが開始する前にFolders階層へのフォルダおよびコンテンツの移入が開始された場合、レガシーFolders_g階層および新しいFolders階層の両方にコンテンツ・アイテムが存在する可能性があります。ユーザーは、コンテンツ・アイテムがFolders_gフォルダ内に存在している場合でも、Foldersフォルダにコンテンツ・アイテムを追加できます。移行が行われると、移行プロセスはFolders_gにあるそのコンテンツ・アイテムを取り出し、Folders_gフォルダに対応する、新しく作成および移行されたFoldersフォルダにそのコンテンツ・アイテムを入れようとします。ただし、コンテンツ・アイテムに作成できる所有者リンクは1つだけであるため、そのコンテンツ・アイテムがすでに入れられているFoldersフォルダへのリンクを削除しないかぎり、新しいFoldersフォルダに同じコンテンツ・アイテムを入れることはできません。移行前のFoldersフォルダにコンテンツ・アイテムへの単一の所有者リンクを含める場合は、このオプションを使用して、移行後のフォルダがそのアイテムへのショートカットを持つようにすることができます。

  6. 「フォルダ・データの移行」をクリックします。ステータス・バーおよびメッセージに、移行の進行状況が表示されます。

    移行が完了すると、次の移行後のステータス情報が表で表示されます。

    • 移行の実行番号

    • 移行が開始した日時

    • 移行が終了した日時

    • 移行を実行したユーザーのユーザーID

    • 正常に移行されたフォルダの数

    • 移行されたコンテンツ・アソシエーションの数

    • 移行されたショートカットの数

  7. 特定の移行の実行に関する詳細を表示するには、実行番号の隣にある「情報」アイコンをクリックします。

    「フォルダ移行情報」ページに、GUID、レガシー・フォルダID、名前および移行された各フォルダのタイプに関する情報が表示されます。

    特定の移行のデータが不要になった場合は、「フォルダ移行情報」ページで移行データの削除をクリックします。

  8. データが削除されている可能性がある移行の実行に関する情報は、「追加の移行データの表示」をクリックします。これにより、移行後ステータス情報と同じ列を持つ表が表示されますが、この表にはデータが削除されている実行に関する情報が含まれます。列が空の場合、データが削除された実行はありません。

    この表示をブロックするには、「追加の移行データの非表示」をクリックします。

  9. 完了した移行に問題がなく、Folders_gコンポーネントが有効になっている場合は、これを無効化します。

33.4 フォルダの移行の完了後

フォルダの移行プロセスが完了し、Folders構造にデータが正常に転送されたことを確認したら、通常は再度移行を行う必要はありません。以後、故意の不要な移行が行われないようにするために、コンテンツ・サーバーのconfig.cfgファイルで変数ShowFolderMigrationMenu=0を設定することをお薦めします。この変数を設定することにより、「管理」メニューに「フォルダ移行」オプションが表示されなくなります。