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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理
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E82738-01
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D WebCenter PortalへのWikiコンテンツの移行

この付録では、カスタムwiki抽出ツールをドキュメント移行ユーティリティと組み合せて使用することで、wikiコンテンツをConfluenceなどのwikiアプリケーションからWebCenter Portalに移行する方法について説明します。カスタムwiki抽出ツールは、ドキュメント移行ユーティリティを使用して、wikiコンテンツをWebCenter Portalコンテンツ・リポジトリにインポート可能なアーカイブ形式に抽出します。

注意:

ポータル・フォルダとポータル・テンプレート・フォルダのエクスポートまたはインポートにドキュメント移行ユーティリティを使用しないでください。

この付録にリストされているタスクを実行できるようにするには、ポータル、ポータル・テンプレート、wikiドキュメントおよびwikiページに対してContent Serverで作成したコンテンツの理解とともにドキュメント移行ユーティリティおよびそのアーカイブの形式についての詳細な理解が必要です。

この付録の内容は次のとおりです。

D.1 WikiドキュメントおよびWikiページの理解

この項では、WebCenter Portalでのwikiドキュメントおよびwikiページの形式とその動作方法について説明します。WebCenter Portalでのwikiドキュメントおよびwikiページの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のWikiでの作業に関する項を参照してください。

この項では、次の項目について説明します。

D.1.1 Wikiドキュメントの理解

WebCenter Portalでは、wikiページ内でwikiドキュメントを作成できます。これらのドキュメントは、ポータル内に作成されたフォルダ階層の任意の場所に置くことができます。Wikiドキュメントは他のタイプのドキュメントとともに存在するか、または単一フォルダ内にすべてのwikiドキュメントを配置することを選択できます。

wikiドキュメントがWebCenter Portalで作成される場合、HTMLドキュメントが作成され、Content Serverにチェックインされます。このwikiドキュメントには、ドキュメントが通常のHTMLドキュメントではなく、wikiドキュメントであることをWebCenter Portalに伝える特別なメタデータ値が含まれます。これらのメタデータ値は次のとおりです。

dDocType = Application
dDocFunction = wiki
dOriginalName (document filename) = <wikiName>.htm

前述のメタデータを含むWebCenter Portalのドキュメントを開く場合、WebCenter Portalはそれをwikiドキュメントとして表示します。

D.1.2 Wikiページの理解

WebCenter Portalで、Wikiページ・スタイルに基づいてページを作成することによりwikiページを作成できます。wikiページに移動すると、wikiドキュメントが表示されます。wikiページの作成方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』のWikiでの作業に関する項を参照してください。

wikiページがWebCenter Portalで作成される場合、次のアーティファクトがContent Serverで作成されます。

  • wikiフォルダが、wikiページが作成されているポータルのフォルダに作成され、wikiフォルダの名前はwikiページ名と同じですが、特殊文字が削除されています。

    /RootFolder/PortalFolder/wikiPageNameFolder/

    FrameworkFoldersが有効化されている場合、wikiフォルダは次のパスに作成されます: /Enterprise Libraries/PortalFolder/wikiPageNameFolder/

  • ドキュメントは、次のメタデータとともにwikiフォルダ内に作成されます。

    • dDocTitle = ドキュメント・タイトル(wikiページ名と同じ名前で、拡張子.htmを持つ)

    • dOriginalName = ドキュメント・ファイル名(dDocTitleと同じ)

    • dDocFunction = wiki

    • dDocType = Application

    • xWCPageID = wikiページのJSPXページの名前

これは例を使用して適切に示されます。wikiページが作成されているポータルがMarketingで、作成されているwikiページがWiki1の場合、次のアーティファクトがContent Serverで作成されます。

  • フォルダ: /Enterprise Libraries/Marketing/Wiki1

  • ドキュメント: /Enterprise Libraries/Marketing/Wiki1/Wiki1.htm

    ドキュメントの属性セット:

    • dDocTitle= Wiki1.htm

    • dOriginalName = Wiki1.htm

    • dDocFunction = 'wiki'

    • dDocType = 'Application'

    • xWCPageID = Wiki1.jspx

wikiページに移動すると、次の処理が実行されます。

  • Content Serverが次の場所のドキュメントを問い合せます。

    /RootFolder/PortalFolder/wikiPageNameFolder/wikiPageName.htm

  • ドキュメントが見つかった場合は、wikiドキュメントとして表示されます。

  • ドキュメントでwikiページが見つからない場合は、wikiフォルダのコンテンツが表示されます。

D.2 ソースWikiアプリケーションからWebCenter Portalへのデータの移行

既存のwikiアプリケーションからWebCenter Portalにコンテンツを移行するには、次の手順を実行します。

  1. wikiコンテンツのインポート用にWebCenter Portalを準備します。
  2. カスタムwiki抽出ツールを記述して実行し、Wikiアプリケーションからアーカイブ(ドキュメント移行ユーティリティで期待される正確な形式に一致している必要がある)にコンテンツを抽出します。
  3. ドキュメント移行ユーティリティを使用して、Content Serverにアーカイブをインポートします。
  4. WebCenter Portalでwikiページを作成し、Content Serverのコンテンツを関連付けます。

D.2.1 WikiコンテンツのインポートのためのWebCenter Portalの準備

ドキュメント・ツールがポータルまたはポータル・テンプレートで有効になっている場合、フォルダがそのポータルまたはポータル・テンプレートに対してContent Serverで作成されます。これらのフォルダのGUIDは、ドキュメント移行ユーティリティとともに使用するアーカイブを構築するために決定される必要があります。フォルダGUIDは次の手順で決定されます。

  1. すべてのwikiコンテンツを単一ポータルまたは複数のポータルにインポートするかどうかを決定します。

  2. WebCenter Portalにログインし、ポータルを作成して、ポータルの内部名をメモします。

    ドキュメント・ツールを含むテンプレートを使用していることを確認します。そうでない場合、ドキュメント・ツールを有効にして、ポータル作成後にロール権限を設定する必要があります。

  3. Content Serverにログインします。

  4. ユーザーのレイアウトが「トップ・メニュー」であることを確認します。

    1. ユーザー名をクリックして、ユーザーのプロファイル・ページを表示します。

    2. 「ユーザーのパーソナライズの設定」の下で、「レイアウト」Top Menuに設定していることを確認します。

  5. wikiコンテンツがインポートされる各ポータルに対して、フォルダGUIDを決定します。

    1. 「コンテンツの参照」をクリックします。

    2. WebCenter Portalインスタンスのルート・フォルダをクリックします。

      これは、Content Server接続のRoot Folder設定と同じです。

    3. ポータルのフォルダをクリックします。

      フォルダ名は、ポータルの内部名と同じです。

    4. フォルダ情報を表示するには、ツールバーの「情報」をクリックします。

    5. URLにIsSoap=1を追加します。

    6. Folders_g設定内の文字列dCollectionGUIDを検索します。例:

      <idc:field name="dCollectionGUID">05573322-E895-EDA3-8A83-07CF39CBDE05</idc:field>
      

      FrameworkFoldersフォルダ・サービスを使用している場合は、文字列fApplicationGUIDを検索します。例:

      <idc:field name="fApplicationGUID">WC01:8c1c6442-a258-4cd7-8cf1-adb60fc45ce2</idc:field>
      
  6. 次の手順でアーカイブを構築する際にGUIDが必要となるため、ポータル・フォルダ名とそのGUIDをメモします。

D.2.2 Wikiアプリケーションからコンテンツを抽出するためのカスタムWiki抽出ツールの記述と実行

ソースwikiアプリケーションから、ドキュメント移行ユーティリティとともに使用するのに適したアーカイブにコンテンツを抽出するには、カスタム・アプリケーションを記述する必要があります。

カスタムwiki抽出ツールは、次の手順を実行する必要があります。

  1. wikiコンテンツを抽出して配置します。

    一時ディレクトリを作成し、ソースwikiアプリケーションからその一時ディレクトリにwikiコンテンツを抽出して、WebCenter Portalに表示されるとおりにファイル・システムに配置します。

  2. wikiドキュメントのソースHTMLをクリーンアップします。

    各wikiドキュメントに対して、HTMLを編集して、アプリケーション固有のHTMLタグを削除します。

  3. URLをリライトします。

    各wikiドキュメントに対して、ソースwikiアプリケーションのコンテンツへの既存のURLを、WebCenter Portalにインポートされる同じアーティファクトのURLに置き換えます。

  4. ExportImportData.xmlドキュメントを構築します。

    各ルート・フォルダに対して、エクスポート・セットのデータを記述し、インポートの実行に使用されるExportImportData.xmlドキュメントを構築します。

  5. アーカイブ・ファイルを構築します。

    wikiコンテンツをWebCenter Portalにインポートするために使用可能な操作済wikiコンテンツのアーカイブを作成します。

D.2.2.1 Wikiコンテンツの抽出と配置

ソース・アプリケーションのwikiドキュメントはファイル・システムの一時ディレクトリに抽出され、コンテンツがターゲットWebCenter Portalインスタンスにレイアウトされる方法をファイル・システムが模倣するように配置される必要があります。すべてのwikiドキュメントが単一ポータルにインポートされる場合、Content Serverの対応するポータル・フォルダのGUIDを使用して名付けられている単一のルート・フォルダの下にコンテンツのすべてが配置される必要があります。wikiドキュメントが複数のポータルにインポートされる場合、Content Serverの対応するフォルダのGUIDを使用して名付けられている複数のルート・フォルダの下にコンテンツが配置される必要があります。Content Serverにおけるポータル・フォルダのGUIDの決定の詳細は、「WikiコンテンツのインポートのためのWebCenter Portalの準備」を参照してください。

ファイル・システムにwikiコンテンツを配置する場合は、そのコンテンツのWebCenter Portalでの使用方法を考慮する必要があることに注意してください。例:

  • wikiページが作成される場合は、wikiページのwikiドキュメントが同じ名前のフォルダの下にある必要があります。wikiページの詳細は、「WikiドキュメントおよびWikiページの理解」を参照してください。

  • フォルダに多数のコンテンツが含まれている場合は、そのフォルダのコンテンツのレンダリングに障害が発生する可能性があります。

  • Content Serverには、フォルダ数とフォルダ内に格納可能なファイル数を制限する2つの設定があります(「仮想フォルダ当たりの最大フォルダ数」および「仮想フォルダ当たりの最大コンテンツ数」)。wikiコンテンツを配置する場合は、フォルダ制限設定より多くのフォルダおよびドキュメント制限設定より多くのドキュメントがフォルダにないことを確認してください。

抽出したwikiコンテンツを作成するには、次のタスクを実行します。

  1. wikiドキュメントをインポートする先の各ポータルのルート・フォルダを作成し、Content Serverの対応するポータル・フォルダのGUIDに基づいてフォルダに名前を付けます。

  2. インポート後に、wikiページがWebCenter Portalで作成されるwikiドキュメントに対して行う操作は次のとおりです。

    1. wikiドキュメントと同じ名前を持つwikiフォルダを作成します。

    2. このフォルダにwikiドキュメントを配置します。

    3. 必要に応じて、このフォルダに他のドキュメントを配置します。

    4. 関連するイメージおよび/またはドキュメントがある場合は、同様にそれらのドキュメントをこのwikiフォルダに追加します。

  3. 他のwikiドキュメントについて、ドキュメントを含めるフォルダ階層を作成します。

例:

Content ServerのPortal S1のフォルダには、21SD15F13B8_141D_421B_AD0e_BC54B6F16893のGUIDがあります。インポート後に、MarketingWikiおよびTradeshows wikiページが作成され、これらのwikiページにMarketingWiki.htmおよびTradeshows.htm wikiドキュメントが表示される必要があります。

抽出されたwikiドキュメントおよびアーティファクトの整理された構造を次に示します。

21SD15F13B8_141D_421B_AD0e_BC54B6F16893 (Root portal folder)
    Home.htm (Wiki document)
    MarketingWiki (Folder)
        MarketingWiki.htm (Wiki document)
    Branding (Folder)
        Presentation Dates.htm (Wiki document)
        Presentations (Folder)
    ProductBranding.pptx (File)
        ProjectedDesigns.pptx (File)
    Tradeshows (Folder)
        TradeShows.htm (Wiki document)
    Images (Folder)
        Image.jpg (Image)

D.2.2.2 WikiドキュメントのソースHTMLのクリーンアップ

WebCenter Portalで、wikiページが編集されるときにwikiエディタでHTMLタグが削除されます。したがって、インポート後にwikiドキュメントを編集する場合に削除されるタグの混乱を回避するために、WebCenter Portalにインポートする前に、wikiドキュメントでHTMLタグを削除することをお薦めします。次のタグは安全に削除することができます。

<html>, </html>
<head>, </head>
<meta>, </meta>
<title>, </title>
<body>, </body>
<tbody>, </tbody>
<thead>, </thead>
<tfoot>, </tfoot>
<script>, </script>
<link>, </link>

D.2.2.3 URLのリライト

ソースwikiアプリケーションのWikiページには、組込みイメージまたは他のwikiページやドキュメントへのリンクなど、ソースwikiアプリケーション内のアーティファクトを参照するURLが含まれる場合があります。これらのアーティファクトは、ターゲットWebCenter Portalインスタンスに移行され、これらのリンクは、ターゲットWebCenter Portalインスタンスの新しいアーティファクトの場所を参照するために更新される必要があります。

抽出されたwikiページの次のタイプのURLは、WebCenter Portalの同じアーティファクトのURLを参照するために変更される必要があります。

  • 他のWikiページへのリンク

  • 組込みイメージへのリンク

  • ドキュメントへのリンク

次の手順に従って、wikiドキュメントのURLをリライトします。

  1. 手順3のURLの置換で使用されるターゲットWebCenter Portalインスタンスの属性を定義します。
    • WC_BASE_URL: WebCenterインスタンス・ベースURL

      例: WC_BASE_URL=https://webcenter.example.com

    • UCM_ID: Content ServerへのWebCenter Portalの接続の名前

      例: UCM_ID=dev_ucm

    • SPACE_GUID: コンテンツが存在するWebCenter PortalのポータルのGUID

      例: SPACE_GUID=s21sd15f13b8_141d_421b_ad0e_bc54b6f16893

      GUIDの決定の詳細は、「WikiコンテンツのインポートのためのWebCenter Portalの準備」を参照してください。

  2. 各コンテンツ・アイテムについて、手順3のURLの置換で使用されるアイテムの属性を定義します。
    • FILE_NAME: コンテンツ・アイテムのファイル名

      例: FILE_NAME=Home.htm

    • FILE_ID: 一意のContent ServerのコンテンツID

      例: MARKETINGPORTAL1001

    FILE_IDは、Content Serverインスタンス全体で一意である必要があることに注意してください。推奨値は、一意の番号が後に付加された(名前にポータルのない)wikiドキュメントがインポートされるポータルの名前です(前述の例では、ポータル名はMarketing Portal)。

  3. 次のように、定義された属性を使用してURLをリライトします。

    組込みイメージ

    • 新しいURLの形式:

      IMG_REPLACE=img alt="FILE_NAME" resourceid="UCM_ID#dDocName:FILE_ID" src="WC_BASE_URL/webcenter/content/conn/UCM_ID/uuid/dDocName%3aFILE_ID"

    • 例:

      • ソースURL:

        <img alt="image.jpg" src="images/image.jpg">

      • WebCenterのURL:

        <img alt="image.jpg" resourceid="dev-ucm#dDocName:WSIMPORT4" src="http://webcenter.example.com/webcenter/content/conn/dev-ucm/uuid/dDocName%3aWSIMPORT4">

    Wikiページ

    • 新しいURLの形式:

      URL_REPLACE=WC_BASE_URL/webcenter/faces/owResource.jspx?z=oracle.webcenter.doclib%21SPACE_GUID%21UCM_ID%2523dDocName%253AFILE_ID%21%21FILE_NAME

    • 例:

      • ソースURL:

        <a href="Home.htm">Home</a>

      • WebCenterのURL:

        <a href="http://webcenter.example.com/webcenter/faces/owResource.jspx?z=oracle.webcenter.doclib%21sd15f13b8_141d_421b_ad0e_bc54b6f16893%21dev-ucm%2523dDocName%253AWSIMPORT25%21%21Home.htm>Home</a>

    ドキュメントへのリンク

    • 新しいURLの形式:

      DOCUMENT_REPLACE=WC_BASE_URL/webcenter/content/conn/UCM_ID/uuid/dDocName%3aFILE_ID

    • 例:

      • ソースURL:

        <a href="MarketingWiki/Presentations/ProductBranding.pptx"> Download Product Branding Presentation</a>

      • WebCenterのURL:

        <a href="http://webcenter.example.com/webcenter/content/dev-ucm/uuid/dDocName%3aWSIMPORT7"> Download Product Branding Presentation</a>

D.2.2.4 ExportImportData.xmlドキュメントの構築

インポートされるコンテンツを含む各ルート・フォルダで、ExportImportData.xmlドキュメントを作成する必要があります。ExportImportData.xmlドキュメントは、ルート・フォルダのコンテンツを記述し、ドキュメント移行ユーティリティを使用してWebCenter Portalにコンテンツをインポートする際にインポートを実行するために使用されます。

インポート時にドキュメントとともに作成されるメタデータは、ExportImportData.xmlドキュメントで指定する必要があります。WebCenter Portalでは、wikiドキュメントはHTMLドキュメントとして格納されますが、通常のHTMLドキュメントではなくwikiドキュメントとして識別するための追加のメタデータを持ちます。ExportImportData.xmlドキュメントが、抽出されたコンテンツのすべてのwikiドキュメントに対してこのメタデータを指定していることを確認してください。wikiドキュメントに必要なメタデータの詳細は、「WikiドキュメントおよびWikiページの理解」を参照してください。

注意:

コンテンツID (dDocName)は、ドキュメントが指定されずにチェックインされるときに、Content Serverによって自動的に生成されます。ドキュメントのコンテンツIDを固定する場合は、ExportImportData.xmlドキュメントにドキュメント・メタデータとともにdDocNameメタデータを含めてください。dDocNameは、Content Server全体で一意である必要があります。そうでない場合、ドキュメントのチェックインは失敗します。コンテンツIDに独自の接頭辞を選択し、末尾に番号を順次追加することをお薦めします。

ExportImportData.xmlドキュメントは、ルート・フォルダごとに手動で生成できます。または、カスタム・スクリプトを記述して、ルート・フォルダのコンテンツを通過し、ドキュメントを生成することができます。

ファイル・システムのコンテンツの構造が、ExportImportData.xmlドキュメントで正しく詳述されている必要があります。ExportImportData.xmlドキュメントとファイル・システムで記述されるコンテンツの階層間で不一致がある場合、ターゲットContent Serverのポータル・フォルダへのインポートは失敗します。

ExportImportData.xmlドキュメントのXSDを次に示します。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<xs:schema xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">
 
<xs:element name="groupspace-folder" type="FolderType" />
 
  <!-- 'folders' must contain 1 or more 'folder' child elements -->
  <xs:complexType name="FoldersType">
    <xs:sequence>
      <xs:element name="folder" type="FolderType" 
                  minOccurs="1" maxOccurs="unbounded" />
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
 
  <!-- 'documents' must contain 1 or more 'document' elements -->
  <xs:complexType name="DocumentsType">
    <xs:sequence>
      <xs:element name="document" type="DocumentType" 
                  minOccurs="1" maxOccurs="unbounded" />
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
 
  <!-- 'attributes' must have 1 or more 'attribute' child elements -->
  <xs:complexType name="AttributesType">
    <xs:sequence>
      <xs:element name="attribute" type="AttributeType" 
                  minOccurs="1" maxOccurs="unbounded"/>
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
 
  <!-- 'folder' has to have 1 and only 1 'attributes' child element
       0 or 1 'folders' child element, 0 or 1 'documents' child element -->
  <xs:complexType name="FolderType">
    <xs:sequence>
      <xs:element name="attributes" type="AttributesType" 
                  minOccurs="1" maxOccurs="1" />
      <xs:element name="folders"    type="FoldersType"    
                  minOccurs="0" maxOccurs="1" />
      <xs:element name="documents"  type="DocumentsType"  
                  minOccurs="0" maxOccurs="1" />
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
 
  <!-- 'document' has to have : 1 and only 1 'attributes' child element
       and nothing else -->
  <xs:complexType name="DocumentType">
    <xs:sequence>
      <xs:element name="attributes" type="AttributesType"  
                  minOccurs="1" maxOccurs="1" />
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
 
  <!-- 'attribute' element has to have a 'name' and 'value' attributes -->
  <xs:complexType name="AttributeType">
    <xs:attribute name="name"  type="xs:string" use="required" />
    <xs:attribute name="value" type="xs:string" use="required" />
  </xs:complexType>
 
</xs:schema>

ここで:

  • <groupspace-folder>は、ポータルまたはポータル・テンプレート・フォルダを表すルート・タグです。

    このタグには<attributes>タグが含まれ、ルート・フォルダおよびエクスポート・データに関する属性数が含まれます。これらの属性は情報のみを目的としているため、インポートでは使用されません。

  • <attributes>は、ドキュメントまたはフォルダのすべての属性をグループ化するために使用されます。

    このタグには、1つ以上の<attribute>タグが含まれる必要があります。他の子タグは許可されません。

  • <attribute>には、フォルダまたはドキュメントのメタデータが含まれます。

    このタグには次の2つの属性があります。

    • name: Content Serverメタデータ名

    • value: メタデータの値

    子タグは許可されません。

  • <folders>は、現在のフォルダのすべてのフォルダをグループ化するために使用されます

    このタグには、1つ以上の<folder>タグが含まれる必要があります。他の子タグは許可されません。

  • <folder>は、子フォルダを示すために使用されます。

    このタグには、<attributes>タグが必要です。フォルダに子フォルダがある場合は、<folders>タグがあります。フォルダに子ドキュメントがある場合は、<documents>タグがあります。

  • <documents>は、現在のフォルダのすべてのドキュメントをグループ化するために使用されます。

    このタグには、1つ以上の<document>タグが含まれる必要があります。他の子タグは許可されません。

  • <document>は、現在のフォルダのすべてのドキュメントを示すために使用されます。

    このタグには、<attributes>タグが必要です。他の子タグは許可されません。

次の注釈付きの例は、FrameworkFoldersがフォルダ・サービスとして使用される場合の、部分的に完了したExportImportData.xmlドキュメントを示します。例には、実際のExportImportData.xmlドキュメントでは存在しない空行とXMLコメントが含まれていることに注意してください。

<groupspace-folder>
		  <attributes>
    <!-- Contains a set of attributes of the main portal folder -->
    <attribute name="export-date" value="2011-07-22 13:02:29"/>
  </attributes>

  <folders><!-- only present if the portal contains any child folders -->
    <folder><!-- a 'folder' tag exists for each child folder -->
      <attributes>
        <!-- contains the set of folder attributes, examples below -->
        <attribute value="F1" name="fFolderName"/>
      </attributes>
    <!-- a 'folder' tag will contain the 'folders' tag if this folder contains child folders, i.e. if 'F1' has child folders -->
      <folders>
        <folder>
        <!-- attribute tags, child folders, child documents etc -->
        </folder>
      </folders>
      <!-- closing tag for all the folders in the current folder-->
      <!-- a 'folder' tag will contain the 'documents' tag if this folder contains documents, i.e. if 'F1' has documents at its root -->
     <documents>
      <document>
     <!-- attributes tags, see below -->
     </document>
    </documents><!-- closing tag for all the documents in the current folder -->
    </folder>
    <!-- closing tag for folder 'F1' -->
  </folders>
  <!-- closing tag for all the folders in the portal root -->
  <documents>
  <!-- only present if the folder contains any documents in the root folder -->
    <document>
    <!-- a 'document' tag exists for each document in the folder -->
      <attributes>
      <!-- contains the set of document attributes, examples below -->
        <attribute name="dDocTitle" value="Doc1"/>
        <attribute value="0" name="fInhibitPropagation"/>
      </attributes>
    </document>
    <!-- closing tag for document 'Doc1' -->
  </documents>
  <!-- closing tag for all the documents in the portal root -->
</groupspace-folder>

この例では、convert_programという名前のカスタム・スクリプトが、21SD15F13B8_141D_421B_AD0e_BC54B6F16893というルート・フォルダを通過して、フォルダのコンテンツを詳述している現在作業中のディレクトリにExportImportData.xmlドキュメントを作成します。

cd 21SD15F13B8_141D_421B_AD0e_BC54B6F16893
run convert_program

D.2.2.5 アーカイブ・ファイルの構築

ルート・ポータル・フォルダを圧縮することにより、抽出され、操作されたwikiドキュメントのアーカイブを作成します。圧縮されたアーカイブは、ルート・フォルダのコンテンツだけではなく、アーカイブ内にルート・フォルダを持っている必要があります。1つの圧縮ファイルには、様々なポータル用に複数のルート・フォルダを含むことができます。またはルート・フォルダごとに1つの圧縮ファイルを作成できます。

例:

次の例で、wikiドキュメントは、フォルダ/scratch/wikiexports21SD15F13B8_141D_421B_AD0e_BC54B6F16893というフォルダで抽出および操作されており、作成するアーカイブは、wsimport.zipです。

cd /scratch/wikiexports
zip –r wcimport.zip 21SD15F13B8_141D_421B_AD0e_BC54B6F16893/

注意:

一部の圧縮ツールがアーカイブを上書きするのではなく、すでに存在している場合、指定されたアーカイブにコンテンツを追加するため、フォルダ・コンテンツを圧縮する前に、アーカイブが存在していないことを確認してください。

D.2.3 ドキュメント移行ユーティリティを使用したターゲット・ポータルへのアーカイブのインポート

ターゲットContent Serverにコンテンツをインポートするには、前の手順で生成されたアーカイブを指定して、ドキュメント移行ユーティリティを実行します。

WebCenter Portalにログインして、コンテンツがインポートされたポータルに移動して、コンテンツが存在することを確認します。

D.2.3.1 ドキュメント移行ユーティリティの実行に必要なプロパティ

表D-1に、ドキュメント移行ユーティリティの実行に必要なプロパティを示します。ユーティリティの実行方法の詳細は、「ドキュメント移行ユーティリティを使用したコンテンツの移行」を参照してください。

表D-1 ドキュメント移行プロパティ

プロパティ 説明 要件

Usage

コンテンツをファイルにインポートまたはエクスポートするかどうかを指定します。オプションはimportおよびexportです

エクスポートおよびインポート

MDSConn

MDS JDBC接続を次の形式で指定します。

jdbc:oracle:thin:@host:port:SIDまたは

jdbc:oracle:thin:@host:port/ServiceName

エクスポート

MDSUser

WebCenter Portalで使用されるMDSユーザー名を指定します。

エクスポート

MDSPwd

MDSユーザーのパスワードを指定します。パスワードのプロンプトを表示させないためにのみこれを含めます。

エクスポート

ExportScopes

各ポータル/ポータル・テンプレートの内部名をエクスポートするコンテンツとともに指定します。複数のポータル/テンプレート名をカンマで区切ります。ポータル・テンプレート名の先頭にspacetemplate/<template_internal_name>を付けます。カンマ区切りリストにスペースがないことを確認します。

「ポータルについて」および「ポータル・テンプレートについて」ダイアログから内部名を取得できます。ここに表示名は入力しないでください。

エクスポート

UCMConn

Content Server URLを次の形式で指定します: idc://host:intradocPort

usage=exportの場合、コンテンツのエクスポート元からContent ServerインスタンスのURLを指定します。

usage=importの場合、コンテンツのインポート先へContent ServerインスタンスのURLを指定します。

エクスポートおよびインポート

UCMUser

RIDCからの接続に使用されるContent Serverユーザー名を指定します。このユーザーには、エクスポートまたはインポートを実行するための十分な権限が必要です。つまり、外部アイデンティティ・ストアに定義されているユーザーまたはContent Server管理者sysadminである必要があります。

エクスポートおよびインポート

UCMPwd

Content Serverユーザーのパスワードを指定します。パスワードのプロンプトを表示させないためにのみこれを含めます。

エクスポートおよびインポート

UCMSpacesRoot

WebCenter Portalコンテンツが格納されているルート・フォルダを示します。値は、/foldernameとして設定できます。

エクスポートおよびインポート

TmpDirPath

オプション。データ抽出の一時的な場所。指定されない場合、デフォルトはシステムのtmpディレクトリです。

エクスポートおよびインポート

ArchivePath

ドキュメント・アーカイブの場所。

エクスポートおよびインポート

ArchiveName

オプション。ドキュメント・アーカイブの名前(.zip)。デフォルトはdocsexport.zipです。

エクスポートおよびインポート

D.2.3.2 ドキュメント移行ユーティリティを使用したコンテンツの移行

ドキュメント移行ユーティリティを使用した次の方法のいずれかを使用して、コンテンツを移行できます。

D.2.3.2.1 プロパティ・ファイルでのドキュメント移行プロパティの指定

  1. エクスポート/インポートに必要なすべてのプロパティを含むプロパティ・ファイルを作成します。すべてのプロパティの説明は、表D-1を参照してください。

    1. 次のプロパティ・ファイルをメモ帳または別の適切なテキスト・エディタにコピーして貼り付け、環境に応じて編集します。

      # Document migration properties.
      
      # Specify whether you want to export content to a file or 
      # import content from an archive to another content repository
      # valid values: export | import
      Usage=export
      
      # Specify connection details for Oracle WebCenter Content repository:
      #   UCMConn - Content Server URL. Format: idc://host:intradocPort
      #   UCMUser - Content Server user name used to connect through RIDC
      #   UCMPwd  - Password for UCMUser. Only include to avoid password prompt
      #   UCMSpacesRoot - Root folder where WebCenter Portal content is stored. 
          Format: /foldername
      # Required for: Export and Import
      
      UCMConn=idc://mycontentserver.mycompany.com:9444
      UCMUser=<enter Content Server admin user name here>
      #UCMPwd=<enter password for UCMUser here>
      #UCMSpacesRoot=/portalrootfolder
      
      # Specify a temp directory and name/location for the export archive
      #   TmpDirPath  -Optional. Temporary location for data extraction. 
      #                If not specified, defaults to the system temporary directory.
      #   ArchiveName -Optional. Name for the document archive (.zip). 
      #                Default is docsexport.zip.
      #   ArchivePath -Document archive location
      # Required for: Export and Import
      
      TmpDirPath=/scratch/user1/migrateMyPortalDocs/tmpdir
      ArchivePath=/scratch/user1/migrateMyPortalDocs/output
      ArchiveName=myportaldocs.zip
      
      # Specify MDS details (export only)
      #   MDSConn - MDS JDBC connection. Format:
      #                jdbc:oracle:thin:@host:port:SID   or
      #                jdbc:oracle:thin:@host:port/ServiceName
      #   MDSUser - MDS schema user name used by the WebCenter Portal application
      #   MDSPwd = Password for MDSUser. Only include to avoid password prompt
      # Required for: Export
      
      MDSConn=jdbc:oracle:thin:@mymdshost.mycompany.com:1521:wkcdb01
      MDSUser=<enter MDS user name here>
      #MDSPwd=<enter password for MDSUser here>
      
      # Specify target portal for export or import.
      # Seperate multiple portal/template names with a comma. 
      # Use internal names only. Do not enter display names.
      # Obtain internal names from "About Portal" and "About Portal Template" dialogs.
      # Prefix portal template names with 'spacetemplate/<template_internal_name>'
      # as indicated in the example.
      # Required for: Export
      
      ExportScopes=MyPortal1,MyPortal2,spacetemplate/MyPortalTemplate
      
    2. ファイルを保存します。たとえば、myMigrationProperties.propertiesとして保存します。

  2. ドキュメント移行ユーティリティcontent-migration-tool.jarがあるWCP_ORACLE_HOME/webcenter/archivesディレクトリに移動します。

  3. 絶対パスをコマンド行上のドキュメント移行プロパティ・ファイルに指定することにより、ドキュメント移行ユーティリティを実行します。

    java -jar content-migration-tool.jar <absolute_path_to_migrationPropertiesFilename>
    

    例:

    java -jar content-migration-tool.jar /home/user1/myMigrationProperties.properties
    

    オプションで、「追加のログを指定したドキュメント移行ユーティリティの実行」の説明に従って、java.util.logging.config.fileパラメータを使用したログ設定を指定します。

D.2.3.2.2 コマンド行でのドキュメント移行プロパティの指定

  1. ドキュメント移行ユーティリティcontent-migration-tool.jarがあるWCP_ORACLE_HOME/webcenter/archivesディレクトリに移動します。
  2. コマンド行上で個々のプロパティを指定することにより、ドキュメント移行ユーティリティを実行します。

    コンテンツをエクスポートするには:

    java -jar content-migration.jar Usage UCMConn UCMUser TmpDirPath ArchivePath ArchiveName MDSConn MDSUser ExportScopes [UCMPwd MDSPwd] UCMSpacesRoot 
    

    コンテンツをインポートするには:

    java -jar content-migration.jar Usage UCMConn UCMUser TmpDirPath ArchvePath ArchiveName [UCMPwd] UCMSpacesRoot 
    

    注意: オプションで、コマンド行上で、UCMPwdおよびMDSPwdパラメータを指定できます。指定しない場合は、これらを指定するよう求められます。

    オプションで、「追加のログを指定したドキュメント移行ユーティリティの実行」の説明に従って、java.util.logging.config.fileパラメータを使用したログ設定を指定します。

D.2.3.2.3 求められた場合のコマンド行でのドキュメント移行プロパティの指定
  1. ドキュメント移行ユーティリティcontent-migration-tool.jarがあるWCP_ORACLE_HOME/webcenter/archivesディレクトリに移動します。
  2. 求められた場合はコマンド行上でプロパティを指定することにより、ドキュメント移行ユーティリティを実行します。
    java -jar content-migration.jar
    

    オプションで、「追加のログを指定したドキュメント移行ユーティリティの実行」の説明に従って、java.util.logging.config.fileパラメータを使用したログ設定を指定します。

D.2.3.3 追加のログを指定したドキュメント移行ユーティリティの実行

次のようにオプションでjava.util.logging.config.fileパラメータを使用し、追加のログを指定してドキュメント移行ユーティリティを実行できます。

java -Djava.util.logging.config.file=<absolute_path_to_logging_properties_file> -jar content-migration-tool.jar <migrationProperties>

注意: java.util.logging.config.fileパラメータは、javaコマンドの直後、-jarの前に指定する必要があります。

logging_properties_fileに次のような設定が含まれます。

handlers=java.util.logging.ConsoleHandler.level=INFO
java.util.logging.ConsoleHandler.level=FINER
java.util.logging.ConsoleHandler.formatter=java.util.logging.SimpleFormatter
oracle.webcenter.doclib.level=INFO

D.2.4 WebCenter Content Serverのコンテンツに対するWebCenter PortalのWikiページの作成

WebCenter Portal wikiページを使用して、インポートされたwikiを表示するには、次の手順を実行します。

  1. WebCenter Portalにログインします。
  2. コンテンツがアップロードされているポータルを検索します。
  3. 「ページおよびポータルのアクション」メニューから「ページの作成」を選択します。
  4. 「Wiki」ページ・スタイルを選択します。
  5. 「タイトル」フィールドで、wikiドキュメントの名前を入力し、「作成」をクリックします。

    wikiページの名前がWebCenter Portalのポータル・フォルダのフォルダ名と一致している必要があることに注意してください。このフォルダには同じ名前のwikiページが含まれています。

    たとえば、ポータル・フォルダに、MarketingWikiフォルダとMarketingWiki.htmドキュメントがある場合、wikiページの名前は、MarketingWikiである必要があります。

    wikiページの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築』のポータルでのWikiの有効化に関する項を参照してください。